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三十路乃 生子さん 著作 | トップへ戻る | |
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【一、魔法少女】
小高丸子は苛立っていた。 先程からずっと友達二人と一緒にガミガミ、ガミガミと説教を食らっている。初等部六年生にもなって廊下で怒られるのも恥かしかった。 確かに原因は廊下を走っていた丸子達にある。だが、それでも教師が悪いと思ってしまうのは、丸子たちの年齢のせいだろう。しかも相手があの口うるさい教頭なら尚更だ。 「聞いているのか、丸子君!」 バーコードの様な禿げ頭で、歳は四十歳になる痩せ気味の教頭は、あっち向いたらこっち向いたりしている丸子に声を荒げた。 「はーい」 そう適当に返事する丸子。 ――もう、いい加減にしてよね。 教頭はてかったオデコに滲む脂汗を拭きながら言う。 「全くもう、君は最上学年である自覚が足りなくて困る。もしも下級生にぶつかって相手に怪我でもさせたらどうするんだ?」 それから一人グチグチと説教を始める。 「まぁまぁ、いいじゃないですか。教頭先生」 「み、御堂君」 それを止めたのは同じ教師の御堂だ。 教頭とは全くの逆で、若くて格好良くて優しい先生と言うのが生徒達の評判だった。 「元気がある証拠ですよ」 「し、しかし……」 丸子も御堂を援護する。 「そうだそうだー」 「丸子君!」 その時だ。 爆発音が響き渡る。突然の事態に慌てふためく生徒達。 周囲が混乱している中で、丸子は一人直感した。 ――行かなきゃ! 駆け出す丸子に教頭が怒鳴る。 「ま、待て丸子君! 緊急事態だ。非難しなければ」 「ごめん先生、私行かなきゃ行けないのよ」 そういって慌てふためく教頭達を置き去りにして、爆音のした方へと走る。 ――皆は教頭先生と御堂先生がいるから大丈夫ね。なら後は。 そうして丸子は音のした方へと向かう。 私立聖徳学園。 県外にもその規模の大きさで知られる学園で、初等部・中等部・高等部のブロック事に校舎が分かれて存在しているマンモス校。おそらく爆発したのはここから割りと近い、中等部の研究棟た。 しかもそれは実験によるものではない。作為的な爆発。 ――ビヒモスめ。 この学園にはなぜだか分からないが、怪人が出没する。その怪人達が所属している組織。それがビヒモスだった。 ――見えた! 丸子は上履きを靴に履き替えて、中等部のブロックまで行くと、すぐに怪人を発見した。 そして逃げ惑う人々をかき分けて、誰もいない路地へと消えて行った……。 「カルテット・ブロー!」 魔法少女のステッキから放たれた四重層のビームが、ヘビと機械が混ざり合った様な怪人を貫く。 結局、ビヒモスの新たな刺客は魔法少女によってものの五分で殲滅された。 「成敗」 そういって魔法少女はステッキを下ろす。 外見は十二歳くらいの女の子。人形の様に白くすらりと伸びた四肢。 可愛らしい顔立ちに、被っている変な形の帽子がミスマッチしながらも、それが独特の愛らしさを演出する。そして帽子の間から見えるのは、日本人とは思えない見る者を釘付けにする、艶やかな金髪のツインテール。 全身を包むのは白とピンクを基調としたロリータ・ファッション。手には白の手袋。フリルのついたピンクのミニスカートは、履いている純白のニーソックスと黒く小さい靴に、実に見事にマッチしている。 ――最近は怪人が多くて困るなぁ。 魔法少女は溜息を吐いた。周囲を見渡す。暴れたのが外だったため、研究棟の被害も少なくて済んだ。 すると魔法少女の視界に、近くから見守っていた生徒や教師達が入る。直後に大きな歓声が上がった。 「ありがとう魔法少女!」 「助かったは魔法少女○さん!」 「かっこよかったよー」 「可愛いー!」 魔法少女はその歓声に手を振って答えながら、すぐに飛び去っていった。 それから少し高く飛んで人目につかない様、ぼかしの魔法をかけ、人気の無い路地裏に再び降り立つ。 「ふぅ……疲れた」 周囲には誰もいない。 「お疲れ様。Oさん」 相棒のジロー君が声を掛ける。ウサギの様な姿だが、二足歩行の姿勢で、しかも宙に浮いている小動物だ。なお魔法の資質がある人にしか見えない。 ジロー君の言葉に頷いて壁にもたれる魔法少女。 先程の怪人は、いや、ビヒモスという組織はこの学園の地下に眠るクリスタルが目的だ。そのクリスタルはこの学園、しいてはこの地域を守護しているものだ。この地から奪われると、この地域一体は陥没する危険がある。 さらにOさんに魔力を与えているのは他でもない、そのクリスタルだ。そしてその守護精霊が、このウサギの様なジロー君なのだ。 「今日は楽勝だったね」 壁に持たれながらジロー君の言葉に相槌を打つ。 「あの!」 その声に一人と一匹は飛び上がった。誰もいないと思って気を抜いていたのだ。 魔法少女はゆっくりと声の主を見た。 「あの、その、私、魔法少女Oさんのファンで……サ、サイン下さいっ!」 そういって色紙を突き出す初等部の女の子。一瞬、魔法少女が硬直する。しかしすぐに引きつった笑いを浮かべて。 「え、ええ。いいわよ」 色紙を受け取りサインする。 ――バ、バレてない? 女の子以上に緊張しているOさんは恐る恐る女の子の顔を伺う。 「ありがとうございます!」 しかし女の子もこちらを見ようとせず、色紙を抱きしめてお辞儀する。 だがまたすぐにハッとなって色紙を差し出す。 「あの! 私の名前を書いて貰っても良いですか?」 「え、あ? いいよ」 そういってさっさと女の子の名前を書いて再び返す。