第4研究室 創作に関するQ&A 584P | トップへ戻る |
帽子さんが答える
 ラノベ新人賞下読みへのQ&A その2

 こんにちは。(2011年2月)
 ライトノベル新人賞の下読みをやっている帽子です。
 意外にも伸びてしまった為にこちらに移動です。
 以下に前回のスレッドで上手く説明出来ていなかった部分などについて書いておきます。

Q1.三人称一視点での「地の文と視点人物(会話文)の乖離」とは何か。
(乖離の意味:本来は密接に関係しているか、
 またはそうであるべき2つの存在が離ればなれになっていること、又はその状態。wikiより)

A1.「煎じ詰めるところ、三人称一視点では地の文は視点人物の語彙の範疇で書かなくてはならない」
 ただし客観的な部分についてはカメラの語彙で書いて良い。


Q2.設定の小出しとは何か。

A2.小出しとは少しずつ出していく事の意味です。
 設定の小出しの逆は設定を一気に書いてしまう事。それをしてしまうと読者は混乱します。


Q3.カテゴリーエラー(狭義)とは何のことですか。

A3.メインターゲットとする読者層(ラノベでは特に中高生の男子)に需要の無い作品の事です。
(萌え無し、ヒロイン不在等)
 カテゴリーエラーそれだけで落ちる事はありませんが、相当厳しくなります。
(女性向けレーベルの場合当然にカテゴリーエラーの範囲が異なります)


Q4.設定、ジャンルによって不利有利はありますか。

A4.ありません。
 ただしレーベルカラーから著しく外れたもの、既存作品を彷彿させるもの、
 既視感が漂うものは減点要素になります。その設定を使って何を書くかが大事です。


Q5.作者のプロフィール(学歴、職業、年齢、容姿等)は公募の際に関係ありますか。

A5.関係ありません。
 立命館大学が東京大学に、高校生が大学教授に勝ってしまうのがラノベの世界です。


Q6.あなたは誰。

A6.現在はラノベ新人賞の複数レーベルで下読みをしています。(非編集者)
 過去に一般小説の新人賞での下読み経験もあり。
 メタボにはなりたくないおっさんです。
 アドバイスは読者視点でしか出来ません。

*私の解答が正しいとは限りません。各自様で判断し、情報の取捨選択をして下さい。*
 (2011年2月)


kuroyamaさんからの意見
 そうですか、おっさんでしたか?(笑)
 きれいなお姉さんかと思っていました。
 おかげさまで1次審査の基準がよくわかりました。ありがとうございます。

 テーマ、設定、ストーリー、キャラなどそれぞれの要素に分けて自分の作品を評価すれば、
 冷静に判断できることに気付きました。


 帽子さんは素晴らしい下読みさんですね。痛く感動しています。


青葵さんからの質問
 さて、それでは本題なのですが、前スレッドにて文章における視点の話が出ており、
 今回はその「視点」についてもう少しだけ広くしてお聞きしたく参上しました。

質問。
1・視点には、「一人称」と「三人称」があります。
 三人称には、「三人称・一視点」「三人称・多視点」「神目線」があります。
 が、僕は「三人称・多視点」と「神目線」の違いがイマイチ把握できていません。
 一応、検索などをかけて調べはしたのですが、しっくりいかず、こちらに質問しました。
 「三人称・多視点」と「神目線」の違いを教えてください。

2・それぞれの視点についての利点とデメリットを教えていただけると幸いです。
 例えば「一人称は、主人公の心理描写が深くできる」等。

3・僕が特に好きな作品として、西尾維新さんの「化物語シリーズ」や「戯言シリーズ」、
 奈須きのこさんの「空の境界」、川上稔氏の「終わりのクロニクル」、
 「境界線上のホライゾン」なのどが挙げられます。
 この方たちの作品に影響され、小説を書き始めたと言っても過言ではないのですが、
 その話は置いておいて。

西尾さんの作品……一人称。
奈須さんの作品……一人称(ゲームでは、また違うと思いますが)。

 だと思います。
 しかし、川上氏の作品は、どの人称に分類されるのかな?と。
 ご存じだとは思うのですが、川上氏の書く作品は世界観がとても広大で、キャラクターの数も多い。
 そのため、それを処理するためにあのような文体なのだと思うのですが、
 僕にはどの人称に属するのかがわかりませんでした。

 「一人称」ではなく「三人称」であるということはわかります。
 また、三人称の中でも、シーンごとに視点が移動しているので「三人称多視点」なのかな?
 と予想はしているのですが、視点主の心情(内心の台詞)が、
 「……でももう、みんな三年生だものね」などのように『……(台詞)』の形で表現されているので、
 もしかしてこれが「神目線」というやつなのか、とも思います。

 一体、どこに分類されるのでしょうか?
 長年の謎でした、良ければ教えていただけると幸いです。


 では、駄文の上、長文失礼しました。
 暇なときにでもお答えいただけると幸いです。


帽子さんからの回答
 こんばんは。

1・について
 神視点とは大河ドラマのナレーターのような視点が入る三人称の事です。

「織田信長はその三年後本能寺にて……」
 のように登場人物の誰も知らない事実、神のみぞ知る視点が入ります。
 加えて神なので当然様々な人物の内面を知る事が出来ます。

