ライトノベル作法研究所
  1. トップ
  2. 鍛錬投稿室
  3. 高得点作品
  4. 掌編小説
  5. 彼女の行先、或いは飛行軍艦の公開日:2012/06/16

彼女の行先、或いは飛行軍艦の

ノラネコさん著作

 みゃぁ、みゃぁとうみねこが鳴いている。
 夏の空はどこまでも高く澄み渡り、目の前に広がる海との境界線を曖昧にしていた。
 僕とカナタは防波堤に座り、二人並んでそんな空を見上げている。
「終わったね、戦争」
 僕は背伸びをしながら、隣に座るカナタに言った。
「終わってしまいましたね」
 どこか感傷的にも聞こえる声で、カナタは答える。波が砕けて吹き上げる潮風が、彼女の頭上の猫耳みたいなエア・インテイクをゆらゆらと揺らした。
 水平線の上には、胡麻粒のような影がいくつか、綺麗に編隊を組んで浮かんでいる。恐らく、戦場からの引き上げの兵士たちを運ぶ飛行輸送船だろう。
「もうずっと昔のことのように感じます。隊長と一緒に空を飛んで、戦っていたなんてこと」
「カナタを見てると、僕も何だかそう思うよ」
 なぜなら、懐かしむように目を細めるカナタは、僕にはその時まるで普通の女の子のように見えたから。
 しかし、彼女は航空妖精なのだ。速度と武装には勝るが小回りの利かない有人戦闘機の補助として、歌による音紋索敵と瞬発力を武器に空で戦う兵器。
 戦争が終わった今、彼女たちには選択が突き付けられている。
 すなわち、空戦装備を撤去されて人として生きるか、航空妖精として飛ぶことを続けるか。
「そういえばさ、カナタはどっちにするか、もう決めたの?」
 僕は、出来るだけさりげなくに聞こえるような口調で、尋ねてみる。
 彼女はあはは、と力なく笑い、視線を空から海へと降下させた。
「私は、まだ決めてないんです」
 ため息混じりに吐き出される、自嘲じみた声。
「戦う意義自体は薄れてしまったし、かといって空を飛べなくなってしまうのも怖くって。ほら、アイデンティティじゃないですか、空を飛ぶっていうことだけが、私の」
 僕はそんな彼女を励ましたいと思ったけれど、自分にだって語れるような確固とした信念などの持ち合わせは無くて。ただ彼女の隣に座り、ぷらぷらと足を揺らしている事しか出来なかった。
 そんな僕らを急き立てるように、真夏の太陽がじりじりと二人の背中を焦がしていた。

