第4研究室 創作に関するQ&A 501P | トップへ戻る |
砂太郎さんからの質問
 良い意味で読者を裏切る方法論
 
 こんにちは。砂太郎と申します。
 名作を称える言葉に『良い意味で読者を裏切っている』というのがあります。
 では、このよい意味で読者を裏切るとはどのようなことを指すのでしょうか?
 ストーリー上どんでん返しがあるのはあたりまえとして、
 ただのどんでん返しでは、上記の意味にはなりません。
 たとえば、ある剣士が、長い旅の末仲間と共に苦労を重ねてようやく目的を達成した。
 次の日、剣士たちの住む星になんの前触れもなく隕石が衝突して剣士含む全人類消滅END。
 これも、どんでん返しですが、
 こんなのそれまでの物語がどれほどすばらしくても、到底名作とは言えません。
 ただの裏切りではない、良い意味での裏切りとはどのような法則があるのでしょうか?


●答え●

Mickさんからの意見

 ほにゃにゃちわー。Mickです 

 敵側のキャラが、実はこちらの味方(つまりスパイ)で最後に正体を明かす、というのはかなり有名です。

 あと、本当のラスボスはヒロインだった、とか
 結局、そのヒロイン殺せなくて主人公がダークサイドに落ちちゃうバッドエンドとか。


マクベスさんからの意見

 きちんと伏線を張っておく。絶対に突然の超展開にしてはならない。

 伏線を伏線であると気づかせない。「裏切る」その時まで、気づかせてはならない。
(読者が全く覚えていない、というのでは意味が無い。
 読者に印象を与え、かつ「伏線」であると認識されてはならない)
 
 「裏切り」が起こらない展開を読者に想像させておく。
 「きっとこうなるだろう」という別の道へ意識を誘導させておく。そしてそれを「裏切る」
 最終的に、それを「納得」させる。


 例え伏線があっても、「納得」できない展開はある。伏線だけではそれは成しえない。
(例えば例のような、隕石オチ。例えそれの伏線があったとしても、
 物語と全く関係ないところで結末がつけられれば、「納得」には至らない)

 ……まあ、ミスリードです。
 昨今、「ミスリード」=「叙述トリック」みたいな空気が蔓延しているという印象を私は持っていますが、
 もちろんそうではなく、広義の意味でのミスリードです。

 ちなみに、これを狙って作品を作る人もいれば、自然とそういう展開を書いてしまう人もいるでしょう。
 必ずしも、ミスリードは「狙ったもの」であるとは限りません。


三十路乃 生子さんからの意見

 どうもー、自身のスレの返信の息抜きに寄らせて頂いた30歳の……以下略。
 三十路乃 生子です。

 とりあえず言葉を解体して説明しますね(といっても持論っぽいですが)。

 「良い意味で読者を裏切る」

 これを説明するのに、ぶっちゃけ一言で済みました。

 ジャン!
 「読者の予想からは外れながも、結果として(とにかく何かしらで)読者が喜ぶ展開となる」

 ちょっと、適当ですがこんな感じ。
 あなたの「大好きな」サブキャラが途中で、格好良く死亡フラグを立てて消えました。
 その後死亡したことになっており、一切出てきませんでしたが全て終ったエピローグで何処かで
 「生存している」事が明かされる。……下手だなぁ。

 ポイントは読者が認めたくないけど、それしかないと納得してしまった所で、
 ネタを明かして実は読者の希望通りでしたって、良い結果に落とす事でしょうか。

 そういえば、単語で言えばこれで済みました。

 ジャン!
 「サプライズ」

 くっ、初めからそう言えばよかった……。


あさがおさんからの意見

 他の方が仰った、ミスリードに尽きますね。

 まず読者側に回ってみて、少しでも不快に思う、ないし腑に落ちない点があるのなら改良。

 それを繰り返せば良いかと。
 難しいですが、自分の文章を客観視できる能力に優れた作者は、
 少なからず読者を手玉に取れることでしょう。


魏延さんからの意見

 あまり技術的なことはわかりませんが・・・

 ゴルフを例えにしてみます。
 パーンと打って、さてどこに落ちるのか。
 どうせいきつく場所はひとつですが、
 選手によってはホールインワンだったり、パーだったり、
 OBを叩いちゃったりするわけです。

 この場合、いい裏切り方とは、ホールインワンやアルバトロスを決めることになるでしょう。
 ホールインワンなんて、プロの選手でさえ狙って決められるものではありません。

