第4研究室 創作に関するQ&A 502P | トップへ戻る |
MIDOさんからの質問
 ファンタジー作品における現代語の使用について
 
 こんにちは。質問するのは初めてとなりますMIDOです。さっそく本題をば。

 わたしは主に異世界ファンタジーを中心に執筆しているんですが、
 その上で前々から気になっていることがあります。
 ずばり、ファンタジー作品内での現代語の使用というところです。
 ここでいう現代語というのは、「シンボル」とか「システム」とか「パターン」とかそういう言葉のことです。
 ああっ、まるで国語の試験に出てくる言い換えの問題のようですね……。

 こちらの研究室にも明記されていますが
 「作品の世界観に合わない描写はしてはいけない」というのがあります。
 こういった現代語の使用も、ファンタジー作品では控えるべきというのが通説のようです。
 わたし自身そう思っています。

 んが、しかし。
 現代語の全部が全部を日本語に言い換えたりするのは、
 逆に読みづらくなる部分が出てくるのではないか、と常々悩んでいるのです。
 たとえば「悲劇のヒロインを気取る」とか「見事なプロポーションを持った姫君」とかあるじゃないですか。
 試しにこれを日本語にすると、「悲劇の女主人公を気取る」とか
 「見事な体型を誇る姫君」とかになってしまいます。
 見事な体型ってどんだけ〜って感じですね(それ以前にもっと上手い文を考えろ、という話ですが)

 他にも「同時進行」という意味で「リアルタイム」という言葉を使ってみたり、
 制度ではなく「システム」という言葉を使ってみたり ――。
 色々やってみたのですが、読者様の中には
 「作品の雰囲気に合わないからやめたほうがいい」とおっしゃる方もいらして、
 その都度どうすればいいのか悩んでおります。

 現代語はパッと見たとき、変に日本語に直した言葉よりも
 意味が理解しやすいという利点があると思います。
 と同時に、作品の雰囲気に合わないという欠点も出てきてしまいます。

 こういった場合、皆さんならどちらを優先させて考えますか?


 ちなみにわたしは、当初は作品の雰囲気を優先して書いていました。
 しかしそれだとあまりにまどろっこしい文章になってしまって、
 最近では理解しやすいほうを優先して、現代語を普通に書いてしまったりします。

 アンケート方式で色々な意見をうかがいたいので、たくさんの方の意見をお待ちしています。
 執筆の場合だけでなく、
 読んだときにどちらのほうが好ましいかということも意見してくださるとありがたいです。
 それでは、よろしくお願いいたします。


●答え●

アリスさんからの意見

 こんにちは、アリスと申しますw
 私もファンタジー小説書いています。というか、そのジャンルしか書けないのですが(笑”
 えぇ、本題に入りますと、私は結構そういう現代語使っていますね。
 今書いている小説の中では、「システム」なんてもろ使用してしまっています;
 きっと、小説の雰囲気と合っていれば平気なのではないでしょうか。
 例えば、とても古くてさびれた村で、とてもハイテク(今使ったこの言葉みたいに)な現代語を使ったら、
 何か違和感ありますよね。なかったら申し訳ないのですが;
 なので、作品の雰囲気に違和感さえ無ければ、私は現代語の方を優先します。
 もちろん、読んだりしている時でも(このスレでMIDOさんが例文として使った文を読んでみても)
 現代語の方が読みやすかったです。
 では、間違ったことを口走っていたらすみません;
 それでは、失礼します!


マクベスさんからの意見

 アンケート、ということなので気楽に答えさせていただきます。

 異世界ファンタジー作品限定ということであれば、基本的には使いません。
 むしろいかにそれらの言葉を使わず上手く文章を作れるかに挑戦するのが楽しいです。燃えます。

 ただ、異世界召喚モノのように作中に現代人が出てくると、その限りではないですね。
 (他に、舞台がファンタジーでも、軽いノリのギャグ作品とか……書いたことないけど)