 ――唐突に太陽の光が途絶える。
 さぁっと海の上にまで色の濃い影が駆ける様に広がり、遠雷の様な音がごうごうと低く響き始めた。
 思わず顔を上げた僕たちの視界に飛び込んできたのは、暗い空色の制空迷彩を施した、天井。
「わぁ、隼鷹ですよ、隊長」
 カナタが感嘆の声を上げる。
 そう、それはかつての僕らの母艦。並んだ二列の気嚢の間に航空甲板をぶら下げた、全長二百二十メートルの威容を誇る飛行航空母艦、隼鷹だった。
 煙突からもうもうと黒煙を吐きながら、艦尾に並んだ四軸の二重反転プロペラで大気をかき回し、僕らの頭上をゆっくりと通過してゆく。
 呆けた様にその巨体を見上げていると、空からひらひらと舞い降りてくる、何か白いものが目に留まった。
 キラキラと陽光を反射するそれは、ともすれば鳥の羽のように見えたが、落ちてくるにつれそれは一枚の紙であると判る。
 その紙は狙ったように僕らの傍、防波堤をちょうど滑走路に見立てたように、ふうわりと着陸した。
 思わず手にとって眺めてみれば、目に飛び込んでくるのはカラフルな多色刷りの写真と、大きな見出し。
「宣伝ビラだ。隼鷹に積んであったのが漏れたのかな」
「何が書いてあるんですか?」
 肩を寄せてくるカナタと一緒になって覗き込む。
 真ん中に大きく印刷されているのは、どうやら隼鷹の絵らしかった。どうやらと言うのは、ぱっと見た印象が大きく異なる姿で、その隼鷹は描かれていたからだ。
 夏の雲のような明るい白と、上空から見下ろした海のような濃紺のツートン・カラー。飛行甲板の代わりに吊るしているのは、ガラス張りの大きな窓がいくつもついたゴンドラ。棘のようにいくつも張り出していた対空砲や機銃も撤去され、スマートさを増した艦影。
 並べて張られた写真には、見たことも無い山脈や青い海をたたえたビーチ、夕陽に照らし出された砂漠などが写されている。
 見出しには、「隼鷹は世界一周の豪華客船、橿原丸として生まれ変わります!」と記されていた。
「……隼鷹は、生まれ変わるんですね。空を飛ぶ意義を、新しい物に変えて」
 ぽつり、とカナタが言う。自分に無いものを羨むような、寂しそうな声。
 でも僕は、プロペラの音を響かせながら遠ざかってゆく隼鷹を見送りながら、思いついていた。
 彼女のもう一つの意義。空を飛ぶと同時に、ずっと持ち続けていたもう一つのアイデンティティ。
「そうだよ、意義を新しいものに変えてしまえばいいんだ」
 僕は立ち上がりざまカナタに振り向き、声をかける。
 きょとん、とした瞳で見上げてくるカナタ。
「思えば僕の隣に居るということ、それも立派な君の存在意義、アイデンティティじゃないか。飛ぶときはいつも、いや、それ以上に僕らはいつも一緒に居た。そして僕の隣にいる意義は、すぐにでも新しいものに変えられる」
 腕を広げ、何か舞台でも演じるように僕は言う。
「つまり、僕と一緒に暮らそうよ」
「ぇと」
 カナタが呟く。
 そしてごにょごにょと口の中で言葉を反芻して、それから。
「えぇっ!」
 驚いた。
「駄目かな」
 そんな彼女の反応から、突拍子もないことを言ってしまったかな、と僕は少し後悔したけれど。
「いえいえいえ、そんなことは無いです。でもいいんですかっ? 私、飛べなくなってもまだ隊長の傍に居て」
 そんなことも無いらしかった。ならば、彼女の問いかけに返す言葉はもう、決まっている。
「もちろんさ、歓迎する」
「隊長ーっ!」
 そう言ってにこりと笑って見せた僕に、カナタが飛びついてきた。
 思わず抱きとめたけれど、ここは防波堤の上だということを、二人そろって失念していたようだ。
 視界は上向きに回転し、空だけを映す。操縦桿を倒して降下機動に入ったような、浮遊感と、加速度。
 だっぱーん、と。
 二人仲良く海へと不時着水を敢行することになった。訓練の成果も何もない、酷い着水体勢で。
「っく、あははは」
「ぷ、あははは、はははっ」
 ずぶ濡れの僕らは、並んで笑う。
「いつか隼鷹に乗って、世界一周の旅行に行きましょうね、隊長。約束、約束ですよ」
「うん、約束するよ。隼鷹もきっと、僕たちを変わってないねって歓迎してくれる」
 僕らはぷかぷか浮かんだまま、隼鷹に向かって手を振った。両手を揺らして、大きく、大きく。
 ゆっくりと小さくなってゆく隼鷹から、それに答えるように低く轟く汽笛の音が響き渡った。

作者コメント

 暑くなってきたから、そろそろ夏っぽい話を。
 掌編という枠において、どれだけぎっちぎちにでかい世界観を溶け込ませられるかという実験作的なもの。
 飽和して溶けきってないような気も、ちょっとします。

 作者としては、醸しだす雰囲気的なものには満足しつつも、動機づけ、物語の流れの運び等がもうちょっと何とか自然な感じにならないか、と四苦八苦しつつも自分だけではどうにも出来ない感じです。

 その辺り、客観的視点から改善策等思いついたら言っていただけると幸せです。

 ここが駄目だった、好きだった!等の簡単な感想も大歓迎です。
 糧として美味しくいただきます。

6/22 誤字脱字訂正。

2012年06月16日(土)17時07分 公開

感想送信フォーム 作品の感想を送って下さい。

お名前(必須)

点数(必須)

メッセージ

 この作品が気に入っていただけましたら『人気投票所』にて、投票と一言感想をお願いします。

←前の小説へ
(清掃係C班)
次の小説へ→
(戦いは更衣室のなかで)

感想

だまれっどさんの意見 +30点2015年03月07日

 はじめまして、だまれっどと申します。感想などを書くのは初めてなので、拙い文章でしか表現できないかもしれませんが、どうかご勘弁を。

 まず自分がこの作品を読んで素晴らしいと思ったのは、作品の雰囲気と情景などの描写です(自分がこれを越える文章力を持っているという事は明らかに無いのでおこがましいかもしれませんが)。

