第4研究室 創作に関するQ&A 522P | トップへ戻る |
実央さんからの質問
 小説に恋愛要素は必須?
 (研究所の掲示板に書き込まれた文章を一部修正して転載しました)

 こんにちは。掲示板では、はじめまして。
 2次小説専門で20ほど書いていたのですが、最近本格的にライトノベルを書き始めたものです。

 このHPの掲示板を参考にして現在長編を書いているのですが、どうしても悩んでしまう点があります。
 それは「恋愛要素を物語に絡める」ということです。
 恋愛を題材にすると読者の興味を引き付けるとストーリーの作り方ガイドにはありましたが、
 どうしてもこれを考えると手を止めてしまいます。

 なぜなら、あたしは現実・創作・見る・読む・書くを問わず恋物語というのが苦手だからです。
 恋愛をメインとした少女マンガは昔から引き気味で、
 ファンタジーものでも恋愛がらみの場面はすっとばします。
 小説の有名どころには一応目を通しましたがセカチューもどこが面白いのか分からず、
 今会いは母と子供のやり取りに涙しました。
 ドラマでメイン登場人物が中盤から恋愛感情を抱く様子には吐き気すらもよおします。
(ちょっと大げさですが(汗))

 お題をもらってなんとか書いてみようと思っても、
 「好きです」「愛してる」はもちろん「ほほを赤らめる」「手をつなぐ」「視線が合う」などの
 恋愛要素がらみの描写になると自分で恥ずかしくなりバックスペース連打という事になってしまいます。

 というよりあたしまず独身主義なんですよね(汗)。
 まだ20歳ですが結婚が義務のようにしか思えません(苦笑)。

 なので出来るだけ恋愛のない物語を書きたいと思っています。
 今書いているのは男の子二人が主人公の現代ファンタジーです。
 女の子の登場人物もいますが友情や兄妹関係で落ち着かせています。
 けれどやはりそれではダメなのでしょうか?

 ご教授願います。


●答え●

Tさんからの意見

 読者が読みたいモノ=あなたが書きたいもの
 ではありません。
 読者の読みたいもの=(多くの場合、恋愛要素が含まれた)作品である。

 
 というだけ。

 読者に受ける事なく、ただ自分が書きたいだけの話を書きたいんだったら、
 好きなように書くだけで構いません。

 
 ただ、少しでも面白いと言われたい、またプロになりたいというのでしたら、
 恋愛要素程度書けるようにならないといけませんね。


二階堂さんからの意見

 恋愛を絡めなくてはいけないルールはありません。
 無理矢理に恋愛を絡めても、ただ読者に媚びているだけの作品になります。
 オリジナリティが大事と書いておいて、
 恋愛を絡めろだの、こういうシーンを入れろだの書いてあるのも正直どうかとは思います。
 参考にする程度にしておいたほうがいいです。
 
 恋愛が書きたいならともかく、恋愛を入れたほうがいいのかなーくらいの気持ちで書いても、
 いい具合に仕上がるはずがありません。


 ですがプロを目指しているのなら、書くように言われることもあるので、
 スラスラ感情入れて書けるように練習する必要はあると思います。


アリスさんからの意見

 こんばんは、アリスと申しますw

 無理に恋愛要素を入れる必要はないと思いますよ。
 実央さんの書いている小説には、男の子も女の子も登場するようなのでそれで良いと思います。
 というか、私もあんまり恋愛シーンを書くの得意じゃないので気持ちが少し分かります。
 『頬を赤らめる』程度なら平気ですが『愛してる』なんて言葉を書こうとすれば、
 私も恥ずかしくなってしまってすぐに消してしまいます;
 
 執筆する小説でも、恋愛シーンは少ないです。あるにはあるのですが、イッチャイッチャはさせません。
 男の子が女の子にちょっとした嫉妬とか、軽めの恋愛シーンなら私は許せるのですが。

 私からは以上です。それでは、失礼します。


魏延さんからの意見

 青二才のくせに無礼な・・・と思われるのも覚悟で以下を書きます、

 恋愛は、何だかんだ言っても人生で最も心が激震するイベントのひとつです。
 どんな名君や極道や凡人でも、恐らく例外はないでしょう。
 だからこそ、一番普遍的なテーマなのです。