 三人称多視点とは登場人物数人とカメラの間を飛び交う三人称です。
例)AはBの事を可愛いと思った。BはAの事をかっこいいと思った。
(視点がAの内面→Bの内面に移っています)

 この二つは文章の書き方自体はそこまで変わらないので、
 「ああ、そんなもんか」と思っていれば良いかと思います。


2・について
一人称
 メリット:基本さえ知れば誰にでも書ける。心理描写が書きやすい。感情移入がし易い。
 デメリット:感情移入が出来なければ苦痛でしかない。

三人称
 メリット:感情移入が出来ても出来なくてもある程度読める。様々な視点から物語を描きやすい。
 デメリット:書くのが難しい。


3・について
 川上さんは三人称ベースですが、あれを真似しては駄目です。
 私が読んでも混乱する場面が多いです。
 「マリ見て」なんかも一人称+三人称のような書き方ですが、
 アマチュアであの書き方をするのはお勧め出来ませんし、
 
 少なくとも三人称一視点できちんと描けてから基本崩しをしましょう。


>三人称の中でも、シーンごとに視点が移動しているので「三人称多視点」なのかな?
 多視点ではありません。
 多視点か一視点かは、同一シーンで二人以上の内面に入っているかによります。


あまくささんからの質問
 こんばんは。

>「煎じ詰めるところ、三人称一視点では地の文は視点人物の語彙の範疇で書かなくてはならない」

 ああ、なるほど。

 つまり、「美しい」というのは客観的事実ではないので、
 作中の誰かの「心象風景」ということになるわけですね。

 
 その心象風景を直接的・主観的に記述するのが一人称。
 しかし三人称では、心象風景を客観的に記述するところが一人称との違いなんですね。
 
 しかし客観的記述であっても視点人物が設定されている場合は、
 その人物の語彙で書かなければおかしなものになってしまうと。


 三人称はやはりデフォルトは、カメラ(作者・表現主体者)による記述でよかったんですね。
 しかしロマンスには「美しい」というような主観的事象が必ず入り込んでくるものであり、
 その部分を作者の語彙で処理すると「神視点」になり、
 主人公の語彙で処理すると「三人称一視点」になるんですね。
 そういうことでしたか。
 何となくはわかるけれど明確に把握できなかった長年の謎が氷解した思いです。

 それでは、もう少し質問させて頂いてよろしいでしょうか?
 三人称一視点で小説を書く場合の、主人公の描き方についてです。

 少年マンガなどの場合、読者は主人公と「出会う」のだと考えています。
 そして読者はそういう主人公に、自分にない強さや魅力を求める傾向があるのではないかと。
 
 しかし小説、特に一人称または三人称一視点で書かれた小説の場合は、
 主人公=視点人物という形をとることになります。
 この場合、読者は主人公と出会うのではなく同一化する傾向が強いため、
 ずば抜けた能力や魅力をもつキャラはどちらかと言うと違和感を抱かれやすく、
 所謂ヘタレ型の主人公が多く見られる原因となっているのではないかと。
 
 そういう制約の中、主人公を魅力的に描くにはどうしたらよいのでしょう? 
 悩みや迷いといった部分を掘り下げ、読者が自分と等身大と感じるキャラを目指す
 ということかなと思ったりはするのですが、
 少年マンガ的な、鮮やかな行動力や魅力を発揮する主人公は描きにくい気がします。
 そのあたりについては、どうなのでしょうか?


帽子さんからの回答
 おはようございます。土曜の朝はドトールと決めている帽子です。
 三人称一視点についてはそれで合っています。おめでとうございます。
(微妙な箇所なので伝えるのが難しいと実感しました)

 主人公の設定能力の強弱は魅力には一切関係ありません。

 大いに作中無双してくださって結構です。
 
 ただし大事なのは実力面での弱さ(大抵は主人公を凌ぐライバルの存在)、
 精神面での弱さを設定してやることです。
 読者が魅力を感じるのは強さでは無く弱さです。


 ヘタレな主人公が多いというのはそこからの成長が描きやすいという事情によります。
 小説というメディアでは精神面での成長を描きやすいので特にでしょう。
(漫画などは実力面での成長が描きやすい)


パセリさんからの質問
 帽子さま;
 待ってました!という方の書き込みで非常におもしろく読ませていただいております。
 早速ですが3つ質問をさせてください。

Q1.このネタは萎える、、というのはありますか?
 もう7万回はよんだ、既視感バリバリというようなものです。
 例;ドラゴン、魔王、死神、剣、電柱の横を通ったら異世界、etc。

Q2.「所詮小説なんて読みたいやつより書きたいやつの方が多い」
 私はこれを聞くと非常に萎えます。床にうずくまりたくなります。
 帽子様は下読みのご経験から「そのとおり!」と思われたことありますか?

Q3・「電子書籍化」。。。
 いずれは小学生もランドセルなどしょわずに学校に行くようになるのでしょうね。
 それくらい紙の本はなくなっていくと思います。
 中堅以下の作家は淘汰されてくる、、というのがもっぱらの予想ですが、
 「電子書籍化」の荒波をのりこえられる書き手の条件みたいなものってありますでしょうか???