女の子はお礼を言って今度こそ踵を返した。 女の子は喜びを噛み締めながら路地を離れる。 もう路地が見えないくらいまで来た時だ。女の子は違和感を覚えた。 そこである事に気づく。抱きしめていた色紙を再度確認する。 「あれ? なんで小高丸子って私の名前を知ってたんだろ?」 「はぁぁぁ〜」 魔法少女は小高丸子がいなくなったのを確認して、盛大に溜息を吐いた。 ジロー君も脱力して言う。 「今のは危なかったねぇ。でも大好きな魔法少女の正体がまさか……とは思わないでしょう」 「そうだ、早く変身を解いてしまおう」 そういって帽子を取る。 すると見る見るうちに帽子が小さくなって行き……。 やがて帽子は――。 同時に魔法少女が金髪のツインテールの片方を握って、ちょっと引っ張る。 ――ギュッ。 ではなく。 ――ブチッ。 そんな効果音とともに掴んだツインテールの片方がすっぽりと抜ける。それを呆然と見つめる魔法少女。 繰り返すが、魔法少女。 「この髪の毛が抜けるのは、いつ見ても嫌だなぁ……」 「しょうがないじゃん。だって元々が生えてないんだし」 「いや、そうなんだが、頭がバーコードの私にとってこれはかなりのトラウマというか……これでも昔はふさふさだったんだよ……」 そんなことを言っているうちに、魔法少女の衣装が眩い光に包まれていく。 そして人形の様に白くすらりと伸びた四肢に、雑草の様な逞しい産毛達が、物凄い成長スピードで生え始め。 次に愛らしい顔立ちがシワシワになっていき、峠を過ぎて疲れきった顔になる。 最後に綺麗なストレートの金髪は、根こそぎ抜け落ちて黒いバーコードだけが残った。 そして外見は十二歳くらいの女の子から――。 ついに四十歳くらいの『おっさん』へと変貌を遂げる。 最後に衣装がスーツになって、無事に魔法少女は正真正銘何処から見ても疑い様のない『教頭先生』に戻った。 その一部始終を、なんともいえない目で見ていたジロー君。 簡単に言えば、大好きなアイドルが楽屋で胡坐を掻いてタバコ吸いつつ、鼻をほじっている姿を目撃してしまったファンの心情。 「いつもの事ながら、おっさんが魔法少女に変身するって凄い絶望感があるよね……」 「わ、私だって好きでやってるいわけじゃないぞ」 「……好きでやってらそれはそれでマズイって」 教頭先生は一つ咳払いをする。 「さ、さて。怪人も倒した事だし、初等部の見回りに行こうか」 「はーい」 「あ、ちょっと待ってくれ。腰が……」 ――くっ、年甲斐も無く派手に動き過ぎたか……。 そして教頭は腰を抑えつつ、ジロー君と共に初等部の方へと消えて行った。 ……。 ……。 学園を守る可憐な魔法少女、Oさん。 魔法のステッキ片手に怪人達を倒す姿に魅了される者も多く、彼女は学園のアイドルでした。 だからこそ気になるのはその正体。 彼女は魔法の国からやってきたプリンセスでは? 彼女は魔女の血を引く売れっ子アイドルでは? 彼女は日本屈指の大財閥のお嬢様では? ――いいえ。 彼女の正体はプリンセスでも、アイドルでも、お嬢様でもありませんでした。 魔法少女の正体は、そう――おっさんだったのです。 『ラーメン丼+さん=魔法少女さん』 【二、始まり】 〜一ヶ月前〜 「ならば……私が魔法少女になろうじゃないか!」 校舎裏でおっさんと小動物が見詰め合っている。 初めて怪人が出現した時のことだ。 生徒達を避難させていた教頭の前に、ジロー君が現れた。彼はこの危機に魔法少女を捜しにやってきたのだが、魔法少女の資質を持つ者がこの学園には教頭しかいなかったのだ。実際、おっさんは全くの想定外で、魔法少女の用の衣装しかない。 だがそこはクリスタル。裏技を使っておっさんの魔法少女化を進める事になった。何より、怪人達が暴れまわる現状を考えればそれ以外に選択肢がなかった。 ――なんでもいい。学園を守れるのなら、私しかいないのなら……やるしかない! 教頭の意思も固い。 「生徒達を守れるのか?」 「うんっ」 その言葉を聴いて、一切の躊躇も無く教頭が言った。 「分かった。魔法少女になろう……それで私はどうすればいい? 場所を移すか?」 「いや、ここで大丈夫だよ」 例え二人がいる場所で変身しても、もう既に生徒達は非難を済ませている上、この校舎裏なら人目にはつかないので問題ない。 「じゃあ、まず最初の関門。変身アイテムを作るよ。言わばにアクセスするためのキー。あなたが今、持って来れる物で一番大切な物をイメージして」 「分かった」 そういっておっさんは懐にある、生徒達の写真をイメージした。 「出来たぞ」 頷くジロー君。 「もし、クリスタルが拒めば失敗。でもクリスタルがあなたを認めれば成功。チャンスは一回。もし失敗したらもう誰も怪人を止められない。それだけじゃない、あなたもただじゃ済まない……覚悟はいい?」 「ああ。大事な生徒のためならこの体、どんな苦痛も受けようじゃないか!」 「じゃあ、行くよ! アイテムを強く強くイメージして!」 「来い!」 眩い光が現れておっさんを包む。 ――写真! ――写真! ――写真! そしてジロー君が呪文を唱え始める。 教頭は何かに鷲掴みされた様な感覚に陥る。 「力を抜いて、身を委ねるんだ!」 ジロー君の指示通りに脱力し気持ちを落ち着かせる。 「ロック・第一段階クリア!」 次に教頭は頭の中を、何者かに覗かれるような恐怖心を覚えた。 だが決して抗わなかった。 「インポート・第二段階クリア!」 ジロー君が叫ぶ。 「次で最後だ!」 今度はイメージしていた写真が突如として実態を持ち、頭の中に圧迫感を覚える。 それでも教頭は決して逆らわなかった。 