ライトノベル作法研究所
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  4. ジャンル/あ行~公開日:2013/12/07

ラノベ用語集・ジャンル

▼ あ行

【異世界ファンタジー】
 舞台を現実世界とは異なる「剣と魔法の異世界」にしたモノ。
 エルフ・ドワーフ・ゴブリン・ドラゴンなど、ヨーロッパの神話や伝承の中に存在していた幻想の種族や、魔法などが登場する。中世ヨーロッパを舞台にしたものだけでなく、古代中国の神話や伝承を元にした中華ファンタジーも存在する。
例:
「ロードス島戦記」「スレイヤーズ」」

【異世界召喚モノ(異世界迷い込みファンタジー)】
 主人公が現代社会から異世界へと召喚されたり、迷い込んでしまうタイプのファンタジー。
 リアルにこんなことが起きたら、十中八九、言葉も文化も生態系も違う異境で野垂れ死んでしまうだろうが……
 主人公はそこで勇者として歓迎されたり、時には王様になったり、特殊な能力に目覚めたりと、生存を可能にし、活躍するための様々な幸運に恵まれるのが一般的。
 また、本来、現地人とコミュニケーションを取るための最大の障害となるハズの言葉の違いも、現地人がなぜか日本語を標準語として使っていたり、魔法の力で翻訳したりなど、さまざな理由からクリアーされる。
 まったく違った異世界でのゼロからの冒険談は刺激に満ちており、昔から根強い人気のあるジャンル。
例:
『十二国記』 (1991年9月刊行 著者:小野不由美)
『ゼロの使い魔』(2004年6月刊行 著者:ヤマグチノボル)
『ウォルテニア戦記』(2011年11月刊行 著者:保利 亮太)
『ネトオク男の楽しい異世界貿易紀行』(2013年9月刊行 著者:星崎 崑)
『理想のヒモ生活』(2012年9月刊行 著者:渡辺 恒彦)

【異世界転生モノ】
 異世界召喚モノとも似ているが、召喚モノが(能力の変動は有るにしろ)「この世界での外見のまま」異世界へと行くのに対し、転生モノは外見からして変わっている事が多い。
 異世界召喚・転生モノとしてひとくくりにされる事も多く、最大の違いは「元の世界に戻れる可能性があるかどうか」だろうか。少なくとも筆者はそう分類している。
 転生すると言っても、いくつかタイプが有る。
 文字通りの転生、赤ん坊の状態で転生するもの(凄いものになると胎児の段階で意識が有ったりもする)。
 違う人間として生きてきて、途中で前世の記憶を取り戻すもの。
 最初から青少年以上の肉体を持って転生するもの。
 また、転生対象にも、いくつか種類が有る。
 一番ポピュラーだと思われるものとして、ゲームのマイキャラの姿で転生するもの(最初からゲーム内の能力を持つ場合もあれば、最初から取得しなおす場合もある)。
 その世界の人間、あるいは竜や精霊として転生するもの。
 また、「元いた世界」の人間として転生するもの(中高年の主人公が若返る場合含む)、である。ただこれに関しては、召喚モノとの違いが曖昧で、強いて区別するなら「元の年齢のまま=召喚もの」「年齢変動あり=転生モノ」となるだろうか。凄いものになると、死期が近い老人が、青年として転生するものもある。
例:
『異世界迷宮でハーレムを』」(2012年12月刊行 著者:蘇我捨恥)
 異世界の迷宮攻略を舞台とした日常系ハーレム作品で、タイトルのわりに明るい作風。

『ダークな乙女ゲーム世界で命を狙われてます』(2013年11月 著者:夢月 なぞる)
 主人公が、乙女ゲームの世界に、乙女ゲームのキャラとして転生する。

【SF】
 科学的空想小説のことで、「サイエンス・フィクション」の略とされる。
 ライトノベルやアニメーションとの親和性がとても高く、一般的にライトノベル(正確にはジュブナイル)の祖は、81年にデビューしたSF作家の新井素子だとされることが多い。
 その新井が敬愛しており、70年代に<ウルフガイ>シリーズを出したSF作家の平井和正こそ、ラノベの祖だとする説もある。
 なお、この<ウルフガイ>シリーズを含め、80年代の夢枕獏や菊地秀行などの伝奇モノのリメイクこそが、00年代において新伝奇モノとしてヒットした、高橋弥七郎の<灼眼のシャナ>シリーズ、奈須きのこ<空の境界>シリーズなどであり、これらの作品がSFの正当な系譜を引いていることは意外と知られていない。
 また、「SFの人気が出なくなってしまった」といった言説をよく見かけるが、ライトノベルにおいては、<涼宮ハルヒ>シリーズ、<フルメタルパニック>シリーズ、<とある魔術の禁書目録>シリーズなど、現在も多くの人気作品がSFを下地にしていることを忘れてはならない。
 一般的に、SFというと、00年代ではハードSFが隆盛なしたこともあり、生化学的に厳密な整合性を求められるジャンルだと思われがちだが、日本では、こうしたライトノベルにおける独自のSFの発展もあり、不思議な二極化現象が起きていることが指摘できる。
 ちなみに、どの作品が有名なのかはさておき、SFのライトノベルとして最も売れた作品は、田中芳樹の<銀河英雄伝説>シリーズ(1500万部)である。コミックも含めれば涼宮ハルヒ)
 最後に、超科学とは、基本的に疑似科学の蔑称として使われることの多い言葉であり、ハードSFとは、前述のとおり、科学性の強いSFのサブジャンルであるため、両者には全く関係性がない。
 むしろ、ハードSFを創作する者に「本作は超科学的思索を具現化している」と指摘するのは、まずいことなので避けた方がベターである。
 余談だが、2009年度のSFマガジン編集部の『SFが読みたい! 2009年版』(早川書房)では、国内編の第17位に田中ロミオの『人類は衰退しました』(小学館ガガガ文庫)、また読者部門第7位に犬村小六『とある飛空士への追憶』(小学館ガガガ文庫)が選ばれている。
※本稿では、『このライトノベルがすごい』(宝島社)や『ライトノベル完全読本』(日経BP社)などと同様、ライトノベルというジャンルを拡大解釈し、ジュブナイルやティーンズノベル、あるいはハヤカワ文庫JAや特定の新書ノベルズも、ラノベに含めています。

