第4研究室 創作に関するQ&A 401P | トップへ戻る |
桜木谷さんからの質問
 読者を意識するとは?
 
 大分久しぶりに書き込みをさせて頂きます。

 挨拶もそこそこに本題に入らせて頂きますが、
 よく新人賞の批評などで目にする「もっと読者の目を意識して」っていうくだりですが、
 実際に読者の目を意識するってどういう事を言うのだと皆さんお考えですか?

 ラノベだったら分かりやすい言葉を使う、とか物語の緩急を読者の興奮に合わせて
 (上手く興奮状態で読み進められるように)書く、とかなのでしょうか?


●答え●

みずさんからの意見
 こんばんわ。みずと申します。

>「もっと読者の目を意識して」

 というのは、単純に
 「独りよがりにならないように」という意味だと思います。
 言ってしまえば
 
 「内容が読者に伝わっていません。読み手が理解できるように書きましょう」となるでしょうか。

 ですので、改善すべき点は作品によって、

 言葉の使い方、ストーリーの展開であったり、
 設定の説明であったりと、さまざまになると思います。



蒼響さんからの意見
 劫火舞う場所で物書きしてます、蒼響です。

 「読者を意識」って、前の人も申しておりましたが、独りよがりの作品から脱することでしょうか。

 最近読んだハウツー本から引用すると、

 難解な比喩や、視点移動の多用、主人公が分からない、
 現在と過去を行ったり来たりする(回想が多い)などを避け、
 読者に読みやすい設計のことです。

 もしもあなたが新人賞狙いならば
 「視点を固定する」「回想を可能な限りなくす」を心がけてみては?
 あとは誰の発言か分かるような言い回しを意識するといいです。

 素人意見ですが、ご容赦を。


みつきさんからの意見
 桜木谷さま、こんにちは。

 読者の目を意識する。
 私はそのものズバリ、読者さんが自分の目の前にいて、
 右肩を紐で綴じた応募原稿を読んでいるシーンを常に頭の中に置いています。
 老若男女問わず、何人も。

 
 でも、出来れば女の子に喜んで読んでもらえる小説を書きたいと思っているので、
 孫ギャル系から上品文芸部系、女子大生や若い主婦さん、
 働く若い女性なんかを常連さん的にイメージすることが多いですね。
 で、イメージの中のそれぞれの読み手さんにあれこれダメ出しをしてもらって、
 ついでにご意見ご要望を伺います。
  なんでそんな風にしているかというと、他者の目を借りて自分の作品を見てみれば、

 文章の分かりづらいところ、描写が足りないところ、逆に書きすぎているところ、
 展開がダレているところ、説明不足で意味不明になっているところ、
 つまらないところ、面白いところ、必要なキャラ、不必要なキャラ、要らない展開、
 入れて欲しい展開 、その先に期待するもの等々があっさり見つかるからなんですよね。


 それが私にとっての『読者の目を意識する』なわけです。

 創作する人間とって、イメージ力は命と同じ。
 自分の中に書き手の自分と読み手の自分をきちんと建て。
 分けて存在させるのなんてのは普通にやっちゃってて、
 ついでに『他人の目』もイメージ力を駆使して取り入れちゃおう、
 リアリティ溢れるキャラクターを作る技術もそこで一緒に鍛えるぞ、
 みたいな一石二鳥を狙ったりとかしているわけです。

 ……とまあ、あくまでこれは私のやり方ってことで。
 でも、頭の中のイメージは所詮自分の分身ですから、
 客観性を常に持つために折に触れてイメージを修正していかなければならないので、
 日頃から実際の生身のコミュニケーション重視、
 時々は実在する様々なタイプの友人知人に実際に原稿を読んでもらって、
 その様子をつぶさに観察、ご意見ご感想を傾聴しております。
 
 よく、自分の小説を読んでもらっている間中、ずっと下を向いていたりして、
 読み手の観察をまったくしようとしない人がいますが、
 生の反応をリサーチする格好の機会を本当に無駄にしてしまっているなあと思いますね。


 と、これは思いっきり蛇足ですが(^^;。

 それではこれにて。


tikuさんからの意見
 桜木谷さん、はじめまして。
 tikuと申します。

 「もっと読者の目を意識して」というのはどういう事をいうのか、という質問ですが、
 私も、みずさん、蒼響さんと同じように「独りよがりにならないように」という意味 だと思います。

 外国の小説を読まれるときによく「○○に捧げる」というような文章を見かけることがあるかと思います。
 その理由が、私はずっとわからなかったのですが、スティーブ ン・キング氏が『小説作法』の中で、
 
 「作家は読者を忘れ物語に没頭していた自分を恥じて、冒頭にあのような文章を書くのだ」

 というようなことをたしか書かれていま した。
 キング氏のような大家でさえ、そう思うのですから、批評者が新人に向かって、
 再三、「もっと読者の目を意識して」と注意するのはもっともな事かと思います。