 真夏のじりじりと澄み渡る大空にそれを映してきらきら煌めく海、磯の匂いなど、まるでその場にいるかのような臨場感を醸し出していると思います。また、兵器の描写などもかなり細かく書かれており、作者様の想像力の高さに感服するばかりでした。どこかノスタルジックな雰囲気を感じさせるその文体も自分的にはかなり好みです(もしそのような効果を狙っていないのならすみません。自分はそう感じました)。

 次に良くない点はと訊かれると、どうとも答えられません(本当はこちらこそ提示するべきなのでしょうが、上げろといわれるとどうにも文章化できませんでした。申し訳ないです)。

 強いていえば、作品のジャンルというか展開というか、その辺りが自分には合わなかったと言えると思います(強く引き込まれる設定ではなかった)。でも、これは人それぞれですし、書くジャンルを変えればどうとでもなる問題だと思います。実際、この文章力で自分の好きな異世界ファンタジー物を書かれていれば迷う事無く満点をつけていたと思います。
 どうも、あまり纏まっていない文章で申し訳ありませんが、この辺りで。

 自分もいつかこのくらいの文章が書ける日を夢見て、のんびりワナビを続けて生きたいと思います。
 これからも執筆活動頑張ってくださいね!

夜泣峠さんの意見 +40点2012年06月16日

始めまして。不束ながら感想を書かせていただきます。

自分はこのような、レシプロエンジンというかスチムパンクというか、とにかくプロペラのついた大型飛行戦艦とか大好きなので、まず世界観からひきこまれました。説明は必要最低限度、しかし世界設定が背景ではしっかりと構築されてるのだろなあと思うと、なかなかにわくわくします。その意味では確実に、”どれだけぎっちぎちにでかい世界観を溶け込ませられるかという実験作”として成功しているのではないでしょうか。

なぜ満点でないのかというと、この作品内で重要な意味をもつ”妖精”の、世界設定上での役割がわかりづらいかと感じたからです。もちろんそんな説明をするのはあからさまに蛇足ですが、ただ掌編として読む上では、重要なキャラクタであるがゆえにせずともよい説明を求めてしまいます。

ただ感想を書き連ねただけではありますが、これからも執筆がんばってください。御目汚し失礼しました。

幽鬼さんの意見 +30点2012年06月16日

はじめまして、幽鬼と申します。
感想返しに参りましたー。

世界規模の戦争が終わって、兵器が完全に要らなくなった世界、が現状なのかなと考えましたが、もう一味なにか欲しかった気がします。
隊長と呼ばれた人以外、人が居ないのでほかの仲間はどうしたんだろう?とか少しだけ気になりました。すさまじくどうでもよく、この話には不要要素だと思うのですがね(苦笑
それ以外は世界観を溶け込ませるという実験は成功だと思いました。

妖精の彼女は、この話の間中もその装備をしたままなのでしょうか?
妖精と言われる所以が装備なのだろうなと思うのですが、先にあげた仲間はどうしたんだろう的なところにつながってはいるのですが、妖精の配備ってどんな配備の仕方だったんだろう?と。お仲間はいるのか、1部隊に1人なのか、お仲間はどんな選択をしていったのかなどを触れると、もっとこの子が自分の存在のあり方について悩んでいる感が出たのかなぁと思います。

まとめとしては、面白く、素敵な作品でした。
次回を楽しみにしています。

にのちさんの意見 +30点2012年06月17日

どうも、にのちです。
読みましたので、感想を書きたいと思います。

素敵でした。
こういう世界観に対して、人型である理由を問う奴はロマンを持て、と思います。
あえて考えるなら、信頼関係を築きやすいとか、敵が撃ちづらいとかでしょうか。
そこら辺は過去をSFを紐解くと、幾らでも説が湧いてきそうな気がします。

あまり指摘する気はないのですが、動機づけ、物語の流れで気になさってるのは意義の変更でしょうか。
新しい意義に変えればいいんだ⇒一緒に暮らそう、というのが唐突? いや、私はいいと思いますけど。
他の感想で仲間の妖精はいるのか気になっている方もいますが、航空妖精と人間は結婚できますかね。
結婚届を出して、ちょっとした記事になった仲間がいるらしい、なんてエピソードがあると、一緒に暮らす発想が出やすいかも。