 運の要素もおそらく絡みます。

 だけど少なくとも「1メートルでも近くへ打とう」と思わなければ、
 ホールインワンという奇跡が起こることは絶対にないと思います。

 この場合重要なのは、

 「少ない打数でホールインする」という方向性が、

 明確に決まっていることです。
 その方向性が決まってなければ、ティーの地点でまわれ右してかっ飛ばすようなことも
 「予想を裏切る」という意味では許されてしまいます。
 けれどそんな裏切りを求めてゴルフを観戦する人は、まずいません。
 選手がどのようなショットを打ち、どのようにホールインさせるのかに興味があるのですから。

 物語は、ふつう主人公が何かしらの目的を果たすことで完結します。
 その過程でさまざまな課題や障害が登場します。
 まずは作者さんがそうした目的の達成点と、
 主人公の前に立ちふさがる課題や障害を定めて、読者さんに提示する必要があります。

 ゴルフ風に言えば、
 まず少ない打数で穴に入れれば勝ち、を大前提として、
 そこはどんなホールなのか、穴はどこにあるのか、そこまでの距離・標準打数はいくらか、
 風や天候はどうか、選手の体調や技術はどうか・・・などなどが課題・障害となります。

 読者さんはそれらの条件+主人公の最終目的をかんがみて、
 読み進める段階で、話の先を「こうなりそうだな」とあるていど予測していきます。
 だから、読者さんが予測する方向性を作者の方でちゃんと設定し、読者さんをゆるーく導くわけです。
 裏切りの良し悪しはそこで決まると思います。

 その上で、考えうる最高にドラマチックな結末を主人公が迎えたなら、
 読者さんはそれをいい裏切りだと思うのではないでしょうか。


 例えば、ホールインワン。
 最低打数、最高のスコアと正式に認められていながら、
 「まさか、ねぇ・・・w」と
 誰もが思っている、夢のような結末です。

 ですが一見ただのすごいマグレのように見えても、
 選手の読みが的中し、かつ読みを具現化する絶妙なショットが打てた結果であることは否定できません。

 一応可能性は認めつつも、誰もが「まさか・・・」と思っていた、
 だけどそれが様々な要因により、その通りになってしまった!
 これが最高の裏切り方だと僕は思います。

 もちろん、裏切ればいい、というものでもないと思いますけれど。


MIDOさんからの意見

 こんにちは、MIDOです。

>よい意味で読者を裏切るとはどのようなことを指すのでしょうか?
 「読者の予想を覆す結末を用意して、かつそれで読者を喜ばせる、あるいは満足感を与える」
 ことかなぁと思います。


 作中にある伏線や色々な情報をもとに、
 読者って絶対結末を予想しながら先を読んでいくと思うんですよね。
 これが顕著なのが推理小説ですが、
 そうでなくても読者というのは先を読みたがるので自然頭を働かせているものなのです。
 しかし最後の最後で「実は犯人はこいつだった!」とか「伝説の真実はこうだったのだ!」
 とか言わせると、読者は「ええええ!? そうなの――!?」とめっちゃ驚くわけです。

 ここで大切なのは、「そうなの――!?」と思ったときに読者がわくわく感を覚えることですね。
 同じ「そうなの――!?」でも、「はぁ? んな結末ありえねぇだろ」とかってキレさせたらお終いです。


 あくまで「うわっ、そうだったんだびっくり! すごいわ!」と言わせないといけないのです。
 逆に言うと、わくわくさせられればそれは「いい意味での裏切り」行為になります。

 個人的に、ハリー・ポッターシリーズの人気はこの「いい意味での裏切り」が関係しているんじゃないかな、
 と分析しています(映画の公開に合わせてシリーズ読み返しているんですが)。
 第一巻では「犯人は実はこいつだった!」ですし、
 第二巻では「味方だと思ったあいつが黒幕だった!」ですし、
 第三巻では「敵だと思っていたあのひとは実はめちゃくちゃいい奴だった」となっています。
 四巻以降はそれが少なくなるのでちょっと切ないんですけど。

 この展開はいずれも「いい意味での裏切り」だと思います。
 「まさかこんな真実が」と読者に言わせられる典型ですね。
 また伏線の張り方が細かいこと細かいこと……いい意味で裏切られてばっかりですね。

 こんなところでしょうか。コメントは以上です。


桜雪さんからの意見
 どうも、桜雪です。
 パソコンが完璧な修理に出ていき、部屋の中がとてもさびしいです。
 今は、補助のノートパソコンで寂しさを紛らわしています。

 さて、面白い質問だな〜と思い、真っ先に浮かんだのは、

・実はヒロイン(主人公)が(ほにゃらら)の鍵だった。
・まさか、あの人が裏切るなんて!
・え? あの人生きてたの?