 作品の雰囲気に合わせる、というのが理想的なんでしょうが、
 結局は書く作品って自分の趣味に寄るものが多くなるわけで、
 実際にはその「求める作品の雰囲気」が私にとっては一つであるために、
 前者のやり方で一本化している、というのが私自身のスタイルではあります。
(でも、ここで「スタイル」とか、安易につかっちゃう辺り、私も現代人ではあるのですな。
 まあ、異世界ファンタジー以外のジャンルを書かないわけではないので、この場合はご愛嬌)


 読者である場合は……あんまり気にしたことがないです。
 雰囲気次第、って、結局ほとんどのプロの作品はそういうところが作りこんであるわけで、
 私は「ハズレ」を目にしたことがない、ってだけのことかと思います。
(素人の「ハズレ」の場合は、それ以外が気になって
 現代語の使用なんて二の次になるのが大抵ですから、その意味で気にしません)


鳥居なごむさんからの意見

 異世界ファンタジーを書いたことがありませんので、
 あくまで読み手の独り言として聞いて頂ければ幸いです。

 『されど罪人は竜と踊る』 という作品では、

 漢字に現代語のルビを振るという方法を取られています。
 例をあげると、寝台(ベッド)、長外套(コート)、操縦環(ハンドル)、加速板(アクセル)などです。

 
 MIDOさんが挙げられている例なら「象徴(シンボル)」や「制度(システム)」と言った具合になるのかな。
 こういう方法だと少なくても私は
 「異世界の雰囲気を壊さず、しかし頭の中にイメージがスパッと浮かぶ」という感じです。
 
 質問の意図を理解しておらず、見当ハズレな意見なら、
 そういうことを言ってるんじゃないんだよバカ野郎と罵っておいてください。


桜雪さんからの意見

 どうも、桜雪です。

 ファンタジーは書きます。ですが、現代のほうが多いので、
 あんまり期待に添える事が出来ないと思いますが、一応答えさせていただきます。

 私の場合、世界観に合わせて文章を書いたほうがいいと思います。
 やっぱり、読んでいる側としては多少読みにくかったとしても、違和感を覚えるよりは、
 そっちのほうがマシだと思えるからです。

 読みにくさは、文章を変えることによってなんとかなりますが、
 そこに混じってくる現代語の違和感は取り除けないと思います。
 題材が軽い内容ならば、多少の使用もいいとは思いますが、
 そこそこに思い内容ならばやっぱり重さを持って挑んだほうがいいとおもいます。

 まぁ、そんなところです。以上。


雨杜 潤さんからの意見

 ( ̄^ ̄)ぐーてんもるげん。

 作品にもよりますが、わたしは極力使わない派です。
 使うときは、他の方が上げていますが、され竜やトリブラのように日本語にルビを振ります。
 振りすぎだと、いつも怒られますが、
 質問内容とは関係ない場所のルビに対する意見だと思います(ですよね!?orz
 
 作品の雰囲気にもよりますけどね。

 わたしが読ませていただいたMIDOさんの作品で言いますと、魔術師解放〜は近代的(?)だし、
 軽いノリなので使っても結構違和感ないと思いました。ドライヤーは指摘しましたけど(ぁ
 でも、祝福を〜とか、言の葉〜は中世的(?)で大人しい作品なので、あんまり使ってほしくないかなぁと。

 商用でも、雰囲気をぶち壊す単語出たりしますけどね。
 ミミズクと夜の王なんかは、ちょっと眉をしかめました(最終的に号泣したけどさっorz

 わたしに限って言えば使わないですね。
 昔は使いましたけど、あれは世界観がカオスで何でもアリを押し通してたし。
 懐かしいorz(遠い目 最近は歴史ばっかり書いてるってのもあるんですが。
 ただ、歴史など書くときにどうしても、現代的なイメージと食い違う言葉や、
 背景がカオスで説明するだけで論文が書ける用語は山ほどあります。
 そういうときは説明したい気持ちを抑えて、ちょっと意味は違うけど
 現代人にわかりやすそうな単語に置き換えます。
 ドイツ語で振るべきルビを英語に直したり、
 レポートに書いたら先生にいびられるような単語を当ててみたり(笑