・「高度に発達した科学は魔法と区別がつかない」という格言が示す通り、SFの世界観は実はファンタジーに近似したものでもある。エイリアン≒モンスター、超科学≒魔法、とも言える。
 このため、科学と魔法が融合したSFファンタジーというジャンルは、一見相反するものをくっつけているように見えて、 実は、近似性の高い二つの要素で世界観を作っているので、科学と魔法の違いをうまく設定するのが難しい。

・ライトノベルで有名なSF作品
 森岡浩之の『星界の紋章』(ハヤカワ文庫JA)

▼ か行

【怪談
 ホラーとよばれるものの中で特に和風・日本的なもの。
 四谷怪談・皿屋敷・牡丹灯籠などの古典的な作品と都市伝説と呼ばれるものがある。
 学園モノでは、学園七不思議といったローカルな都市伝説がたびたび登場する。
 関連語 【ホラー】

【仮想戦記】
 過去もしくは未来の戦争に関した歴史が史実と異なっていたらという想定の基に歴史をシミュレーションするもの。
 ラノベでは『フルメタル・パニック』(1998年刊行)など少数存在するものの、専門用語が多くなるためラノベとの相性は悪い。
 架空戦記、IF戦記、シミュレーション戦記、バーチャル戦記などとも。

【キワモノ】
 表現の限界に挑んだというか、マイナー層を狙ったと言うか、そういう殆どの人には嫌われるであろう作品の事。
 殆どの人には嫌われるが、好きな人には絶賛される、と言えばニュアンスが伝わるだろうか。
 否定的な意味合いのある言葉で有る為、例を挙げることは控える。

【寓話】
 道徳的な教訓を伝えるための短い物語である。
 しばしば、動物などを登場人物とし、不可解で神秘的な印象を与えることも多い。
 またライトノベルにおいては現代社会への風刺に近くなることもある。
 寓話的な物語としては電撃文庫の『キノの旅』が有名である。

【空気系】
 基軸となる物語が希薄で、些細な日常を掘り起こすタイプの作品のこと。
 日常生活におけるちょっとした共感や笑いを狙う4コママンガに多く見られ、ショート漫画『みなみけ』 (2004刊行)や四コマ漫画『らき☆すた』(2004年刊行)が代表として知られている。
 その作風上、一話完結になりやすいという特徴があり、必然的にコメディ作品となる。
 ただし、ライトノベルの場合だと漫画の様にヴィジュアルで伝えられないという欠点がある為、空気系の作品は非常に少ないのが現状である。

【クロスオーバー】
 ある作品に登場した人物が、その設定のまま別の作品に登場する手法。
 スターシステム、スピンオフと類似した手法ではある。
例:
 魔法戦士リウイシリーズ(1993年2月刊行)の一作『呪縛の島の魔法戦士』には、ロードス島戦記に登場したキャラクターが多数、その設定のまま登場している。
(フォーセリアという同一の世界観を共有しているため厳密な意味でのクロスオーバーではないかもしれません)

【現代ファンタジー】
 舞台を現代社会にしたファンタジー小説。
 現代社会の中に魔法・魔術・モンスターといったファンタジーの要素を登場させ、現実世界とは異なる世界観を構築している。ライトノベルとの相性が非状態に良い。
例:
 「風の聖痕」 「空の境界」 「灼眼のシャナ」

【コメディ】
 読者を笑わせることを目的として作られた小説。ギャグと区別される場合もある。

【スラップスティック・コメディー(ドタバタ喜劇)】
 スラップスティックとは、直訳すると叩く(スラップ)棒(スティック)。
 もともとはアメリカの道化芝居で相手をひっぱたくときに使われた、先がふたつに割れた棒のことを指す。
(音は大きいけどあまり痛くない、日本でいうハリセンみたいなもの)
 これが転じて舞台喜劇の芸を指すようになり、さらに転じて、動きの多い激しい身体的動作をを伴うコメディをこう呼ぶようになった。
 チャップリンのそれなどが有名で、日本語ではドタバタ喜劇と訳される。
 小説において、この手法は群像劇などに多い。
例:
 『バッカーノ!』(2003年2月刊行)成田良悟著
 『ドミノ』(2004年1月刊行)恩田陸著

