第4研究室 創作に関するQ&A 409P | トップへ戻る |
Fさんからの質問
 推理モノで主人公が事件を調べ続ける理由
 
 どうも、皆様。Fです。
 コンビニでプリン買って、店員に「温めてください」って言ってみました。
 店員の戸惑いっぷりが最高でしたね。
 どうでもいい話はこの辺にして、質問させていただきます。

 推理モノを少し前から書いているのですが、
 探偵の役割である主人公が、事件に首を突っ込む理由で悩んでいます。
 序盤の方は好奇心で調べるという理由で通るかもしれませんが、
 中盤くらいまで来て自身に危険が及んだ時、
 それでも好奇心のみで捜査を続けるという人間は少ないでしょう。
 よほどの好奇心が無い限り、それは無理だと思うんです。
 主人公が事件の捜査を続ける、何か良い理由は無いでしょうか?
 主人公は一般人の未成年です。
 その辺りの事も考慮して、教えていただけると嬉しいです。宜しくお願いします。


●答え●

冬さんからの意見
 よくよく目にするのは

・主人公は「依頼」という形で事件の捜査を引き受けている。
 金とビジネスが絡むので引き下がれない。

 (条件的に、F様の物語には使えそうにないですが)

・主人公が事件から手を引きたくても引けない状況にある。

 いわゆるクローズドアイランド(クローズドサークルとも)というヤツでして、事件の解決が主人公を含め、
 その場にいる者達の身体ならびに精神的安全を確保する上で不可欠である。

 こちらはコナンとか金田一とかでよく見かけたパターンです。
 要するに主人公がしたくて捜査をしてる訳ではなく、事件を解決せざるを得ない状況にする。

 他には主人公の性格により使えたり使えなかったりですが、

・プライドの問題。
 ごく近しい人を殺されたり、正義感の強い主人公の前でむざむざと人が殺されたりする、
 などと言った苦い経験を経て主人公に火がつく。負けず嫌いとも言う。

・奇人型の主人公。
 自分の命より相手との対決や自分の好奇心を優先する、ある意味で好戦的。
 ほとんどの場合、正義感や義務感とは程遠い。

 ちょうどデスノートに出てくるLなんかが上の二つを足して割らないような性格でしたね。


 あまりありきたりで無いものを捜すのであれば、

 例えば事件の犯人は主人公の知り合いである少女Aで、
 少女Aは以前にも似たような事件を起こしていたが罪には問われなかったという過去がある。
 つまり主人公は最初から少女Aが犯人であることを知っているのですが、
 良く知った人物が犯人であるが故に自分自身にだけは危険が及ぶことは無いと確信しているため、
 比較的冷静に捜査を続けられる。

 この場合、主人公は自分に危害が及んだ時点で「アレ?おかしいな……」と思い始め、
 最終的にはまったく別な人が犯人だった――
 なんて感じに、推理ものにはつきものであるミスリードの手段としても使えます。

 とりあえず、質問の答えとしては

・動機がある
・性格がそうである
・状況的にそうせざるを得ない


 といった三つの要素が挙げられます。
 この内どれか一つでも物語に組み込めば捜査を続ける理由として成り立ちますので、
 F様ご自身の物語に合った無理のない展開でいけるものを考えることが大切です。


 ちなみにプリンはパッケージのままレンジで温めると、
 バクハツするので弱火にかけた鍋に張ったお湯でゆっくりと温めましょう。


世羅 悠一郎さんからの意見
 まぁ、一番簡単なのは、冬さんも仰っている奇人系です。
 それ以外というと……。

 やはり、「首を突っ込みたがる相棒」の存在ではないでしょうか。

 例えば、学園モノでよくある新聞部系キャラ。
 自然、いつも記事のネタを求めていて、事件を探して回ってる。
 それに、主人公が巻き込まれたり、面倒を見る形で加わり、その中で主人公が頭を働かせる場合とか。
 
 相棒系は使いやすいですね、
 主人公が面倒くさがりでも、相棒の面倒を見る大義名分で動かせるので。
 そんな訳で、途中からでもそうした相棒をくっ付けてやれば、理由になり易いのではないでしょうか?