 友情だって大切なものには代わりありませんが、
 フィクションの中で人物が恋愛より友情を取ったりしたら、
 軽くブーイングが起こる気がします。

 友情と恋愛は、ある意味まったく次元が違うと思います。
 コーヒーと紅茶のどっちが好き? なんてレベルじゃないです。

 アマアマいちゃいちゃな描写や性的な描写なら、
 恥ずかしくて書けない、書くのが嫌、というのはよくあると思いますけど、
 「頬を赤らめる」さえ恥ずかしい、恋愛に興味がもてない・理解できないというのは、
 失礼ながら、未だ恋愛の体験(≠経験)がないからでは、と思いました。
 
 どうしてお前にそんなことが言えるのか、といいますと、
 ・・・数年前の僕とほぼ全く同じ症状だからです(^^;)
 ですが、一度体験してしまうと、
 恋愛を書くことよりも、恋愛には一切触れずに少年少女を書くことの方が難しく思えてきます。
 恋愛や美少女抜きでラノベとして評価される水準のものを書くのは恐らく不可能に近いですから、
 物語の都合上書けないのならともかく、「恥ずかしくて書けない」だとさすがに厳しいのでは・・・。


氷野まくらさんからの意見

 恋愛が必須ではありませんが、プロの作家を目指すなら、
 恋愛を読みたい読者を失うハンデを背負うことになります。

 何を書くのかにもよりますが、何事も経験あるのみだと思いますよ!


啓さんからの意見

 初めまして、若輩者の啓と申します。
 僭越ながら私も1つ意見を。

 私自身も恋愛や結婚には消極的な考え方の持ち主ですが、
 一方で恋愛ほど感情として強く、また多岐にわたる表現がある感情は無いと思います。


 何らかの流れで行動を共にすることになった男女が、
 互いに魅力を見つけて恋愛感情を持つというのは自然なものですし、
 相手と一緒にいたい、守りたいという感情は多く方の共感を呼びます。

 また、愛し合っているのに結ばれない、愛し合っていた者達が引き離されるという流れならば、
 それは『この恋愛の結末がどうなるのか』という期待や不安も重なり、読者に物語への興味や、
 そうした困難を打破して結ばれた際のカタルシスを与えるでしょう。

 更に、『好きだからこそ、そっけなく当たる』ツンデレ、『好き過ぎて行動が暴走する』ヤンデレなど、
 恋愛がキャラクターに方向性を与えてくれる場合もあります。

 何より、ライトノベルを書く際に気を付ける重要事項に、
 『読者は中高生が多い』という点があることにも絡んできます。
 この年代は恋愛に興味が沸き始め、異性を強く意識し出す世代です。

 『恋に恋している』状態の彼らが読むことを考えると、
 必須とはいかなくとも重要なウエイトを占めていることに変わりはないでしょう。

 こうした観点から見て、ご自身の考え方は別として恋愛要素を作品に盛り込むことを試すのは、
 決してマイナスにはならないと思います。


MIDOさんからの意見

 こんにちは、MIDOです。結婚願望中学生頃からずっと抱いている女子です。
 の割に二次元にばっか走るのは問題だと思います我ながら。

 恋愛要素は必須か否か。
 対象の読者によると思います。

 恋愛はあれば燃える(萌える)ひとつの要素ではありますが、
 恋愛なしでもおもしろい作品っていっぱいありますよね。
 少年漫画を見ると特にそうかな、と。
 ワンピースとか、恋愛要素なくてもすごくおもしろいじゃないですか。
(まぁあの作品の場合、女の子がみんな可愛くてエロくて、
 絵的にいい感じなのでセーフというのもあるのかも知れませんが)
 だから「熱いバトルが好きなんだ!」という読者が対象の作品なら、
 無理に恋愛要素って入れる必要ないと思います。

 逆に少女小説とか、恋愛があってこそ楽しめる(と言っては語弊があるかも知れませんが……)作品には
 恋愛はやっぱり入れないと、ということになります。

 でも女の子読者を意識した少女レーベルでも、恋愛要素がない作品はありますよ。


 角川ビーンズの新人賞で奨励賞を獲得した『神語りの玉座』 という作品は、
 一巻の時点で男キャラしか存在しませんでした。
 その後シリーズ化してからはきちんと女の子が主人公と恋愛フラグで出てきましたが、
 「恋愛要素を入れなくても(あるいは男同士の友情という点でも)新人賞はとれるんだ」
 と当時のわたしはかなり関心を持ったように思えます。
 特にビーンズは甘い、甘酸っぱい? 恋愛がいっぱいなので、
 この作品はある意味異色だなと思っております。