「よし! これで!」 全てが順調に行きかけた、その時。想定外の事態が起きる。 ――グゥ〜〜〜。 と、おっさんのお腹が鳴った。 ――あ、そういやお昼のラーメン食いそびれてた。 そう、それが全ての元凶だった。 写真は消え、代わりに別な何かが頭に最後の最後で浮かび上がる。 「マスターキー接続!」 「え? ちょっと、待っ――」 だがそんな事はお構いなしに光が教頭を包む。 次の瞬間、その光が弾け飛んだ。 「……やった。やった。成功だ!」 ジロー君が飛び跳ねる。 「え……せ、成功?」 「うんっ、やっぱりあなたには才能があるよ。さすがは教頭先生やってるだけはあるねっ!」 「あ……ありがとう」 引きつった笑みで笑い返す。実は最後に別な物をイメージしてしまったなんて言えなかった……。 それでもちょっと遠まわしに聞いてみた。 「な、なぁ。アイテムが気に入らなかったらもう一回登録できるのか?」 沈黙。 「え……あの、これ一回限りで、無理なんだけど……」 再び見詰め合う二人。 校庭の方では怪人が暴れており、破裂音や爆発音、悲鳴が聞こえる。しかしそんなのお構いなく、凄く気まずい沈黙が二人の間に漂う。 そして数秒見つめあった末に教頭が取り繕った。 「だ、大丈夫だ! たぶん想像したヤツでも使えるだろう。私専用のが職員室にあるから……ここからでも近いしな」 「ほ、本当に?」 「ああ。……たぶん」 そういって教頭は思い浮かべたアレをすぐに走って取ってくる。ただし、恥ずかしく見せられず後ろに隠したままだった。 「よ、よし。準備できたぞ」 「じゃあ、次の段階。変身するにもフォーマットがあって……その形式美みたいなものだから」 「フォーマット?」 「うん。そのアイテムを装着して『アイテム名・IN・名前』を叫ぶんだ」 「……ぇ」 おっさんは後ろに隠したアレをチラ見する。 ――アイテムって、これか? ――え、つまり私はこれを装着しつつ、叫ぶのか……あと、どうでもいいがIN用法間違ってないか? おっさんの顔が青くなる。 「断固として断る!」 「ええっ! じ、時間がないんだ! この下に埋まっているクリスタルを奪われてしまえば、この学園は大変な事になってしまう!」 「くっ……」 学園の平和と、アレを被る羞恥心。 今、おっさんの男が試される。 ――これも生徒のためなのだ! 「……分かった。私の羞恥心くらいでどうにかなるのなら安いものだ。被ろうじゃないか」 「え? 被るの?」 おっさんは思わず目を逸らした。 アレの形を考えればだって、そりゃ……被るしかないだろう。と内心で毒つく。 「ごほんっ。つまり私はアイテムを装着しつつさっきのセリフを言えばいいと」 「正式にはマジカル〜マジカル〜さっきのセリフ」 「マ、マジカール?」 「……やる気あんの?」 「あ、ある。あるある。学園を救いたいのだ」 「じゃあ早くアイテム出して、変身してよ」 その時、再び爆音が聞こえる。 ――こんなところでもたもたしていられない! おっさんはついにそれをジロー君にそれを見せた。 『ラーメン丼』。 ジロー君が言葉を失う。 「…………マジで?」 今まで聞いた事もない低いジロー君の地声だった。 「これが浮かんでしまったんだよ!」 教頭先生ことおっさんは不肖、ラーメン大好き人間だ。 「……くっ、クク」 おっさんが丼を被っている姿を想像し、必死に笑いを堪えるジロー君。 ――く、屈辱だ! 「ご、こぼんっ。あ、あと名前だけど、教頭とか固有名詞だと正体がバレちゃうから、なるべく代名詞がいいな。とりあえず……おっさんにでもする?」 「断る! 魔法少女おっさんって矛盾してるだろ!」 「大丈夫。発音はオーさん。つまりOさんで」 「変わってないぞ!」 「ぐたぐた言わないの。接続のためにキーが必要なんだから。ほら、時間も無いよ」 ジロー君はそういって、さっさと教頭から離れた。 「く、くそぉ」 なんだかハメられている気がしてならないが、彼には他に選択肢もなかった。 ――い、いくぞ。 覚悟を決める。 そして頭に丼を恐る恐る被った。 「マジカル〜マジカル〜ラ、ラ、ラ……丼・IN・お……」 だがしかし。 「――ちょっ、ちょっと。ぶ……ぶっははははは、おっさんが、おっさんが丼被って、マジカルって、ハハハハハッ」 おっさんが丼を被ってマジカル〜マジカル〜と言い始めた姿にジロー君大爆笑。予想以上の滑稽さに我慢できなかったらしく、笑いが止まらない。 ――この小動物、いつか学校の飼育小屋にぶち込んでやる! 「う、うるさい!」 「くっ、だって、だって……っハハハハ、キモっ」 最後にこぼれたのはジロー君の本音だろう。教頭先生は、カツラが朝礼でズリ落ちたとき以来の羞恥心を覚えて真っ赤になる。 「そ、それに声が小さいよ。そんなんじゃ、変身できないよ?」 笑いが収まってきたジロー君がダメ出しをした。 「わ、分かっている。もう一度だ!」 そうして再び、頭の上に『ラーメン丼』を持っていき、ゆっくりと頭のバーコードにそれを認識させる。 「マ、マジカル。マジカル……」 「声が小さい!」 「マジカル〜マジカル〜ラ、ラー……丼・IN・お……」 「もっとだ!」 「マジカル〜! マジカル〜! ラーメン丼・IN・Oさん!!」 「やる気あんのかぁ!」 「マジカルゥゥゥ! マジカルゥゥゥ! ラァ〜メン丼ィィィ・IN・おっっっさんっ!」 そしてラーメン丼と禿げた頭の接合部が光り輝きだす。 ぴゅきーーーーん! 的な効果音が鳴り響き、おっさんの体が空中に大の字で浮遊する。 そして次の瞬間、おっさんのスーツ等の衣服が全て羽に代わり全裸になる。 皆が大好き変身シーンだ。 