第4研究室 創作に関するQ&A 523P | トップへ戻る |
Mickさんからの質問
 ライトノベルとは何か?
 
 ほにゃにゃちわー。Mickです。

 例えば、伊坂幸太郎の「死神の精度」は、ラ研ではラノベと紹介されていますが、
 書店のラノベコーナーに並んではいませんし、挿し絵もありません。
 ラ研が間違ってるとか言いたいんじゃありません。
 それに挿し絵の無いラノベも確か有ります。

 あまりにも定義が曖昧だ。って、言いたいんです。

 挿し絵無し、表紙も萌え絵ではなく、ハードカバーの場合、それはラノベと言うのか?
 つまり、文章以外の要素のみで定義できてしまうモノなのだろうか?

 「それ」がラノベと言えないのであれば、
 ラ研に投稿されている作品はラノベではないということになってしまいます。
 もっとハッキリ言えば、
 「それ」がラノベだというのなら、外見を取り繕って、挿し絵を付けた作品は、
 すべてラノベに分類されるでしょう。

 なにをもってラノベと定義できるのか?
 この未熟者に、お教えいただけると嬉しいです。(2009年10月現在)


●答え●

Tさんからの意見

 その人が、ラノベだと思っているものがラノベ。
 私はそう考えます。


mi-coさんからの意見

 面白いですね。
 あなたは、このサイトがライトノベル作法研究所だから、そのような論理を語っているのですね。
 ここがライトノベル作法研究所ではないのなら、そのような疑問は生まれないと思うからです。
 ラノベに挿絵ってありますよね。
 でも、それって、なんで入っているんでしょうか。
 それを考えた事がありますか?
 挿絵の入っていない小説は、どうして挿絵がないのでしょうか。
 それを考えた事がありますか?

 ラノベの新人賞に投稿された作品には、挿絵は入っているのでしょうか。
 入っていませんよね。後から付け足されるものなんです。作者の意向には沿わずに。
 一般文芸の作品には、挿絵は入っていませんよね。
 でも、それはラノベにしろ、同じですよね。最初は文章だけですよね。
 
 挿絵っていうのは、ラノベというジャンルだから入るんです。書籍化されて、初めて挿絵が入るんです。
 内容が全くラノベ向きではなくても、ラノベを発行しているレーベルから出版されることになれば、
 ジャンルはラノベになるんです。そういうものなんです。


 なので、このサイトにある投稿室の作品と挿絵とは、関係ありません。
 挿絵っていうのは、ラノベの読者層を考えて、入れているだけなんです。
 逆に、読者層をもっと上に捉えたら、挿絵がない作品もあるかもしれません。
 昔と今とは、時代は変わっているんです。
 死神の精度がこのサイトで紹介されていたとしても、
 挿絵がないのであれば、それはラノベではない、と個人的には思います

 ですが、小説家になるには、ラノベだけではなく、色々なジャンルを読むべきだ、と思います。
 このサイトはライトノベル特化だから、ライトノベル以外の作品を紹介するのはおかしい、
 とか思っているのなら、小説家になるのは諦めたほうがいいです。
 見聞や視野を広めて、色々なジャンルに挑戦しなくては、この世界では生き残れません。
 ジャンルに問わず、色々な作品から何かを吸収するという貪欲な気持ちがないと、
 おそらく、作家として芽生えませんよ。
 苦手と思っているジャンルにも、あえて挑戦しようとする気持ちがないと、
 おそらくプロになっても、駄目なんじゃないかな、と思います。

 以上です。
 偉そうに語っていますけど、私とは無関係です。
 ではでは、失礼しますね〜。


新次元さんからの意見

 ラノベもへったくれもない。
 面白ければ良い。
 ラノベでなくとも面白ければ読むし、つまらんかったらラノベでも読まん。



たくあんさんからの意見

 例えば、少年漫画ってありますよね?
 定義は少年が楽しめる漫画ってことなんですけど、私はこの定義が、曖昧なものに思えます。
 少年漫画といっても、少女が楽しめるものもあるし、大人が楽しめるものもある。
 定義の解釈によって、内容はどうとでも変化してしまう。

