第4研究室 創作に関するQ&A 583P | トップへ戻る |
帽子さんが答える
 ラノベ新人賞下読みへのQ&A

 おはようございます。(2011年1月)
 先日仕事が一区切りし、久しぶりにこのサイトを覗いて質問に答えてみたら意外に楽しかったので、
 ここにスレッドをたてさせて頂きました。
 私はラノベのレーベルの複数で下読みをしています。(割と長年)
 下読みをしている人間の一人に何か聞いてみたい事などありますでしょうか。

 カテエラって本当に存在するの?
 下読みの人って本当に全部読んでるの?
 等々、基本的なことからお気軽になんでもござれです。

*但し創作活動はしていませんので完全な読み手側からの意見になります。
*本人が特定出来るような情報には答えることはできません。

 それではよろしくおねがいします~。


ツェーブラさんからの質問
 おはようございます。
 それでは一つお願いできますでしょうか。

 昔からネット上には
「一次選考は運だ! 俺の作品は悪くない!」
 と言い張る輩が少なからず存在します。
 そのような発言についてどのように思われますでしょうか。
 私個人としては人事を尽くして天命を待つのみ、と考えております。
 それに三年連続同じ作品で一次落ちした経験がありますので、運は関係ないと確信しておりますw

 ぜひ帽子さんのお考えをお聞かせください。


帽子さんからの回答
 こんにちは、いらっしゃいませ。

 運が関係あるか、との事ですが残念ながら関係あります。
 特に一次の場合は一人にしか読まれませんからね。

 
 例えばですが、現在売れ筋の作品で編集前のものを読ませて頂いたことがありました。
 その作品は日本語があまりにも破綻していて私のハコでしたらまず通していません。
 そういった意味では、その方は私に読 まれなくてラッキーだったと言えるかと思います。

 ただ、実力が本当にある人ならば新人賞の乱立している今、いつかは必ずデビューできます。
 デビューした際に落ちた作品も使えるようになるのでどんどん書き続けてほしいと思います。


 余談ですが、三年連続同じ作品で一次落ちというのは使い回しで、という事でしょうか?
 使い回しの場合、編集部からその作品は○○賞の○次落ちの作品だと知らされる事も多いんです。

 使い回しというだけで下読みは嫌がりますから(下読みの事情ですいません)、
 そのせいもあるかもしれませんね。



やなぎさんからの質問
 はじめまして、やなぎと申します。下読みの方だと聞き、二、三ほど質問させていただきます。


 一次で落とされる原稿というのは、どのような特徴があるのでしょうか。
 規定違反や小説が完結していないというものは論外として、です。


 帽子様が下読みになった経緯を簡単に教えていただきたいです。
 もちろん具体的な名前は出さなくても構いません。
 私も下読みを一度経験してみたいのです。非常に辛い仕事だそうですが……。


 自分に余り馴染みのない、あるいは好きでないジャンルの小説が来たとき(逆もしかり)、
 その作品は落とされる可能性が高くなってしまうのでしょうか。

 あくまで帽子様の私見で構いませんので、よろしくお願いします。


帽子さんからの回答
 いらっしゃいませ。

 1についてですが、

Ⅰ・小説になっていない(文章として、という意味)。
Ⅱ・キャラクターがたっていない(萌えが無い、ヒロイン不在含む)。
Ⅲ・有名作家の作品と作風や文体が似ている(あからさまなレベルでという意味。
 例:いきなり言葉遊びから始まる)

 この三項目のみで9割以上が落ちてしまう現状があります。

 2についてですが、私は雑誌の書評掲載からでした。
 なので目指すのならそこら辺からでしょうか。
 あとは読書量が絶対に必要です。好きなジャンルの名作は読んでおきましょう。
 下読みについてですが、正直辛いです。辛いですが喜びもあります。頑張ってください。

 3についてですが、
 
 自分が好きじゃない、又は馴染みのないジャンルですと、
 送られてきた作品がどの程度の水準で書かれているのか正確には判断出来ないんです。
 そこで分からない場合は通してしまい、次の選考委員の判断に任せます。

  
 逆に好きなジャンルの場合です。
 例えば、私は異世界ファンタジー、SF、ミステリーは読み漁っています。
 なのでこの3ジャンルだと送られてきた作品の水準がほぼ正確にわかってしまうんですね。
 言ってしまえば「これじゃ通せないな」となってしまうんです。

 余談ですが、最近ですとジャンル融合作品なんかがねらい目なんじゃないかと思っています。

 例えばファンタジーとSF、ファンタジーとSFとミステリーの融合など。
 それぞれに言うまでもないヒット作がありますが、
 ジャンルをうまく融合させている作品はそれだけで価値のあるものだと私なんかは思います。


むらちゃんさんからの質問
 下読みの方に質問ができるなんて滅多にないので、是非質問させてください。

質問1
 レーベルによって、うちはこういうのが欲しいから、例えば萌えはできるだけ通過させてみたいな、
 優先 させるポイントは言われるのでしょうか?

質問2
 ハウツー本を読み、
 オリジナリティ
 キャラクター
 ストーリー
 文章力
 の順で評価が高いと書かれてましたが、やはりこの順番で評価をしていますか?