 だから、恋愛が苦手でも、恋愛以外の部分を磨けば、
 しかもそれが読者におもしろいと受け入れられるものであれば、
 無理してラブラブの男女を出させる必要はないかな、と思いますね。


 あと、最近考え出したことなんですが。
 「恋愛要素はいらないけど、ひとつの作品に男キャラと女キャラ、両方出したほうがいい」
 という考えがあります。個人的なものですが。
 
 たとえキャラ同士が恋愛をする関係に発展しなくても、ひとつの目的を一緒に達成する仲間、
 という感じで男女両方がいたほうが作品がおもしろくなるんじゃないかな、と。


 ジブリ作品を見るとこういうのが多いのですが、ナウシカ然りラピュタ然り、恋愛には発展せずとも、
 男女のキャラクターが出ているわけです。
 どちらかというと恋愛しているというより、
 友情や目的の下行動を共にしている関係が多い気がするんですよね。宮崎アニメって。

 でもそれがのちのち恋愛に発展するような匂いを発していることもあり、
 作中で結ばれなくても、フラグ立てしておくだけで充分おもしろく感じられるな、と思います。



 恋愛は描くのではなく、匂わせるだけでも楽しいです。
 苦手なら、無理に恋愛の関係にしようとしなくていいんですよ。
 兄弟でも友人でも、そこに男キャラと女キャラがいて、
 同じ目的に突っ走っていれば、たぶん作品はおもしろくなると思います。

 コメントは以上です。


黒茜さんからの意見

 まあ、恋愛は日本文学と切り離せない存在でしたからね。
 でも、それは古典の話で現在はそれほど固執する必要はないと個人的には思ってます。
 しかし、それでも恋愛のもつ力は強力だと思います。
 陳腐で使い古されたストーリー展開でさえ、涙をこぼす人もいるわけですし。

 なので、その強力なファクターを抜くのなら、
 それに変わる強烈な独創性が必要になってくるのではないでしょうか。

 友情でも親愛でも寂寥感でも孤独感でも、普通の小説では書かないよいなとこまで掘り下げるとか、
 なにかそういう特異なもの突き抜けたものを書けるなら、
 恋愛要素などなくても面白くなる事間違いないと思います。
 恋愛ありきな考えは僕自身余り好きでないので、是非頑張ってください。


みつきさんからの意見

 実央さま、はじめまして。

 恋愛要素を物語に絡めることが苦手――そのお気持ち、よく分かります(笑)。
 私も恋愛や結婚はどっちかっていうと面倒くさいなあと思っているタイプなので、
 物語や小説方面でそれを補充する気も昇華させる気もあんまりなかったり……。
 
 ただやっぱり、恋愛要素が入ってこそ面白い、と感じる読者さんたちはそれなりに――
 というか、かなりたくさんいるので、そこはサービス力をつけておいたほうがいいよなあ、
 というのは実感として感じています。
 
 というわけで、恋愛全般に感情移入して書くのは難しいと感じるのなら、
 各種物語・小説の中で表現される恋愛の一部の部分、
 あんまり興味はないながら、その中でもこの部分だけは見ていても特に邪魔に感じないなあ、
 という部分を自分なりに探し出して、そこを自作品に上手く混ぜ込んでいけると良いんじゃないかなあ、
 と思ったりするのですが……。
 というか、私はそうしているな、とふと思い当たったので書いてみました。

>けれどやはりそれではダメなのでしょうか?

 他の方々もおっしゃっているとおり、恋愛のない物語や恋愛要素の極薄い物語でも、
 面白いと支持されて人気のある作品は世の中にたくさんあるんですよね。
 
 そして、そういう物語をよく見てみると、物語全体がとても深い示唆に富んでいたりして、
 人生におけるちょっとした秘訣を読者にたくさんプレゼントしていたり、
 知的興奮や知的欲求をとても豊かに満足させてくれていたり、
 独創的な世界観や設定で読者を物語世界に強く引き込み、
 全く違う次元につれていって楽しませてくれたりと、
 恋愛に変わる、もしくはそれ以上とも言えるような面白さをちゃんとそなえているものなんですよね。
 