 主人公が動かし辛いなら、動かしやすくする要素を他に求めるというのはアリだと思います。


かなTさんからの意見
1)そもそも、探偵小説の主人公が捜査を継続するのは「おやくそく」
 コナンしかり、金田一しかり、そういうものです。
 そういう「おやくそく」にまで合理的な根拠を求めようとするのは、現代リアリズムの悪いクセです。
 何でもかでも「矛盾している!」と詰問する読者諸君に僕は反問したい。
 「じゃあ、毎年、無矛盾的に老いていって、とうとう白骨化した磯野サザエとか見たいのか?」と。
 ……ちょっぴり見たいかも。


2)主人公が犯人

 警察の捜査を撹乱するために、あえて捜査に協力。この場合、危険は自作自演。


3)主人公がユダヤ教徒。
 復讐する神に従える者達は、それが例え他人の罪であろうとも罪を赦しません。
 目には目を、歯には歯を、血は血でもって購わせようと躍起になって事件を捜査するでしょう。
 決めゼリフは「ヤハウェの名にかけて!」


4)主人公がドM

 危険な目に遇えば遇うほど興奮します。決めゼリフは「見た目はドS。頭脳はドM」


5)主人公の存在のほうが危険

 例えば、ある人が道を歩いていて、横手の公園から蹴り損ねたサッカーボールが、
 その人の頭めがけてスッ飛んで来ていたとします。
 この状況下においてサッカーボールは危険物と見なされるでしょう。
 しかし、その時に同じくして背後からハンチング帽を目深に被ったガーゼマスクの中年男が、
 文化包丁を片手に踊り掛かってきていた場合、
 おそらく後者と比較して前者のサッカーボールの危険性は問題視されないでしょう。
 そんなふうに、どんな危険が身に迫ってこようが、その時、
 当の主人公のほうが更に危険なことをしでかしていれば、
 例えば派出所の前で威風堂堂のフリチンだったりしたら、他人が及ぼす危険なんか無いも同然です。
 決めゼリフは「エウレカー!」


水澄有希さんからの意見
 はじめまして。
 仮に温めたプリンが爆発を起こしたりしたら、責任の所在はどこに行くのでしょうか。

 ここはライトノベル作法研究所ですから、
 
 やはり重要なのは『恋愛感情』でしょう。

 美少年・美少女どちらでも構いません。
 誰かのために事件を解決するという熱い気持ちを持った主人公が、最初は好奇心だったけど、
 お前のために事件を解決したいんだっていうストーリーなら、ご飯三杯頂けますね。


naoyaさんからの意見
 naoyaです。こんにちは。
 それでは自分の思いつく限りで挙げてみたいと思います。

1・強制的に
 どこかに閉じ込められていて仕方なく。はたまた強引な友達にむりやり付き合わされる。
 そんな風に、やりたくなくてもやらされる、そんな事情。

2・義務
 主人公が警察だから。何か契約をしてしまったから。
 これは1と似ていますが、より強く「やらなければならない」という状況です。

3・守るため
 例えば恋人の命が危険にさらされていて事件を解決しなければ、うぎゃー。
 とか、自分があるはずのない疑いをかけられていて、
 このままでは牢屋で素敵なライフを送らなきゃいけなくなるぜ。みたいなやつ。
 つまり何かを守るために事件を解決しようとする。

4・主人公の思想

 主人公が「好奇心や正義感のためなら命なんて何個でも捨てられるぜ」みたいな糞人間味のないやつ。
 主人公が「危険だからこそ楽しいんじゃねぇか、へっへっへ」みたいな変態。
 事件が主人公の信じる宗教に反するものだった場合。
 要するに直接的な事件に関わる要因はないけど、でも主人公の想いで関わっていくパターン。