おっさんの裸体が光に包まれたまま、ゆっくり回転し始めた。 両手を上に伸ばし、その手に白の手袋が装着される。純白の手袋がなぜだろう、トイレ掃除の手袋に見える。そして産毛がジャングル化している両足に純白のニーソックスが表れるが、ちょっと無理があったらしくパンパンに足の形が出てしまっている。ついでにニーソックスの間から産毛も自己主張してるため、なんというか、その、リアルに足が大根の様相を呈していた。 続けて黄色い発酵臭のする足元に、靴が元栓として締められる。が、残念ながら足のサイズがあってないため、おっさんが痛みに悶える。 「ぐふぉっ」 そして下着として白いレオタードの様な衣装が、おっさんのアレやコレを包み込む。しかしやっぱりサイズが合っておらず。 「痛い痛い! 食い込んでる、食い込んでるぅ!」 次にフリルのスカートが装着され、ビール腹が魔力によって圧縮される。そして可愛らしいデザインのシャツが纏われ、最後にラーメン丼が大き目の帽子に変わった。 、ここに光臨。 「ま、魔法少女さん、さん、じょ……」 一体どこから得た知識を引っ張ってきたか分からないが、最後の力を振り絞り腰に手を当ててポーズ取る魔法少女。 しかしいろいろと変身で無理がたたり、ポーズを取ったはいいが、ぐったりとして白目を剥いている。 なんというか、白とピンクのゴシック・ロリータを着た、バーコード頭のおっさんが内股でポーズを取り、白目を剥いてぷるぷると痙攣しているのが今の姿だ。 一言で言おう。超キモイ。 「うぇぇぇぇぇぇ」 変身前に笑っていたジロー君がその場に倒れて吐き気を催している。彼のガラスハートはこのおっさんのコスプレの前に砕け散った。 「ど、どうしたんだ。大丈夫か――」 「ひぃぃぃぃぃ! こ、こないで! 犯されるぅ!」 ウサギという自分のアイデンティティすら忘れて四つん這いで逃げ回る頼もしい相棒、ジロー君。 「ちょ、待ちなさ――痛い痛い! 食い込む! 食い込んでる!」 脅えて逃げ回る使い魔と衣装に締め上げられる魔法少女。変身したはいいが、二人は既に戦闘不能だった。 しかし。 ――! 突如として悲鳴が聞こえた。二人が我に返る。 「しまった。こんな事をしている場合ではない!」 「そ、そうだね。でもその前にその衣装をどうにかしないと……」 ジロー君は魔法少女の方を一切見ずに言った。 「そ、そうだな。手は無いのか?」 「魔力九割を使って容姿弄るか、三割使って衣装の方を弄るかだけど……選択肢は実質一つしかないね」 「……九割使って戦えるのか?」 「大丈夫。魔力の量は相手の二十倍近くあるんだから、九割使っても十分勝てるよ!」 クリスタルから魔力を使うので、魔法少女は基本的にチートだ。無邪気な顔して「ばーんっ☆」で大の大人数人を木っ端微塵に吹き飛ばす破壊力。それを一割に抑えるくらいが実際にもちょうど良かった。 ジロー君が呪文を教える。そして魔法少女はそれを復唱し、光に包まれた。 「変身!」 他に言葉はないのか、という昭和臭さを感じる言葉で教頭は文字通りの魔法少女になった。 ジロー君も歓喜の声を上げる。 「おお。本当に魔法少女だ。でも元のイメージがあって全く喜べない……」 「よし、では行くぞジロー君」 そういって叫び声のした方へ魔法少女は向かおうとする。 「あ、待って。帽子の下はまだ禿げたままだよ!」 くるっ。 と、バーコード頭の魔法少女は慌てて踵を返し、すぐさま増毛を開始した。 【三、ロリータ】 「ご報告致します」 怪しげな洋館。暗い照明。格式のある作り。ビヒモスの支部はいかにも悪の組織の基地だ。そしてその玉座にはザビーネと呼ばれるビヒモスの幹部が座っている。 「話せ」 ザビーネは鼻からおでこにかけて、目を覆う様なマスクをつけている。それでも端整な顔立ちだと分かる人間の男で、歳も若い。なびかせている黒マントが良く似合っていた。 ただ彼にはちょっとした欠点も存在する。 ザビーネの声に応える様に、跪いている副官の女性が話し始める。彼女も鋭い目とストレートの黒髪が似合う美女だ。 「本日向かわせたアンドロイドの部隊は、魔法少女Oさんにより全滅致しました」 「またか……何か収穫はあるか?」 「いえ、残念ながら」 「ないのか? ほら、人質とか」 「いえ」 「あれだ、初等部の女の子とかいないの?」 「いません」 ちょっとしょんぼりするザビーネ。 「あの、その、前々からお聞きしたかったのですが」 副官が酷く言い難そうな表情をする。 「その……ザビーネ様は……ロ、ロリータ・コンプレッ」 「――そうだ。魔法少女Oさんの分析結果はどうなった?」 「……」 副官はとりあえず肯定と受け取っておいた。 そう、悪の組織の幹部、ザビーネがわざわざ学園の初等部と中等部を中心に狙う理由は一つ。 彼はロリコンだったのです。 「えと、魔法少女Oさんの分析結果は実のところ既に出ております。ただ、その、分析に当たったドクター・ジュニーはどういうわけか部屋に引きこもってしまわれまして……」 「何でもいい。出ているなら持ってきてくれ。それにジョニーの分析の的中率は九割超えだ。問題ない」 副官は頭を下げて一度部屋から退出した。ザビーネは溜息を吐いた。 ――危うく俺がロリコンだとバレるところだった。やはり自重しないとな。 ちなみに補足すると、ザビーネという名はビヒモスにおけるロリコンの代名詞である。 「お待たせしました。それでは分析結果をお伝えいたします」 「分かった」 すぐに戻ってきた副官は、なるべく書いてある事をただ読もうと心かげた。 「まず年齢ですか……」 ――まぁ十二歳くらいだろうな。 「四十歳」 「ねぇよ! 