質問3
 評価シートを書くのは編集者さんで、下読みさんは通すか落とすを決めると、どこかで聞いたのですが、
 これは本当でしょうか?

 不都合でなければ、是非教えてください。
 お願いします。


帽子さんからの回答
 いらっしゃいませ。

 質問1についてです。
 こういうのが欲しいだろうな、というのは基本的に下読みが考えます。
 そういう判断を含めて下読みに委任しているということになります。

 質問2についてです。

 ストーリー>キャラクター>オリジナリティ>文章力
 私の場合、敢えて順番をつけるのならこうなります。

 
 オリジナリティがあっても話が面白くなかったり、キャラクターに魅力がなければ駄目です。
 逆ならあからさまな模倣で無い限り通します。

 質問3についてです
 レーベルによって異なります。


マイヤーさんからの質問
 鍛錬投稿室(長編)の中の作品を片っ端から評価してみてほしい(願望)
 しかし時間的に無理だと思うので、
 点数が高い作品一作とか、最新投稿作品とか、下読み視線で一言論評が欲しい。
 自分の感覚との違いを理解したいから。


帽子さんからの回答
 いらっしゃいませ。
 作品名指定して頂ければ読ませて頂きますよ。
 ただ、時間的な問題もありますし、そんなに多くは読めませんが。


kuroyamaさんからの質問
 下読みはその作品のどのあたりまで読んでいるのですか?

 2回1次予選を通ったことがありますが、そのうちの1つは我ながらひどいものでした(笑)。
 頭から3 0~40ページは洒落たいい文章でしたが。
 あらすじがありますので、最初の10ページ(原稿用紙換算)くらいで仕分けしている?
(そうそう、忘れてました。最終候補作にも1回なってました。
 立松和平さんが押してくれたけど落選しました)


帽子さんからの回答
 こんにちは、答えさせて頂きます。

 下読みは赤入れをしながら全て読みます。

 一作品あたりに安くない報酬があるので、
 全て読まないでズルされるというのは主催者にとっても困る訳ですね。
 読んでないのがバレれば下読みとして終わります。

 ちなみに作品がひどかったとはどのような感じででしょうか。
 文章としてダメな程度のものでしたらラノベだと目を瞑る人が多いですよ。
(すでに他のレスで書きましたが、日本語として破綻している作品が受賞したケースがあります)

 例えばラノベかは分かりませんが、リアル○ごっこなんてひどい文章です。
(編集通していないにしても)
 それでも100万部突破してベストセラーになりますから、

 読者が求めるものは文章よりも、やはりストーリーって事なんです。

 一次予選に数回通っていて最終候補まで残っているのでしたら、
 プラスで何か加点要素があれば受賞も十分狙えます。
 頑張ってください。

●補足
 ストーリーを破綻させないのは難しそうですよね。

 私が親しいプロの方は常に自分の作品に突っ込みをいれながら書いていると言っていました。
(例:本当にこの人物はこんな行動をするのか、こんな気持ちになるのか、
 どうしてこういう展開になっているのか、etc...)

 ご参考までにどうぞ。


REOさんからの質問
 下読みの方に直接質問出来る大変貴重な機会に恵まれた事に感謝します。

 さっそく質問なのですが、
 『笑い重視で緊張感と盛り上がりの無い作品』というのはどういう評価を下されるのでしょうか。

 私はドラゴンボールのような戦闘能力の男達や美少女達がたまに遊びで戦う事はあっても
 基本的に和気あいあいとコメディのような日常を繰り広げる作品を好んで書いています。
 既読かはわかりませんが、富士見ファンタジア文庫のオーフェンの無謀編、
 スレイヤーズやフルメタの短編集のような短編連作です。

 バトルもラブコメもお色気もありますが、どれか一つが特出しているわけではなく
 コメディという大きな枠組みの中から逸脱しない程度で、各要素はほんのり味付け程度です。
 そしてコメディと書きましたが、あくまで『雰囲気』がコメディなのであって、
 ウリに出来るほどの笑いは起こらないと思います。
 
 今回、受賞を目指して上記のような作品を書き、そろそろ応募しようかと思っている所なのですが、
 果たしてこのような目立ったウリの無い作品を下読みの方は通過させるのだろうか、
 と疑問に思い質問させていただきました。

 お時間よろしければ、返信お願い致します。


帽子さんからの回答
 こんばんは。
 
 コメディは一定量の読者を期待出来るので、その点は問題無いですよ。
 ですが、広義の意味で「売り」の無い作品だと通過は厳しいです。

 
 というのも、どうやって売ったら良いのかわからないからです。
 私なら普通で特にセールスポイントの無い作品は確信をもって落とします。
 という事でやっぱり+αが欲しい訳ですね。
 コメディで受賞を狙うのでしたら、

1・テーマはあるか(家族、友情、etc...)
2・キャラクターは掘り下げられているか(説明では無くエピソードで)
2・着地は上手くいっているか。


 ここらへんをチェックしてみてください。
 もし全部クリアされているようでしたら、かなり良い線いけるのではないかと思います。


文文さんからの質問
 せっかくですのでずっと気になっていたことを一つ。

 とても読みやすい作品で「あ、この人すごく文章書くのが上手いな」と思った作品は、
 たとえ面白みが薄くても通しますか?