 ご参考になれば幸いです。それでは失礼します。


東堂心さんからの意見
 こんばんは。
 『読者を意識する』ですか……。

 では一つこんな言葉を書いてみましょう。
 
 『作家とは一人の役者であり裏方であり、そして舞台を見る観客でもある』
 

 私の場合はとにかく読んで楽しいと思える作品を心がけています。
 他者を思いやり、多面的に自分の作品を見て書き綴る。
 言うより遙か難しい事だと理解出来たのはいつだろか。
 
 昔言われた言葉です。何せ作品は舞台ですからね。あなた一人のモノでは無いんですよ。と
 
 グダグダな駄文失礼しました。


連夏さんからの意見
 こんばんわ。
 読者の目を意識することとはどういうことかですか。

 私は読者が得ている情報と伝えたい情報に気を配ることではないかと思います。

 例えば、作者はキャラクターの背景などの様々な裏情報を知っているわけですが、
 読者はそれを知りません。


 キャラクターが裏事情に沿って行動する場合、読者は突然の行動に驚きや違和感を覚えます。
 これは、意図的にやれば注意を惹く方法にもなりますが、
 作者が説明した気になっていると、読者には説明されないまま物語が終了してしまいます。
 私はこのように読者を置いて行かないよう気を配ることが、読者を意識することだと思います。

 以上、参考になれば幸いです。


サイラスさんからの意見
 2005年ごろのスニーカーの大賞発表時は、エンターテイメント性(読者を楽しませる)が足りない、
 というのを見たのですが、そのことを意識しなかった僕の経験をお話します。
 
 それは、こんなネタを書きたいという衝動だけで、
 そこから先を考えなかった作品を友達に見せた時です。

 
 この時の僕(ここに来る前です)は大馬鹿で、趣味、ひどく言えば、
 自慰的に書いたものがどれくらいの力があるか知るために見せたことがあります。
 最初は、面白かったといってくれたのですが、
 作品を重ねるうちに、友達の反応が薄くなっていきました。
 
 今考えると当たり前です。
 自分の衝動だけ書いた作品は作者の脳内である程度補完できますが、
 第3者から見たら穴だらけなのですから……
 
 つまり、衝動だけでなく、読者にこうやったら受け入れるだろうということを考えることだと思います。

 では。


黒尻尾の駄猫さんからの意見
 通りすがりの野良猫です。
 オイラは昔、そういうことをテーマに数分程度の簡単な抗議をしたことがあります。
(相手もアマチュアですよ)。
 当事は若造の癖に生意気だったと今は恥じ入るばかりですが、
 しかし、今も全然中身が変わってない。恥ずかしい猫なのです。

 まあ、他の方も言われているとおり「解りやすい文章」は大事です。


 でも、論文の話じゃないですよね?

 論文は解り易い方が良いに決まってますが、
 学ぶ気のある人間は多少わからなくても自分で調べて理解しようと努力してくれます。

 でも、今回お書きになりたいのは小説です。
 しかも、ティーンやヤングアダルト向けのエンタメです。

 長い解説が続けば飽きてきます。
 シリアスな場面の後では少し気分を変えて軽いテンポになった方がメリハリがでます。

 笑わせたいシーンでは流れを作ってポンポンとリズムよくお話が展開した方がよく、
 時々、あえてリズムを断ち切るようなアクセントをかけたり、
 急にシリアスにしたりすると読者は展開をダイナミックに感じて惹きこまれたりします。

 逆に泣かせるシーンでは極端な展開の変更は白けさせることが多く、
 よほど腕のある作家以外はやらないですね。

 章、シーン、カット、一文。言い方は何でもいいのですが、
 前後のバランスや流れを意識して物語を作ることはとても重要です。


 だって、なんだか難しそうな世界観の説明やらを延々つ付けられた後で、
 じっとりと重たいシリアスな場面に繋がって、更にそれがイライラさせるような言葉のやり取りのみで、
 ちっとも話が進んでいるように思えないような作品を読んでみたいですか?
(何かの我慢大会ですかね)

 読者に自分の話を面白く読んでもらうにはどういう順序でお話を展開するか、
 どのタイミングで情報を出したり、伏線を張ると、より読者が驚くだろうか……。

 そして狙った何割かがちゃんと効果を発揮して、
 読者が「これ、面白いね!」と声をかけてくれたなら、それ以上望むものなどオイラは考えられません。

 こんな、感じですがどうですか?

                        ではでは。


マイルドカフェオレ(仮)さんからの意見
 「もっと読者の目を意識して」と書いている本人ですら、何をして欲しいのか全然わかってない、
 ということには注意が必要です。冗談? いいえ。マジです。


 「もっと読者の目を意識して」っては、簡単に言えば

 お前が何を言っているのかわからん。

 ってことです。
 そもそも文意が取れない箇所が多すぎる。
 もしくは前後のシーンに矛盾がありすぎて読むに堪えない。

 大体の場合、プロットの構築法(正確には「アイデアの纏め方」に関する技法)を
 全然知らずにやっつけで 300ページ書いちゃったとか、日本語がおかしいとか、そういうのです。