 定義とは、その実体を知らない人のための、お題目に過ぎないから。
 
 ライトノベルの定義は、主に中高生が楽しめる小説です。
 キャラクター重視や挿絵の多さは、中高生に楽しく読んでもらうための工夫です。
 一口に中高生、といってもそれをどう作り手が捉えるかは様々。
 だから、作り手の解釈の幅だけ、内容の幅が存在します。
 上記の理由から、

 例え挿絵がなくても、作者が中高生が楽しめると考えれば、ラノベです。広義の意味で。
 その中でも、ライトノベルのレーベルから出ていれば、狭義の意味で「ライトノベル」と呼ばれるのです。

 というのが、私の解釈です。

 つまり、ライトノベルの定義は、貴方自身が「中高生が楽しめる」というお題目をどう解釈し、
 定義するかによって変わります。
 誰かに定義をハッキリさせてもらうことではなく、自分ではっきりさせること。
 
 要するに「貴方がライトノベルと思ったものが、ライトノベルです」と言う言葉に帰結します。



緋石 橙さんからの意見

 そもそも、ライトノベルという言葉自体が結構最近出来た言葉ですから、
 曖昧なのもしかたないでしょうね。

 定義というなら、やはり皆さんが言うようなことでしょう。

 まぁ、ぶっちゃけて言えば『出版社のネーミング』だと思います。


吹雪雪崩さんからの意見

 こんにちは、吹雪雪崩と申します。
 ずいぶんと古い記事ですが……、

 「ライトノベルに枠をはめてはダメ。新しいものは常に外れたところから出てくる」

 という電撃文庫編集長の方の言葉をよく思い出します。
 自分はライトノベルのそういったところをとても気に入っています。
 なんだか苦しい感じがしなくて、新しいことにも挑戦できて。わくわくするんですよね。
 まだまだ新しいジャンルであるライトノベル。
 定義の定まっていないー―つまり存在しないのも自然なことではないのだろうか、
 という考え方もできると思います。
 
 それでも敢えて定義をするのならば、他の方々と同じく、
 『人そによりけり』ということになるのではないでしょうか。
 あまり上手く言えませんが、自分の中では今のところ、
 『純文学とは違って語彙や言い回しの難易度に執着せず、自分の表現したい通りに、
 そして読者の分かりやすいように、という方向性を持ったもの』という感じで思っています。
 ころころ変わっていくかもしれませんが……。
 
 純文学って、文学をかじっている人にしか分からない語句が出てくるときがあるじゃないですか。
 純文学ではそれも「よくこんなものを知っているな〜、作者の人」と
 ほめられそう(な気がするだけかもしれないの)ですが、
 ライトノベルでは「よく分からない」と眉をひそめられてしまいますよね。

 でもこの質問、けっこう奥が深そうですね。
 書籍の電子化が進んだり……、これからライトノベルは、どうなっていくのでしょうね。
 
 個人的な意見にすぎませんが、お役にたてれば幸いです。
 失礼します。


剣さんからの意見

 どうも、剣と申します。

 そうですね、「死神の精度」は読みましたが、確かにラノベじゃないですね。
 それに「精霊の守人」は児童文学ですし。
 あくまでお勧め小説なわけで、
 ラノベじゃなくても面白いから紹介したいとレビューを書かれたのだと僕は思います。

> それに挿し絵の無いラノベも確か有ります。
> あまりにも定義が曖昧だ。って、言いたいんです。


 そもそも文学の定義は非常に曖昧なものだと思います。
 古い本でエンターテイメント用に作られた作品が純文学に分類されることもあります。


 まあ、でも、だいたいは出版社によるんじゃないかなと思います。
 ラノベと宣伝しているところ以外ではどんなに内容がラノベであってもラノベとは紹介されないわけですし。
 そんなものだと思います。

> 外見を取り繕って、挿し絵を付けた作品は、すべてラノベに分類されるでしょう。

 少し勘違いされているようですが、挿絵のある小説がラノベだけであるとは言えませんよ。
 児童文学とかだと挿絵があります。一般小説でも挿絵はなくても写真はあったりします。
 なので絵があるからラノベであるという解釈は少しおかしいと思います。