帽子さんからの回答
 おはようございます。昨日飲みすぎたせいで頭が痛いです。

 面白味の薄さの程度によりますが、文章が上手いというのは一つ大きな武器になる事は確かです。
 あと、私の経験上ですが読み易い文章を書く人の作品は一概に面白いです。


 参考になれば幸いです。


Hiro@ガンバレ私!さんからの質問
 こんばんは、Hiroと申します。よろしくおねがいします。

 最近一次落選作でも評価シートを送るところが増えてきましたが、
 帽子さんはそれらの選考に加わったことがありますか?
 あるとしたら、1作あたりどのくらいの時間をかけて評価シートを作りますか?

 また、下読みってどこでスカウト(?)されるもんなんでしょう?

 いくつも質問を詰め込んで申し訳ありません。
 普段、縁のない職業の方には興味がそそられるので(笑


帽子さんからの回答
 おはようございます。

 評価シートは私も作りますが、あまり時間をかけて作るものではありません。
 細かい時間は書きませんが、恐らく想像されているよりも大分短い時間なのではないかと思います。

 下読みは書店員、書評家など、そこら辺からの人が多いです。

 まずはそこを目指してください。コネクションがあればなれます。


朝ノ空さんからの質問
 初めまして、朝ノ空と申します。

 この前某匿名巨大掲示板でラノベ編集者の人がスレ立てしてたんですが、
「下読みは一人につき何作かを回されて、その中で一番面白かった物、
 もしくは一番マシだったものを一次に通す」とおっしゃっていました。

 私はこの「一番マシだった物を通す」という言葉を、
 レベルでいうと、一人の下読みさんのところにたまたまレベル1~5くらいの作品しか来なかったら、
 下読みさんは一番マシだったレベル5の作品を一次に通す。
 逆にたまたまレベル80~90の作品ばかり渡された下読みさんだったら、
 レベル80の作品を一次で落とすことになる。

 こういう意味と受け取ったのですが、合ってますか?
 この意味が合ってるなら、一次通過っていうのは、作品の良し悪しは当然ですが、
 運も大きく関係してくると思うのですが、どうなのでしょう?

●批評依頼
 ただし「萌えがない・ヒロイン不在・ストーリーが面白くない・オリジナリティ皆無」
 の四重苦な作品ですが・・・(汗

 すでに多くの方からご感想・ご指摘を頂き、直すべきポイントも大分見えてきてはいるのですが、
 純粋に下読みさんが拙作をどう見るのかが知りたいです。

 長編の間「双子に生まれた王子と王女の物語」
 もしもお時間が許すのであれば、で構わないのでお願いできますでしょうか。

 個人的には拙作よりも、もっと高得点を得ている作品を読んでみていただきたいのですが、
 他の方の作品を指定するのは私にも恐れ多いです><;


帽子さんからの回答
 おはようございます。
 まず、レーベルによって一人あたり何作品を残せるかの目安が決まっています。
 質問主さんのおっしゃる通りハコごとに偏りがあります。

 いきなり決勝レベルの一次も存在します。そうなると泣く泣く落とさざるを得ません。

 同じ主さんだったのでここに書きます。
 長編の方、了解しました。さっそく後で読ませて頂きます。


 面白く読ませて頂きました。
 それでは以下に感想を。

 最も良かった点はテーマがきちんと伝わってくる点です。

 これは描き切れているとは言えませんが、それを入れようとしている点にこそ価値があります。
 ここは評価大です。
 それに伴ったキャラ同士の触れ合いも心温まるものがありました。

 文章の方はまずまずです。
 ただし視点のブレ(三人称一視点での視点人物の感情の書き方にも気を付ける)に注意をしましょう。
 神視点になってしまっている個所が何個所も見られました。

 キャラについてですが、掘り下げ方が足りません。
 それにもかかわらずある程度の魅力を感じられる点はプラスと言えるかもしれませんが。
 まずサレンの過去に関するエピソードは説明では無く回想の物語として書きましょう。
 私としては侍女とのやり取りを書いてほしかった。
 あのような体験から今のような強さになったのだと描けば主人公の魅力は何倍にも増していたでしょう。
 残念ながら今のままでは主人公の魅力は他のキャラより頭一つも二つ分も下です。
 サニア、ナーシャの両ヒロインは現在パートでも回想パートでも良いので、
 もっと掘り下げて書いて欲しいです。目安として400字詰め原稿用紙30枚ずつ位は追加して欲しい。
 長いと思われるかもしれませんが、それを書く事によってラストで感動出来るか否かが決まります。

 描写については中々です。
 食事シーンは思わず唾が出ますし、街の様子も具体的で情景が頭に浮かんできます。
 ですが人物描写はもう少しさらりと書きましょう。
 特にナーシャの描写が不必要に綺麗、美しいと描かれていて、辟易します。
(作者様のお気に入りのキャラなのでしょうか)
 