 お忙しいところ誠にもうしわけございません。
 お答えいただければ幸いです。


帽子さんからの回答
 こんにちは。
 では早速。

A1
 ネタで萎える事はありませんね。
 ただし絶賛ヒット中の作品とかぶっているものは流石に評価しにくいです。
 
 かぶるのでしたら作者様にしか出せない+αがなければ困ります。

A2
 初めて聞きました。誰が言っているのでしょうか。
 一般化しては言えませんが、私の周りには読むのが好きな人間が多いですよ。
 飲み会なんかでもあの作品の○○が良いよね、○○で泣いたみたいな話題で、
 大いに盛り上がらせて貰っています。それだけでも楽しいものです。
 又、傑作を読ませてくれる作家さんには感謝していますし、
 これからも読ませて頂きたいと思っています。

A3
 コンスタントに良作が書ける事が望まれるでしょうね。
 
 作家同士の競争率が上がることも容易に想像がつくので一層の精進が必要になります。


夜桜さんからの質問
 初めまして。夜桜と申します。

 下読み様の貴重なご意見が伺える機会なので、書き込ませていただきます。

 ラノベの場合、新人賞受賞作がそのままシリーズ化する事が多いですが、
 これは新人賞選定の段階で、ある程度シリーズ化出来そうな作品を選ぶような
 指示などがあるのでしょうか?

 お答えづらいかもしれませんが、ご回答のほどよろしくお願い致します。


帽子さんからの回答
 こんばんは。
 
 本来ならシリーズ化出来ないものでも、売れてしまえば(又は売れる見込みがあれば)
 シリーズ化させられてしまうという現状があります。

 新人賞には完全に完結した物語を送って下さい。シリーズ化は一切考えないでいいです。

 新人賞受賞作がシリーズ化し易いのは、
 新人賞というものが注目を集やすいので売れる事によります。
 それに乗じて、というパターンですね。

 ここら辺は皆さんの夢を壊してしまいそうなので余り書きませんが、
 知り合いの作家は酒を飲むと必ず「書くのが辛い」「もう書きたくない」と言って泣き始めます。
 シリーズ物を無理矢理書かされている人です。

 又、皆さんの大好きなNさんなんて本当にいつ倒れてもおかしくない位の過労状態ですからね。
 編集者は恐ろしいですよ本当。
 皆さんがプロになった際には主導権を握られないようにして欲しいです。


トトさんからの質問
 Q1のさらに突っ込んだ部分に質問です。
 他の人とのやり取りの中で以下の様な受け答えがありました。

>まず三人称で書いているにも関わらず、
>心理描写や自問自答を地の文でやるのはよくないです。
>カッコに入れるのでも良いですし、
>○○は~~と思ったと書いた方が読者もつっかかりません。

 これに疑問を感じたので、以下の一例で、帽子さんの評価が『よくない』なのか
 それとも『許されるがあまりオススメはしない』なのか、はたまた『全く問題なくいける』なのか、
 判断をあおぎたいと思います。

 B子に吹っ飛ばされたA男は、打たれた頬に手をあてる。
 ちくしょう! いきなり殴りやがって。こいつ女のくせになんて力だ。ああ、口の中が切れてる。信じられないぜ。親父にもぶたれたことないのに。
 A男の胸中はそんなふうに愚痴めいた言葉でいっぱいだった。


 つまり、非常に長い心理描写(というよりも声にならない独白?)をするにあたり、
 テンポを重視するために、○○は~~と思ったの~~の部分だけが先に前に来て
 改行してから述べられ、終わった後にまた改行して○○は思ったにあたる文で〆るといった感じです。
 回答、よろしくお願いします。

 私としては、A1と照らし合わせながら色々と考えたのですが、
 三人称は神視点にしろ単一視点にしろ、カメラがある程度移動するのが許されているので、
 その移動がスムーズであれば地の文で内面描写をこのような形でしても
 大丈夫ではないかと思っているのですが、どうでしょう?


帽子さんからの回答
 こんばんは。
 例文の方ですが、全く問題無い書き方ですよ。
 「そんなふうに」という指示語がありますから言いかえてしまえば、

 A男の胸中は、ちくしょう! いきなり殴りやがって。こいつ女のくせになんて力だ。ああ、口の中が切れてる。信じられないぜ。親父にもぶたれたことないのに、と愚痴めいた言葉でいっぱいだった。

 このようになり、○○は○○と思ったの形を単に変えただけと言えます。
 例文の場合ですと、A男の胸中は~の文章をつけない場合が基本から外れる書き方になります。

 また、極端に言ってしまえば分かれば何でも良いです。
 ただ、基本から外れる際に三人称一視点がどのような構造なのか、
 分かっているのと分かっていないとでは全く違うと私は思うんです。


 引き合いに出して申し訳ないのですが、あまくさ様もあれだけ文章が書けている方でしたが
 三人称一視点の原理を完全には理解していませんでした。
 もし仮にその状態のまま基本崩しをやってしまっていたら、
 恐らく本人様ならどれだけ恐ろしい事だったか分かると思うんです。