 ジャンルなんて作者や編集の手によっていくらでも変わるものです。
 挿絵つきの小説は挿絵つきの小説であって、ラノベであるとは限りません。
 定義に関してはあまり重要でないと思うので答えはありません。
 解答になってませんがこれで。


みすたンさんからの意見

 ども、みすたンです。

 ラノベの定義については、古くから議論され尽くされたところがありますよね。
 色々な意見がありますが、その辺りはwikiで「ライトノベル」の記事を探してみてください。
 往々にして結論は出ず、「それぞれが決めること」
 というのが妥協点となることが多いのかな、と思います。

 さて、しかしこれだけなら他の皆さんと変わりませんし、
 もしかしたらご自分で調べられているかもしれないので僕個人の持論をば書かせていただきます。

 ライトノベル系レーベルの新人賞の規定要綱を見て回っていると、
 あるキーワードが浮かび上がってきます。
 「オリジナリティ」「エンターテイメント」
 この二つです(あくまでも個人的な印象ですが)。

 前者に関してはとりあえず置いておいて、後者を僕は大事にしています。
 「読者を楽しませてなんぼ」
 これが僕が書き物をする時、最近モットーとしているところです。
 そして、それと同時に僕が思うライトノベルとは

 「分かりやすいエンターテイメントであること」

 これだと思うんです。
 この定義も凄く曖昧ですがね……。

 ともかくライトノベルというのは
 「エンターテイメント」であることを追求したものなのではないかと、思うんですね。


 国語の教科書に載るようなのって、結構メッセージ性があったりするじゃないですか。
 でもそれって、読者が頭を使って考えて、読者によって千差万別の感じ方があって、
 なんていうか純粋に楽しめない気がするんですよ。
 「気楽に何も考えずに楽しめる。」
 それがライトノベルのいいとこなんじゃないかなー。みたいな。

 他にも色々あるんですが、最後に繰り返しますが僕の中でのラノベの定義とは以下です。

 「分かりやすいエンターテイメントに特化した小説」

 最後にもう一つの持論をば軽く。

 有川浩さん、ご存知ですよね? あの人は既に一般文芸作家として認知されているようですが、
 僕個人としては「ライトノベルのまま一般に受けることができた作家」だと思っているんです。
 反対に直木賞を受賞した桜庭一樹さん。
 あの人は「ライトノベルと一般文芸とを書き分けている作家」なんですね、僕の中では。

 前者は乙一さんや深沢美潮さんなんかが入るでしょうか。米沢穂信なんかは後者かな?
 まあ、何が言いたいかといえば、挿絵やら表紙の萌え絵やらハードカバーか否かやら、
 そんなことじゃラノベか否かの区別は付けらんないですね。ってこと。他の皆さんの意見と同じですね。

 もし、Mickさんが読者専門ならばここからの文章は関係がありませんが、もし作者サイドであるならば、
 「ライトノベルの定義が曖昧なのはあなたがライトノベルの枠をぶち壊すため」
 であると考えてみてください。
 何でも来いですよ。ライトノベルなんて。
 弁当争奪戦がネタになるなんて、誰が考えたんだよチクショウ。

 自分の考えを書き散らかしたため、うまく考えがまとまっていない文章で申し訳ありません。
 これじゃあ「分かりやすい」作品なんて書くのは夢のまた夢だなorz
 参考にまでなれば幸いです。
 以上、しばらく物書きから離れようかと思っている生意気な若輩者の意見でした。

 ではでは!


雷徒さんからの意見

 こんばんわ、雷徒です。

 ラノベを明確に定義しても、あまり意味はないと思うのです。
 そんな呼び名にこだわったところで、何も変わらない。
 私たちは書きたいものを楽しく読んでもらうために小説を書くだけなので。
 電撃や富士見ファンタジアのようなライトノベルレーベルとされているところから出版されれば、
 ラノベと呼ばれるでしょうが、それはたまたま自分の作品を評価して出版してくれたのが
 ラノベレーベルだったというだけで、ラノベを書こうとして作品を書き上げたのではないのですから。