▼ さ行

【サイキック】
 主に超能力や生まれ変わりなどオカルト的なものを扱った作品。
 サイキックファンタジーとも。しかし、2000年代に入ってからは廃れているジャンル。

【サイドストーリー】
 スピンオフと一部重複するが、作品の本編中には描写されていない、あるいは多少触れられているだけのエピソードを語る作品。
例:
 「ディードリット物語」ロードス島戦記(1988年刊行)における各巻の間に起こった出来事をディードリットを中心に描いている。

【サイバーパンク】
 SFから派生したサブジャンル。
 本来的にはサイバーウェア(サイバネティクス)が発達した近未来を退廃的に描くジャンルだが、サイバー技術が突出した世界全体を指す事も多い。
 語源は諸説あるが「パンク」とは「突出した発達」とする説が強く、いわゆるスペースオペラ世界のように宇宙技術やその他の技術がまんべんなく発達しているわけではなく、世界観自体は現代かむしろ近代に近く、サイバー技術だけが極度に発達している世界を指しているジャンル表記である。
例:
 小説『ニューロマンサー』(1984年刊行、著者:ウィリアム・ギブスン)」
 漫画『攻殻機動隊』(1989年刊行、著者:士郎正宗)」
 映画『マトリックス』(1999年公開、監督:ウォシャウスキー兄弟」
 TRPG、小説『シャドウラン』(1989年発表、、制作:FASAコーポレーション)」
 関連語 【スチームパンク】

【サザエさん方式】
 物語において話が進行しても登場人物が歳をとらないことを指す。
 漫画・アニメ『サザエさん』(1946年4月22日発表 )の登場人物がこの方式をとっていることからそう呼ばれる。
 ただし季節の変化はあり、社会情勢の変化や技術の進歩にも対応する。
 この方式で変化しないのは人物の年齢のみである。
(サザエさんにおいては、ケータイやインターネットが登場しないなど、時代背景、技術共に昭和のままストップしているが、サザエさん方式を採用している作品にとっては、この限りでないということ)

【サスペンス】
 ミステリーとは違い、謎にあたる部分の大半(犯人や犯行の様子)は最初に開かされている。
 しかし、これはあくまで読者に対して明かされているのであって、作中の人物に明かされているわけではない。
 主役がどう犯行の謎を解いていく過程、登場人物間の攻防・駆け引きを主要素としたジャンル。
 関連語 【ミステリー】

【シェア・ワールド】
 二次創作の一種。この場合、最初に構築されるのは世界観であり、全ての作品が外伝であると言える。
 一人で執筆する場合もあれば複数人で執筆することもある。ドラゴン・ランスやスター・ウォーズ・サーガなどが有名。
 いわゆる二次創作と違い、ちゃんとした作品として評価される。

【時代小説】
 歴史上のある時代背景を借りた小説。
 テレビでいう時代劇の小説版で、主に江戸時代以前を書いたもの。
 テレビドラマとしては「水戸黄門」があまりにも有名だが、ライトノベルで描かれる事は珍しい。
 例として、織田信長などの戦国大名を美少女にしたラノベ『織田信奈の野望』( 2009年8月刊行)がある。
 関連語 【歴史小説】

【童話・児童文学】
 子供や若年者の成長への感化を念頭に置いた、教育的な意図、配慮がその根底にあるものが多い。
 子供の興味や発育に応じた平易な言葉で書かれる。
 しかし、難しい内容を扱わないという訳ではなく、難しい内容でも子供に必要と考え、分かり易い例や言葉で表現する作家もいる。
 この世代特有の問題、例えば、恋愛、いじめ、薬物依存、自殺などを扱ったジャンルも登場している。
 対象年齢は低いが、その分素直な反応があるため、子供に受け入れられる児童文学作品には、大人の鑑賞にも堪える秀逸なものも多い。
 関連語 【ジュブナイル】

【ジャンル】
 作品の持つ種類のこと。主に舞台背景、登場人物、展開などで決まる。

【ジュブナイル】
 本来の意味は少年期。転じて児童文学の意味で使われていた。
 だが、ジュブナイルと呼ばれるモノは本来の児童文学よりはやや年齢が高い10代の中高生を主に読者対象としている。
 このため10代後半~20代前半の、所謂ヤング・アダルト文学に区分されることもある。
 SFやミステリのようなジャンル小説の特徴を持つ一連の作品に対する呼称として用いられるようになった。
 ライトノベルはジュブナイル小説から派生したとも言われている。
 関連語 【童話・児童文学】

【純文学】
 大衆小説に対して商業性よりも芸術性・形式に重きを置いた小説。
 しかし近年では大衆小説と純文学の境目はあいまいになってきている。

【少女向け】
 コバルト文庫、ルルル文庫などのレーベルが刊行している若い女性を対象にしたライトノベル。
 文字通り、女の子向けに書かれた作品の事だが、紳士諸君でも楽しめる作品も多い。『マリア様がみてる』(1998年刊行)がその代表的な作品だ。
 少女小説で初めてアニメDVD付特装版が発売された、『乙女なでしこ恋手帖』(2011年11月刊行)も代表的な作品の1つと言っても良いだろう。