 なので最初は基本通りにやり、完璧に理解したら崩しても良いのではないかなと思っています。
(その為、ここでは基本通りというのをお勧めしています)
 分かりにくければ再度ご指摘下さい。


トトさんからの返信
 私は帽子さんの言う『基本から外れた三人称』を多用するタイプなのです。
 ですので、不安になって一例の文章がどうなのかを尋ねました。
 
 他に、もう少し複雑なものも使ってはいるのですが、「そんなふうに」という指示語や、
 胸中・考え・不安といった示唆する言葉を使うことによって問題ないのなら、
 後は自問自答中は改行しないなどとルールを決めることで、おそらくいけるだろうと考えてます。

 まあ、どうも話を聞く限り、キャラやストーリーの方が重要なようなので、
 分かれば何でもいいのでしょうけれども。
 とにかく、問題ないようで胸のつかえが一つ取れました。
 丁寧な回答ありがとうございました。


帽子さんからの回答
 上の方にも例を出しましたが、マリ見てなんかだと三人称一視点にも関わらず、
 ルールを完全に無視して一人称と融合させてしまっています。

 もし三人称の地の文で心理描写をやるのでしたら、
 あれなんかを参考にしてみるのも良いかもしれません。
(同じようにかけるのなら分かりやすい)
 頑張って下さい。


あまくささんからの返信
 こんばんは。

 他の方との対話に割り込む形になるのは礼を失するとも思いますが、
 一応書き手ですので私見を述べてみようと思います。

 視点人物。小説におけるカメラ(作者=表現主体者の視点)。
 この二つが同一視して論じられている印象を受けました。
 この二つを同一と錯覚させることは書き手の狙いであり、
 それによって「虚構」は成り立つものだと考えます。

 しかし、実際には同一ではありません。
(あ、すみません。帽子さんに対しては釈迦に説法なのは承知して書いています)

 「視点」という言葉が、あるキャラクターの数メートル後に位置するカメラを意味するのであれば、
 それは当然その人物の心理の中に入り込むことはできません。
 しかし、カメラは視点(アングル)では有り得ても、視点「人物」ではありません。

 ある人物に視点が置かれているということは、
 その人物の主観が作品世界を見渡していることを意味します。
 したがって主観が記述できるのはむしろ当然、
 三人称一視点は実は三人称神視点の親戚ではなく、一人称の親戚なのだと思います。


 「視点人物」という不思議なギミックが小説には有り、映画、マンガ、アニメ、演劇などの
 物語をつむぐ他のジャンルにはない。これがまずは本質的な前提と考えます。

 「視点」という観点から小説の手法を大別すると、
 一人称、三人称一視点、三人称神視点の三つに分けられると思います。
(三人称多視点は、大分類としては神視点に含めてよいように思っています)

 で、この中で「視点人物」を明確に設定するのは、一人称と三人称一視点です。
 ちょっと面白いのが神視点ですね。
 神視点は神(作者)に視点があるので視点人物は必要ありませんが、
 そういう小説でも「ダレソレはそう思った」と書くことがあるので、
 その瞬間は視点人物(主観人物?)が発生していると言えます。

 つまり視点人物の主観を描くのがおかしいというのは話がまったく逆で、
 主観を描かなければ視点「人物」ではないんですね。
 主観を伴わずにただ見ているのは「カメラ」であって、人物ではありません。
 
 ですから、第一の前提は。
 一人称だろうが三人称だろうが、小説は特定のキャラの主観を描くことができるということ。
(心理・意識・認識・心象・コギト・心・自我)
 虚構をつむぐジャンルとしてこれができるものは多分ほかにありません。
 
 そして第二の手法的な問題として、その主観にどのようにアプローチするかという話に移り、
 そこではじめて一人称か三人称かを考えるのだと思います。

 ちなみに一人称と三人称一視点の違いですが、その部分の「実践論」が、
 これまで私が「何となくはわかっていたけれど明確に把握はできていなかった」と書いた部分です。
 
 一人称は主観を主観的に記述し、
 三人称一視点は主観を客観的に記述するということだったんですね。

 
 例えばA子さんという人が実際には美人ではなかったとしても、
 視点人物があばたもえくぼで美人だと思い込んでいたら、
 一人称の場合はA子は美人だとしか書けません。
 しかし、三人称一視点なら、A子は必ずしも美人ではないが、
 B夫の目には魅力的に映るというように書けます。

 それは当たり前ですが、いちいちB夫はこう思ったと書くのは小説の場合無粋なので、
 間接話法を直接話法に変換して記述することがあるんですね。
 「誰は~と思った」を省略してしまうことがある。そのため、まぎらわしくなっています。

 三人称一視点には、文体的に客観的事実をよそおった主観がまぎれこんでいる。

 これが私が長年わからなかった「謎」でした。
 目からウロコ。わかってみると何でこんなことがわからなかったんだろう? 
 というようなこと有りますね。いや、単に私がバカなだけなのかなw
 
 原理については学生のころさんざん考えたのですが、
(それもずいぶん昔のことになってしまいましたが)実践の奥深さに苦しんでいます。
 帽子さんには本当に感謝にたえません。