二十八年どっから出てきた!」 ――四十路の魔法少女なんていてたまるかっ。 「次に趣味ですが……」 ――趣味か。お人形集めとかだと俺の好感度アップなんだが。 「大仏集め」 「どんだけ渋いんだよ! あの容姿で大仏の良さが分かるって凄すぎだろ!」 ザビーネは段々と自分の中の魔法少女像が狂い始めているのに気づく。 ――冷静になれ。たぶんこれはジョニーのミスだ。幼女がそんな逸脱しているわけがない。 「次に今一番気になっている事ですが……」 ――やはり、あれか? 好きな男の子とか恋バナか? 「アデランス」 「脱毛が気になる幼女ってなんだよ! やっぱアートネイチャーがいいよねぇ〜とか話してんのかバカヤロウ!」 「…………幼女、ですか?」 「あ、いや、なんでもないっす」 副官の冷静な突っ込みに口調が素に戻って目を逸らすザビーネ。 「次に弱点です……」 恥ずかしい女性のタイプを暴かれる恐怖と、戦略的に必要な話題で我に返る。 ――そうだ。今までのはあくまで俺が知りたくて、無理やり権力で調査票を改ざんして手に入れようとした趣味の情報だ。大事なのはここからじゃないか。 「弱点というか痛い部分ですが」 「ああ」 「最近は腰にきているそうです」 「近所のじいちゃんかよ! 明らかに調査対象間違ってんだろ」 ザビーネは頭を抱えて蹲った。副官が目を逸らして言う。 「まぁ、その、そういう事もあり、ドクター・ジョニーは自信を喪失され仮想世界に引きこもったのかと」 「なるほどな……」 「あ、ただ一つ。百%自信のある分析があります。これはクリスタルの力からも分析しましたが、同じ分析結果が出たので間違いないと」 「なんの分析だ?」 「変身アイテムです」 「……あれか、どうせカツラとか言うんだろ?」 ザビーネが呆れた様に毒つく。 「いえ、ラーメン丼です」 「どっちも大してかわんねぇよ!」 再び蹲ろうとするザビーネに副官が断言する。 「これは絶対です! ジョニーもそう断言しておりました」 ――いや、だってラーメン丼って……まさか。 そこまで言って気づく。 「まさか、魔法少女Oさんの頭に乗っている帽子の様なものって本当は……丼なのか?」 「はい。おそらくは……」 その副官の返答に、ザビーネは二つのショックを受けた。 一つは学校にあるラーメン丼を全てチェックすれば勝てるのでは? という事実に。 そしてもう一つは、幼女が頭にラーメン丼を被っている姿が地味に可愛いと思えた事に。 「ならば、やることは決まったな……フフッ、既に足掛かりは出来上がっているのだ」 彼は口元に薄っすらと笑いを浮かべる。 それを見ていた副官は、悪としての笑いなのか、犯罪者予備軍の笑いなのか、判断に困った。 【四、エスケープ】 教頭は校舎を回りながら、こないだ丸子がサインをねだってきた時の事を思い出していた。 ――いやぁ、いつもあんなに素直なら良いんだが。 そう思いつつも某悪の組織幹部の様な、犯罪者予備軍の危ないニヤケ顔になる。 階段を上り終えて廊下に出ようとした時だ。丸子達の声が曲がり角から聞こえてきた。 「教頭先生ってホントに煩いよね〜」 「きっと怒り過ぎて禿げちゃったんだよ」 「ハハッ、そうだそうだ」 ――ま、これが現実か。 そうは言っても教頭はそんなに落ち込んではいない。実際に、自分がそういう役回りである事を自覚している。 ――学校に一人は必要なのだ。自分の様な役目が。 教頭はそれを分かっているがゆえに、いちいち落ち込んだりはしない。 ただ。 ――ショックがないわけでないが……。 そこはやはり人間だ。大好きな生徒にこういわれて、仕方ないとスッパリ割り切れるわけでもないのだ。 「そういえばこの後って避難訓練だよね?」 「うん。面倒だよねー。あ、ねぇ、このままサボっちゃわない?」 「あ、いいね。どうせバレないよ」 そこで教頭は飛び出す。 「こら! 何を話している!」 その声に二人の生徒は背筋を伸ばす。 しかし残り一人……丸子はさっさと逃げてしまう。それに気づいた二人も「ま、待ってぇ」と丸子を追いかけて行った。 その姿を見て教頭は一人、溜息を吐いた。 三人は廊下を曲がったところで、教頭が追って来ないのを確認して安堵の息を漏らす。 「もう、先に行くなんて丸子ちゃんずるいよ」 「ごめんごめん。教頭先生を見るとつい」 「でも本当に嫌だよねぇ教頭先生」 だよねー、と三人で再び教頭への愚痴を言い始めた。 「こんなところでどうしたの?」 そこへ今度は御堂がやってくる。 「あ、御堂先生!」 教頭は百八十度違う態度。顔良し性格良しの御堂と教頭では確かに雲泥の差がある。 「次の避難訓練さぼっちゃいたいなーって」 丸子は同じ先生である教頭先生の悪口はさすがにいいづらく、嘘を吐いた。 「あー、俺も嫌だったからなぁ。その気持ちは分かるよ」 でしょー、と先生の同意に盛り上がる三人。 「あ、ところでちょっと変な事を尋ねるけど……その、この学園でラーメン丼ってあるかな?」 「ラーメン丼ですか?」 とちょっと困惑気味の三人。 「ああ。学食にあるのじゃなく、知らないかな?」 三人が悩んでいると丸子が「あ」と声を上げる。 「教頭先生が持ってる」 「教頭先生?」 ――どういう事だ? そうしてあごに手を持って行き悩み始める御堂先生。そして一人ほくそえんだ。 「ねぇ? ちょっと取引しないかい?」 「取引?」 聞きなれない言葉にちょっと興奮気味な三人。 「うん……その丼を取ってくる代わりに、避難訓練をサボるの見逃してあげる」 「え、本当!」 「先生優しい!」 と二人の女の子が歓喜する。しかし。 「でも……勝手に取ってきたら、泥棒じゃないかなぁ?」 