ライトノベル作法研究所
  1. トップ
  2. ライトノベルの書き方
  3. テーマ
  4. 一番面白いと思うものを絞る公開日:2014/06/11

一番面白いと思うものを絞る

 たこやきさんの投稿 2014年05月23日

>テーマってなんでしょうか?

 例えばです。ロボット小説があるとします。
 そこに書かれている内容をかってに分類してみます。

 戦闘。ロボット。萌え。ギャグ。熱血、友情。敵組織。青春。

 ここからが大切なのですが。
 Aさんはこう考えました、「ロボット小説は”萌え”を書くのが一番面白い」

 だからAさんの作品には、イチャラブやラッキースケベがあり、ヒロインも四人くらい登場して。
 ロボットの戦闘やロボットについて書かれた文章をたすと150ページ中、20ページくらいしかありません。
 読者からAさんはこう批判されます、「ロボットなくても成立するじゃねーか!」と。
 Aさんは言います。「ははは愚民ども! 最高の萌えを見せるためにはロボットが必要だったのだ! さぁ働け!」と。

 早い話がAさんの小説は、”萌え>その他”で構成されています。
 ロボットはたしかにでてきますが、熱血ロボットものかと思いきや、ただのハーレム作品でした。

 Bさんはこう考えました、「おいおい、ロボットっていえばガチで熱い戦闘と青春だろ? 萌えなんていらねーよ」と
(省略)
 Bさんの小説は、”青春>ロボット>戦闘>その他”で構成されています。
 宣言通り。ラッキースケベやイチャラブはなく、しかもヒロイン不在という迷作?を作りました。

 Cさんはこう考えます、「ロボットっていえばドリルだろ、天元突破! グレン――(ピー)」
(省略)
 Cさんの小説は、”ドリル>その他”で構成されています。
 登場人物達の髪型も全部ドリル、家の形もドリル、ドリル巻きという謎の食べ物も登場する作品になりました。
 読者の感想までもが、「ドリルェ……」です。

 テーマとは、その人が何を書いた小説が一番面白いと思っているかなんです。

 Aさん、Bさん、Cさんと登場しましたが。三人が初心者だとすると。
 もしもBさんとCさんが、「ロボット小説は”萌え”を書くのが一番面白い」と思っていたとしたら。
 Aさん、Bさん、Cさんの三人は似たような作品を書きます。

 初心者のうちは作風も展開もストーリーも似てしまいます。
 もし人と違った作品が書きたい、オリジナリティをだしたいと思ったら。誰も書いたことのないような。
 例えばCさんのような”ドリル推し”をテーマに選ぶことが重要になってきます。

 熱血、ロボット、生徒会、萌え、魔法。全部が面白い! では読者には伝わりません。
 なぜ伝わらないのか? それは小説が活字だからです。
 アニメやゲームや漫画は何も考えなくても理解できますが。小説は”読む”ことが必要になります。見ると読むは違います。

 読んで理解してもらうためには、数ある物語の魅力的なもののなかで作者が一番面白いと思うものを絞り、それを書かなくてはいけません。

 ドリルならドリルが一番だと分かるように、150ページあったとしても。50、70、100とどのページを読んでもドリルが一番だと分かるように書く。
(実際にやると評価シートにくどいです。と書かれて一次落ちをくらうので、成立させる技術は別途必要です)

 その小説を読んだ読者に何を感じてもらいたかったですか?
 どういった書き方のロボット小説が一番面白い、あるいはこれが書きたいと考えていますか?
 その答えがテーマです。後はその気持ち、考えをどうやって読者に伝えるかそのための方法として、一番のテーマ以外は濃く書かない手法が一般的です。本屋さんに売ってるようなお手本が書けるまではこれ一択です。
 例えば、ロボット、生徒会、萌え、魔法の4つをテーマにしようとするのは、無謀で難しくて失敗します。作品の底を貫くテーマがなくて、話が散漫になってしまうのです。
 初めのうちはテーマを一つにしないといけまへん。

携帯版サイト・QRコード

QRコード

 当サイトはおもしろいライトノベルの書き方をみんなで考え、研究する場です。
 相談、質問をされたい方は、創作相談用掲示板よりお願いします。

意見を送る

『一番面白いと思うものを絞る』に対して、意見を投稿されたい方はこちらのメールフォームよりどうぞ。

カスタム検索