 美しいや綺麗は一度言及すればそれだけで十分だと言っておきます。
 あとは描写のみでいかに美しいのかを想像させられるかが勝負です。


 ストーリーはありきたりです。+αの何か目新しさが欲しい。
 せっかくの双子なのですから、そこの部分をもう少し生かせたら良かったと思います。

 最後に、次作を書く際のアドバイスです

 まずは三人称一視点の書き方を学んでください。

 これは何でも良いですが、気に入った三人称一視点の作品を常に手元に置き、
 その人は主人公や周りの人物の心理描写をどう書いているか研究してみてください。
 ストーリーに関しては頑張って考えて下さいとしか言えませんが、
 テーマは今回のように出来るだけ入れる事。
 
 キャラクターはこれでもかという位掘り下げる。 
 特に主人公とヒロイン数名の掘り下げは必須です。


 以上です、頑張ってください。


朝ノ空さんからの質問
 早速読んでいただいでありがとうございます♪

> 最も良かった点はテーマがきちんと伝わってくる点です。
 いろんな方に「テーマがない」と言われていたので、このお言葉は驚きです。

> 神視点になってしまっている個所が何個所も見られました。
 主人公の三人称一視点から他の人物の視点になっている箇所があるとのご指摘は
 たくさんいただきましたが、「神視点になっている」「視点人物の感情の書き方にも注意」は
 初めて言われました。また、自分でも気付いておりませんでした。

> まずサレンの過去に関するエピソードは説明では無く回想の物語として書きましょう。
 回想として、ですね。了解しました、チャレンジしてみます。


> サニア、ナーシャの両ヒロインは現在パートでも回想パートでも良いので、
 もっと掘り下げて書いて欲しいです。

 ヒロインにもっと焦点を当てるのですね。具体的なアドバイスをありがとうございます。

> ストーリーはありきたりです。+αの何か目新しさが欲しい。
> せっかくの双子なのですからそこの部分をもう少し生かせたら良かったと思います。

たしかに二人が双子である必要性は薄かったように思います。
 後日大幅に改訂予定なので、
 その時に「双 子である」という特性を生かしたストーリー作りを心がけようと思います。


> まずは三人称一視点の書き方を学んでください。
 お恥ずかしながら、実は読書歴がほとんどありません。
 今いろんな方の作品を読ませていただいているのですが、ほとんどが神視点か一人称の作品です。
 もしよければ帽子さんのオススめの三人称単一視点作品を教えていただけると嬉しいのですが、
 図々しいでしょうか。不快に思われたらスルーしていただいて大丈夫です。

 以上どれも非常に参考になるご指摘ばかりでした。
 意外と他の方からは違ったご指摘をいただけて、
 やはりプロの方は見る視点が違うのだと実感しております。
 拙作のために貴重なお時間を使っていただいて、本当にありがとうございました!


帽子さんからの回答
1・テーマについてです
 「テーマが無い」と言われるのはテーマが伝わっていないと言えるかと思います。
 ではどうすれば誰にでも伝えられるのかというと、これにはコツみたいなものがあります。

 例えば家族愛をテーマに書きたいのであれば、
 物語当初は主人公にとって家族以上に価値のあるものを何かつくっておくのが良いかとおもいます。


 北斗の拳の一ストーリーを例にとると、ある国に王位継承に何よりも価値をおき、
 それぞれが自分大好きで我儘な三兄弟がいました。
 王というのは彼らの実の父ですが、兄弟たちは病気の王に対してさっさと死ねとさえ思っています。
 兄弟同士でもお互いにそう思っていました。

 それが物語が進んでいくに連れ、自分の命を捨ててでも兄弟を守りたいと思うようになり、
 父への愛も蘇らせていくんですね。
 父親が死んだときに彼らは涙をながします(物語当初では考えられない事でした)
 さらに兄弟同士で王位継承を譲るようにさえなります。
 こういうのはテーマがきちんと伝えられていると言えます。
 
 では、どうして伝えられていると言えるのかというと、
 その人物にとってテーマであるものがどれだけ大切なのか明確にわかるからなんです。
(家族>自分=王位継承)


 自分も王位継承も兄弟たちにとっては大事だったはずなんです。
 それでも最後には家族をとる、と。ああ、家族って大事なんだなって読者は思えるんですね。

 朝ノ空さんの小説では家族や友人が大切なのは伝わってきますが、
 それがどれだけ大切なのかというのは今一掴めません。
 そこら辺を意識してみるといいかもしれませんね。

2・お手本の件です
 ジャンルによってお勧めは違うのですが、一応ファンタジーっぽいもの(若干ミステリーよりですが)で
 文章が参考にしやすいであろう作品を書いてみます。気に入ったのがあれば選んでみてください。

宮部みゆきさんの「ブレイブストーリー」
桜庭一樹さんの「GOSICK」
小野不由美さんの「十二国記シリーズ」や「屍鬼


 今手元にすべては無いので確認できないのですが、確か全部三人称だったと記憶しています。
(違っていたらすいません)
 上からお勧め順です。
 
 宮部さんと桜庭さんは直木賞作家ですから、
 このレベルの文章が書ければ誰からも文句は言われないという目安にもなります。

 男性作家だと割と難しい言葉やこねくり回した表現が多くなるので、
 お手本は女性作家をお勧めしておきますね。


えりなさんからの質問
 こんにちわ、質問です。
 テーマが大事ということを書かれていますが、物語の面白さよりも優先すべき事なんでしょうか。
 わたしの今書いている作品にはテーマと呼べるものがありません。


