ライトノベル作法研究所
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  4. ラノベを取り巻く環境公開日:2013/10/27

下読みによるラノベ新人賞攻略Q&Aまとめ

●ライトノベルを取り巻く環境について2

■質問 2014/04/22
 ぶっちゃけラノベ業界ってこれから先あると思います?
●ラノベ編集者さんの回答
 現状(2014年4月)ではビジネスとして成り立っているのでいまのところは安泰です。

■質問 2014/04/22
 最近(2014年4月)主流のジャンルは何か? これからどう推移するか。
●ラノベ編集者さんの回答
 現代異能、学園ラブコメ、異世界FTはラノベの主流ジャンルです。
 今(2014年4月)ですと、若干異世界FTに流行が傾きつつある感じです。
 WEB小説は相変わらず売り上げが好調ですし、当分この流行は続くと思われます。

■質問 2014/04/22
 私は新作をえんため大賞かスニーカー大賞に応募しようと考えているのですが、
・受賞の難易度(担当さんについてもらえる確率)
・仮に受賞した後の条件・待遇。
・受賞作はどの程度刷られるのか。
 について教えてください。
●ラノベ編集者さんの回答
 受賞の難易度は一概には言えませんが、スニーカーのほうが受賞難易度は高いと思います。
 受賞すれば担当は絶対につきます。
 受賞後の条件や待遇は出版社毎に変わってきます。
 育てる傾向の出版社であれば売り上げが悪くても待遇はそれなりですし、売り上げが全ての出版社であれば即切られます。
 いずれにしても売り上げと条件・待遇は比例しますね。
 発行部数は小規模なら1万前後、中堅で1万から2万前後、大手で2万以上が目安です。
 スニーカーは2万前後、えんためは1万前後だと思います。
 大手のほうが収入も多くなりますが受賞難易度も高くなると思います。
 そこら辺を踏まえてどこに出すかの判断は難しいと思いますが、刊行済みの作品を見て自分に合ってそうな出版社に出す、でいいと思います。

■質問 2014/04/22
 ライトなミステリ系作品を許容してくれる新人賞はどこか?
●ラノベ編集者さんの回答
 内容次第ですが、しっかりとラノベしていればどこでも受け入れられると思います。
 日常の謎を扱うのであれば地味にならないようにしたり、大きな事件を扱うのであれば事件解決までの過程が退屈にならないようにしたり工夫は必要ですが、上手く書ければ売れるジャンルですのでミステリを特別視する必要はないと思います。
 ちなみに編集者はデータを見て企画などを考えるので、既存作家がミステリをあまり書かないのはラノベと合わないからという理由ではありません。
 ここら辺よく誤解されるので注意が必要です。

■質問 2014/04/22
 2014年4月現在、一番勢いのあるレーベルはどこか? 迷ったらここに出すといいというレーベルは?
●ラノベ編集者さんの回答
 売り上げを見ればわかると思いますが、電撃が頭一つ抜けていて次点でMF、ファンタジアです。
 大体この3つは他レーベルとは大きな差をつけてます。
 最近はGAの売り上げが上位にくることが多いのと、メディアミックスや広告も盛んなのでGAは勢いのあるレーベルと言っていいと思います。

■質問 2014/04/21
 第二次世界大戦で日本が勝つ話はカテゴリーエラーである。と言われたのですが、本当でしょうか?
●ラノベ編集者さんの回答
 カテゴリーエラーについては編集者それぞれで基準が違うのでなんとも言えませんが、ほとんどはラノベ的な要素が薄いものに対してカテゴリーエラーという言葉を使っている気がします。
 どんな題材でも書き方次第ではラノベになるので、第二次世界大戦で日本が勝つ話というだけでカテゴリーエラーにはならないと思います。
 最近(2014年4月頃)は、映画にしても小説にしてもゲームにしても戦争物は売れる傾向にあるので、もしかしたら狙い目かもしれませんし。
 要は中身次第です。
 仮想戦記は現在(2014年)のラノベの主流ではないのでデビュー後にだすのは難しいかもしれませんが、新人賞は賞さえ獲れば上の意志に関係なく出版できる場ですし、編集者も冒険したがります。
 ラノベの売れ筋を意識することも重要ですが、ラノベ以外の売れ筋も一つの狙い目になる場合があります。
 第二次世界大戦をラノベにできると感じるのであれば書いてみるのもありだと思います。