風月堂さんからの意見

 多少の例外があるというだけで分類それ自体が怪しいといってしまうのは、
 ちょっと乱暴な考え方ではないでしょうか。

 剣さんも述べるように、純文学とそうでない一般の小説という区分とて、
 明確な「客観的な」基準というものが存在するのでしょうか?
 「純文学はあまりにも定義が曖昧だ」と言ってもジャンル自体の否定にはならないように、
 ラノベの「客観的な定義」を求めることにどれほどの意味があるのか疑問です。

 とはいえ、「ラノベと思ったのがラノベ」という言い方にも、個人的には同意しかねるところです。

 一般論ばかりではすっきりしないので、改めてここで、「実際の作品を取り上げて」考えることにします。


○ハードカバーでもラノベ?
>挿し絵無し、表紙も萌え絵ではなく、ハードカバーの場合、それはラノベと言うのか?
 以下の話の大前提として、「挿絵=萌え絵」と限定して、話を進めます。
 一般書籍でも挿絵があることがあるので挿絵だけでは、なんら区別にならないからです。

 ラノベと言われるかは微妙な気もしますが、「図書館戦争」や「空の境界」は、
 ラノベに近い扱いをされているように思えます。
 しかし一方では、確かに、有川浩の「塩の街」や、
 桜庭一樹の「砂糖菓子の弾丸は打ち抜けない(以下「砂糖菓子の〜」)」のハードカバーは、
 あまりラノベとは言われないような気もします。


○体裁としてのラノベ、ラノベっぽくないと言われるラノベ
>外見を取り繕って、挿し絵を付けた作品は、すべてラノベに分類されるでしょう。
 「砂糖菓子の〜」など桜庭一樹の作品は、ときにラノベ"っぽくない”と言われますが、
 少なくともラノベレーベルから出ている分には、ラノベ"ではない"とまでは言われないものです。
 少なくとも、角川スニーカー文庫や電撃文庫などのラノベレーベルから出ている分には、
 どんなに二次元的色彩が希薄であっても「ラノベではない」とは言われないでしょう。

 たとえば、GA文庫の「クレイジーフラミンゴの秋」は、
 内容を見るに二次元的なキャラクターやファンタジックな設定があるわけでもなく挿絵もなく、
 ほんとうに昭和の中学生の話です。
 どうしてラノベのレーベルで出ているのか理解に苦しむくらいです。
 個人的には、もっともラノベ"らしくない"ラノベだと思っています。
 が、少なくとも、「ラノベ的な内容ではない」と言われることがありうるとしても、
 体裁上は「ラノベではない」とまで言われることはないでしょう。

 外見がラノベレーベルの体裁で挿絵が二次元的ものならば何でもラノベ扱いされる、
 というのはある意味正しいと思います。



○ラノベっぽさ
 少なくとも、ラノベレーベルという「体裁」なら、まず間違いはないでしょう。
 そうしたレーベルの作品をいろいろと見ていきますと、
 どこかに「ラノベっぽい何か」を感じられるのではないでしょうか。

 たとえば、登場人物が高校生で、二次元的な性格設定のヒロインでがいて、
 魔法などのファンタジー的な要素があれば、挿絵がなくともラノベ"っぽく"見えるのではないでしょうか。
 少なくとも、マンガ化やアニメ化との相性のよさからも分かるように、
 二次元的なヒロインキャラ重視は、それだけでラノベ"らしさ"を強く感じさせるのではないかと思います。

 個人的な"主観"ですが、挿絵のないことでラノベっぽくないといわれる「ミミズクと夜の王」も、
 個人的には、後半の中世欧風ファンタジー的な様子からラノベらしい世界観だと思ったものです。


○通常ラノベとは言われないけど、キャラ絵の挿絵のつくラノベっぽい作品

 しかし一方で、二次元的なヒロインキャラ重視でキャラ絵の挿絵があっても、
 「一般的には」ラノベといわれないものもあります。

 いわゆるギャルゲのノベライズは、
 ラノベレーベル以外の場合、ラノベといわれることは少ないように思えます。
 たとえば、「水月(F&C・FC01)」という18禁ゲームは、Paradigm novelsという18禁レーベルで
 「水月/三田村 半月」「水夏-SUIKA-/雑賀 匡」というノベライズがあります。
 しかし一方ではまた、同じゲームで、(ノベライズも多いとはいえ)ラノベレーベルのファミ通文庫で
 「水月―この世界に足りないもの/蕪木 統文」「水月 迷心―この世界に降りそそぐ光と/同著」
 というノベライズもあります。