【処女作】
 初めて書く作品のこと。
 小説に限らず、漫画でも初めての作品ならば処女作と呼ばれる。

【小説】
 近代文学の形式の一つ。
 散文を用いて様々なテーマ(社会批判、恋愛など)を虚構の物語として構想し、書かれた文学作品のこと。

【ショートショート】
 400字詰め原稿用紙で1枚から数枚、どんなに長くても10枚で語られる短編小説の一形式。
 その極端なまでの短さから、文章の巧拙、設定の精細さなどよりも機知の利いた展開・結末を主題とするユーモア(あるいはブラックユーモア)小説との親和性が高い。

【地雷】
 「踏んではならない」という意味から面白くない小説などを示すスラング。
 しかし、人によっての評価が異なるため「踏むまでは分からない」という意味も持つ。
 関連語 【ジャケ買い】

【スターシステム】
 元々は映画やドラマなどから派生した言葉。
 登場人物を役者と捉え、他作品に登場人物を「出演」させること。
 名前や容貌のみが一致し、性格・役回りがまったく異なることもあれば、設定も一致することがある。
 創作には手塚治虫が持ち込んだといわれる。
 なお同一の世界観・舞台を共有する作品の場合、スターシステムとは言わないことが多い。
例:
 手塚治虫作品では、ロック、ヒゲオヤジなど。

【スチームパンク】
 サイバーパンクから派生した用語。ジャンルとしては主にハイファンタジー+蒸気機関という世界を扱う。
 サイバーパンク同様に一分野が極端に進化した(パンク)世界であり、この場合は蒸気機関がそれに当たる。
 サイバーパンク同様の退廃的なムードを持つ事も多いが、中にはファンタジーに近い明るい雰囲気の作品も見られる。
 なお、最近では蒸気機関に限らず、特定ジャンルの技術が極度に進歩したファンタジー世界作品全てを指して、「スチームパンク」と呼ぶこともある。
・主に、ファンタジー世界に「飛行船」や「鉄道」などを持ち込んだ世界観の作品が多い。
例:
 「ファイナルファンタジー6(ゲーム)」
 「スチームボーイ(映画)」
 「ギア・アンティーク(TRPG)」
 「キーリ(壁井ゆかこ著)」

【スピンオフ】
 とある作品に出てきた登場人物(主人公以外)を、新たに主人公として書かれた作品。
 スターシステムとは違い、基本的に元になる作品とは世界観を共有する。
例:
 「黒衣の騎士」ロードス島戦記に登場する敵役・アシュラムを主人公とした短編集。

【スペースオペラ】
 SFの一形態。西部劇(ホースオペラ)の舞台を宇宙に置き換えたもの。宇宙をまたにかけて繰り広げられる活劇。
 ただしこの場合の宇宙は、物語が繰り広げられる舞台の範囲としてではなく空間呼称としての宇宙で、
 物語が繰り広げられる舞台の範囲はせいぜい銀河系規模でしかないこともある。

【セカイ系】(wikipediaを一部参考)
 エヴァンゲリオン以降に登場したサブカルチャーにおける物語の類型。
 本来、世界の構成要素としてあるべき「社会」「国家」といった要素を超越し、主人公などの個人とその極限られた人間関係が、セカイの運命を左右する。
 スパイ小説など「社会」「国家」のありかたについて書かれたものが「外向的」な物語とするのならば、自己のあり方や自分の人間関係に終始するセカイ系は「内向的」と捉えることができる。
 2003年に刊行された大ヒット作『涼宮ハルヒの憂鬱』もセカイ系に分類されるが、この作品を臨界点に衰退しているジャンル。

【青年向け】
 「成年向け」とは違い、法的拘束力の無い作品。
 18禁ではなくて17禁だと言えば、ニュアンスが伝わるだろうか。
 多くの場合エロ方面において、ギリギリまで境界ラインにケンカ売ってるような作品である。
 ジュブナイルポルノ出身作家の多いHJ文庫にこの手の作品が多い。アニメ化されたHJ文庫の『はぐれ勇者の鬼畜美学』(2010年5月)は、主人公がヒロインにセクハラしまくる話で、挿絵はもはやアウトとしか言いようのない物が多い。

【戦記モノ】
 文字通り、戦争を記録した形式の作品だ。
 リアルタイムで記述していく作品が主流だが、手記という形で、回想を用いて記述していく作品もある。
 『ウォルテニア戦記』(2011年11月刊行)は、異世界に奴隷として召喚された男が、召喚した者達を殺害して脱走、乱世の中で生き抜くというダークファンタジーだ。
 この作品もそうだが、ジャンル上えげつない作品が多く、そういうのに耐性の無い人には、あまりオススメ出来ないジャンルでもある。
 ただ、女性向けで、内容は硬派ながら笑いもある『デルフィニア戦記』(1993年刊行)、といった作品もある。