 追伸。この文章(の下書き)を書き終えてからトト様とのやりとりを拝読いたしましたが、
 まったくその通りでした。わかっていなかった部分があり、重ねてたいへん感謝しております。


スナフキンさんからの質問
 帽子さん、こんにちは。
 スナフキンです。
 こんな創作についての相談を書いていいか解らないですが書かせてください。
 僕は他のライトノベル作家志望の皆さんとは経歴が違うのです。
 
 僕は現在34歳なのですが、小説を読み始めたのが28歳からでして、
 本格的に読み始めたのが30歳からなのです。
 小説を書き始めたのも30歳になってからなのです。

 某有名作家さんが30歳から小説を読み始めても読めないから、
 本の無い人生になる、と仰っていました。
 僕は10年間をかけて小説などを最低2000冊は読んで、多くの小説を書き続けようと思います。
 人に話したら呆れていました。

 僕の経歴は『終っている』のでしょうか?。
 僕みたいな経歴でも新人賞を受賞できる可能性はありますか?。
 こんな相談をしてごめんなさい。
 ライトノベルに詳しい人に話したら大概は諦めよと言われそうです。
 でも僕は諦めきれません。こんな相談をしてごめんなさい(-_-;)。
 では失礼しますね。


帽子さんからの回答
 こんばんは。

 私の周りには三十代で創作に興味を持ち、そこからプロになった方もいますよ。
 特殊というほどでも無いかと思います。


> 僕の経歴は『終っている』のでしょうか?
 終わっていません。

> 僕みたいな経歴でも新人賞を受賞できる可能性はありますか?。
 勿論ありますよ。頑張って下さい。

> ライトノベルに詳しい人に話したら大概は諦めよと言われそうです。
> でも僕は諦めきれません。

 諦めきれない、それが答えです。
 夢は実現できるかどうかではなく、諦めきれないからこそ、人に何を言われたとしても目指すのです。
 目指していけない訳がありません。


あまくささんからの質問
 帽子様、こんばんは。拙作に丁寧なご批評頂いた上、
 われながら不躾な書き込みまで重ねてしまい申し訳ありませんでした。
 ご好意に甘えるのもこれを最後にするつもりです。ご迷惑でなければアドバイス頂きたく思います。

 一作品の中で視点人物を変更する場合の扱いについての質問です。
 ご批評いただいた『迷いの城の女王』ですが、
 企画中に頂いた感想で何人かの方に「文体が時々変わる」という指摘を受けました。
 そのことを巧いと誉めて下さる方と、
 150枚くらいの作品の中で文体が変わるのはよくないという批判の両方がありました。
 
 敬語体の第三章と一人称のエピローグは意図的ですが、
 問題は視点人物・真崎の不在パートだったように思います。
 視点人物を変更することによって文体が変化するという現象が発生し、
 実は私自身が書きながらアレっと思いました。
 
 あの作品以前にラ研には長編を二つ投稿したことがあるのですが、
 一つは導入部とエピ以外はすべて視点人物を統一しており、もう一つは神視点でした。

 そこで、第一の質問。
 三人称一視点は、視点人物を変更して差し支えないというのが、一般的な見解でしょうか?
 前前作ではそこがよくわからず、一人の視点で通すことにこだわりました。
 変更するのはNGではないにしても、どちらかと言うと望ましくないような気がしたんです。
 
 しかし、それですとやはりストーリー展開に制約が多くなりますし、
 そもそもそういう書き方をするなら一人称でいいのではないかとも思えますので、
 今回の拙作ではシーンにより視点人物を変更するということを試してみました。
 初めてそういう書き方を試みたところ、
 前記のように同じ文体を維持できないという問題が生じ、戸惑いました。
 そして感想ではそこが賛否両論。絶賛と酷評と両方あったため、たいへん印象に残ったんです。
(そんな時に帽子様の「会話と地の文の乖離」についてのお話を読ませていただいたため、
 思わず食いついてしまった次第です)

 そこで、第二の質問。
 上記のような理由で一作中に文体の変化が起こるのは、望ましくないことでしょうか?

 望ましくないのだとしたら、第三の質問になります。どのように回避するかということです。
(1)そういう問題が発生するから、視点人物の変更そのものが望ましくない。
(2)視点人物が変更しても文体が変わらない書き方がある。
(3)視点人物とそれに伴う文体が変化すること自体は問題ないが、
 私の書き方に問題があって本作の場合は好ましくない文体変化になってしまっている。
 したがって、文体変化が欠点にならない書き方を模索しなければならない。
 
 回避するとしたら以上のどれかになるかと思いますが、
 (2)ですとここまで帽子様が書かれていた趣旨には反するように思えます。
 ならば、(1)か(3)のどちらかということになるでしょうか?

