第4研究室 創作に関するQ&A 511P | トップへ戻る |
純さんからの質問
 自分の境遇について喋りすぎる悪役の是非
 
 主人公と敵の親玉とのラストバトルシーン(剣戟)を書いていて、ふと気付いたことがありました。
 ここで敵は自らの悲痛な境遇や過去を語り、
 それが理由で貴様を殺すのだと主人公に食ってかかります。
 主人公サイドが同情できなくもない理由ではあるのですが、
 だからといって敵がこれまでしてきた数々の悪行を許すことはできず、
 主人公はそれに対抗することになります。

 「俺は○○だったけど××のせいでこうなった! だから貴様を殺す」
 みたいな感じで、敵が戦闘中に身の上話をするわけです。
 実際は剣戟を交えながら小分けして語るので、もっと長いです。
 何と言いますか、この自分についてベラベラ喋っているという状況が、
 どうにもカッコ悪いというか情けない気がしてならないのです。
 親玉であるからには、相手に恐怖を与える威風と圧倒的な強さを持つ人間として書きたいところ。
 私が勝手に「三下ほど語りたがる」みたいなイメージを持っているせいでもあるのですが。

 しかし敵の個人的事情なんて敵しか知りません。彼から喋らせるしかないのです。
 この親玉さんはラストバトルでようやく姿を現わす存在なので、
 それ以前に言わせる……というのも難しい。

 それで質問なのですが、戦闘中にこう敵を喋らせまくるのは良くないと思いますか? 
 それでも良いとするならば、どのような魅せ方があるでしょうか。
 ……まぁ本質的には、小説は魅せ方次第であって良いも良くないも無いのだとは思いますけれども。
 お勧めできないというのであれば、何とか展開を変えてみたいと思います。

 どうかご意見を頂ければ幸いです。


●答え●

饂飩粉さんからの意見

 自分はいいと思いますよ。
 アニメや漫画ではよくあることですし。かと言って小説ではあまり見かけませんが……。
 でも、大声を出すとアドレナリンが出ると言いますよね。
 
 感情に任せて喋るなり叫ぶなりすれば痛みも忘れて本気が出せるんじゃないでしょうか。
 剣を振る時に「ふっ」とか「はあっ」とか言う人もいるでしょうし、剣道なんかまさにそれ(?)ですよね。
 でも剣道の叫び声がカッコ悪いとは思えません。

 主人公側が優勢「僕はお前を許さない云々!」
  ↓
 ラスボス「貴様に何がわかる云々!」
  ↓
 ラスボス、色々と怒鳴り散らしながら反撃
  ↓
 この時点で”相手に恐怖を与える威風と圧倒的な強さを持つ人間”らしさを出せればいいと思います。
 描写なり主人公側が感じる殺気、それに対する身震いなどを。

 「お前のせいだ!」←これを連呼しながら激しい攻撃をされれば主人公だってさすがにビビるでしょう。
 同情できなくもない理由があるのならなおさらです。

>>「三下ほど語りたがる」
 これは語るタイミングですよね。

 「俺は一ヶ月前の戦争で何人もの敵兵を殺してきたんだ云々!」
 を戦う前から言われると雑魚だなあ、とは思います。一瞬で負けそうですし。

 あ、でも「今日はいい天気だなあ!」とか言いながら戦うキャラがいたらちょっとカッコいいですよね。
 キャラにもよりますが。

 とまあ話が逸れましたが、自分はアリだと思います。敵が喋るのは。
 執筆頑張ってください。それでは。


REDさんからの意見
 これは、状況次第でしょうか。

 基本としては、背景となる事情はラストバトルになる直前までに明かしたほうがよいと思います。

 主人公はそれでもなお戦いに赴くという形で。

 今回はラストにしか出てこないということですので、このパターンは無理ですが。
 それはそれで別の問題が出てくるような。
 読者はラストだけ出てくる人物が長々しゃべっても、感情移入できませんよね。
 むしろ浮いてしまわないか心配です。