 ファミ通文庫版は、(少なくとも体裁上は)ラノベと呼ばれると思いますが、
 一方の18禁レーベルまでラノベといわれれば同意は難しいのではないかと思います。
 
 性的描写につき露骨な描写はしない、というのもラノベ「らしさ」の一つか知れません。

 また、キャラ絵がありファンタジックな設定も少なくない、フォア文庫のような児童文学レーベルも、
 限りなくラノベに近いように思いますが、一般にはラノベといわれることはないでしょう。
 キャラ絵の例として、
 フォア文庫の「妖界への帰還―妖界ナビ・ルナ2/池田 美代子(著)/戸部 淑 (イラスト) 」、
 エンタティーン倶楽部の「千年の時をこえて/沢村 凛 (著)/竹岡 美穂(イラスト)」。
 前者はお留守バンシーの、後者は文学少女シリーズと、
 いずれもラノベの挿絵も描いている人であることに注意。
 これも、ラノベと呼ばれることはほとんどないように思えます。

 こうしたケースを考えますと、ラノベたるためには、
 ラノベレーベルという「体裁」もまた大きな要素といえるといえるのではないでしょうか。



○ラノベ=ラノベレーベル?
 ただ、そもそもは「客観的な」定義にこだわることに大きな意味はなくて、とりあえず、
 「ラノベ=ラノベレーベルの作品」と思っておけば大過はないと思います。
 レーベル以外はケースバイケースでラノベに含める、というところでよいと思います。


 「レーベル以外はケースバイケース」というのはダメで、
 どうしても「ラノベ」と「ラノベらしさ」を分けて考えたいのであれば、
 「ラノベ=ラノベレーベルの作品」に限定してもよいと思います。
 その上で、キャラクターや二次元的なの挿絵など、なんらかの「ラノベらしさ」を見出せたものを
 「ラノベではないけどラノベ"っぽい"作品」と見ればいいのではないでしょうか。
 
 私は基本的に、この立場に立って、
 『レーベル以外は、明確にはラノベとはいい難いけど、それに近い雰囲気や体裁のものも少なくない』
 という見方をしています。

 もう一つ、別の見方。
 「ラノベ」と「ラノベっぽい作品」という二分法とは違うやり方で、どうしてもラノベだと認めたいのならば、

 「内容的なラノベらしさ」「キャラ絵など文章以外のラノベらしさ」「ライトノベルレーベルという体裁」
 の、三者の兼ね合いで考えるしかないと思います。


 この三点の組み合わせで、ある程度の説明はできるかもしれません。
 例として……
 
「内容的にはラノベ的でなく、キャラの挿絵もないけど、ラノベレーベルから出ていてる作品」
 ……クレイジーフラミンゴの秋

「内容的にはラノベっぽくないけど、ラノベレーベルから出ていて、キャラ絵の挿絵のある作品」
 ……桜庭一樹の各種作品

「ラノベレーベルでなく挿絵もないけど、二次元的ヒロインやバトルアクションなど内容はラノベっぽい作品」
 ……図書館戦争、空の境界

 というかたちで、一部だけ満たしているというケースは十分にありうることです。


 いずれにしても、「ラノベレーベルという体裁」は、まず間違いのない「客観的な」定義といえるでしょう。

 しかしそれ以外の点、とくにキャラ設定などの本文上の要素と、
 非ラノベレーベルの場合の問題、については、一概には言えないのではないかと思います。

 長くなりましたが、失礼しました。


■投稿後の追記  主観的な分類は価値がない?
 以上では、実作品を取り上げて検討してきました。
 "ラノベらしくないという評判の作品"や"ラノベ類似の体裁のレーベル"を挙げてもなお、
 レーベルという体裁以外には客観的な分類というのは存在しないように思えます。
 そうした理由から私の個人的な考え方としては、「レーベル上のラノベ」と
 「ラノベレーベルでないけど、内容や体裁がラノベに近い作品」という分け方をしています。