帽子さんからの回答
 こんにちは。
 私見ですが答えさせて頂きます。

 物語の面白さは試験そのものだと思って下さい。
 そのうちの大問の一つにテーマというものがあります。
 
 プロット、キャラクター、筆力、テーマそれぞれ25点ずつだとすると、
 テーマが無い場合25点そのまま失う事になります。
 テーマは無くても構いませんが75点までしかとれないという事です。

 新人賞を狙うのでしたら一点でも多く欲しい所です。
 なのでテーマは出来るだけ入れた方が良いかと思います。

 例えば最近大ヒットした「トイレの神様」には祖母への愛と感謝というテーマがこめられています。
 トイレの神様が売れたのは植村花菜が特別可愛いとか、
 特別歌が上手いでは無く(ファンの方でしたらすいません)、
 歌のテーマ性にあったと言っても過言ではないでしょう。

 又テーマは何でも良いですが、それが共感を呼べるようなものなら尚良しです。
(更に感動に繋がれば言う事なし)


 なのでテーマというものは大事だと思います。


ほっけさんからの質問
 こんにちは。
 どちら様へのお答えも興味深いことばかりで、参考になることばかりです。
 帽子さんの貴重な時間を使って頂いていることに感謝致しております。

 さっそくですが、自分は三十歳を迎えたこともあり少々焦りを感じております。
 といいますのも、一般小説の場合、受賞者の方の年齢が高い場合も珍しくありませんが、
 ライトノベルとなると三十代半ばまでの受賞者の方が圧倒的に多いように感じます。
 自分の知っている限りの最高齢は、電撃大賞を受賞された方で五十代の方が最高齢です。

 本来、実例を優先して考えるべきでしょうし、そうなると募集要項通り年齢不問となるのでしょうが、
 こちらの掲示板でも真相は別として年齢が重要視されるような意見もチラホラ見かけます。

 実際のところ、レーベルによって年齢が選考に影響することはあるのでしょうか?
 特定レーベルをあげることは不可能だと思いますので、もしもあるならば
 「そういうレーベルもある」「年齢不問はある意味ウソ」「そんなレーベルは存在しない」
 という感じのお応えでもお聴かせ願いませんでしょうか。
 よろしくお願いいたします。


帽子さんからの回答
 こんばんは。

 年齢によってマイナスの評価は付されません。

 もしそんな事が言われているのならば大嘘です。
 これは確信をもってお約束をします。

 ただし若い場合「若いのにこれだけ書ける云い」という事を言う人は出て来ます。
(私の場合は一切考慮しません)

 例えば一般小説でT社主催の新人賞では、作品は全く面白みの無いものにも関わらず、
 12歳というだけで特別賞によりデビューさせました。
(ただし選考委員の中でも反対意見と賛成意見に分かれていたという事は付記しておきます)

 高年齢の方がラノベの新人賞をとりにくいというのは、別な所に理由があります。
 それは柔軟な発想が出来ていないとか、ラノベにしては内容が重すぎるなどです。


 社会生活を十分に経験してしまっているせいで、色々なものが見えすぎてしまっているんですね。
 一般小説ではそちらの方が好まれるのですが(ここが一般小説で高年齢受賞者が多い理由です)、

 ラノベでは若い人がメインターゲットですから、現実をしっかりと認識させるようなものよりも、
 作品を通して夢を見て貰えるようなものが欲しいんです。


 戦場が舞台でいきなり周りの親友達が特攻し始める話は一般でやって下さいな、と。
 参考になれば幸いです。


あんさんからの質問
 こんばんは、質問です。
 文章力は大事ではないと言われていますが、
 どれ位、書ければ良いのか具体的な目安などはあるのでしょうか。よろしくお願いします。


帽子さんからの回答
 おはようございます。
 筆力の最低限の目安は、

基準1 日本語で
基準2 意味が取れて
基準3 ストーリーが追える


 まず、どうして筆力が他の要素よりも軽視されているかと言いますと、
 そこの部分は編集を通せばある程度には持ち上げられるんです。
 作品というのは作家だけで作るのではなく、複数人での共作です。
(表向きは作家のみの作品ですが)

 例えば今現在棚に並んでいるラノベ、原稿の段階ではあそこまでまともに書かれていません。
(筆力の有る作家さんも多いですが)

 極端に言ってしまえば携帯小説のような状態で送られてきたとしても
 ストーリーが追えれば編集を通してラノベに出来ます。


 ただし編集じゃどうにもならない部分があります。
 それがストーリー(伏線含めて)とキャラクターです。
 なのでこちらの方の要素が重要視される訳です。

 ただ勘違いしないで頂きたいのは、作家というのは言葉だけで全てを表現する職業です。
 筆力はやはり大事ですので出来るだけ磨いて下さい。


ミナコレステロールさんからの質問
 こんばんは
 ミナコレステロールと申します。
 帽子さんのお話、すごく勉強になりました!