と丸子が渋った。教頭は嫌いだが、泥棒はダメだという良心はあった。 御堂は内心で舌打ちする。しかし表面では苦笑して言う。 「あ、いや、そうじゃなくて、その丼は食堂の物なんだ。たぶん先生が返却し忘れてるんだと思う。先生には後で俺が言っておくから、食堂に返してくれるかな?」 「あ、なーんだ。そういう事ならいいですよ」 「じゃあ取引成立かな?」 「うんっ!」 そうして三人は駆けていく。 「俺はここで待ってるからねぇー」 そう三人の後姿に声を掛けて悪意のある笑みを浮かべた。 ――教頭先生と魔法少女がどう関係しているか分からないが、食堂にある丼を調べた結果全て白だった。そしてこの学園に丼は残り一つしかない。 御堂……いや、ザビーネは後ろから追い風が吹いているのを一人感じた。 【五、丼力】 『魔法少女に告ぐ! 子供達と変身アイテムはビヒモス幹部、ザビーネが預かった! 返して欲しくば一人で屋上に来い!』 その放送はは避難訓練中に突如流れた。 子供達と丼の大事な二つを奪われ困惑する教頭。 突然の放送に周囲が慌てふためく中、とにかく丼を確認しに職員室へ向かった。 自分の机の前で呆然とする。 「……ない」 くまなく探したが本当に丼がない。 ――どうする? 丼がなければ魔法少女に変身できない。 「Oさん!」 「ジロー君」 どこからともなくジロー君が飛んでくる。 「まさか丼が変身アイテムだとバレるのは正直僕も予想外だった。とりあえずここは作戦を……」 「馬鹿を言ってはいけない」 「え?」 そういうと教頭は職員室を出て屋上へ向かう。 「ま、待って! みすみすやられに行くの!」 「いや、相手は恐らく私が魔法少女だとは気づいていないはずだ。気づいていたら直接私を叩く。だから教頭として行く」 「で、でも……」 「私の大事な生徒が人質に取られているのだ。ここで行かねば教師をやってる意味がない!」 そう熱弁を振るう教頭。 「それよりもジロー君は気づかれない様に屋上に回りこんで、丼を回収して欲しい。もしそこになければ、何とか探し出してくれると助かる」 「だ、だけどさぁ……ああ、もう! 無茶しちゃダメだよ」 ジロー君はそういって飛んで行った。 ――引けないんだよ。私は。 教頭は屋上の扉の前に立つ。 ――キィィ。 扉を開けるとそこには仮面をつけた男が一人。 そして泡の様な膜に包まれている女子生徒三人……先程、避難訓練をサボろうと言っていた子達だ。 「先生助けてぇ」 「出してよー」 子供達の叫びに教頭は苦虫を潰した。 「魔法少女はどうした?」 仮面の男、ザビーネが問いかける。 「君がザビーネか。彼女は来ない。だから私が来た」 「笑えない冗談だな」 教頭は皮肉を無視する。 「なぜ初等部の女の子を襲う! 人質なら教師でもいいだろう!」 「理由はあるさ。知りたいか?」 「あ、ああ」 ザビーネは一つ咳払いをした。 「それは俺が……」 このとき俺は、幼女を人質にとって一種の中二病みたいな意味不明なテンションにあったんだ。本当だ、信じてくれ……と彼は後に副官にこう振り返っている。 「ロリコンだからださ!」 仁王立ちして言い切る仮面の男。教頭は開いた口が塞がらなかった。 「何か文句はあるか?」 「……い、いや、その……こ、この犯罪者予備軍め!」 「フッハハハハハ」 「くっ。開き直った変態か。彼女達を放しなさい!」 教頭の命令口調に今度は苦笑し、片手を払う。 「ハッ、失せろおっさん」 払った手から突風が生まれて吹き飛ばされる。 泡の中の三人が叫んだ。 「先生!」 「くっ、この程度!」 そうして再び立ち向かう教頭。 しかしまた突風に跳ね飛ばされて屋上のドアに叩きつけられる。 だが。 だが教頭は何度も立ち上がる。 「私の大切な生徒を、放せと言っているんだ!」 「おっさん風情が、小賢しい!」 しかし何度立ち向かって行っても突風に跳ね飛ばされる。そのたびに教頭はコンクリートやドアに全身を強く打ち付けられる。 「ま、まだだ……生徒を……」 四十歳の峠を過ぎた肉体は、数度の打撲で既に限界に近かった。 「やめて先生!」 「私たちがちゃんと先生の言う事を聞いていれば良かったの……」 そういって泣き出し始める子供達。 しかし教頭は立ち上がる。 ――魔法少女になれないから逃げる? ――魔法少女じゃなきゃ守れない? ――否っ! 私は魔法少女でもおっさんでもある以前に……教師なのだ! 「負けてたまるかっ」 そう自分に言い聞かせて再び挑もうとする。 「食堂よ!」 その声にその場にいた全員が叫んだ丸子を見た。 「ラーメン丼は食堂にあるわ! お願い先生! 私たちを――助けてっ!」 初めて聞いた丸子の懇願に教頭はすぐに踵を返し階段を降りて行った。 ザビーネは叩き潰しておこうかと思ったが、まぁいい。と手を下ろした。 ――どうせ見つかりはしないのだ。 食堂のラーメン丼は百個近い。しかも種類も多くどれがどれだか分からない状態だ。その中から変身用の丼を探し当てるなんて、何時間かかるか分からない。 「さて、このお嬢さん達はお待ち帰りかな?」 「死ね! 御堂先生をどっかにやって、教頭先生に酷いことするあんたなんて、死んじゃえ!」 「ふふ。失敬だな。これでも俺は紳士だ。少女と幼女はあくまで愛でるもの。害を加えるつもりはないのだぞ?」 三人はこの発言に素で軽く引いた。それに気づかないザビーネは真面目な顔になる。 「まぁ、あの調子じゃあ教頭先生は魔法少女を匿い続けるだろな。ならばいっそ魔法少女を誘い出し、人質を楯に倒した方がムフフな展開じゃないだろうか?」 そうしてしばらく妄想に浸り、頬が緩みきったところで顔を上げた。 