 しかし、そうではなくて電撃文庫などのラノベレーベル以外の作品でも、
 それらしい作品をどうしても「ラノベ」と呼びたいのであれば(私個人的には同意しかねますが)、
 ラノべ"らしさ"、ラノベ"っぽさ"といった、「主観的な印象」によって分類するしかないでしょう。

 なぜ、文庫の体裁ですらなくキャラ絵の挿絵もない
 「図書館戦争」や「空の境界」がラノベ同然の扱いされて、
 なぜ文庫に近いサイズでキャラ絵の挿絵もあるフォア文庫はラノベの範疇で見られることがほとんどなく、
 なぜ、同じ18禁ゲームのノベライズがレーベルの違いでラノベとみなされたりみなされなかったりするのか
 そうした具体的な事例をみるに、(ラノベレーベルという体裁以外のものにつき)何をラノベとするかは、
 
 世間の"評判"や出版社の"自称"といった「主観的な要素」が大きいのではないかと思います。

>主観ではなく、客観的で明確な定義はないかということです。

 とのことですが、「実作品や世間の評判」をみてみるに、何をラノベと呼ぶかは、
 主観的な好みという要素も大きいのではないかと思います。

 正直ながら、具体的な検討もせずに「"主観的な要素"が判断基準となっているという可能性」を
 「頭ごなしに否定」してしまうのは、それこそ「主観的な決め付け」ではないでしょうか。

 それでは失礼しました。


化野 幽さんからの意見

 アダシノ カスカと読みます。はじめまして。

 「ライトノベル」の定義という問題は自分も考えてました。
 個人的に自分の作品は「ライトノベル」のつもりで書いてませんね。

 何人もの方が言われているとおり、結局のところ曖昧模糊としたものなので、
 結論を出すことに意味が無いようです。

 そもそも、この「ライトノベル」というものは、書き手が意識して作り出したものでしょうか。
 調べたわけではありませんが、出版側の商業的な単なるラベルに過ぎないのではないかと思うのです。
 
 ラノベ市場が熟成したことで、兎にも角にもラノベとつけてれば売れる。
 という書き手を無視した売り手の都合のように感じます。
 故に、ラノベには定義が困難になるほど様々な作品が出版されているのだと思います。



 ここから先は余談ですが、
 ラノベの定義が曖昧模糊で誰にも決められないというならば、
 「ラノベらしくない」という批評は非常に酷いと思いませんか?
 自分はそう思いました。
 自己の勝手な基準からラノベではないと門前払いするような発言は誠に遺憾に思います。
 聞き上手が話し上手であるように、
 書き上手は、批評上手なんじゃないかと最近感じてます。

 最後愚痴になってすいません。


しゃんてんさんからの意見

 シャンテンと申します。

 ライトノベルとはパソコン通信(インターネットにあらず)で作られた単語で、
 富士見ファンタジアや角川スニーカーで少年向けレーベルに属する作品の呼び名として
 決められたような気がします。


 ここからは私の印象ですが……富士見ファンタジアや角川スニーカー、
 あるいはそれらに続くレーベルは少年向け、ことにゲームや漫画、アニメなどを
 好きな少年を対象とした作品ということで大体あっているのではないかと。
 これらの作品は、アニメや漫画やゲームで見られるような設定やバトル、
 ある種のギャグ、美少女、軽い文章など、
 他の一般向け小説では従来余り見られることのなかった要素を取り込んだものが多かったです。

 そこで少年向けレーベルに属していなくても、
 これらの要素が見られる作品もライトノベルと呼ばれる場合も出てくるになったのではないかと。

 さらに、ライトノベルファンの中には、少年向けレーベルに属する作品のファンが楽しめる
 一般向け作品もライトノベルとして、他の人に勧める人も出てきたように思います。

 また、比較的年配の方々の中には、重みの感じられない小説や
 自分たちの世代には受け入れられないだろうと判断した小説をライトノベルというときもあります。
 実際、舞城王太郎の作品がライトノベルだと呼ばれたこともあります。


 以上、ライトノベルの推移について、あくまで自分の感じたように書いてみました。
 実際には間違っているかもしれませんが。

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