▼ た行

【大正浪漫】
 大正時代を舞台にした作品の事。
 少女小説で初めてアニメDVD付特装版が発売された作品、『乙女なでしこ恋手帖』(2011年11月)もその1つである。
 少年向けライトノベルではあまりお目にかかれない。

【テソプレ】
 テンプレのようでいて、テンプレ的じゃない作品の事。
 あまり一般的ではないかも知れない。

【伝奇】
 辞書的な意味合いは、現実にありえない幻想的・不思議な物語。
 一般に通用する意味合いとしては、上記の辞書的な意味合いに加え、作者の創作、実在するものの恣意解釈を問わず、古い伝承・伝説・宗教的な慣習(シャーマニズムに近いことが多い)に絡んで、怪奇現象が起こる物語。
 オカルティズム、ホラーと相性が良く、しばしば残虐、淫靡な描写もある。

【倒錯小説】
 上下を転倒する、逆になるという意味。転じて男女の中身が入れ換わる、性転換・異性装小説のことを言う。
 関連【TSF】

【TSF(トランス・セクシャル・ファンタジー)】
 主人公、もしくはそれに準ずる主要登場人物が性転換する物語ジャンル。
 主に、男→女が多い。
 狭義では、TSを物語の中心に据えた作品を指すが、広義にはTSが物語中に微量でも含まれていればよい。
 TSには「入れ替わり」「変身」「憑依」などの色々なパターンが存在し、非常に細分化した分類が可能。
例:
 「転校生(映画、1982年公開。監督:大林宣彦)」「先輩とぼく(2004年刊行、著者:沖田雅)」

▼ な行

【ニアホモ】
 ホモに近いという意味。
 なんとなくボーイズラブ臭さが漂っていること。
 男性同士の友情が濃すぎて、恋愛感情が入っているのではないかと想像させるような状態を指す。
 女性向けレーベルでは、腐女子受けするためにニアホモを盛り込むことがある。
 例えば、茅田砂胡作『デルフィニア戦記』(1993年刊行)には、美形の暗殺者の少年とそのライバルのニアホモっぽい展開が入っている。主人公と結婚する王女リィが性転換して美少女になった元少年など、ニアホモを意識して作れている節がある。
 おそらくは、先行の大河長編ファンタジー『グイン・サーガ』(1979年刊行)が思いっきりボーイズラブ展開が入っていた影響を受けているのではないかと思われる。
 また、国内最初のニアホモ小説は、戦後の国語教科書にもなっている夏目漱石の『こころ』(1914年)であると言われる。夏の海岸で男性が男性をナンパするところから物語が始まる。文豪は、あまりにも時代を先取りしすぎていた。

【二次創作
 他人の創作物のキャラクターや世界観が登場する漫画や小説を外伝の形で書くこと。
 普通、個人が趣味で執筆することを指す。
 広義では著作権侵害となるが、ラノベや漫画、ゲームの裾野を広げ、新しい才能が芽吹く場にもなっているので、黙認されている。

【日記文学】
 狭義では、日記や手記の形式をとって全編が書かれた小説。
 広義には日記や手記が物語の中で重要な役割を担うことに なる小説(例えば一章丸々日記など)。
 ライトノベルでは少ないが、ホラーやミステリでは比較的メジャーな手法とされている。
例:
 『おしまいの日』(2012年6月 著者:新井素子著) 

【日常系】
 文字通り、日常を描いた作品。
 漫画作品だが、国民的アニメ『ドラえもん』(1969年刊行)『サザエさん』( 1946年発表)などが代表作。
 ライトノベルでは、『生徒会の一存』(2008年1月刊行)、『とらドラ!』(2006年3月刊行)シリーズなどが挙げられる。
 ストーリー性が弱い分、キャラクター自身に魅力がなければ難しいジャンル。 

【ノベライズ】
 漫画、ゲームなど小説以外のメディアで発表されたものを小説化すること。またはそうしたもの。
 アニメや漫画に比べて、ゲームのノベライズが圧倒的に多い。
 ゲームノベライズの場合、紙の量が限られるのでどうしても本編よりも薄いものにならざるをえない。 

【ノン・フィクション】
 史実や事実に基づいて構成された作品。
 エンターテイメントとして分類されることは少なく、総じて戦争や闘病生活などを扱い人間の根源に根ざす物をテーマとした作品が多い。
 前述の通り史実に基づいて制作はされるものの、あくまでも状況の取捨選択は作者に委ねられるので、事実の全てが描かれている訳ではない。当然の事ながら、物語をおもしろくするために脚色も加えられている。
 代表作品としては、
 『24人のビリー・ミリガン(1992年刊行、小説)』
 『十四歳の母(2006年10月放送、ドラマ)』
 『ブレア・ウィッチ・プロジェクト(1999年7月公開、映画)』
 『ワールド・トレード・センター(2006年8月公開、映画)』
 等、映像媒体としての表現が盛んな分野でもある。
 対義語としてはフィクション。
 関連語 【フィクション】