5・利害一致

 事件の危険度と、解決によって得られるものがつりあう時。
 正確に言えば3もこれに含まれるかも。

6・気がつけば

 「はっ、いつのまに事件に巻き込まれあひゃー」
 てな感じで気付いた時には後戻りできなくなっていた状況。

7・事件に首を突っ込むこと自体がトリック

 実は主人公は警察だった! 犯人だった! 脅されていた!
 活用法は色々あると思いますが、とにかく事件に首を突っ込むこと自体が、
 ある真相の伏線になっている。


むらいさんからの意見
 はじめまして。むらいさんと申します。
 前にコンビニでバイトしたことがあります。
 プリンは温め時間が書かれていないのでちょっと戸惑いそうですね。
 忙しければ何も考えずにレンジに放り込むかもしれませんが。

 えーっと、探偵役が首を突っ込む理由ですか?
 そんなものなんでもいいと思います。
 
 ちょっとした好奇心で首を突っ込んだものの危険が迫り、
 退路を絶たれるとかでもいいじゃありませんか。


 そもそも事件を探っていたら犯人と思しき人物に襲撃されたとなれば、そこで捜査をあきらめるより、
 犯人を見つけ出したほうが危機の去る確率は高いんですから、
 それほど気にすることでもないかと思いますよ。
 「これ以上事件に首を突っ込むな」とかいう脅迫状の場合はちょっと不自然ですが、
 主人公に危険が及ぶ場面としては襲撃よりインパクトが低い上に、
 今時脅迫状なんて足がつきやすい物をわざわざ寄越してくれる犯人のほうが不自然な気もします。

 探偵に危険が迫るという状況は「読者にハラハラドキドキ感を与える」という狙いのほかに
 「探偵の動機を強くする」というものも含まれているのです。
 気にせず書き続けるのがベストだと思います。

 それでは、執筆がんばってください。


言成嗣さんからの意見
 推理ものですか。
 江戸川乱歩は小学生の頃読んでた記憶がありますが、つまんねと思って以来読んでないです。
 二十面相が、百面相?とかなんかになったときに「はぁ?」と思ったことを覚えています。
 他はもう大抵忘れました。

 赤川次郎が好きなんですけれどね。あんまりふれられませんけれども。ラノベではないっぽいですし。

 今読んでる「復讐はワイングラスに浮かぶ」は、主人公は思いっきり巻き込まれ型で、
 なし崩しで行動しています。(いや全部読んでないですけれど)

 冷静に見れば、別に関わらなくて良いだろうとか、都合が良いなと思うんですけれど。

 なぜそう思わないかというと、五感に訴えるからではないかと思います。
 欲求に訴えるのです。間髪入れず。

 「ネタバレはいります」

 例えば睡眠欲。主人公に共感します。
 そして事件の発端にふれます。
 社会的な立場を守りたい。体面を繕いたいと思う欲求。
 そしてまた事件が進みます。
 食欲。
 また事件の話。
 性欲(異性への興味)
 また事件。


 こんな感じですよね。
 まあ……、面白いです。
 というか、最初の一文がひどい(すごすぎる)
 くらっとしました。まあこれは人に寄るでしょうけれど。
 
 なぜかこうすると、知的好奇心が刺激されます。事件について知りたくてたまらなくなるのです。
 主人公は、あくまで無関心というか、関わり合いになりたくないという感じなのにです。
 さっさと事件調べに行けやコラと思わせるのも有効なんじゃないでしょうか。

 何か参考にでもなれば。
 それでは。


黒尻尾の駄猫さんからの意見
 通りすがりの野良猫です。
 オイラなりに答えを残します。

 「このプリン温めてください」

 オイラが学生時代にバイトしていた頃、プリンではないのですが、
 200ミリの細長いパック牛乳を温めてくれというおじさんが常連でした。
 最初は「でも、このままじゃパックが破裂しますよ」とオイラが言うと
 「じゃあ、口をあけてくれていいよ」とおじさんが言うので、そのようにして15秒ほど暖めて渡しました。
 なので、オイラなら「では、プリンの容器が破裂する恐れがあるので、
 封を開けてから暖めてもよろしいですか?」とその時の経験を生かして応えるでしょう。
(そして「バーカ、冗談で言ってんだよ。死ね」とか答えが返ったきたら、
 「そうですよね〜」と笑顔を返しつつ『そのツラ忘れねぇ!』と心に誓うことでしょう)