 以上、よろしければご教示いただければ幸いです。


追伸。
 感想の中に、文体の変更については気づきもせず自然に読めたというものもあったこと、
 付記しておきます。
 自分の文章を他人が読んでどう感じるかは自分ではわかりません。
 あれで自然であれば今回の質問はすべて無意味ということになりますので、
 なにとぞ笑って忘れておいてくださいませ。


帽子さんからの回答
 こんばんは。
 
 視点人物が変われば当然に文体が変わります。
 むしろ変えなくてはダメです、というのは前回までのお話の通りです。

>  前前作ではそこがよくわからず、一人の視点で通すことにこだわりました。
 変更するのはNGではないにしても、どちらかと言うと望ましくないような気がしたんです。

 
 望ましくないなんてことはありません。
 ただ、視点人物を変更していくかしないかはどちらが良いとも言えません。
 
 例えば味方側と敵側で視点を交互に描いていくものもありますし、
 敵側の視点を描かないで意図的に伏せるやり方もあります。
 
 どちらが望ましいかは完全に物語次第です。

 今回の場合、確かに読み返してみると、
 詩織の視点は一部伏せた方が良かった部分もあったかもしれません。

>  上記のような理由で一作中に文体の変化が起こるのは、望ましくないことでしょうか?
 望ましくないなんてことはありません。
 
 ごちゃごちゃしたのでマトメます。
 
 視点人物の変更→問題無い。
 それに伴う文体の変化→問題無い。
 視点人物の変更が望ましいか→物語の展開次第。



りょうさんからの質問
 帽子様こんばんわ、りょうです。
 多視点は可であるというお話を聞いて、目からウロコが落ちる思いでした。
 
 というのも、御批評をお願いしている拙作も、
 視点の概念を禄に勉強もしないうちからかきはじめ、
 書き上げてから視点の変更の多用は良くないと知り、大慌てで直した経歴の持ち主だからです。

 しかし、作品の都合上、どうしても多視点にせざるを得ませんでした。
 やりたい事を全て詰め込むのは無理なのか、視点を減らすべきかと、
 二次に落ちてから、頭を抱えておりました。
 多視点は可。本当に救われた気分です。 ありがとうございます。
 
 それと、どうしてもお訊きしたいことが三点あります。
 一つは、以前帽子さまは、
「下読みさんは、他所で落選した作品の使い回しを嫌がる」
 とおっしゃっておられたように思うのですが、他社に改稿したものを送付する際は、
 以前送った際の作品名とペンネームを変えて送ったほうがよろしいのでしょうか。

 もうひとつは、某掲示板で、
 女主人公はラノベではハードルが高くなるという話を聞いたのですが、そうなのでしょうか。
 確かにとらドラや桜庭一樹の赤×ピンクは萌えとはかなり違うとは思いましたが。
(とらドラは竜二が主人公ではありますが)

 三つ目は、一人称で多視点の作品ってあるのでしょうか?
 不勉強でお恥ずかしいですが、ご回答を頂けましたら幸いです。


帽子さんからの回答
 多視点というよりも視点の移動でしょうか?
 多視点というと大抵が三人称多視点という手法(同一シーンで二人以上の内面に入る)を
 指すかと思います。

 視点の移動は勿論して大丈夫ですし、多視点も難しいと思いますが、書けるのなら問題無いです。

>以前送った際の作品名とペンネームを変えて送ったほうがよろしいのでしょうか。

 勿論ペンネームやタイトルを変えた方がばれにくいですが、
 そのようにしてばれた場合、印象はひどく悪くなります。


 又、ばれる理由はペンネームやタイトルだけでは無いのです。

> 主人公はラノベではハードルが高くなるという話を聞いたのですが、そうなのでしょうか。

 これは以前にも書きましたが、

 女性の一人称は感情移入し難いので、敷居は相当上がると考えて下さって結構かと思います。
 又、三人称一視点の場合、今度は書くのが難しくなります。

(地の文と視点人物の乖離をご参考下さい)

 結論としては、女性を主人公にする場合、三人称で上手く書ければ問題ないと思います。

>三つ目は、一人称で多視点の作品ってあるのでしょうか?
 普通は、無いですよね。
 主人公がサトリさんの場合だと出来るのでしょうか。読んだことはないです。


りょうさんからの返信
 帽子様、こんばんわ。
 視点に関するご回答ありがとうございます。
 そうです、多視点ではなく視点の移動ですよね。不勉強でお恥ずかしい限りです。
 拙作では視点の移動が頻繁に行われているので、とても気になっております。
 どれぐらいまでが許容範囲なのか、未だに悩んでおります。

 再投稿の際のペンネームとタイトルの変更は、印象が悪くなるのですね。
 貴重なアドバイスを有難うございます。
 女主人公はやはりハードルが高くなるのですね。
 三人称にしたほうが無難なのですか、了解しました。

 一人称の多視点の件ですが、一人称の視点の移動、
 つまり、語りの人物の移動と言うべきだったんですね、失礼致しました。
 これも多視点と視点の移動をごっちゃにしておりましたせいです。未熟さを痛感しております。

 丁寧にお答え頂きありがとうございました。
 携帯からの書き込みの為、読みにくい文章ですみません。


パセリさんからの質問
 帽子さん、ありがとうございました。
 明快なお答えいろいろとすっきりしました。

「小説なんて読みたいやつより書きたいやつのほうが多い」
 これは公〇ガイド、あるいは小説指南書等で私が何回も目にしたセリフです。

「賞受賞作初版発行部数」 = 「その賞の応募作数」
 、、、だそうです。

 お忙しく二日酔い(お大事に)のところまこともうしわけありませんが、
 昨今の出版不況をどうお考えですか?
 もしも気が向いたらで結構ですのでご意見おまちしております。
 スルーでも全然OKです。