個人的に。
一緒に暮らすエンドも良かったのですが、隼鷹が飛び続ける方向で新しくなったので、ずるいと思いました。
カナタも空を飛ぶアイドルシンガーを目指せばよかったんですよ。航空歌姫カナタ。
隊長は航空ショーやりましょう。雲で文字を描くやつ。
そういう目的での飛行許可が下りませんか。駄目ならゲリラライブしながら世界一周しましょう。
それとも、この二人はもう飛ばなくてもいいと思ってるんでしょうかね。

もう一つのアイデンティティ……歌か!
と、勝手に思って勝手に恥ずかしくなった私の勝手な意見でした。
それでは。

ラスタさんの意見 +10点2012年06月17日

どうも
ラスタです
作品、読ませて頂きました


うん、面白かったです
壮大な世界観が見えてきて、ちゃんとダイレクトに伝わって来ましたよ


ただやはりノラネコさんが作品情報で言及している通り、飽和状態になっていると思います
掌編に収めるのは難しいですね
でも私個人としては設定を削るべきではないと思います
設定は残しつつも書かないというのはどうでしょう?
作品中では設定に関して直接的に説明する部分が多めなので、それを敢えて書かない、触る程度に説明する等すれば作品の印象も変わるでしょう
壮大な設定を伝えることだけが、世界観を感じさせる手段ではないと思います


物語の流れ、動機は良かったと思います
逆にこれ以上緻密な造りにすると雰囲気が崩れてしまいそうなので、良いバランスだったのではないでしょうか


偉そうなことばかり言って申し訳ありません
こんなことを書いてありますが、所詮素人の意見です
間違えてることも多々あるとは思いますが、ご容赦ください

ではでは、次回作も期待しております

unidentiさんの意見 +10点2012年06月17日

 自分の書いてることはまともでしょうか。どうも、理由をつけて他の方の作品に20点以下をつける、というのが最近納得がいかない気がして、感想スランプ中のunidentiと申します。拝読いたしましたので、恐縮ながら簡単な感想を書かせていただきます。

 自分には無理です。SFってなんなんでしょうか。理解不能です。非常によろしくないです。

> しかし、彼女は航空妖精なのだ。速度と武装には勝るが小回りの利かない有人戦闘機の補助として、歌による音紋索敵と瞬発力を武器に空で戦う兵器。
> 戦争が終わった今、彼女たちには選択が突き付けられている。
> すなわち、空戦装備を撤去されて人として生きるか、航空妖精として飛ぶことを続けるか。

 空戦装備だけ装備とやらを有人戦闘機に付けちゃダメなの? となってしまいます。

> そう、それはかつての僕らの母艦。並んだ二列の気嚢の間に航空甲板をぶら下げた、全長二百二十メートルの威容を誇る飛行航空母艦、隼鷹だった。

 220メートル!? どんな下手糞な攻撃でも命中しちゃうよ! というか、何故飛ぶの? となってしまいます。

 主に以上理由で採点不可能とさせていただきます。
 いや、個人的には空想科学に突っ込むのは嫌いではないんですが、話的に必要な部分否定しちゃってて今回はどうも……無理です。
 せっかく平均点も高いことなので。

 内容的には、台詞のロジックに納得がいきません。

>「終わったね、戦争」

>「終わってしまいましたね」

まぁ、これは……ありえなくはないでしょうか。

>「もうずっと昔のことように感じます。隊長と一緒に空を飛んで、戦っていたなんてこと」

>「カナタを見てると、僕も何だかそう思うよ」

隊長。なんだかクサい気がします。

>「宣伝ビラだ。隼鷹に積んであったのが漏れたのかな」

>「何が書いてあるんですか?」

カナタの台詞がテンプレート的です。無くてもいい、かもしれません。

(中略)

>「っく、あははは」

>「ぷ、あははは、はははっ」

>「いつか隼鷹に乗って、世界一周の旅行に行きましょうね、隊長。約束、約束ですよ」

>「うん、約束するよ。隼鷹もきっと、僕たちを変わってないねって歓迎してくれる」

何が面白いんだ~!? 手元に宣伝があったから世界一周しちゃうの!? 約束していいの!? 君達は変わってるよ!? (乱文すみません)