▼ は行

【ハイ・ファンタジー】
 ファンタジーの一種。世界観を土台から作り上げるファンタジー。
 その世界に生きる人種、社会形態、言語、文化、歴史など、
 世界の成り立ちそのものから創造された重厚な世界観を持つモノがハイ・ファンタジーと分類される。
 他にも特徴として、
・始終シリアスなトーンで物語が進行すること。
・数冊に及ぶ大長編であること。
・超自然的(神・悪魔・魔王)な「悪」に対する神話的な壮大な戦いをテーマにしていること。
 などが、あげられる。
 ライトノベルの「スレイヤーズ!」(1990年刊行)は、重厚な世界観を持つが、作品の文体やノリが軽いために、ハイ・ファンタジーの中には含まれないとされている。 
 ハイ・ファンタジーの代表格はトールキンソンの『指輪物語』(1954年7月)。

【バーチャルリアリティ】
 SFにおける用語、あるいはジャンルの一つ。仮想現実。
 仮想現実を題材とした作品では、SFであることは当然でありながらも、現実性やファンタジー性なども併せ持つことが可能で、さらにメタ構造となっているため、表現と構成の幅が非常に広い。
 有名な作品として『ソードアート・オンライン』(2009年4月刊行)がある。ファンタジー風のオンラインRPGゲームを舞台にし、ゲーム内での死が現実の死となるデスゲームを描いた作品。NERDLES(ニードルス)という脳に仮想の五感情報を与えて仮想空間を生成するバーチャルリアリティ技術が登場する。  

【ハードボイルド】
・「軟弱な生き方を拒むタフガイ」なキャラクター。もしくは、彼が主人公の作品のこと。
・直訳すればハード(堅く)、ボイルド(茹でる)となり、本来の意味も黄身までしっかり堅く茹でたゆで卵の事です。
 当初は、この「固茹で卵」は中の水分すらないパサパサのゆで卵で有る事から「余分なモノを含まない>感情の入り込む余地がない>冷酷・非情である」と言う意味で使われており、トルストイが”事実だけを描いた文章”として確立したそうです。
 その後ヘミングウェイが現実的な冷酷・非情な事柄を、情緒表現をおさえた簡潔な文で描写するという方向で初期短編を書いたとか……。
 現在、ハードボイルドはレイモンド・チャンドラー(注:彼より前にこのスタイルを描いていた作家もいる)の作品が有名です。
 ハードボイルドはミステリーでばかり描かれていたので、ミステリーのジャンルとして考えられる場合もあります。

 余談:1980年代ごろまで、サイバーパンクといえばハードボイルドでした。
 SFチックで主人公がハードボイルドなら、作品自体がスペースオペラだろうが、下手すればファンタジーであろうがサイバーパンクと言い張る人も少なくなかった。
(もし、のび太くんが「オレは道具に頼ってでも貫きたい事があるんだ」とか語るような少年だったら、ドラえもんをサイバーパンクと当時なら言い張る人はいたでしょうw)
 もっとも、SF嗜好人口が根本的に少ないので、どうやってもマイノリティなんですがw。
 関連語 【サイバーパンク】

【パニック小説】
 ある個人または集団を危機的状況に置き、その状況下で果たして何をなすのかを書く小説。
 パニック状況として隕石、ミサイル、火事、戦争、地震など。

【パロディ】
 もともとは他作品を嘲る意図を持って、その作品の特色を一見してわかるように模倣する風刺の一種。
 しかし、小説においてはユーモラスな効果を狙って模倣する場合が多く、必ずしもその作品を嘲る意図は持っていない。
 むしろ、パロディの対象となる他作品に対する好意から生まれたオマージュ的な意味合いのモノも多い。
 パロディをふんだんに取り入れてヒットしたラノベとして『生徒会の一存』(2008年1月刊行)がある。

【ファンタジー】
 幻想的な要素が強い作品。空想の物語のこと。
 狭義的には「中世ヨーロッパの世界観を基調とした、剣と魔法の物語」を指し、この意味で使われるのが一般的。
 元祖ファンタジーはトールキンの『指輪物語』(1954年7月刊行)であり、後続のファンタジーはことごとくこの影響を受けて作られている。
 大ヒットしたファンタジーライトノベルの元祖『ロードス島戦記』(1988年刊行)も指輪物語の要素を抽出したTRPGという対話型のゲームから派生した。

【フィクション】
・作り話。創作。⇔ドキュメント
・完全創作で構成された作品のこと。
 実際起こりえない、起こっていない事件を描いた、実際に存在しない人物などで構成された物語。
 現状、世に出回っている大半の作品がコレに該当する。
 だだ、現実にいた歴史上の人物や組織を作者独自の解釈で物語に登場させた物もフィクションに該当する。
 このため実在の物事をファクターの一つとして登場させる(世界観含む)事も、フィクションの範疇と言えるだろう。
 対義語としてはノン・フィクションが挙げられる。
 関連語 【ノン・フィクション】

【ボーイズラブ】
 男性同士の同性愛を題材とした小説。主に女性向。
 元々は10代の美少年同士の性愛を描いたモノがボーイズラブと呼ばれたが、最近では広い意味で男性間恋愛を描いたモノがこう呼ばれている。
 知識の無い人がヤケドしやすいジャンルでもある。
 ボーイズ・ラブ(Boys Love)』の頭文字をとってBLとも呼ばれる。
 女性向けライトノベルレーベルにはBL系のものが多数存在する。