 わたしの作品も読んでいただけないでしょうか。

 ラ研の冬祭りにアップしたもので
 【コメディ】レイヤー戦士コスプレ☆スターズ 激情版 ~真実を求めて~

 という百枚ちょっとの作品です。
 アイディア自体は悪く無さそうなので、大幅に改稿してみようかと思うんですが、
 アドバイスをいただけたらと思いまして。

 多分、冬祭りの総合順位で最下位をとってしまった作品なので、
 お見せするだけで失礼かもしれませんが……
 もしよろしければ、ご助力下さい。


帽子さんからの回答
 おはようございます。
 簡単に感想とアドバイスを。
 厳しめですのでご注意ください。

 設定について……
 コスプレをする事で能力を得るという設定、又それが美春のエピソードに繋がる点は良しです。
 しかし男性がコスプレをするというのはいかがなものでしょうか。
 勿論有りか無しかと言えば有りでしょうが、男性がコスプレをして喜ぶ男性なんて普通はいません。
 むしろ一歩引く感じになってしまいます。
 
 何度も書いていますがメインターゲットは男性です。
 しかもお気に入りキャラのフィギアを買って下さるような層です。


 AKBブームの今、女性のコスプレはうけるというのは全国民の男性により証明されてしまいました。
 この流行に乗らない手は無いでしょう。
 メージとしては作中作の主人公とヒロインのような設定が望ましい。
 改稿するのでしたらこの点を変えてみる事をお勧めします。

 以下総括的に。
 まず会話文が説明文になってしまっています。地の文で説明する事を心がけましょう。
(例:ヒメは以下のように言っていた。~「説明内容」~。~らしい。~のようだ。...)

 又、全てが唐突で、それを簡単に受け入れてしまう主人公たちに違和感があります。
 ここら辺は尺を使って書けないのならば、
 本当には受け入れられていないというような描写が欲しいです。
 そこから徐々に受け入れていくようにしましょう。

 ストーリーはもう一捻り欲しいです。あまりにもありきたり過ぎています。
 キャラクターについては全体的に掘り下げ方が甘いです。以下個別的に。
 
 ヒロイン(メイン?)である蛍について
 性格が類型的すぎます。魅力的なものがあまり感じられませんでした。
 萌えとはキャラクターの魅力です。
 厳しい言い方ですが、魅力無しに外形のみを描いていくような薄っぺらい萌えは萌えではありません。

 又、最初から入谷の事が好きとの事ですが、これはエピソード、
 少なくともそれに対して納得出来る話なしには到底受け入れられるものでは無いです。
 一応好きになった理由みたいなものは書かれていますが、あれはもう説明的というか理屈的過ぎます。
 
 主人公とヒロインにくっ付いて欲しいというのは確かにありますが、
 簡単にくっつかれてしまうと読者は「あ、そうなんだ」程度にしか思ってくれません。
 
 美春について。
 寂しかったから話を作ったと言うエピソードは良かった。
 これはもうそのままこのキャラの魅力に繋がります。
 そしてここはきちんと一章分を裂いて書くべき話です。
 そうする事により美春のキャラがよりたってきます。

 又、美春には罪も罰もいりません。
 誰かを殺してしまったのならまだしも、そこまでの事は何もしていませんし、
 無用に話を重くしてしまっています。そこは簡単にごめんなさいと言わせて終わりましょう。

 因みに、この小説で一番キャラが立っていたのは美春です。私も好きになれました。
 好きになる事により、最後に彼女が笑って終われたのは良かったな、となる訳です。

 ヒメについて。ヒメはつかみどころがないですが、おとぼけキャラとしては中々良い味を出しています。
 こちらも可能なら掘り下げるべきキャラでしょう。
 単なる説明役や聞き手として終わらせるにはあまりにも勿体ない。

 かなり厳しくなってしまいましたが以上です。
 最後に楽しく読ませていただいた事は付記しておきます。ありがとうございました。


ミナコレステロールさんからの質問
 こんばんは
 ご意見ご感想ありがとうございました!

> 厳しめですのでご注意ください。
 すごくお優しい感じでしたっ!
(これで「厳しめ」でしたら、わたしが普段ラ研で書いてる感想は相当な酷評に……w)

 それと、二点伺いたいことがあるのですが、

・パロディネタって下読みされるときの評価ではどうなんでしょうか? 
 つい、入れたくなってしまう悪癖があるのです……。

・バトルシーンを書くのがすっごく苦手なんですが、今の作品の感じだと大幅な減点になりそうですか?

> しかし男性がコスプレをするというのはいかがなものでしょうか。
 零(主人公)の女装コスプレについては、
 「女装男子」「男の娘」があるので、いいかなって思ってました。
(現実の女装コスプレはゴミ以下に汚い場合も多いんですけどw)

> イメージとしては作中作の主人公とヒロインのような設定が望ましい。
 冬祭りでは「きみの作品だから戦えるんだ」がキャッチコピーで、
 蛍はサポート専門って感じで設定していました。
(主人公よりもずっと上手くキャラを演じられるのに、
 戦いたいけど戦えないという葛藤をもう少し出せればと思っていました)
 蛍をコスプレで戦えるようにして、零と一緒に戦うようにすればいいってことでしょうか?