こんな有様です。
いえ、文章全体の雰囲気やそれぞれの文章が変だ、とは思いません。むしろ、とても上手いと思います。
ですが、個々のやりとりが絶対に変です。と思います。そんなオカルトありえません。
もしかして、これがリア充との違いか!? 自分がヒキヲタだからだめなのか!? とか、思ってしまいます。
……結局は、個人の主観なのでしょうか。でも流石にこのくらいになると、自分に何らかの感覚が欠如している可能性を危惧せずにはいられません。

今回は壊れました。自分が言ってることがなんなのか、よくわかりません。とてつもない乱文で、至極恐縮な限りでございます。

 作品を読ませていただき、ありがとうございました。

黒猫の魂さんの意見 +40点2012年06月20日

ノラネコ様。

お疲れ様です。作品を拝読いたしました。

昨日から感想を書き始めた僕の目の前に、ノラネコ様の鋭い感想が既にあり、結果、ノラネコ様の作品を読むのは、感想を書いて書いて、もうこれで大丈夫、と思えるまで待とう、と思ったのでした。

そして今、時が来た訳ですが、凄い……。
期待以上でした。

世界観、描写、モチーフ、構成、全て好きです。
お金を出して買った作品(それもお気に入りの)に匹敵する満足感がありました。

戦争が終わり、役割を変えなければならないものたち。
どう変えるのか。そのモチーフが最後まで効いていました。

この少ない枚数で、こういう種類の感動があり得るとは思っていなかった、というのが正直な感想です。

とてもとても勉強になりました。
ありがとうございました。

ほのぼのとさんの意見 +20点2012年06月21日

ちわああああああノ ほのぼのとです^^;

感想ありがとうございます。 

え~~~~おもしろかったっす。

冒頭部分ではてなマ~クが少しだけとびましたが。。さいごのほうまで読み進めてなるほど!となりました。。

世界観も伝わってきて楽しめましたが、カナタの飛行装備及び武装というか、主人公達のイデタチが入っていればもう少し判り易かったのかなという気がしました。

海に飛び落ちてしまうまでのくだりにもう少し余韻のようなものがあると、よかったような気がします。

乱文にて失礼しました。ほのぼのと

つっつんさんの意見 +40点2012年06月22日

お初にお目にかかります。つっつんと申します。
ノラネコさんの作品を拝読させていただいたので、僭越ながら感想を書かせていただきます。
尤も、あまり作品に対して技術的な指摘が出来ませんがご容赦くださいませ^^

まず、個人的な好みになりますが、夏の情景で空と海のコントラストの描写はやはり心を揺さぶるものがありますね。非常に美しいと思います。
そして、それに対しての戦争の終わりを告げる主人公たちの台詞に空しさの演出を持たせているあたりが、ノラネコさんの世界観をより一層わかりやすく読者に伝えるのに一役買っているのだと思います。

一見詩的な内容とカナタの台詞回しで書き出しと終わりで印象が変わる面白い作品でしたが、掌編という枠でもっと広げられる内容を抑えて書いているので短編もしくは長編読みたいという想いと、ノラネコさんの更なる執筆活動を願って、このような点数とさせていただきました。

ノラネコさんの今後の参考としては実のない内容ですが、私の感想とさせていただきます。
がんばって下さい。

くるすさんの意見 +30点2012年06月22日

作品を投稿する前にひとつ感想を書こう、ということで点数の高さに釣られてやってきました、くるすというものです。

一読して「読ませる世界観だなぁ」と感心しました。
女の子型の兵器に、空中戦艦とくれば、世の男の子としてはロマンを感じずには居られません。

このストーリーも、この世界観だからこそより引き立って感じられるのだと思います。
掌編という枠において、世界観で魅せてくれる作品は希有です。
ノラネコ様は是非、これからも自分の世界観というものを大事にされてください。

汁茶さんの意見 +20点2012年06月24日

こんにちは。汁茶と申します。
感想返しに参りました。


「アハハ」「ウフフ」な話を読むと無性にケチをつけたくなります。うん、僻みだな。
戦争終わって急速に頭ん中がお花畑になっているやつらの話と。
ストラ○ ク・ウィッ○ ーズしか思いつかない。世界観が売りかもしれませんが二番煎じの感は否めません。
ぶっちゃけこの設定はシチュエーションを作るための飾りにすぎないと思う。
設定を除くとアハハ、ウフフしか残らない。航空妖精でなくても別にオッケー。
でも、楽しいけど。