 当人がしゃべらなくとも、ラストに至る展開で敵の事情が判明してくる。
 といった形にはできないでしょうか。


黄色猿さんからの意見
 純さん、こんにちわ。黄色猿です。

 自分はありだと思います。
 普段は無口、主人公を対等と認めて、初めてベラベラ喋り出す悪役・・・


焔嵐さんからの意見
 焔嵐と申します。

 語る敵が三下に見えるのは、過去を語ると言い訳がましく聞こえるからかもしれません。
 
 「〜〜〜な過去を持っている」からといって、悪行が許されるわけじゃありません。
 やっぱり悪いことは悪いんです。
 そこに至る経緯に関しては同情の余地もあるかもしれませんが、
 悪いことしているんだから、どっちにしろ悪です。
 男は背中で語るの通り、何も言わない方がカッコいいかも。

 何もかもを語らずとも、なんとなく連想させるぐらいでいいんじゃないかと思います。
 たとえば、人間に恋人を殺されたから魔王になりました、なんていうキャラの場合、
 死に際に恋人の名前を呼びながら「ようやく、お前のところに逝けるな」とか。
 これはベタな例でしょうが、他にも部下が語る、恋人の墓がある、仏壇(のようなもの)がある、
 といった具合に連想させていく。
 こうすれば、わざわざ語る必要はなくなります。

 喋るにしても、最低限度ならいいかも。
 だらだら語るのではなく、「お前らがいるから、あいつは……!」くらい。それ以上は何も言わない。
 その方が、カッコよく見える気がします。


 まあ色々と個人的な趣味を交えた見解でした。


三十路乃 生子さんからの意見
 いつも一言多い害産物、三十路乃 生子です。
 とりあえず在り来たりな状況と仮定した場合。

 私はNGです。

 戦闘で段々と上がった折角のテンションが、説明で一瞬にして白けたりしますので。
 私としては、先に説明としての主人公とラスボスの問答をしてジワジワと期待させておいて、
 その熱を持ったまま戦闘シーンに突入し、一気に爆発させて頂けると非常に嬉しいです。

 短いですがそんな感じ〜。


飛車丸さんからの意見
 好きとか嫌いとかっていう以前に、
 それってゲーム・漫画・アニメでは有効で頻繁に使われている手法なんだけど、
 小説では限りなくタブーに近く殆ど使われることのない手法なんですよね。
 そもそも、その手法はどの作品を参考にして書いたのか、ということから思い返してみるのがよいかと。


サワラさんからの意見
 こんばんは、サワラと申します。

 自分なら回想シーンを挿入します。
 わざわざセリフで喋らせないでも、その過去話を回想シーンとして現在進行形で展開した方が、
 よっぽど臨場感はありますし、読者も感情移入できます。
 これなら親玉さんが喋らなくても読者には敵の個人的事情が分かりますし、
 主人公サイドには伝えずに済みます。
 せいぜい、多少思わせぶりなセリフを悪役が2、3喋って
 「もしかしたらコイツにものっぴきならねぇ事情があったかもしれんな」
 と主人公サイドが思う程度でいいと思いますね。

 回想シーンの挿入場所は気を使わなければならないでしょうが……
 では、参考までに。


ひすいさんからの意見
 どうも、ひすいと申します。
 私はそこまで悪いことではないんじゃないかと思いますけど、

 それが嫌ならもっとも手っ取り早いのは「第三者に語らせる」「物に語らせる」あたりかと。

 すべての成り行きを知っている第三者を登場させれば、わざわざ本人から語らせる必要はありません。
 
 本人の苦痛や葛藤を直接的に表現したいならば、
 第三者に語らせるのに加えて回想シーンを混ぜるなどすればいいでしょう。
 当然ながらこの場合第三者をそのためだけに登場させてしまっては、
 違和感を与えてしまうことにもなりかねませんから、
 そのキャラを多少なりとも物語にとって重要なポストに据えることは必要でしょうが。