【ホラー】
 英語で恐怖の意味。転じて読者が恐怖感を味わい、それを楽しむ作品のこと。
 ライトノベルではほとんど見られないジャンル。

【ゴシック・ホラー】
・18~19世紀イギリスで流行した、モダン・ホラー以前の古典的ホラー
・プラム・ストーカー「吸血鬼ドラキュラ」シェリー婦人「フランケンシュタイン」等が代表作。
・舞台は18~19世紀のヨーロッパの特権階級の生活世界が多い。(城など)

【サイコ・ホラー(サイコ)】
 心理的な恐怖を描いた作品。サスペンスと被る。
・狂人・精神異常者など、生身の人間によって引き起こされる恐怖を描く。
・スーパーナチュラル的な要素は存在しない。
・ロバート・ブロック/ヒッチコック「サイコ」がジャンルの開祖
・サイコ・スリラーとも言う。
・出自はミステリ・サスペンス。

【スプラッタ・ホラー】
 肉体的な残酷描写による恐怖を描いた作品。
・モダン・ホラーの中でも特に、肉体的な残酷描写による恐怖を描いたもの。
・クライブ・パーカー「ミッドナイト・ミートトレイン」あたりが開祖?
・80年代後半映画で流行した。代表作は「13日の金曜日」「エルム街の悪夢」。

【モダン・ホラー】
 人間・社会の内面的な恐怖を描いたホラー作品。
・旧来のホラー(ゴシック・ホラー等)と異なる、現代的なホラー。
・スティーブン・キング「キャリー」「呪われた町」等を開祖とする。
・舞台は現代の都市部が多い
・スーパーナチュラル的な要素は存在するが、これに対して科学的説明をなそうとする。
・登場人物は、恐怖の対象と戦い、打ち負かそうとする。
 関連語 【怪談】

▼ ま行

【魔王勇者物】
 異世界ファンタジーの定番である世界征服を企む魔王と、これを討伐する勇者が登場する物語。あるいは、これを笑いが取れるように変質させたギャグパロディ作品。
 正統派の物語としては、ゲーム『ドラゴンクエストシリーズ』(1986年発表)、ここから派生した漫画『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』(1989年発表)などがある。ダイの大冒険に登場する大魔王バーンは、威厳と風格に溢れ、正統派の魔王としてあまりにも有名。
 1990年にドラゴンクエストシリーズのギャグパロディ漫画である『4コママンガ劇場』が刊行されたのが、ギャグパロディ系の魔王勇者物の先駆けであると考えられる。
 2011年あたりから、ライトノベルで、ギャグパロディ系の魔王勇者物が、多数刊行されるようになる。同年4月に発売された書籍『ベストセラー・ライトノベルのしくみ』によると、魔王勇者物はあまり売れていない、とのことだったが、2013年になっても、魔王勇者物は爆発的に増殖を続けた。
 2010年12月に刊行されたラノベ『まおゆう魔王勇者』シリーズが、その火付け役であると考えられる。
 『まおゆう魔王勇者』は、2009年9月に立てられた巨大掲示板2ちゃんねるのスレッド「魔王『この我のものとなれ、勇者よ』勇者『断る!』」を利用した即興小説を書籍化したもの。
例:『はたらく魔王さま!』(2011年2月刊行)
   『勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。』(2012年1月刊行)
   『魔王と姫と叡智の書』(2013年12月刊行)

【ミステリー】
 ある事件が起こり、その事件の謎解きを主題とするジャンル。
 この「ある事件」は、推理小説の場合であれば、一見実行が不可能に見える犯罪のことが多い。
 「謎解き」にあたるものは数多い。たとえばどのように犯行を犯したのか、誰がやったのかは分かるが、「何故」それを犯すことになったのか解らず、それを追い求める「ホワイダニット」。
 あるいはどのように犯行を行ったのかを求める「ハウダニット」、誰が犯行を犯したのかを求める「フーダニット」である。
 現代の小説はラノベも含めて、多かれ少なかれ、ミステリー的な要素を含んでいるとされる。
 関連語 【サスペンス】

【新本格推理】
 魅力的な探偵役、徹底した論理性、意外性あるトリック(+知的面白さ?)を兼ね備えたものを『本格派』と呼ぶのにちなみ、1980年代後半から再興してきたそのようなミステリ小説は【新本格(推理)】と銘打たれている。
 本格推理こそがミステリの王道として、その復興として出てきたジャンル。
 字義としては「新たな本格」であるが、日本においてはとくに1980年代から90年代にかけてデビューした一部の若手作家による作品群を指す。
 出てきた年代からそう呼ばれているだけで、中身としては本格推理とほぼ同一。
 なお、この『新本格推理』は明確なジャンルがあるのではなく、出版社がそういう風にラベルを張っているだけだと思う……。

【ユーモアミステリー】
 言葉の通り、軽妙な内容や文章で構成されたミステリー。
 凄惨・流血・性描写などがほとんどない、又はあっても重きを置かれておらず、ギャグ色が強い場合が多い。
 論理の整合性がさほど重視されていないものもある。代表的なのは赤川次郎の諸作品だろうか。
 関連語 【(文章・文体が)重い・軽い】