 読みやすくする努力は良いと思います(笑
 でも、雰囲気を壊さない程度に! というのが持論です。


 では、失礼します。


ととさんからの意見
 下の方でも似たようなこと書いたんだけど、
 俺は別に、ファンタジーだから世界観準拠の用語や言語じゃなきゃダメー! とはまったく思わない。

 俺、拘るならとことん拘りたいけど、拘らないなら一切こだわらない人だから。
 造語使ったり、表現に気を回してる半面、動物や植物、調味料や菓子、
 武器の名前、技術などが現実のものと一緒……
 とかだと、結局雰囲気壊してることに変わりはない、と思うし。
 五十歩百歩、て言うのかな。結局、妥協してるのに変わりねーじゃん、と。

 どの程度が許せるか、っていう読者の俺ルールの問題だと思うかなぁ。
 なので俺は、雰囲気より読みやすさ。それ以上に面白さが最優先。

 最も、生態系、器物、文法を含む言語など。
 全ての物が異世界発として創作されているハイ・ファンタジーには圧倒されることも事実だし、
 そこまで考えられているなら畏敬の念を禁じえないけど。

 そんな感じ。


卯月さんからの意見
 こんばんわ。異世界好きだけど中世という括りの世界観が作れない。歩く大雑把こと卯月です。

 執筆する場合、現代語の使用はTPOに合わせて。でしょうか。
 ヒロインは私的にはもう日本語みたいで変に言い換えるよりよっぽど大丈夫ですが、
 逆にプロポーションという言葉は普段使わない分だけ違和感強いですね。
 でも、見事な体型っていうと受け取り方しだいで褒め言葉としても皮肉とも取れますね。
 お子様体型ヒロインがお見事な体型の姫様をみて……。日本語って面白いけど難しい。

 現代語は読む分には特に気にしませんね。造語とかでカタカナが出る作品や、近世風の場合は特に。
 パターンやシンボル程度なら別に大丈夫だと思います。
 逆に、指輪物語、とは行かないまでもそういう世界観や雰囲気をきっちり作っている作品だと
 現代語とかカタカナはちょっと……という感じです。
 まぁ、名詞くらいなら作風によっては許容範囲です。

 結論。使い分けで必要最小限に。
 変に言い換えるより、いっそ地の文に溶け込ませて馴染ませた方が早いという感じですね。
 この辺はぶっちゃけ作者のさじ加減と読んだときの感覚しだい。

 う〜ん。こんな曖昧な意見ですみません。
 参考になれば幸いです。


三十路乃 生子さんからの意見
 実は交流用掲示板にある雷様の「みんなで自己紹介しあおうぜ!」を拝見するまで、
 MIDO様を「みど様」ではなく「メイド様」だと思い込んでいた愚かな海産物、三十路乃 生子です。
 ……ファンタジー書かない素人で新人のクセにいろいろ、すみません先輩。

 さ、さて。本題ですが。
 たぶん、現代語というよりも外来語か日本語かの違いに見受けられました。間違っていたら失礼。
 そもそも、外来語を連呼されるのは苦痛だと思います。
 どの文章でもそうですが、結局は日本語を基盤にしないと駄目なのではないでしょうか。
 しかーし。
 外来語はそれしか思い当たらない場合、それをしようせねばなりません。
 「テント」「キーボード」「テレビ」。日本語にするのは困難な物ばかりです。

 ですから、思い切ってそこは諦めましょう(捻くれた私ですみません)。

 問題はそれ以外です。
 固有名詞は駄目ですが、別な表現に言い回したり、文章で要所に来ない様に書き換えたり、
 ルビを振ったり、人物には決して喋らせなかったり、この辺を意識すれば大丈夫だと思いますし。

 あとはとりあえず辞書で引いて似た意味を追っていって丁度良いのを探すだけですね。
 ヤフーで駄目なら「Weblio類語辞典」とかでも。

 それにしても面白くない意見ですみません。
 結局私も推薦するのは、その辺りで苦労なさっているプロの作家さんが活用するルビですかね。
 あと、地雷だけは踏まないようにすれば基本的にはOKだと思います。
 それでは、お暇させて頂きます。


