第4研究室 創作に関するQ&A 453P | トップへ戻る |
のいこさんからの質問 2009年3月
 創作における近親相姦の取り扱いについて
 
 はじめまして、のいこと申します。
 今考えているヒロインの出生について、相談させていただきます。

 ヒロインは自分の一族の特殊能力を強く受け継いでいて、体がとても病弱なのですが、
 その理由は近親相姦(兄妹)で生まれた子供だからという設定です。
 しかし友人から「近親相姦は不謹慎だ」と言われて、悩んでいます。

 私自身にも兄妹がいるので、「フィクションだから」と思って設定を考えているのですが、
 近親相姦で生まれたヒロインというのは批判されるでしょうか?


●答え●

REDさんからの意見
 のいこさん、こんばんわ。

 ええと、創作で不謹慎もへったくれもないような。
 そんなこと気にしてたら、殺人を扱った小説はこの世から消滅します。

 
 エジプト王家なんか普通に近親婚繰り返してたんですが、
 それがだめならエジプトをテーマにした小説も書けなくなります。
 クレオパトラが最初に結婚した相手は弟のプトレマイオス13世で、
 こうした兄妹あるいは姉弟の結婚が普通に繰り返されています。
 当然、クレオパトラの両親も兄妹ですが、世界三大美女として扱われていますね。
 兄妹から生まれたから不謹慎だとか、異常だなんて話は聞いたこともありません。

 アンケセナーメンに至っては、実に10才のときに父親と結婚して子供を産んでいます。
 さらに叔父、そのあとは祖父と結婚。里中満智子がこのあたりを扱ってマンガを描いているようですね。
 これも批判されたという話は聞きません。

 日本の場合は、異母兄妹の結婚はごく普通に行われていたようです。

 実兄妹関係に萌える連中がごろごろ居るようなラノベ読者の中で、
 ことさら批判される可能性は皆無に等しいでしょう。


MIDOさんからの意見
 こんにちは、MIDOです。

 失礼ながら、のっけから重たい設定だなぁと思ってしまいました(汗)。
 ヒロインが近親相姦で悩んでいるならまだしも、近親相姦の上で生まれたとは。
 不謹慎というより最大のタブーというか……。うーん。

 厳しいことを言ってしまうと、そういうヒロインが現実に目の前に現れたら、
 わたしなら友人になる前にどん引きしてしまいますね。
 ありえない、と思うのもそうですが「この子の家族やばい」と思ってしまう気がします(滝汗)

 ただヒロインが小説の中の人物というなら話は別です。
 その設定自体は「うっそー!」と思いながらも受け入れてしまいます。所詮フィクションですし。


 しかし好感を持つことができるかどうかは、たぶんストーリー次第になると思います。
 近親相姦の末に生まれた子供という設定がうまく活かされる、
 あるいはそれが物語内で重要な意味を持つのであれば、その設定を非難することはできません。
 むしろそれで物語がおもしろくなるなら、使うべきです。


> 私自身にも兄妹がいるので、「フィクションだから」と思って設定を考えているのですが、
 近親相姦で生まれたヒロインというのは批判されるでしょうか?

 
 先にも述べましたが、ストーリー次第だと思います。

 付け加えるなら世界観も重要だと思います。
 現代日本を舞台とした物語では、学校内での差別やいじめなどの原因になってしまうかもしれないし、
(あ、ヒロインが学生かはわかりませんが、たとえ話でそういうことにします)
 生まれたこと自体はヒロインの罪ではないのだから、彼女は大いに苦しむことになるでしょう。
 身体が弱いならなおさらです。

 しかし異世界ファンタジーなどで、人類繁栄のためなどの理由で、
 いとこなどの親戚内での結婚(いわゆる近親婚)が当たり前に行われている世界なら、
 話はまた変わってきます。
 いとこや叔父や姪などの関係で普通に結婚が成り立つ世界なら、
 近親相姦はおそらく「不謹慎」のレベルに留まらせることができると思います。
 ……無理やりっぽいですけどね。