【ミッシングリンク】
 本来は「連続性が期待される事象において非連続性が観測され、その間」を指す。
 創作においては、その作者のファンならば明解に分かるように、しかし、一般読者には分かりにくいように、作品において他作品での事象を匂わせる記述をすること。
 ファン向けのリップサービスであることが多い。
例:
 大沢在昌の小説『帰ってきたアルバイト探偵』(2005年10月刊行)は新宿を舞台にしており、同じ作者の小説『新宿鮫』(1990年刊行)の主人公を匂わせる発言がたびたび見られる。

▼ や行

【夢小説】
 ネット上で、自分の名前を登録することにより、小説に自分を投影したキャラを登場させて楽しむことができる小説のこと。
 名前を登録すると、登録者はまるで自分がその小説の登場人物になったかのように楽しむことが出来る。

【やおい】
 男性同士の同性愛を描いたボーイズラブ(BL)のことを1990年代までは、「やおい」と呼んでいた。
 元は「山なし」「オチ無し」「意味なし」の略。つまり、物語としてはまったくおもしろくない、理解不能という意味だった。
 やおいの歴史は男性オタクより古く、その元祖は1979年に放送されたTVアニメ機動戦士ガンダムに登場する「シャア・アズナブル×ガルマ・ザビ」であると言われる。ザビ家への復習を誓ったシャアが、そのためにガルマを利用すべく彼の身体を奪う、という内容が大受けし、ボーイズラブ(やおい)の発展に大いに貢献したらしい。
 ライトノベルの世界では、栗本薫が、大ヒットした大河長編ファンタジー『グイン・サーガ』(1979年刊行)にBL展開を詰め込んで、男性ファンを困惑させた。

▼ ら行

【ライトノベル】
 10代のオタク向けの小説。漫画やアニメの世界を小説で表現したコンテンツ。
 しかし、何をもってライトノベルと定義するか曖昧で、出版レーベル、作者によって分けられることも多い。一般的には、青少年向けの小説のなかでも、アニメ風のイラストなどを多用した娯楽色の強い作品を指す。
 10代の少年でも購入しやすいように、金額の安い文庫本で刊行されることが一般的。
 2000年代後半ぐらいまで、書店、図書館によっては一括して「ファンタジー」と分類しているところや「ヤングアダルト」としているところもあった。

【ラブコメ】
 ラブコメディの略。恋愛モノの中でコメディ色の強いもの。ただし、どの程度かは人によって異なる。

【領地経営モノ】
 文字通り主人公が、領地経営をする作品の事だ。大抵は異世界を舞台にする。
 カフェや武器屋といったお店を経営するモノなどもある。
 例えば、『詰みかけ転生領主の改革』(2013年8月刊行)は、悪政の限りを尽くす悪徳領主の息子に転生した主人公が、領地を立て直す為に、手段を選ばずに改革していく作品だ。
 「D4C」でもある作品だが、世界観のダークさ故に、痛快とまではいかず、どちらかというと推理モノ的な面白さのある作品だ。
 もともと、大手小説投稿サイト『小説家になろう』に投稿された作品である。書籍化されているが、2013/12/23現在、ネット版はそのまま残された上で連載続行中なので、興味が有れば読んでみると良いだろう。

【リレー・リレー小説】
 合作で、一章ごとに交互に書き連ねること。
 章ごとではなく、一話ごと、一ページごとに書く場合もある。
 リレー小説の場合、話しが完結することを「完走」という。

【レーベル】
 出版社が発行する書籍につけられている一種のブランド。
 書籍の形態別に付けられることが多い。
例:講談社ノベルス(講談社の新書版のブランド)、講談社文庫(講談社の文庫版のブランド)
 また同じ形態であっても作品の分類によってさらにブランドを区分することもある。
例:富士見ファンタジア文庫(富士見書房のライトノベルレーベル)、
 富士見ミステリー文庫(富士見書房のライトノベル作品の中でもミステリー色の強いレーベル)

【歴史小説】
 歴史上の人物や事件を扱って、その核心に迫る小説。
 時代小説とは違って、史実に忠実に作らなくてはならない。
 そのため超能力や魔法といった幻想の産物や、架空の登場人物を入れることができず、ライトノベルとの相性は最悪であると言える。
 事実、歴史小説と呼べるようなライトノベルには未だかつて出会ったことがない。
 関連語 【時代小説】

【ロー・ファンタジー】
 ファンタジーの一種。現代や現実世界を舞台にし、そこに魔法や妖精などファンタジー的な要素が介入してくる物語。
 このように概念的には現代ファンタジーと被るもので、どの作品がこのジャンルに含まれるかは、ライトノベルという言葉と同様かなり曖昧。
 ファンタジーのサブジャンルに属する色々な作品を示すために使用される、一種の包括用語とみなさる。
 元々はハイ・ファンタジーの対立概念として考えられたもので、英語圏では元々、コミカルなファンタジー(コミック・ファンタジー)を示すための造語であった。

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