■質問 2014/03/26
 応募作でディストピア作品の比率はどのくらいですか? またそういう作品は通過しにくいでしょうか?
●ジジさんの回答
 ほぼ見かけません。
 このジャンルはどの程度世界観を作り込むかがひとつのカギになるりますが、作り込むほどにラノベと相性の悪い理屈臭さ、文学の臭いがしてきますし、作り込まなければ単なる駄作に成り下がります。
 ですので、応募作のテーマとして選ぶには難しい素材かと思います。

■質問 2014/03/26
 文芸・娯楽小説とラノベの境界が曖昧になっていますが、どこまでがラノベとして審査範囲ですか? 内容以前にこれはラノベではないとされる基準などはありますか?
●ジジさんの回答
 ラノベと文芸・娯楽小説の境界は、実はあいまいです。
 主人公が若くない(おっさん、妻帯者、老人等)、物語がただの文芸(自分探しの旅で人の情に触れたりする物語等)、カテエラ(第二次世界大戦で日本が勝つ話等)でない、「まあラノベってことでいいんじゃなかろうか」というものなら審査範囲です(いちおう申し送りはしますが)。

■質問 2014/01/12
 出版社の人が業界人に特に説明なくライトノベルと言った時には通常どのくらいの範囲のものを指しますか?
●ジジさんの回答
 通常はライトノベルという出版枠の中で出版されているもの以外、ライトノベルとは呼びません。
 一般方面の、十代後半から二十代をターゲットにした小説は、ラノベっぽいもの含めて「ヤングアダルト」というジャンルにカテゴライズされます。

■質問2014/01/07
 やはりプロのクリエイターになれるのは一握り、でしょうか?
●回答
  「なる」難しさは応募者の方のほうが理解されているかと思いますので割愛しますが、私は個人的に、「なる」ことよりも「ある」ことのほうが難しいと思っています。
 プロの文筆業であるためには、高い筆力と発想力に加え、常にインプットを続けられる好奇心、編集者や同業者との人間関係を築けるコミュニケーション能力等々が必要です。
 書くだけないし作るだけでは、プロであることができません。必ずなにかしらの問題により、廃業を余儀なくされます。

■質問2014/01/07
 ライトノベル、あるいは一般小説においても、以前よりも志望者が過多になっている状況なのでしょうか?
 そのせいで、全体的にクオリティが下がっていたりするのでしょうか?
●回答
  2014年1月現在、10年ほど前に比べて、レーベルや発表の場の増加に発奮し、応募・投稿をするようになっている(志望者は増加している)」のは確かかと思います。
 一般小説はほぼ横ばいですかね。私の関わっている賞は、ここ10年ほど大体毎年同じ数の応募が来ています。
 全体的なクオリティはむしろ上がっているかと思います。
 なぜなら、ライトノベルも他のエンタテイメントも、ある一定の年数作り続けられていることで、いわゆる“お手本”が増えているからです。ゼロから考えるのと、発想のとっかかりがあるのとでは、まったくちがいますから。

■質問2013/07
 ライトノベルで求められるものとは?
●回答
  大雑把にいえば、一般小説の求めるものは「現実」で、ライトノベルの求めるものは「夢」。
 ライトノベルにおいても一定の「現実」は必要になり、これに関しては例外も多い。

■質問2013/07
 応募者の年齢は、高校~大学生が多い?
 新人賞の応募は、やはり、社会人より時間にゆとりのある高校生や大学生が多いか?
●回答
 ライトノベルは高校生や大学生に書く方が多いが、社会人も少なくない。
 一般小説においては大半が社会人。

■質問2013/07
 ライトノベルの実際の客の年代層は?
●回答
 レーベルにより異なるが基本は10代。
 応募要項などに対象年齢が書かれているので、そこを参考にするとよい。

■質問2013/07
 ライトノベルを愛読する層の年齢が上がった。こうした環境の変化により、応募作で求められるものは変わったか?
●回答
 ライトノベルに求められるものは変わっていない。
 読者層の年齢は上がっているが、そのような方達が一般小説ではなくライトノベルを読むのは、ライトノベルに今あるものを求めているからと思われる。
 ライトノベル自身が変わる必要はないだろう。

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