 ありがとうございました。


帽子さんからの回答
 こんにちは。お気遣いありがとうございます。
 缶二杯で翌朝頭が痛くなるのはどうすれば克服出来ますでしょうか。

>「小説なんて読みたいやつより書きたいやつのほうが多い」
 なるほど。私自身がそのようなものを見ないので分からないのですが、
 
 ちゃんと統計をとったものなのか気になりますね。
 
 とっていたとしたら母体数をどれくらいでやっているのでしょうか。
 とても一般化して言える事ではないと思うのです。

>昨今の出版不況をどうお考えですか?
 私自身が出版不況に影響される立場にいる人間では無いので、
 なんとも言いにくい部分がありますが、作家を目指す方達には厳しい状況ですよね。
 
 ただ、本当に良い作品、人気作家の本は今でも売れますし、
 影響が出ているのは普通の作品、中堅以下の作家が売れなくなっているという事でしょうか。
 傑作を生み出せるように頑張って下さい。


グリフォンツーさんからの質問
 初めましてグリフォンツーと申します。
 帽子さんに質問させて頂きます。

 前のスレで、好まれない傾向(当たり前だけど)には『キャラが立っていない』と言う物がありました。
 いわゆる『超能力者』は勿論バリバリのキャラだと思うのですが、
 『地味すぎて誰からも忘れられる』と言うのも一つのキャラだと僕は考えます。
 どこら辺が『キャラが立っていないキャラ』なのでしょうか?

 他にも色々聞きたいことはありますが、キーボードに打ち込める気がしないので控えておきます。


帽子さんからの回答
 こんばんは。

 忘れられてしまうキャラを作るのは勿論大丈夫ですよ。
 しかしそれを主人公やヒロインでやってしまうのが良くないというか、お話にならないという事ですね。

 読んだ後にヒロインってどんなキャラだったっけ?ではダメなんです。
 そしてそのような作品が非常に多く、キャラがたってない作品と言われます。
 又、キャラがたっているかたっていないかは外面ではなく、その人物を描けているかどうかです。



夢空さんからの質問
 第4研で帽子さんのスレを見て非常に学ばさせていただきました。

 私も、いくらか質問させていただいきたいです。

1・題名と内容のギャップは審査してくださる下読み・編集者の方々に、
 どれだけのインパクトを与えるものなのでしょうか?
 
 仮に題名が超がつくほどロマンチックな題名だとして、内容は超ダークです。
 そしてその題名の意図は物語の後半になるにつれて理解ができていくとします。
 このような小説は途中で読むのをやめる人が多いのか、最後まで読み切ってしまう人が多いのか。
 帽子さんの意見でよろしいので教えていただきたいです。

2・私が今書いている作品は物語の変化?が激しいような気がしてならないのです。
 内容は異世界ファンタジーです。
 
 まず、主人公の過去から始まるのですが、
 その過去が結構な主人公のトラウマにもなっており、行動源となっております。
 しかし基本的に暗いのは最初のこの場面だけで、
 後々の物語はわりと普通の学校内での生活であったり、魔物とのバトルであったりと。
 
 そこで、いきなり恐怖から始まる物語や、
 物語のテーマの変化(ラブコメなら恋愛など)がコロコロ変わる作品。
 最終的に行き着くテーマは一つなのですが、
 恐怖から始まるのに、次はギャグだったりというのは読んでて疲れるものなのでしょうか?

 私的な疑問なのですが、回答して頂けるとうれしいです。
 説明は下手でスミマセン。まだ小説を書き始めて浅いものでうまく文章まとめられないです……。


帽子さんからの回答
こんばんは。

A1
 審査します。タイトルと中身の関係は割と重要な部分です。

 一概には言えませんが、タイトルと内容があまりにもかけはなれたものですと、
 気になって先を読み進めてしまうかと思います。
 
 後半になって初めてタイトルの意味が分かる作品、私は好きですよ。

A2
 シリアス→ギャグ→シリアスと次々に変わっていく作品は数多くあります。
 読者を飽きさせない定石とさえ言える手法かと思いますので、勿論問題ないです。



グリフォンツーさんからの質問
 お答え有り難う御座いました。

 もう一つ質問なのですが、何人もキャラが出てくる場合、
 キャラの喋らせ方には変化を付けた方が良いのでしょうか?