> ストーリーはもう一捻り欲しいです。
 わかりました。
 どうひねればいいかって……ずっと考えてます。
 いまのところ、真ラスボスを作ることくらいしか思いつかないです……。
 がんばれわたし。

> キャラクターについては全体的に掘り下げ方が甘いです
・蛍
 仲良くなったきっかけのエピソードとかはすでに考えてあったので、作中に盛り込んでみます。
 「メインヒロイン」ってのは蛍の「自称」なんですが、このままだと美春に負けて
 「ただの自称」で終わっちゃいそうな感じがするので、がんばらせてみます。

・ヒメ
 ヒメについては、どこかの大社の軍神の末娘という裏設定なので、
 「戦う力がない」→「(ヒトとは)戦う力がない」→「ヒト以外と戦う力はある」
 みたいな展開にしようかと思います。

・美春
 とくに終盤の国営公園のシーンは、美春に完全に感情移入しながら泣きながら書いてたので、
 ご好評でうれしいです!
 改稿版では、黒幕を作って美春も実は「被害者の一人」という扱いにしてみようかと思います。


帽子さんからの回答
 箇条書きですいませんがご容赦ください。

・パロディネタは公募の時は避けた方が良いでしょう。
 そうでなければ特に気にしなくても良いかと思います。

・バトルシーンは上手く描けている人の方が少ないので、
 相対的に見てすごくマイナスなんて事はありませんでした。
 もし改善したいと思っているのでしたら、出来るだけ稚拙さを取るように努力をしてみてください。
 又、あまり長々と書くのも逆効果です。

・蛍にコスプレをさせた方が良いです。間違いなく。
 単に「メイド姿をしている」などと描写しただけでは狙っていると思われますので、
 女性のファッションなど雑誌やHPでチェックをして具体的に描写出来るようにしておきましょう。

・仲良くなったきっかけのエピソード、
 読者が読みたいのはまさにそういう話です。

 そこから本編での蛍から主人公への恋愛感情の話に繋げれば納得がいくようになるかと思います。

・美春はキャラが十分にたっていますので、
 主人公と別の男性の間で揺さぶってみたりしても面白そうですね。
 ヒロインでそれをやるとちょっと問題がありますが、
 美春ポジションでやると主人公やそれに伴う蛍の複雑な心境なども引き出せそうです。

 以上です。


デルフィンさんからの質問
 立候補します。
 タイトル「竜と少女と天翔ける騎士」

 ラ研に上げてある物でなくて、自サイトのもので恐縮ですが。
 春の公募用と予定しており、
 原稿用紙30枚分ほど容量オーバーなので削ってからラ研に上げようと思っている作品です。 
 他に立候補者がいないようでしたら、宜しくお願い致します。


帽子さんからの回答
 明日以降としましたが、今日読み切れたので感想とアドバイスを簡単に。
 公募用との事で少し厳しめにチェックをしてみます。

 まず、デルフィンさんはFateがお好きなのでしょうか。
 アルトリアの外見や性格がFateのアルトリアとかなり似ています。
 これは公募の場合すごく不利になります。
 Fateを知らなかったのかもしれませんが、法律と一緒で知らなかった事は免罪符になりません。

 基本的に下読みというのはまず第一に有名作品との類似点がないかを見ます。
 そのチェック機能を果たす為に下読みがいると言っても過言ではありません。
 そして下読みは類似点を見つければ、それまで仏だったのが急に鬼のように厳しくなります。

(劣化コピーが大量に届く為に余計)

 ただし、デルフィンさんのアルトリア(以下ヒロインと呼びます)は、
 自ら戦う訳でも剣を振り回す訳でも英霊でもありませんし、世界設定が全く違いますので、

 名前を変えればここは回避出来ます。

 せっかくヒロインのキャラが魅力的に描けているのにこれでは大損です。
 奈須アルトリアには無い魅力でさえ向こうの手柄と言われますので、
 名前を変える事を強くお勧め致します。

 名前なんて所詮記号です。
 魅力的に感じるのならその作家さんのキャラメイクが上手かったのだと思いましょう。
 特にFateとなるとファンが膨大な数存在します。
 更に奈須さんは作家や編集者、下読みの間で特にファンの多い作家です。
 
 好きな作家のキャラと同じネームを使われれば否が応でも厳しくなります。
 
 是非一考してみて下さい。
 以下個別具体的に触れます。

 物語について。
 ストーリーはありきたりですが、世界設定に惹かれました。
 ドラゴンレースのシステムの説明は小出しでしかも短くまとまっていて分かり易かったです。
 勝利までにもう少し山と谷があれば尚よし。

 キャラクターについて。
 まず、レースシーンが冗長です。そこを削り、各キャラクターを掘り下げていく事をお勧めします。
(読者が読みたいのはドラマです)

・ヒロイン
 前半部分は魅力的に描けています。三人称一視点でこれだけ魅力的に描けるのは評価に値します。
 三角関係?になった時のヒロインの心理描写もベタですが良いです。
 ただし、ランスの正体が明かされてからが残念。
 そこまでは良かったのに、あれでは何処にでもいるミーハーな女性そのものです。
 正体を知ってからのヒロインのぎくしゃくな態度こそ見てみたかったものです。
 又、アロンダイトとヒロインの過去は絶対に掘り下げておくべきだと言っておきます。

・ランス
 魅力的に描けていますが、少し漫画的すぎます。

 他の人物は特に印象には残りませんでした。


 文章について。
 これは多視点で描かれているのでしょうか。
 行を置かずに視点人物が次々に入れ替わる箇所が気になりました。
 一視点なのか多視点なのかどちらで書いたつもりなのか教えて下さい。