みやびさんからの意見
 MIDOさんこんばんは。
 私はまどろっこしくても鬱陶しくても、その作品の雰囲気を壊す表現は避けたほうがいいと思います。
 ただし、私はそんなに堅苦しい文章が好きではないので、
 結果としてこの前提は無意味なものになっています。
「この場面はこの表現がベストなんだ!」
 という意気込みをもって書いた文章なら、きっと人の共感を得られると思います。
 まあ「それは違う」と否定されたなら直せばいいだけの事でしょうし……。


石野 叡洸さんからの意見
 お久しぶりです、アキヒロです。ふらーっとやってまいりました。

 えーとですね、果たして「シンボル」「システム」「ヒロイン」といったこれらの言葉は、
 ホントに現代語なのでしょうか?
 そりゃ日本で使われるようになったのは最近のことですが、
 英語圏では昔から使われていた(はずの)言葉ですよ?
 ファンタジー世界で現代語を使っちゃいけないとゆーのはまだ分かりますが、
 異世界なのに現代かどうかの基準を何故日本におくのかと、自分はこう言いたいわけです。

 そもそも「作品の世界観に合わない描写はしてはいけない」の記事は、
 「ミサイル」とか「10円玉」みたいな「その世界にはない言葉」はNGってだけの話なのに、
 なんかカタカナ語を使っちゃいけないって勘違いされてませんか?

 そりゃあ純和風ファンタジーで「デート」と書くのはまずいですが、和風ファンタジーは少数派なはず。
 洋風ファンタジーじゃ「逢引」と書く方がよっぽど問題だと思うのですよ。

 つーわけで、結論。それは現代語じゃないから使って良し。
 以上、アキヒロでした。失礼します。


祈蝶さんからの意見
 はじめまして。
 目に留まりましたので回答させていただきます!

 私個人的には、そういうものを使ってもいいと思います。
 しかし使い方によりますねぇ

 私はまだ拙い文章しかかけませんので具体例は出せませんが…。
 昔ファンタジーを書いていた事があったんですけど、
 そこまで深く考えないで書いてました…!←

 他の方も書かれているんですけど、「ルビを振る」
 これは良い方法だとおもいますよ?

 たくさんいってきましたが、皆さんと同じく
 雰囲気を壊さなければ大丈夫だとおもいます!!

 参考にならないような感じの答え方で申し訳ないです。。
 では、またどこかで。


龍乃光輝さんからの意見
 こんにちはMIDOさん。
 なかなか難しい部分に当たっているので参考になれば幸いです。

 私の場合はなるべくは使わず、これは使わなければ読者が「?」となるところは、
 システムでもベッドと使っています。
 なにをしても読者を置いてけぼりにあってはどうしようもありませんからね。
 それでファンタジー作品を書く際に、シンボルとかパターンを書くのはどうかとなりますが、
 その世界に英語を主流とした国があれば問題ないのでは?

>こちらの研究室にも明記されていますが「作品の世界観に合わない描写はしてはいけない」というのがあります。こういった現代語の使用も、ファンタジー作品では控えるべきというのが通説のようです。わたし自身そう思っています。

 これは魔法しかない世界に、核兵器を使って比喩するなと考えています。

 この地球上でさえ数百もの言語があるので、英語に近い構成の言語があっても不思議じゃありません。
 無理やり感はありますが、なるべく使わず、
 使わなければ止まってしまうところは使うのが良いと思います。

>「悲劇のヒロインを気取る」とか「見事なプロポーションを持った姫君」
 これはそのまま和訳ではなく、言い換えればよいかと「悲劇の乙女を気取る」とか
 「国中の男を魅了してしまいそうな姫君」と自分なりに解釈してはどうでしょうか。

 私もファンタジーで「知らぬが仏」と使いたいのですが、
 仏ではなく神なので「知らぬが幸せ」や別の意味の「聞けば聞き腹」と言い換えてます。
 なので正しい言葉ではなく、意味が伝わってもいいかもと私は重います。

 ただ、そうなると少年誌とかで丸々出てるアルファベットや漢字はどうなるんだろ……。
 それでは執筆がんばってください。


NTさんからの意見
 どんな作品でも現代語に訳されていると脳内補完をしてしまうので、
 相当おかしな描写で無い限りは気にしません。
 あんまりファンタジーで、作品の雰囲気に浸るまで読むような面白い小説にぶち当たったこともないのか、
 エセファンタジーで私はおなかいっぱいです。