帽子さんからの回答
 こんにちは

 これは作者様次第です。
 語尾を変えたり自分の呼び方を変えたりすれば誰がしゃべっているのか、
 いちいち説明無しで済ませられる利点があります。
(同じ話し方にすると、いちいち説明が必要になる)


東の黒さんからの質問
 このような貴重な機会に出会え感謝の気持ちでいっぱいです。
 はじめまして、東の黒と申します。

 質問なのですが、さきのカテエラの件で萌え要素が無いと厳しいと書かれていました。
 それは最低限どの程度の萌え要素なのでしょうか。
 女性の登場人物が出るのを前提とし答えていただけると幸いです。
 どうか、時間が空いていましたら、助言をお願いします。


帽子さんからの回答
 こんにちは。

 萌えキャラが欲しいのは、言ってしまえば所謂キャラ買いをしてもらいたいからです。

 なので作中キャラ+イラストだけで次作を買いたくなるかどうか、
 これが一つの目安であり最低基準でしょうか。


 これくらい、と具体的に言えないところがありますが、
 割と低くないハードルであると言えるかと思います。


文文さんからの質問
 前のスレでは質問に丁寧なご解答をいただきありがとうございました。
 というかお礼の返事をしなくてすみませんでした(汗
 さてそんなわけでまた質問したいことが出てきたので、厚かましくはありますがよろしくお願いします。

1・帽子様は夢空さんの質問のところで、「タイトルと中身の関係は割と重要な部分です」
 と仰っていましたが、では『インパクト優先で中身とはあまり関係がない』
 というタイトルは評価が下がってしまうのでしょうか。
 たとえば富士見で発行されている『これはゾンビですか』などが当てはまりそうですが、
 帽子様はこういったタイトルはどう評価しますか?

2・「文章作法の枠を越えた奇抜な表現は受け入れられるか?」
 第4研究室のこの質問↑なのですが、これについて下読みという立場からどう思いますか?
 また、最近平坂読さんの「僕は友達が少ない」がよく売れていますが、
 それに伴って平坂読さんのような独特な表現をする応募作などは増えたりしているのでしょうか。

3・最近一般に発行されているラブコメだとお色気要素が含まれるものが多いように思いますが、
 応募作でラブコメを書こうと思ったときは、やはりお色気要素を入れたほうがいいのでしょうか。

4・これはただの興味本位なのですが、
 送られてくる作品でコメディとそれ以外の比率はどの程度なのでしょうか。
 また、送られてくるコメディで全体的にすべっているのと、
 十分に笑えるのはどの程度の比率なのでしょうか。


帽子さんからの回答
こんばんは。

A1
 あまりにも作品からかけ離れたタイトルは評価出来ません。
 
 「これはゾンビですか?」程度なら大丈夫です。
 又、大抵が受賞後改題されますので、

 インパクトよりも選考委員を「このタイトルは上手い」と唸らせるものを考えましょう。

A2
 質問で皆さんが答えている通りになります。
 基本的には全てを文章で表現しなければならないので、そこから外れると、

 この人は文章でここの部分を表現出来ないんだな、とみなされます。
(少なくとも新人賞ではそうです)

A3
 単純にどちらかとも言えませんが、自然に入れられるのでしたら入れた方が良いかと思います。

A4
 レーベルによって、又ハコによっても大きく異なるので一概には言えませんが、
 純粋なコメディはそこまで多くない気がします。
(コメディの要素を入れた作品は多いですが)
 せいぜい1~2割前後でしょうか。

 その中でも大半が滑ってしまっています。
 こちらが自然に笑わせられる作品は1割も無いんじゃないでしょうか。



グリフォンツーさんからの質問
 スミマセン、質問三つ目です。

 前に某小説内で
 『一人称視点の小説で、その視点の人物が居なくなった途端に三人称視点になる』
 をダメだと言っていたのですが。

 コレについての詳細な記述を教えて下さい。


帽子さんからの回答
 主人公は一人称、その他の人物の時は三人称で書き分けて良いのかという事でしょうか。
 そうでしたら全く問題ないですよ。


りょうさんからの質問
 帽子様、お忙しいところを申し訳ありません。
 某サイトで新人賞の締め切り間際は激戦区なので、速めに応募する方が良いとあったのですが、
 「作家になる技術」という本では、応募を締め切ってから一斉に読み始めるとありました。
 どちらが正しいのでしょうか? それとも、レーベルによって違うのでしょうか?
 度々申し訳ありません。


帽子さんからの回答
 これは恐らく締め切り間近に出すと激戦区のハコに割り振られるから、
 早めに出した方が良いという事ではないでしょうか。

 基本的に作品には送られてきた順に番号がつけられ、1~10をAさん、
 11~20をBさんのように順番に割り振っていきます。

 そこで締め切り間近の90~100番になると推敲を重ねられた作品が集中するため、
 1~10のハコよりも激戦区になる可能性が高いのです。


 読みの開始時期ですが、レーベルによって異なります。
 一定枚数で送られてくるところもありますし、締め切り後に送られてくるところもあります。


kuroyamaさんからの質問
> 基本的に作品には送られてきた順に番号がつけられ、1~10をAさん、
 11~20をBさんのように順番に割り振っていきます。


 未知の世界を覗きこんだような興奮を覚えています。
 一人の下読みさんはだいたい10作品を担当するのですか?
 そのうちいくつくらいを残すのでしょうか?
 2つ? 3つ?


帽子さんからの回答
 こんばんは。

 分かりやすく10にしただけで、実際はそんなもんじゃありません。
 これは具体的な数を言うと逆算でレーベルを特定されてしまう恐れがあるので曖昧に書きますが、

 50本は普通に越えますし、三桁いくこともあります。
 残す数もレーベルにより違いますが目安は一割です。

(ここは応募総数と一次通過数を比べれば大体分かるかと思います)


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