 一番いいのは、のいこさんが考えていらっしゃる作品内では、
 近親相姦がどこまで許されるのか、ということを明確に設定付けてみる方法です。


 それに世界観や道徳観などを織り交ぜれば、
 近親相姦で生まれたヒロインが世間でどのように見られるのかがわかってくるはずです。

 一度明確にそれを位置づけてしまえば、あとはストーリーの運び次第でどうにでもなると思います。
 現実世界で近親相姦がタブーであったとしても、
 のいこさんの作品内ではそうではないかもしれないのですから。

 コメントは以上です。長くなってしまって申し訳ありませんでした。
 執筆頑張ってください。では。


入谷さんからの意見
 はじめまして。

 近親相姦に対する倫理観は国や文化によって違うと思いますよ。


 例えば、映画、バック・トゥー・ザ・フューチャーを公開したところ、
 台湾でクレームが相次いだという話があります。
 過去にタイムスリップした主人公に、過去の主人公の母が惚れてしまい、キスをしてしまう、
 というシーンが不謹慎だ、というものでした。
 日本じゃ家族で楽しむ映画なのに、です。


 もちろん、日本でも近親相姦に対するイメージは良くないと思います。

 でもまぁ、源氏物語や遠野物語にも近親相姦を扱ったお話はありますし、ハムレットだって人気あります。
 台湾での公開や、「近親相姦万歳」なんて内容にしない限りは大丈夫でしょう。



 まぁ、問題があるとするなら、「近親相姦で産まれたから病弱」って設定の方ですかね……

 これも考えようなんですけど。

 いとこ合わせってのは、よくあることですしね。


 ……以上、イアン・マキューアン(特に"THE CEMENT GARDEN")を原書で読みたいがために
 英語を勉強している者の意見でした。


ひすいさんからの意見
 どうも、ひすいと申します。

 それは、のいこさんが「近親相姦」をどのように描くかで決定されるのではないでしょうか。
 まぁ、要するに表現の問題ですね。

 確かに近親相姦はかなり重たい設定ですが、その世界で近親相姦がどういう存在なのかとか、
 そもそもその兄妹の愛とやらがどのような形だったのかとか、そういった細かい設定によっては、
 それが与えるイメージもかなり変わってくるんじゃないかと思います。
 表現だけでも、「二人は依存し合っていた」と「二人は愛し合っていた」ではイメージは相当違いますよね。
 こんな感じで、思い設定をなるべく軽く軽くできるように、細かい設定を考えてみては如何でしょう。

 では。


鳥ノ木さんからの意見
 最近、O型の本を読みました。O型の自分に八割くらいは当てはまったので、ちょっとビックリです。

 パッと見た感じだと否定的に、不謹慎だと思われてしまうかもしれませんが、
 設定がしっかりしているのならいいのではないでしょうか。
 兄妹で恋をする、みたいな話は沢山ありますし。
 その子どもがでてきても別に私はかまわないと思っています。
 その兄妹がどんなことを思って産んだのか、とかをしっかり書いたりとかしたら大丈夫かなと。
 しかし、そう言った話の物語はやはりそんな設定にする理由がないのなら、
 作者の独りよがりになってしまうように思えます。

 それと、スーパーダッシュ文庫の「紅」がそんな設定だったので例として挙げておきます。


Mr.エイプリルさんからの意見
 こんばんは。そして初めまして。

 さて、私の考えを申し上げますと、周りの人の言う事に惑わされず、
 とにかく一旦、作品を完成させてみた方が良いと思います。
 
 といいますのも、作品の評価というのは(不謹慎かどうかという事も含めて)、
 それが実際に形になってみない事には下す事が出来ないからです。

 
 ですから、逆に言えば、作品を読んでもいないうちから、
 先入観だけで「不謹慎だ」と言うのは暴論だと私は思います。
 そして、完成したら、出来るだけ多くの人に読んでもらいましょう。
(それも年齢や性別、欲を言えば育った文化的環境も異なる人たち)
 そうすれば、自然と先入観や意見の偏りも減るでしょうし、きっと理解してくれる人もいると思いますよ。
 ですから、めげずに頑張ってください。


結城 ゆうきさんからの意見
 批判されるかどうか?
 それは問題ではないと思います。噛みつく人は何にだって噛みつくものです。
 問題はのいこさん、あなたが何を書きたいかです。
 かといって「好きに書け」とか言ってるんではないです。