 物に語らせる、というのは、たとえば倒したあと、
 あるいは倒す前に親玉がまだ悪に走っていなかった頃の日記や手紙とか、
 そういったキーアイテムを主人公の手に渡らせる。
 日記や手紙の場合であれば、そのなかに悪と善の狭間で苦しむ親玉の若かりしころ〜
 みたいなのが書かれていれば、主人公にも読者にもだいたいの流れを悟らせることは可能でしょう。

 まぁ、色々と書かせていただきましたけど、これはあくまでも例です。
 ほかにも色々と方法はあるはずですから、探してみてはどうでしょう。
 ただ、私はそこまで気にするべきことではないと思うのですが……
 逆にべらべらべらべらよくしゃべるキャラにしちゃって、
 その上いつも不敵な笑みをたたえていたりすれば、それはそれで、結構黒幕っぽくありません?
 え? 私だけ?
 ああ、でもそれだと同情みたいなのはしにくくなるかも……
 キャラの雰囲気とかも随分変わってしまいますしね。
 うーん、難しいですねぇ。
 やっぱり、本人の口から語らせるという手段とは別の方法を探すのが吉かもしれません。

 では。


山さんからの意見
 テクニックは色々あると思います。

 例えば自ら進んで話してくるのは気持ち悪いですが、
 聞かれたことに応えているというのであれば話は別です。


 主人公もしくは第三者の「なぜこうまでして戦うのか」などといった問いかけからスタートするなどです。
 が、ちなみに言っておくと戦闘と同時に身の上話だとテンポやリズムを維持するのが非常に難しいです。
 
 他の人の意見にもありますが、
 事前に知っておく、あるいは戦いの後に伏線回収という形が望ましいと思います。

 ちなみに、悪役も人間。人間は理由無しに何か行動はしません。
 座るにしても立つにしても水を飲むにしても理由があるはずです。
 この場合、悪役が身の上話をする「理由」が、どこにあるかは重要です。
 絶対今言わなければいけないから、という根拠もなく、
 突然そういう話をし始めるとキャラクターのリアリティはあったもんじゃないです。


アンデッドさんからの意見
 カッコ悪い、情けないと思うなら外せばいいですし、そうじゃないならそういうキャラなんでしょう。
 知らせたい、けどそうして語らせるのが嫌だというなら、
 別のやり方で個人的事情を語らせるしかないですね。

 例えばそのキャラの過去を知ってる人が語るとか。
 でもどうも第三者は入れたくない様な感じで書かれておられるので、
 回想を入れてみたらどうでしょうか。

 これもまた人称だとかタイミングだとか、回想なんで主人公には伝わらないとかありますが。
 主人公に伝えたい場合は、第三者に語らせるしかないですね。それかテレパシーで読み取るとか。
 他にもやり方はあるかもしれません。


龍閃さんからの意見
 こんにちは、純さん。

 ラスボスのラストバトルの最中に長語りとは、まさに今投稿した作品に使っているので、
 一言をば、と思いました。
 他の方もすでに仰っていますし、純さん自身が仰っていますが、
 私としても使い方、書き方次第だと思います。
 
 例えば、一時的に戦闘が停止した時に、お互いに次に備えて息を整えている際に、
 ふとした雑談が起こるなどは、長い戦闘シーンなら緩急がついて良いと思います。

 
 逆に、一瞬で決着がつくような戦闘シーンに長語りはバランスが難しそうです。
(古い例えですが、武士やガンマンの一瞬で決着するような決闘とかでは、沈黙の方が良さそうです。)

 乱撃の最中、一撃一撃に合わせながら喋るという事ですが、
 うーん、私ならそれはしないかもしれません。
 マンガやアニメなら、文字通り絵になりそうですし、
 フキダシの形や声優さんの技量で熱くなりそうですが、
 小説の場合「!」「ッ」などで声量を表現するしかなさそうです。
 地の文で補う事も可能ですが、そちらは剣戟の激しさを描写するので手一杯になりそうです。
 