 それはさておき、身の危険が迫った場合。
 つまり、相手に自分が関わっていることを知られ、かつ、どうやら今までの推理はそれほど誤っておらず、
 それを裏付ける意味でも狙われているという事です。
 それは既に深入りしすぎたことを意味し、今更手を引いても、
 相手が慎重であるのならいつかは殺されてしまうかもしれないということでもあります。
(慎重なヤツはヘタな事をしないという考え方もありますが、
 慎重ゆえに犯人自身の障害は完全に排除したいという考え方もあります。
 そして、世の中、都合のよい方向だけに動かない。
 少なくともオイラなら、数年経ちほとぼりが冷めても主人公のことは忘れないでしょうね。
 そしてもし好機が巡ったなら主人公をしとめます。
 だって、折角犯罪が上手くいっても何かの拍子に主人公が再調査とか仕出したら水の泡ですから)。

 そうではなく明確に「今手を引けば100%安全を保障する」
 という相手の意思が読み取れるという状況なら、以下の2つの理由が考えられます。

1.犯罪の主人公にとっての重要性

 つまり、正義感云々以前に主人公にとって看過できる犯罪であるのかどうかということ。
 始めは好奇心でも、事件の成り行き次第では、
 主人公の身近なものや大事なものに類が及ぶなら見過ごせません。
 主人公にとってもその犯罪は解決すべき問題となります。

2.主人公に意見できる立場の人間の意見

 主人公も狙われたという事実を知っているかどうかは別にして、
 主人公が手を引こうとした際に「それでは誰が事件を解決するのだ!」と言う立場の人間がいる場合。
 まあ、そういう人間は単純に悪いことが起きているので、主人公なら解決できるとか考えるような奴で、
 それによって主人公まで大変な目に会うかもしれないとは思い至らない程度での人間ではあります。

 オイラなら、こんな感じの展開を考えますがどうでしょうか?

 ふと、炭酸のペットボトルの清涼飲料水とかを「温めてくれ」と言った場合にどういう反応を返すのか……
 もしよろしければ試していただきたいかなと思うダメなオイラでした。

                         ではでは


葉山宗次郎さんからの意見
 こんにちは、Fさん。葉山宗次郎です。

 プリンを温めるんですか・・。
 何のためなのか、非常に気になります。

 さて推理物で主人公が事件を調べ続ける理由ですが、
1.主人公の正義感
2.事件に巻き込まれやすい
3.主人公の好奇心
4.頭が切れる、特殊な能力を持っているため、関わる
5.特殊な立場にいる。

 と、これまでの意見を纏めるとこんなところでしょう。

 しかし、これは主人公側の事情です。私の場合、ここに犯人側の事情を入れます。

 1.アリバイの証言者として主人公が使われ、事件に関わることになってしまった。
 犯人のアリバイ工作に使われるのですから、事件に関わる回数も増えます。

 2.犯人にとって復讐の対象であり、恐怖心、喪失感、屈辱を与えるため
 主人公の周りの人間を殺していくもの。

 主人公自身が狙われているのですから、周りで事件が起きていくのに不思議はありません。
 
 3.犯人が主人公に好意を持ってしまった。
 主人公にかまって貰いたくて犯行(盗みあたり、異常性を求めるなら殺人)を起こす。
 いわるゆるヤンデレの一種です。

 主人公は犯人が嫌いなのに向こうが勝手に挑戦状を叩き付けてくるため、
 渋々関わることになるのです。
 「嫌いな奴に好かれるほど不幸なことはない」と言いますから主人公にとっては苦痛でしょう。
 ご参考になれば幸いです。

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