とりあえず、隊長、あんたの進路は? 軍人続けんの? 退役すんの? カナタ養えんの? まさかプーってことはないよね。

教官と生徒。うん、ベタだ。生死を共にすれば愛が芽生えますな。


これだけだとアレなんで
動機づけと物語の流れの運びについて
まずどこと、何と戦っていたのかですね。相手は人間なのか異星人なのか、異生命体なのか。
人間相手だと、兵隊の需要はなくならないでしょう。ですので異星人とか、異生命体みたいな人間ではないものを相手にしていた、航空妖精でないと勝てなかったという設定をくっつけて、倒しちゃって兵隊の需要が無くなったということにすると説得力が増す……かもしれません。
空を飛びたいってことと、隊長と暮らすってことが二律背反になる気はしないです。空を飛びながら隊長と暮らせばいいじゃない。
隊長と暮らすことに空を飛ぶ以上の喜びがあるとの説得力はやや弱い。なんかもうちょっと欲しい。
さらに設定を付け足して、装備を取り外すとわずかな期間しか生きられない……悲劇になっちゃう、ボツ。
ぶっちゃけ結婚退職だよなあ。しかし仕事を選ぶか結婚かの選択の重みが感じられません。教官の方にアレだ、カナタと生きると苦しい選択、重い選択があるといいかな。カナタばっかり悩んで隊長なーんも悩んでないから。そうするとアハハウフフなもんから重い人生の選択になる……かもしれません。
隼鷹で隊長がカナタを救ったエピソードがあるといい……かもしれません。

総括しますと、キャラの選択に重みが感じられません。ですので薄っぺらく見えました。設定に深みを持たせるといいかもしれません。ですが、雰囲気作りには成功していると思います。


僻み、妬み、嫉みで書きました。
駄文、失礼いたしました。

片桐草さんの意見 +20点2012年06月24日

読みました。
なんか宮崎アニメのその後みたいだ、とかしょーもないことを考えていました。たぶん戦争チックなものに勝利したんでしょうね。
壮大かどうか微妙なところですが、近未来的な戦後の一幕は十分に伝わってきました。ところどころにある戦闘機の描写とかが雰囲気づくりに一役買っていると思われます。
エア・インなんちゃらがどういったものかわかりませんし、航空妖精とかいうものがなんか新しい技術でサポートするんだな、という程度でしたが、別に分からなくても物語を理解する上で問題ないのでそこは置いといて。

主人公とカナタがくっつくことがもっと分かりやすいといいかな、とは思います。作者コメで言っていた動機付けなのかはわかりませんが、一緒に富んでいたという情報だと味気ないので、ちょうど空を飛んできた母船もあることだし、その辺で二人で頑張ったエピソードとか挿入してみるとよかったかもしれません。既出の意見なら聞き流してください。
物語の流れにつっかかったり疑問をかんじた部分はありませんでした。むしろよくまとまっていると思います。構成力がうらやましい。

乱文失礼しました。

幽霊のハチさんの意見 +20点2012年07月24日

 ノラネコさん初めまして。幽霊のハチと言います。
 この作品を読んで、他の方も書かれていますが世界観がジブリみたいだなと思いました。隊長と呼ばれる人やカナタの今後も気になります。
 個人的には長編として書かれて見ても面白い作品になると思います。
 ぜひ今後も頑張ってください。

SF☆パンクさんの意見 +30点2012年07月28日

はじめまして、SF☆パンクと申します。

TOPページにのっているタイトルにピンと来て、やって来ました。
やはり、わたしの好みのタイプの作品でした(^^)
ハウルとか、ラストエグザイルとか、大好物です。

ちなみに、感想を書きたくて、急きょ、ハンドルネームを考えました。
……パンク好きとは言え、この名前だと、パンク系の作品以外は書きにくくなるなぁ……。
早まったかもしれない(笑)


前置きはこれくらいにして……


残念ながら、結末がありきたりかなあぁ……と思ってしまいました。
楽しく読めましたが、最後が……。
竜頭蛇尾な作品は、何度も見てきたことがあるとはいえ、またかという……。
確かに初心者の私の目から見ても、最後をひねるのは難しいと思います。

ひねるのが難しいのならば、
例えば、2人が一緒に暮らすのに障害になるような事柄を設定しても良かったかなと。
障害の設定の仕方によって、話にひねりが出てくるかもしれません。


と、一初心者の感想でした。
参考になりますかどうか……。
初心者なので、立ち位置が読者に近く、その点において参考になるかも知れません。
と、勝手に妄想しております。

参考にしていただければ幸いです。