 どんな調子で語り合うか、どんな剣戟シーンかにもよりますが、
 「私なら」という事でしたら、あまり剣戟に合わせての語りはしません。

 以上、多少でも参考になれば幸いです。


わむさんからの意見
 初めましてわむと申します。
 私はアリだと思います。
 そうした方が盛り上がりそうだからです。


setukaさんからの意見
 初めまして純さん、setukaと言います

 やはり皆様も言われていますが「書き方次第」としか言いようが無いかと思います。
 ただ一から十まで全て語らせる、と言うのは少々無理があるかと思います。
 何か少し特徴を持たせると言うのが理想かと思います。

 例えば

 「伏線の回収をしてテンポをよくする」
 「主人公に推理をさせ、推理要素も取り入れて物語を複雑化してみる」
 「争いが終わった後、解決編として事情を提示する」
 「第三者、もしくはアイテムを投入する」


 と言うのが私の浮かんだ解決案でしょうか
 「伏線の回収」は会話のテンポと言うよりも
 読み手を飽きさせないという意味ではとても有効だと思います。
 主人公が望んで事情を知るのではなく、読者が事情を知りたいと思わせる訳です。

 「主人公に推理をさせる」のは最初からラスボスの過去について推理をしていこう!
 と言うわけで無くてもいいので。
 例えば「どこかのある人物」と考えていたのが実は「ラスボス」だった!と言うパターンもありですしね。
 ちょっと癖のある推理シーンがあるだけでも物語の印象はぐっと変わってくるのでは?
(ラストシーンまで書かれているって言うことは大きなことは出来ませんが)

 「争いが終わったあと回収」いっそのことバトルシーンで言うことは断片的にしてみる。
 主人公は疑問を持ちながら戦うけれど後からラスボス事情を知ってしまう。
 「(日記か何かを読んで)あいつ、あの言葉は……!すまない、気がついてやれなくて」的な感じで。
 「第三者、アイテム投入」、個人的には「ハリーポッター」のスネイプ教授の過去を知る主人公みたいな。
 「俺の辛かった記憶をほんの一部でも共有してみろ!」
 とか言って記憶的な何かをぶん投げるとか、感情がシンクロしてしまう技があるとか

 最後に私がよくやること
 「断片的に証拠と事情と心情を見せて読者と一緒に主人公が推理する、その後肯定してもらう」


 適当に考えが纏まってきたころに
 お前、まさか……!」
 「そうだ、だからこそ俺はあの時誓ったのだ、この世界を滅ぼして見せると!」
(だからか!だからこいつはこんな行動を、つまりあの一連の騒動もあの布石!)
 そのとき全ての事情が一直線に繋がった気がした。
 なんてこと無い、こいつはただ○○を利用して××を成したかっただけ。
 くらりとめまいがする、これはただの悲劇だ。
 とても悲しい、○○と言う事件に巻き込まれ、世界を滅ぼすことで心を癒す、
 自分の寂しさを紛らわすだけの衝動。
 俺ももしかしたらこうなっていたのかもしれない。一つの結末。

 みたいな感じで読者と一緒に進んでいくのが私はよく意識していることです。
 文章と心の声と解説をバランスよく繋げていければ全て説明的な文章でもいいかと思います。

 それでは失礼いたします。


兵藤晴佳さんからの意見
 はじめまして。

 悪役が相手を圧倒しているのなら、話す余裕もあるでしょう。
 主人公をノックアウトしておいて、からかうように、
 あるいは叱咤、悠々と語るということは不可能ではありません。
 どつきあい斬りあいの中で話すのは不自然です。舌噛みますから。


サイラスさんからの意見
 どうも、サイラスです。初めて携帯から投稿します。
 確かに、敵が戦闘中にベラベラと身の上話をされると、読者としては、ウザいと思いますし、
 アニメや漫画といった視覚がメインのものしか、やってはいけない気がします。

 それでも、敵の身の上を読者に知ってもらいたいなら、
 地の文で、その敵意を抱く経緯(身の上)を書いて、
 台詞で感情を書くようにしたほうが、いい気がします。
 では。

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