「よしっ。ここは一旦基地に戻るぞ。悪いが一緒に来てもらおう」 そういうと泡が突然浮遊し始める。 「い、いゃぁぁぁ」 だがしかし直後、閃光が走った。 ――パチンッ。 という音がして泡が割れる。少ししか浮いていなかったので女の子三人は無事に着地した。 「なんだ!」 サビーネは放たれた閃光の方を見上げる。 空中に彼女、そう、魔法少女Oさんがいた。 「待たせたな! 覚悟はいいかロリコン野郎!」 「早っ! ど、どうやってあの丼の中から見つけたのだ!」 後ろにはジロー君がいる。彼が丼の場所を教頭から聞いて、飛んで持って来てくれたのだ。 「ふんっ、あの丼は私にとって大切な物なのだ! 見分けくらい一発でつく」 「馬鹿な……ラーメン丼に大した違いなど」 実際に現在Oさんが頭に被っているラーメン丼と、食堂の丼に色・形・大きさという点で違いは大してなかった。ただ、一点だけ他と明確な違いがある。 それは底だ。 普通、丼には「龍」「鳳凰」「雷文」「双喜文」の模様がデザインされている。底に関しては物によって異なる。だが大抵、ラーメン丼の底には食べてくれた人への感謝の言葉を表す文字が書かれている事が多い。 そして教頭の丼の底に書かれているのは。 ――教頭先生、今まで叱ってくれてありがとう! 卒業生達からのメッセージである。 変身アイテムとしてラーメン丼が使えたのには理由があったのだ。別にラーメン好きだからではない。たぶん。 いつも大好きなラーメンを食べて、その最後に子供達から元気を貰う。そして今日も一日頑張ろう、という気持ちになれる特別な丼なのだ。 ザビーネは舌打ちをする。 「……こうなったら作戦Bに移行だ」 彼は近くにいた丸子の前に手をかざす。すると丸子がグッたりした。 「彼女になにをした!」 「眠らせただけだ」 そう言って指を鳴らす。すると突然、背後にブラックホールの様な渦が出来る。 「返して欲しければ追って来い魔法少女!」 そして、その中に丸子を抱えて飛び込んだ。 【六、VS悪】 「待て!」 魔法少女もそれを追って中に入ろうとする。 しかしそれをジロー君が止めた。 「ダメだよOさん! あの中に入ったら魔力が半減してしまう。幹部相手にそれじゃ勝てないよ!」 「魔力が半減する?」 「うん。対クリスタル用の空間だから、たぶんザビーネには影響がないけど、こっちには影響がある。それにビームとかは基本的に打てないから肉弾戦になっちゃう」 が、魔法少女は余裕の笑みを浮かべる。 「ふーん。なるほど、大丈夫だ。私に考えがある」 「か、考え?」 「ああ。ロリコンを粛清するには打ってつけの手だ」 陰湿な笑いを浮かべる魔法少女にジロー君の顔が暗くなる。 「……何を考えてるの?」 「ん、変態抹殺だよ?」 そう可愛く、楽しそうに言う魔法少女を見て、ジロー君はなぜだかザビーネに同情の念を禁じえなかった。 「じゃ、ちょっと人格訂正してくるね」 そしてジロー君は魔法少女の心配よりも、あの空間で待ち構えているであろう敵が、五体満足のまま出てくる事を祈った。 亜空間には一人の男が立っている。空間の端っこには膜が張ってあり、そこに丸子は丁寧に寝かされていた。 そしてその男はこれから始まるであろうワイズマン・タイムに想像を巡らせ、酔いしれる。 ――……ハハ。 ――ハハ、ハハハハ。 ――アーッハッハッハッ! 「ついにきた、R|!」 ザビーネその熱い魂、もとい変態性を曝け出す。 ――ようやく、ようやくだ。 ただの会社員で、ちょっとロリコンだった彼が悪の組織に入って早三年。どんな時もいつか来る至福の時を信じて諦めなかった彼は、いくたの激戦を繰り広げついに幹部まで登りつめた。 最初は確かに「悪の組織」ならそれを倒す正義のヒロインがいるだろうと、彼は安易な発想でビヒモスに入った。しかし最初は一般戦闘員として意地の悪い先輩怪人や、サボり癖のある派遣戦闘員に苦労は耐えなかった。 それでも地道な努力が三年で実を結び、今や一支部を統括する幹部。 レズっけのある美人副官。ちょっとヒッキーなドクター。体育会系の怪人たちに囲まれ、そして今、一つの夢を叶えるとろまで辿り着いたのだ。 彼の夢。その中でも人に言えない恥かしいヤツ。 ――全てはこの時のために。 ――全ては魔法少女にオイタをするために! そして彼は想像する。 白く透き通った四肢。流れる様な美しい金髪。白とピンクの美しい調和の取れたそのロリ系衣装。 ――それがもうすぐ、我が手に。 助平な顔になり笑い出すザビーネ。 「でへぇ。でへでへでへっ」 直後、背後に閃光が走った。 ――来たか! かつてない高揚感に包まれたザビーネは、三年分の期待を込めて、勢いよく振り返った。 ――幼女! ――幼女! ――幼女! 「ハッ! かかったな魔法しょ……う…………じょ……」 彼の鼻の下が伸びまくっただらしない笑みが、一瞬にして硬直する。全ての思考が停止していた。 その時、ザビーネは見た。 そこには魔法少女に擬態した『何か』がいた。 確に、そいつは魔法少女のピンクと白のロリータファッションを着ている。だが明らかに異常なのだ。 彼は混乱した頭で一つ一つ確認する。 白く細い四肢は――丸太の様に太く黒ずんでいる。 お人形の様な美しい顔は――角ばって油汗でテカッている。しかもなんか鼻息が荒い。 絹の様な金髪は――商品用のバーコードだ。 頭をなでるられる高さの身長は――K一の武蔵並にデカイ。 もっと分かり易く言おう。 ブレデターを倒したベトナム帰りのシュワちゃんが、白とピンクの魔法少女のコスプレをして、頭にサイズの合わないラーメン丼を被って、筋肉をムキムキさせている感じだ。 