カルバノさんからの意見
 こんばんは。初めまして。カルバノと申します。
 アンケート方式という事で、今更でも多少被っても構わないかなと思い、
 私からもいくつか提言させて頂きます。

 いわゆる史実に沿った、現代と世界観をリンクするような作品の場合、
 当時明らかに使われていなかった表現を用いるのはアウトだと思います。

 
 江戸時代の話で町人が「ギャル語」とか使ってたら、面白そうですが雰囲気には合いません。
 横文字も然りですね。
 ただ、現実と特に関係ないファンタジーの場合、そもそも登場人物の言葉からして日本語なわけです。
 なので、個人的に日本語に直すよりも横文字の方が通りがいいモノは、そのままで大丈夫かと。

>現代語はパッと見たとき、
 変に日本語に直した言葉よりも意味が理解しやすいという利点があると思います。
>と同時に、作品の雰囲気に合わないという欠点も出てきてしまいます。

 
 ただ、MIDO様がそう思われるように、作風に合わない場合は日本語にしてしまえばいいのです。

 例として挙げられているリアルタイムとシステムは、
 正直日本語での通りが劣っているとは思えませんしね。
 ちょっと説明が下手ですが、プロポーションやヒロインは
 日本語の意味と一:一で=の意識が強いですが、システムは「制度」のほかに「仕組み」、
 それも機械的な仕組みや政治的な仕組みなどと、幾つも候補が浮かびます。
 この辺りが違和感を感じる原因かもしれません。

 あとは、諺なんかについての議論もあったかと思いますが、これ系の反則的言い回しが一つあります。
 ズバリ、「東方の言葉」で押し切る!
 島国とか元々極東だと使えませんが……
 ただし、舞台が日本以外の場合、河童の〜とか弘法も〜とか、
 純日本産の言葉の入る諺は避けた方が無難でしょうか。
 龍乃光輝さんもおっしゃっている一部改変は、私もやった事があります。意外と楽しいですよ。

 さて、自分のためにもちょっとまとめ。

 ファンタジーで現代語を使う時。
一.ことに横文字の場合、日本語より通りがいい場合は大丈夫。
二.なるべく横文字:日本語が一:一の意味で認識できるモノにする事。
  二つ以上の判断が可能な場合は、その全てが世界観にマッチすれば問題なし。
三.半造語的に、言い回しのリズムだけ拝借して世界観に沿わせる。


 判断は読み手によりけりだとは思いますが、以上です。
 少しでもお役に立ちますように。(−人−)ネガワクハー
 では。


tikuさんからの意見
 MIDOさん、こんばんは。
 tikuです。

 さて、アンケート方式というお言葉に甘えさせて頂いて率直に書かせて頂いたのですが、
 ちょっと特殊な意見になったような気がします。あくまで一読者の意見としてお聞き下さい。
 よろしくお願い致します。

 私が読者として一番に期待するのは「面白さ」です。
 二番目に「読みやすさ」です。
 三番目以降に、ファンタジー作品における現代語の使用等といった「正しさ」が来ます。


 表現の使用の「境界線」のようなものはあるように思います。
 境界線を越えると読者が不快に感じたりするラインのようなものです。ただし、個人差があります。
 私は六割くらいの読者が納得する表現なら大成功だと思います。

 タブーとされている表記についても、「なぜタブーなのか?」
 「実際に読者はこのような表現方法だとどのように感じるのか」
 ということを考えた上での使用なら問題ない――というか、有効ですし、
 プロになられるのなら持っていて損はない思考だと私は思います。

 現代語の使用も極端な使い方をすれば、ギャグのバリエーションとしても使用できるように思います。
 ちゃんと読んでいないのでタイトルは控えますが、
 縄文時代の日本を舞台に、女子高生風の会話が書かれている作品もありました。
 また、読者はそういったことにある程度敏感ですから、「境界線を越えた」描写は印象に残ります。
(私の中だと西尾維新先生の作品がこの種の表現で最も印象に残っています。)

