ライトノベル作法研究所
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  4. ストーリー公開日:2014/11/01

下読みによるラノベ新人賞攻略Q&Aまとめ

●ストーリーについて3

■質問2014/03/27
 メディミックスとの相性。アニメや漫画化した時に成功する作品とそうでない作品の特徴ってあるのですか?
●ジジさんの回答
 応募作をほめる言葉に「ビジュアル的」というものがあります。
 地の文章がリズミカルで端的に情景やアクションを描写していて、それが目の前に浮かびやすい(想像しやすい)ことを指した言葉ですね。
 こういう作品はメディアミックスされやすいですし、特にアニメからお声がかかりやすいです。
 が、無理にそういう感じのものを目ざすよりは「自分の味」を追求するほうが、結局はうまくいきます。
 また、下読み段階ではほぼ、こんな要素は気にしません。

■質問2014/03/27
 ジジさんの考えるラノベの王道とは?
●ジジさんの回答
 10代を中心にオタっ気のある男子(“心は未だ男子”含む)が楽しめるものです。

■質問2014/03/27
 ラノベにおいて、ヒロインの登場のタイミングとゆうものの正解とはあるのでしょうか?
 書き始めて7行で出て来ちゃったんですが、早すぎやしないでしょうか?
●ジジさんの回答
 物語的な必然性がないなら、できるかぎり早く登場させ、読者にこの子がヒロインだと認識させるべきです。読者は最初に出逢ったヒロインこそメインヒロインだと認識しますので、そのキャラがメインヒロインならとにかくどの女の子よりも早く登場させてあげてください。

■質問2014/03/26
 下読みさん(を始めとした、読者の方々)が読んでいて、一番気持ちのよい「笑い」とはどんな種類の笑いなのでしょうか。
●ジジさんの回答
 下読みとして気持ちよく笑えるのは「パロディじゃない笑い」ですね。
 パロディはいろいろと問題を生み出す可能性がありますし、なにしろ「応募者が考えたネタ」ではないので正しい評価ができない部分があるのです。
 もちろん笑いの方法論はなんでもいいのですが、「うまいな」と思うのは地の文で「“間”というリズム」をとれている会話文です(わかりにくくてすみません)。
 「おもしろい言葉のかけあい+地の文によるアクション・リアクションの説明と(文章の長短などで作る)間」による笑いは評価されやすい構造かと思われます。

●ジジさんのコラム 2014/03/26
 感動は、強烈な目的意識を持った主人公が万難を排してそれを成し遂げることで生まれるものです。
 目的意識が強烈なら強烈なほど、成し遂げた後の感動も強くなります。
 感動とは喜びを始めとしたプラス方向だけのものではありません。復讐劇といったマイナス方向の、ドロドロと真っ黒な負の感動もアリなのです。

●ジジさんのコラム 2014/03/26
 出し惜しみや次の巻を意識している作品はかなりの確率でそれを見透かされます。そうなれば構成で確実にマイナス評価をつけられます。
 主人公が生きてさえいれば次の巻はなんとでもなりますので、続きの展開を考えるよりもまず規定原稿枚数内でドラマを完結させることに全力を注いでください。

■質問2014/03/26
 物語の進行上、序盤で最大の課題が提示する必要があり、それに対処するために準備をする、実際に対処するというのが大まかな流れとなっています。そのため、中だるみしている気がします。
●ジジさんの回答
  いくつか対応策は考えられますが、
1.課題を分割化し、Aをクリアして初めてBにアタックできる、という流れを作る。
2.課題自体はあっさりクリア。しかしそれによってまったく別の事件が勃発する。
3.課題に向かうキャラクターたちに「なぜこの課題へ挑むのか?」という理由づけを語らせ、それを元に恋愛や友情等の心情ドラマをからめて物語の幹を太くする。
4.主要キャラを中盤であっさり殺す(主人公以外全員殺すとインパクト大)。
 この4つなら物語をジャマせず展開できるかと思います。もちろん、これをとっかかりにして、まったく別の策を立てるのもありです。
 中だるみの最大原因は「物語の最初と最後を繋ぐ部分になにを入れていいかわからない」ですので、ここはひとつ「物語の都合はうかがいつつもキャラ寄りのドラマを突っ込み、彩りを」と考え、ピンチをチャンスに変えていきましょう。