 というわけで、恋愛抜きで勝負、というのなら、それに変わる、
 それ以上の面白味を付加することは必須なのではないかなと思います。

 その『面白味』をどの方向性に求めるかは人それぞれですが、
 出来ればこれまでにあまりないような、個性的な方面の面白味だといいかもしれませんね。

 それではこれにて。


紑輝(ひゅうき)さんからの意見

 自分の言いたいことは大体他の方がおっしゃってるので、もう少し違った視点で。

 二次創作でよく原作にないカップリングを書いた(描いた)ものってたくさんありますよね。
 キャラが魅力的なら恋愛要素がなくても、二次カプ好きが脳内補完してくれる思います。
 なので、あまりその辺は気にしなくてオッケーかなと。
 恋愛要素がなくても、意図的に二次カプ好きがニヤリとくるようなシーンを入れる作品もありますし。
(女性向け気味の作品とか)


オキナさんからの意見

 こんばんは。オキナと申します。

 意外と女性の方に多いんですよね。恋愛面倒とか理解できないとか。
 やっぱり実を結んだ暁には妊娠出産するのが自分自身だっていうのがあるせいなのでしょうか。
 男なんで良く分かりませんが。
 
 俺の友人にもそんな女性が一人いましたが、
 ある日突然恋愛に目覚め、あっという間に結婚して子供も二人産んでしまいました。
 ……分からないものです。

 それはともかくとして。

 作中に恋愛を描かなきゃいけないか、ということであればそれはもちろん「No」ですが、
 恋愛そのものが理解できずに苦手である、というのは作品を書く上ではマイナスでしかないと思います。
 日常生活に例えるなら、目が見えないとか耳が聞こえないレベルのマイナスです。

 そんな大げさな、と思うかもしれませんが、実際これくらいの不便はあると思います。誇張でなく。
 もちろん目が見えなくても慣れれば一人で道を開くことは出来ますし、
 耳が聞こえなくても相手の唇の動きで言っていることを察することが出来るようにもなるわけですが。

 普通の人は普通に恋愛とかします。
 好きな人に好きと言ってもらえたらとんでもなく嬉しいし、その人と触れ合えればもっと嬉しいのです。
 恋愛が発端で人を殺そうと思ってしまうことだって珍しくは無いですし、
 大好きな相手のためなら死ねるとか、生き方を変えたっていい考えるのは、
 そんなに大げさなことでもありません。
 
 これはもう、理屈ではなく感覚の話です。死ぬのが怖いとか、痛いのは苦しいというのと同レベルです。
 それが分からないというのは創作において「障害」と言っていいです。
 事実として「男女の間には友情関係は成立しない」と信じている人間さえ、
 この世の中にはかなりの数、存在しています。

 まあ、だからと言って、分からないのに「分かれ!」と言うのはムチャな話ですよね。
 恋愛という巨大な引き出しを空っぽにしたまま創作活動を続けるのか、
 分からないなりに理屈で何かそれらしいものを
 「たぶんこうらしい」として詰め込むのかは自由だと思います。
 恋愛要素なんか無くても面白い作品は山ほどありますし、
 理屈と理論で武装して、恋愛らしいものを生み出すことだって不可能ではないはずです。

 いずれにせよ、意外と重大な問題ですので、気合を入れて臨んでいただければと思います。

萌え・美少女・美形・BLについて
その他・創作上の悩み
世界観・リアリティ・設定についての悩み
タイトル・ネーミングについての悩み
やる気・動機・スランプについての悩み
作家デビュー・作家生活・新人賞・出版業界
上達のためのトレーニング・練習法について
読者の心理・傾向について
使うと危険なネタ?
恋愛・ラブコメについての悩み
ライトノベルについて
文章・描写についての悩み
人称・視点についての悩み
推敲・見直しについての悩み
コラム(創作に役立つ資料)
批評・感想についての悩み
ネットでの作品発表の悩み
ストーリーについての悩み
冒頭・書き出しの悩み
プロットについての悩み
キャラクターについての悩み
主人公についての悩み
セリフについての悩み
オリジナリティ・著作権・感性
テーマについての悩み
二次創作についての悩み

 携帯版サイト・QRコード
  
第4研究室は小説を書く上での質問・悩みをみんなで考え、研究する場です。
質問をされたい方は、創作相談用掲示板よりお願いします。
質問に対する意見も募集します!
投稿されたい方はこちらの意見投稿用メールフォームよりどうぞ。
HOME|  第1| 第2| 第3| 第5| 鍛錬室| 高得点| CG| 一押| 資料| 掲示板|  管理人| 免責| リンク| メール|