 そして、作風を確立される上でも、「境界線を考えること」と
 「なぜタブーなのか? どうしていけないのか?」を考えることは大事なように思います。

 上遠野浩平先生のファンタジーや深沢美潮先生の「フォーチュン・クエスト」等は、
 「正しさ」としては疑問が残る部分がありますが、面白かったです。
 また、六割以上かどうかはわかりませんが、ある程度の読者の賛成は得ています。

 読みやすさについても、上記の読者の視点で考えさせて頂くと、
 単純に考えて、フリガナが少なく、漢字の少ない方が読みやすいです。
 だから、絶対にそれが良いという訳ではなくて、こういう考え方もあるというだけの話です。


>研究室にも明記されていますが「作品の世界観に合わない描写はしてはいけない」というのがあります
この場で書くべきではないかもしれませんが、研究室に明記されているタブーを犯しているプロの作品は無数にありますし、作品として成功されているように感じる作品もたくさんあります。


 雰囲気を壊す境界線を理解した上で、ギャグにしたり、
 強調するために境界線を踏み越えている感じのする作家が私は好きです。
 リスクを承知の上で、一見馬鹿のように見えても、境界線を踏み越えてみる――
 くらいの姿勢の作者に憧れます。



 この読者の賛成を得られるかどうかの境界線はとても難しいですが、
 MIDOさんくらいの読書家の方ならきっとなんとなく掴めていると思います。
(スティーブン・キングは、この「基準」のようなもの――
 自分の作品がどのくらいのレベルにあるのか知る基準を持つことはとても大事だとおっしゃっていました。)

 西尾維新先生や中島らも先生などは、要所要所で仕掛けられたサプライズのようなものが、
 どの程度読者に受けるか、書いている段階で予想していて、まず外れることがないそうです。
(そうでなければ効果的なエピソードやギャグばかり書けないとも言い換えれますが。
 西尾先生の方はインタビュー、中島先生の方はエッセイで書かれていました。)

 ちょっとニュアンスは違うかもしれませんが、スティーブン・キングは読者の内、
 五割が良いというなら「作者の勝ちだ」というようなことをおっしゃったほどです。


 読者の好みや作風もありますが、私は「優等生」的な作品よりも、
 リスクを承知の上で危険を冒した表現の方が好きです。
 たいてい悪文等の指摘を受けることになるとも思いますが……。

 おそらくMIDOさんはしっかりと書き込まれた、文法的に正しい作風の方が好みだと思いますし
 、この辺りは作者の裁量にかかっている部分が大きいように思います。

 長文失礼致しました。アンケート形式という言葉に甘えさせて頂いて、
 自分の好みについて語らせて頂きました。
 完成度の高い作品よりも、やや未完成な印象があっても、読者に配慮した小説の方が好き、
 というちょっと変わった好みの人間の回答ですから、取捨選択よろしくお願い致します。


龍架さんからの意見
 どうやら勘違いをなされているようなので、ひとつ。

 第一研究室にあるのは、その世界にそぐわないモノを出すな、
 と言っているのであってカタカナを使うな、と言っているわけではありません。
 科学技術が全く発達していない世界で、「核兵器のような爆発」と比喩されても、
 その世界には核兵器なんてねーから! っていう話です。

 これは例えるのであれば、MIDOさんがタイムマシンで江戸時代に行って、
 茶屋でお饅頭を食べたとします。そこであなたが、「うまい! まるでチーズケーキみたいにうまい!」
 と言っても、茶屋の主人はそれを理解してはくれないでしょう。
 それは江戸時代にチーズケーキなど存在せず、その世界の人には理解できないからです。

 だからファンタジーといえど、中世時代がモデルであらば
 「ミサイルのような」という比喩は使えないわけです。
 その世界の人間は誰一人、「ミサイル」と言うものを知らないのですから。

 逆に、ファンタジー世界の小説というのは、翻訳作業でもあります。
 おそらく、そのファンタジー世界の人間の言語を我々は理解できません。
 ゆえに小説が生まれるまでに、作者による翻訳作業が介在されるわけです。
 ですから、洋風ファンタジーであれば、「悲劇のヒロインを気取る」とか
 「見事なプロポーションを持った姫君」などはつかてもよいと考えます。

 以上です。雑文乱文、失礼しました。

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