■質問2014/03/26
 「勢いのある作品」とはどんな作品ですか?
●ジジさんの回答
 プラス方向でもマイナス方向でも方向は問わず、設定という枷(制約)の中でキャラが生き生きと自分の生き様を見せてくれている作品ですね。

■質問2014/01/11
 作品のあらすじを書いてみたとき、3500文字もの長さになってしまい、なにかストーリーに問題があるように感じました。
●ジジさんの回答
 これは多くの場合、「物語の軸が定め切れていない(読者に伝えたいものの的が絞れていない)」ことが原因になります。
 まずは「命を賭けて己の愛を貫く王子の話!」など、簡単に作品を表現できるテーマを決めてください。そしてそのまわりに各主要キャラが演じるべきドラマを置いて、それらがどのように軸へ干渉し、ドラマを膨らませるのかを考えてみてください。
 軸の太さは物語の魅力そのものです。
 軸が太ければ太いほど、そのまわりにちりばめられたドラマも一層伸びやかに展開します。

■質問2014/01/10
 やはりラノベにおいて、バッドエンドというのは印象が良くないものでしょうか?
 10代を対象にしているラノベは、必ずハッピーエンドで終わらせるべきでしょうか?
●ジジさんの回答
 バットエンドでもOKです。
 物語が読者にもたらすカタルシスはプラスだけのものではないからです。
 重要なのは、作品のストーリーラインが「作者の決めたエンディングへ至るために必要な過程を、正しくたどっているか」です。

■質問2014/01/09
 ラストで死んでしまったキャラがエピローグでなんとなく霊体化して戻ってきた、というのはやはりダメなのでしょうか?
●ジジさんの回答
 基本的には、そのエピソードにストーリー的必然性があり、設定を生かしたものであればアリです。
 ただ、「なんとなく」ではなく、「なにかしらのメッセージ性・カタルシス・余韻」等を練り込んだエピソードに仕上げるほうがよいでしょう。

■質問2014/01/08
 ラノベのストーリーや構成でチェックすべきポイントを教えてください。
●ジジさんの回答
1.物語が最初の10枚程度の文量できちんと「始まり」として完成しているか(読者を惹きつけるだけの設定・キャラ・しかけが提示できているか)?
2.中盤を越えるまでに、読者が作者の提示した設定・キャラ・しかけを好きになれているか(そのように演出できているか)?
3.妙に思わせぶりな伏線や謎を、エンディングまで残していないか?

■質問2014/01/04
 私の作品では、主人公側からヒロインに歩みより、やがてヒロインも明確に主人公に対して好意を意識し始めます。
 ……が。何だか周りにはヒロインが意識し始めた方が面白いと言う意見が支配的です。実際主人公が歩み寄る形と言うのは少ないのでしょうか。
●ジジさんの回答
 今現在流通している既存作の主流ではない、というだけのことかと思います。
 ここからは個人的見解になりますが、恋愛物においてもっとも重要なことは、「誰かを好きになるキャラがどれだけその誰かを愛し抜くことができるか?」を描ききれるか否かだと思います。
 主人公男子がすべてを賭けて努力を重ね、メインヒロインを愛し抜く物語を提示できるなら、それは賞でも十二分に戦える作品になるはずです(「主人公がひたむきにヒロインに恋する物語」等、売りが説明しやすい作品は、テーマがブレないだけに完成度も上がりますし、受けもいいです)。

■質問2014/01/04
 主人公が異世界に望まずに行くファンタジー小説を書いています。主人公の最終目標は現代に戻る事です!
 ですが、結論から言うと今回戻る事は叶いません。
 現代に戻れてない=最終目標を達成できず。という物語は、未完結とみなされるのでしょうか?
●ジジさんの回答
 応募作において最重要な課題のひとつが、「物語が完成(完結)していること」です。
 続編を臭わせるようなエンディングは減点対象になるので絶対に避けてください。
 ですので、「帰れるかもしれない状況」という逃げ道を設定することなく、「帰れない理由」を提示し、かつ「帰らない理由」を提示して、それを貫いて物語を気持ちよく完結させてください。
 「ヒロインと暮らせるぞ!」というエンディングを目ざすのであれば、主人公がヒロインと暮らしたくてたまらなくなるだけの心情・恋愛(の種になる)エピソードを必要量積み重ねる必要があります。

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