 と、これくらいですね。

 共通しているのは、全部キャラが関係しているというところでしょうか。
 やっぱりキャラクターが軸になんないと話が進みませんよね。


 特に、一番目はいろんな状況に合わせて使える切り札だと思います。
 ありがちなのは世界滅亡の鍵とかですよね。そういう展開は燃えます。

 いい裏切り方で最も重要なのは、ストーリーではなく、キャラクターにあると私はおもっています。
 そのほうが感情移入しやすいですし。

 まぁ以上です。


別府さんからの意見
 こんにちは砂太郎さん、別府です。

 マクベスさんが、ミスリード=叙述トリックとは限らない。
 と言っていますが、あえて叙述トリックに絞るなら。

 やはり、乙一さんの作品が一番だと思います。
 
 叙述トリックで大事なのは嘘を書かない事、
 それでいて読者の想像を違う方向へ引っ張って行く事です。



ぱるるるるるさんからの意見
 法則や方法論と言うのはないでしょう。
 コアな読者や編集者は途中で、だいたい最後の着地点を予測してしまいます。
 それを上回る着想を見つけるのは容易ではなくて、見つけたら名作となりえるし、
 発見された時点で、そのアイデアはもう既存のアイデアになってしまいます。

 叙述トリックやミスリードも手法としてあげられますが、これらも逆に予想されてしまうと、
 あまりにも恥ずかしい作品になってしまいます。



まいちんさんからの意見
 こんにちは。まいちんです。

・読んでいて、何かが待っている気がする。
・その何かが、読みながら見当をつけていたものとは異なる。
・しかも最後まで読んでからあらすじをまとめると、
 多くの人が共通して楽しめる王道をそれなりに踏襲している。


 あたりが法則かと思います。
 以上、参考になれば幸いです。


みつきさんからの意見
 砂太郎さま、こんにちは。

 個人的には、これより下はない、もうこの蟻地獄からは這い上がれない、
 一筋の光明も見えずどう考えても巻き返せない、という状況から、
 知恵と勇気、もしくは努力と根性、もしくは機知と機転、もしくは愛とそれに基づく行動、
 もしくは主人公のそれまでの布石が効を奏して、一転して困難を脱出。
 というのが良い意味での「読者を裏切る」、だと思っています。

 
 主人公のいる場の状況を思いっきり引き下げて、読者に「これはもう打つ手なしだ」と思わせておいて、
 最後の九分九厘のところで勢い良く引き上げる。
 もちろん、その下げ方も上げ方もご都合主義ではなくて、土台の作り、
 (設定や構成、人間関係や立場や伏線)
 がしっかりしていなければならない、というところがポイントかと。

 あと、小ネタで入れるならサプライズ(小さなプレゼント)でしょうか。
 最後の、ここぞってところに一つ、さくっと入れておくとか。

 それではこれにて。


NTさんからの意見
 スターオーシャン3が発売された後、プレイした私は、もうこの作品もコレで終わりなのか、と思いました。
 詳しい話はネタバレになるのでしませんが、
 私自身は今までの作品が台無しになるエンディングとストーリーでした。
 どんでん返しではあるんですけどね。
 ああいう、今までのことをなかったことにされてしまうようなストーリーは、思わず眉を顰めてしまいます。

 で、本題。
 やはり伏線がハッキリしていること、かつ、読者を作者が騙そうとしていないことが大事です。
 よく、掌編なのでミスリードを意識して書いた、何て事を書いてしまう方がいますが、
 作者が意識したことなんて読者に丸見えだということが分かっていません。
 読者は作者が考える以上に敏感であり、騙そうとして(ここでは裏切ろうとして)書いてしまうと、
 どこか穴の開いたような文章になってしまいます。
 また、ドラマ性がなく、ストーリーラインがハッキリしていない作品でとんでもないことが起こっても、
 面白いかもしれませんが裏切られたとは感じません。
 構造自体に穴だらけでは読者を裏切ることは出来ません。

 結論。
 伏線をしっかりと書いて置く事と、プロットをしっかり練る事、良い作品が書ければ、
 終了した時点で読者を裏切ることになるのではないでしょうか。
 だって面白い作品は、自分の想像とは必ず裏切られませんか? 



トニー松谷さんからの意見
 僕が考える裏切りと言うと 叙述トリックくらいですかね。
 小説だからこそ出来るトリックと言うか、
 これは別にミステリーだけにしか使えるわけじゃないし、
 しかし、これが良い意味で裏切れるのかと言えばどうなんでしょう?

 たとえば男の子の様に書かれているけど実は女の子だったっていうのとか、
 一人称が「ボク」って言う女キャラも珍しくないし。
 そのキャラが女で在ることは作中のどこにも書いてないとか。

 そんな小説が有りましたよ。

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