 たとえば近親相姦ってのは、キャラを病弱にする以外にも使える優良素材です。
 一族の背景を書いて世界観を広げるもよし、キャラの価値観を示して存在感をアピールするもよし、
 それと対立する考えを示すなどして話を膨らませるもよし。
 それがヒロインを病弱にするのにしか使われなければ、クレームもつけたくなります。
 設定が死んでいる、と言われるのがまさにこれ。
 それなら、生まれつき体が弱い、であってもとくに支障がないはず。
 むしろ余分な設定を考えるよりもこのほうが幾分かマシかと思います。

 のいこさんは、ヒロインを近親相姦で生まれた子供にして、何を書きたいんですか?
 と問いかけつつ去ろうと思います。
 それでは。


巧鎖さんからの意見
 こんばんは、巧鎖です。

 もう結論は出てる頃のような気はするのですが、少しだけ。

 確かに私も「近親相姦は不謹慎だ」と思います。
 けれど小説において、不謹慎というのはけっこう武器になると思います。


 平凡な人の一日を描いた物語よりは、
 近親相姦の上に生まれた人の一日を描いた物語の方が読んでみたい気がします。
 もちろん作品の雰囲気や、設定の整合性などの問題はありますが、
 読者の目を引く何かがあるのは良いことです。
 
 少なくとも友人に、「近親相姦は不謹慎だ」と言わせる程度には目を引く設定なのですから、
 あとは生かすも殺すも(ついでに削除するも)作者次第だと思います。

 ではでは、執筆の方を応援しております。


但馬晴さんからの意見
 REDさんもおっしゃられいますが、
 古代エジプトでは権力者が血統の純潔性を保つために近親婚が行われていました。
 そのことをタブー視するどころか、推奨していました。

 現代人の感覚でダメ出しすることはできないことだと思います。


サイラスさんからの意見
 僕自身としては、書くぶんには大丈夫です。
 しかし、もう多くの方々と同じなるのですが、
 以下の条件をクリアしないと、非難される可能性は高くなります。

1,誤解を与えないよう書ける、コントロールできる自信がある。

 「近親相姦、大絶賛(かなり酷い言葉ですが、はっきりしやすいので、あえて、この言葉に……)」
 と読者等に露骨に感じられなきゃいいということ。

2,必要性がある。
 この設定じゃないと代替できないと言うものじゃないかと、何故、その設定で書きたいか、
 その設定で伝えたいことの有無等を言えないと、1をやるとき、かなり苦戦すると考えられます。

3,読者の道徳観(特に、いけないことをいけないと自覚できる)や教養(多様な価値観を認める)
 これが、一番、ネックですかね。
(使う危険なネタ全般が使えないのは、これが一番の原因だと考えています)
 特に、ラノベの読者層は、10代がメインのため神経を使います。
 というのも、10代の青少年に関わらず、人間、この二つがないと、その行為が、
 どういうものかな考えないであっさり真似をしたり、実行します。
 
 また、最近の大人(自分も含めて)は、
 そのことをきちんと、教えられなかったり、考えなしだったりします。
 だから、書き手には、道徳観や教養が特に重要で、1,2の根幹にもなることだと思います。
 
 かなり説教くさくなりましたが、近親相姦については少女マンガでは、
 チョコチョコ見かける要素であり、現実にも、過去現在問わず、起こっています。
 僕も「近親相姦は不謹慎というよりは、生理的に嫌悪感がある」というのが正直なところです。
 
P,S
 少し自分の考えに自信がないなら、「空想法律読本 2」を読んでみてください。
 ある少女マンガの近親相姦の事例を、法的にやったらどうなるの? ことが書いてあります。
 そこには、何故、近親相姦がいけないか? という考えの一部が書いてあります。参考までにどうぞ。


冬雪さんからの意見
 はじめまして冬雪というものです。

 近親相姦(兄妹)は確か王族だけの特権であり、
 民衆はしちゃダメなことだったと、何かの本で読んだことがあります。

 うろ覚えですので、あまり参考にならないかもしれませんが。
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