 意外に「アイデアがありきたり」というのは無い。
 それ以前の前提条件、文章の構成とか、1行の書き方とか、
 そういうのがあまりにキチガイ過ぎる場合が殆どです。



咲さんからの意見
 MF原稿終わらねー!
 はい、こんばんは、はじめまして、咲(さく)です。

 読者の目を意識する、というのは何人かの方が仰っているように、
 「独り善がりにならないようにする」ということだと僕も思います。

 んで、独り善がりな作品というのが具体的にどんなものかと言えば、
 大きく分けて3通りあるんじゃないかと思います。
一つは、

 A 作品の文章・構成が分かりづらい。


 もう一つは、

 B 主人公及びメインキャラの読者との親和性が低い。 


 最後の一つは、

 C 作者の考えた設定語りに終始しており、物語に広がりがない。



 Aに関して言えば、マイルドカフェオレさんの回答に準じます。
 要するに、小説以前。論外という烙印を押されても仕方がないもの。
 なんたって、文章と構成は、本当に技術ですから。
 それができていない人は技術がないということですから、
 「読者の目を意識して」と言われる以前に、
 「文章・構成がなってない」と言われるのがオチだと思います。

 しかし、問題はBとCのパターンです。
 これら二つのパターンの場合、必ずしも論外だと言われることはないのです。
 「読者との親和性が低く」、「終始、作者の設定語り」になっているけれども! ――面白い。
 という評価がなされる場合が少なからず、あります。
 
 例を挙げるならば、角川スニーカー文庫、現ガガガ文庫の
 『されど罪人は竜と踊る』という作品は、B、Cパターンにおいて、
 審査員にかなり「独り善がり」だと評されましたが、
 作品自体の面白さがそれらを上回ってデビューにこぎつけた作品です。

 だから、結局は、文章・構成の部分が高水準にあれば、たとえ「独り善がり」であっても、
 作品自体が面白ければ、十分に新人賞なんかでは通用することもある、ということですな。


 んで、ここからBパターンと、Cパターンが具体的にどういうことなのか、
 つらつらと駄文を重ねていきます。
 興味ない場合はスルーしてください。

 Bパターン=主人公、及びメインキャラの読者との親和性が低い。

 これは、作品の主視点となりうるキャラ=主人公の価値観が、
 一般的なラノベ読者(健全な中高生)とはかけ離れている場合です。


 ただし、完全なファンタジーの場合は、 違っていて当たり前なので、特に問題はないでしょう。
(いや、まぁ、親しみやすい主人公にするのはある意味常套手段ですが)
 現代ファンタジー、あるいは伝奇的な作品の場合は、語り部たる主人公や、
 その他メインの登場キャラがみんな、超能力者だったりして、
 真っ当な一般人的要素を完全に有していないキャラしか登場しない作品には、
 このレッテルが貼られるようです。

 メインキャラ以上に、特に主人公を読者の等身大に近づける、
 というのは、ジャンルにもよりますが、とても大事なことです。

(いや、僕はそんなルール無視しますけどね!)

 Cパターン=作者の設定語りに終始しており、物語に拡がりがない。

 このパターンは、優先順位としては低いほうです。
 要するに、作者が考えた設定ありきのストーリー展開になってしまっている、ということです。
 
 微妙な例を挙げますが、
 たとえば、主人公が○○というトラウマを抱えていて、ヒロインが××というトラウマを抱えている。
 主人公が○○というトラウマを克服する上でのストーリーで、ヒロインを好きになり、
 ヒロインの××というトラウマを解消させることが、
 直接、主人公のトラウマの克服になっている場合、です。
 
 このとき、「ヒロインを好きになる」理由が、読み手に不明瞭だと、
 ストーリー展開のために、無理やり主人公はヒロインを好きになったのだと思われたりします。


 また、たとえば、バトルシーンにおいて。
 敵キャラ、あるいは味方・主人公が、超能力全開のバトルを繰り広げているとき、
 それら超能力の効果が、読者の想像を超える(悪い意味で)もので、
 読者の推測や推理が追いつかないものだと、
 読者を楽しませようという意識が低い=エンターテインメント性が低いと評されるようです。

 これはサジ加減が難しいです。特に、ミステリーというジャンルだと、
 読者が気付かないようにしつつ、気付くための伏線を用意しておかなければなりませんから。
 逆に 、キャラの超能力に伏線がいらない場合は、できるだけ分かり易く、
 なおかつ、適度に読者の想像力を刺激する、という難しい技法が必要となってきます。

 長文でかなり小難しいことを述べましたが、僕、個人としては、
 Aパターンをクリアできているならば、多少、独り善がりでもいいんじゃないかなぁ、と思います。


 もち ろん、独り善がりだけれども、エンターテインメント性をきちんと重視していることが前提ですが。
 新人以前のうちから売れ筋やらを意識する必要はないとは言いません 。
 が、やっぱり書き手としては自分の書きたいものを書く、
 というのが前提にあってこそだと思っていたり思っていなかったり。
 まぁ、そうは言っても、どんな手段を使ってでもデビューしたいって気持ちがあったりもするわけで。

 うん、まぁ、こんな感じで。
 駄文・乱文、失礼します。

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