 総括ですが、作品自体は決して悪くないです。
 後は公募まで煮詰めていくだけでしょう。応援しているので頑張って下さい。お疲れ様でした。


久保さんからの質問
 どうもこんにちは。11月末に送った某新人賞の一次通過結果が
 明日発表されるというなんとももう泣きたい気分の久保です。
 ずっと聞いておきたいことがあり、ついさっきふと思い出したのでそれをちょっと訊いてみたくなりました。

 必ず新人賞って『概要』みたいな、新人賞によって字数は違いますが
 800字とか1000字とかあるじゃないですか。あれがお粗末だった場合ってどうなるんでしょうか? 
 それだけで落とされる対象とかになったりしますか?
 (実力は一次通過できるレベルだとした場合です)

 教則本やサイト様でも『概要も本文同様丁寧に書くべし』
 みたいなことをおっしゃっているのを目にして、ずっとこれが疑問でした。
 僕自身は丁寧に書いたつもりですが、それで落選とかになるのかどうかがすごく不安でして……
 お時間があればで構いませんので、どうかお願いします。


帽子さんからの回答
 こんばんは。では早速。

>教則本やサイト様でも『概要も本文同様丁寧に書くべし』

 これは正しいです。
 新人賞は一点でも多く稼がなくてはなりませんから概要もきちんと書くべきです。


 又、下読みの間でも概要の扱いは違ってきますので一概には言えないところがあります。
 なので丁寧に書きましょう。ただし、

>それだけで落とされる対象とかになったりしますか(実力は一次通過できるレベルだとした場合です)

 これをしてしまうと本末転倒ですので、この心配はしなくて良いです。

 以下は私の場合ですが、概要の扱いはおまけ点です。
 作品そのものに100点、概要で10点の100点満点。
 ただし作品自体が同じレベルの場合、概要の出来が上だからそちらを取るとかは無いです。
 そこで大抵筆力を見ます。

 今日明日は落ち着かないと思いますが、朗報お待ちしております。


青葵さんからの質問
 こんばんわ、青葵と申します。
 今回は、このような貴重な場を作っていただきありがとうございます。
 いくつかお尋ねしたいことがあるので、お暇なときにでもお答えいただければ幸いです。

1・最近は、「バトルもの」よりも「学園もの」のほうが需要があるため、
 学園ものの作品のほうが選考を通りやすいという話を聞いたことがあるのですが、
 実際どうなのでしょうか?

2・ちゃんと一冊の小説として完結しているものの、
 明らかに二冊目以降を意識したキャラや伏線がある作品というのは、
 やはり、新人賞などでは、良くないのでしょうか?

3・新人賞で受賞できなくても、選考の過程で編集の方などの目に止まりデビューできた方もいる、
 というのを聞いたことがあるのですが、良くあることなのでしょうか?

4・以前、僕の長編小説をこのサイトに投稿した際、
 「西尾維新先生の文体に似ている」という評価を受けたことがあります。
 自分自身、先生の文体を参考にしているところがあるので、ドキッとしました。
 実際のところ、新人賞などでは、「文体が似ている」などは、
 やはりマイナス点になってしまうのでしょうか?


帽子さんからの回答
 おはようございます。

1・バトルものか学園ものか
 そんな事は無いです。
 私達が新人賞で欲しいのは現在の流行りでは無く次の時代の流行りですから、
 ジャンルで優劣はつけません。
 又、バトルものよりも学園ものが良いという事を言うのは若干ずれています。

 散々書いていますがラノベで求められているものは決まりきっています。
 それが描けていれば学園ものだろうがバトルものだろうが受賞出来ます。

(ただしレーベルの傾向は意識しましょう)

 バトルものよりも学園ものの方が受賞し易い理由があるとすれば、
 バトルものは戦闘描写に技術もいりますし、学園ものよりも書く事自体が難しい事でしょうね。
 序盤から設定を何ページにも渡って書く方もいらっしゃいますし、
 逆にルールが全く分からない状態で戦闘が展開されていくものもあります。
 実際にバトルものでまともなラノベになっているのって少ないです。

2・伏線を残すのはありか
 公募の場合、伏線を残すのは危険です。

 伏線をきちんと回収出来ているかというのも一つの評価になります。
 又、あたかも続編を意識しているかのような作品ですとお行儀が悪いと言われ、悪い印象を与えます。
 余韻を残すような終わり方はありです。

3・受賞ではないデビューはあるか
 あります。ただこれはあまり期待しない方が良いです。
 私は作家さんにとっても良くないと思っています。
 受賞目指して頑張って下さい。

4・文体について
 西尾維新さんは劣化コピーが大量に届く作家ナンバーワンの座を獲得しております。
 因みに一般小説では伊坂さんの劣化コピーが大量に届きます。
 特徴的な文体の方をお手本にするというのはお勧め出来ません。
 
 西尾さんにおいても本当にすごい所は豊富な語彙だったり言い回しの妙ですから、
 盗むのならそこら辺を盗みましょう。
 文体なんて何の特徴も無くても内容が面白ければメガヒットも狙えますから。


 以上です。
 参考になれば幸いです。

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