そんな『何か』がそこに存在していた。 「――――ぇ」 頭が真っ白になるザビーネ。 三年。 組織に入って三年分の期待が最悪な形で踏みにじられ、今目の前のリアルが認識できない。精神と意思はその姿に木っ端微塵に破壊された。 彼は泣きそうな顔で所在なさげに佇む。 ……。 ……。 ……。 ――な ん だ こ の ク リ ー チ ャ ー は ! 彼があまりの気色悪さに、現実を直視できず何度も目をこすってはそれを見直す。 しかし、その現実は微動だにせず「ニコッ」と白い歯を見せ微笑み返した。 「ひぃぃぃ!」 それだけで彼は心をズタズタに引き裂かれた。 ――な、なんだ、何が起きている! ザビーネの叫びは最もだ。 実はこのおっさん、入る時に容姿の魔法を解いて衣装の方を三割の力で大きくしていたのだ。それだけじゃない。魔術系の攻撃がここでは半減される事を考慮して、肉体強化に全魔力を注いだのである。 そして生まれたのがこのムキムキな魔法少女Oさん。既に魔法少女という言葉が崩壊の危機に瀕している。 しかしザビーネにショックを受けている余裕はない。 彼が混乱に陥っている隙に、の影が迫っていたのだ。彼は、ほのかに香る加齢臭で我に返る。 「ハッ!」 本能的に「逃げなければ」と悟った。 すぐさま踵を反すザビーネ。だが、魔法少女は猿人類の様な跳躍で即座に距離を詰める。 ――ガシッ。 そしてドスの効いた低い声とともに、ザビーネは魔法少女に頭を鷲掴みされた。 「オイ」 「……は、はぃ」 冷や汗を垂らしながら裏返った声で応え、恐る恐る後ろへ振り返る。 「ここじゃあ魔法が半減されるんだってな」 涙目でコクコクと頷く。 「そうか、じゃあ……拳でいいか?」 ザビーネが内股になってチビりそうになるのを必死に堪えながら、いやぁ、いやぁと泣きそうな顔で首を振る。悪の組織の幹部は既に幼児退行を起こしていた。 だが魔法少女にその言葉は届かない。 「らぶり〜、らぶり〜、ぷりてぃ〜、ぷりてぃ〜」 ――ブンッ! ――ブンッ! ――ブンッ! 魔法少女必殺のキュア・アタックの詠唱をオヤジ声で唱えながら、腕をブンブン振り回している。 「ひっさぁ〜つ……」 「た、助け」 「――ッ!!」 半泣きのザビーネの懇願は魔法少女の雄叫びによって書き消された。 凄まじい音をたたて振り抜かれた拳。 宙を舞うザビーネ。 「へぶしっ!」 彼は五mほど離れた地点にそんな声と、鈍い音を立てて落下した。 拳を放った魔法少女も首に手を置き、左右に振ってゴキッ、ゴキッと骨を鳴らしながら落下地点に近付いてくる。 「ぐはぁ……く、くそぉ! なんで、なんで俺がこんな目に!」 しかし殴り飛ばされたザビーネもいよいよスイッチが入った。 ――違う。違う。そう、違うのだ。あれは魔法少女ではない。クリーチャーまたは怪人の類だ。そうに決まってる! ――それが神聖な魔法少女の名を語っていいのか? ――ふざけるな。許されるはずがない。止めなければ。でも誰が? ――俺しかいない。やるしかない。今、俺がここでやらねば誰がやる! 思い込みのちょっと激しい性格のせいか、アニメの見過ぎかは定かではないが、意味不明な使命感を帯びて立ち上がるザビーネ。 これでも一応はビヒモスの幹部。「音速のザビーネ」という二つ名も最近では「ロリコンのザビーネ」に隠れ気味だが存在する。 ――負ける訳にはいかない。許す訳には行かない。あんなクリーチャーが、あんなクリーチャーが、聖なる魔法少女を語って良いはずがない! そう決意して立ち上がる。 ここにVS悪の火蓋が切って落とされる。 ザビーネが柄のない剣を亜空間の底から取り出す。同時に周囲に風が吹き始めた。 「さっきのパンチ、肉体強化をしているのか。確かに凄まじいパワーだな……だがしかし! この俺の速度の前では全ては無意味!」 突風。 そして風塵と共にザビーネが魔法少女の視界から突如消える。超高速で亜空間を変幻自在に飛び回るザビーネ。 竜巻の様な疾風が亜空間に吹き荒れた。 「フハハハハハッ! 捉えられまい。そのままバラバラにしてやるよ!」 剣を振り上げ、その図太い首に狙いを定める。 しかし。 しかし魔法少女は余裕の笑みを浮かべた。 「甘いな。速ければ良いと言うわけではあるまい」 「ならば避けてみろっ!」 剣が図太い首に迫る。 だが魔法少女は徐にスカートに手を伸ばした。 そしてその端をつまみ上げ。 ――チラッ。 「おえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」 魔法少女のパンチラは効果抜群だ。 ザビーネがバランスを崩して、速度そのままに地面を転がり亜空間の端に激突する。 「目がぁ! 目がぁぁぁ!」 両目を押さえてをもんどりうつロリコン。 いくら早くても魔法少女の衣装という意識からやはり、アレに目が行ってしまう。魔法少女のPの前に全ては無に等しかった。 ザビーネが動けなくなっている隙に、魔法少女は被っていたラーメン丼を外す。 「ラーメン丼ぃ・IN・Oさんっ!」 そしてなんと右手に装着した。クリスタルより集いし魔力が丼に集中し始める。今度は魔法少女の周囲に風が起こる。 「ま……まだだ!」 しかしザビーネも立ち上がった。 「ロリコン舐めるなぁ!」 黒マントをはためかせ剣を上段に構えた。そこに亜空間の隅々から魔力が集められ集約していく。 剣と丼。 両者はお互いに魔力を高めあい、それが渦となってぶつかり、弾けあう。 その睨み合いの中で、ザビーネは誰もが言いたかったであろう事を、ついに叫んだ。 「魔法少女はなぁ、魔法少女はなぁ――十二歳以下の可愛い女の子『限・定』なんだよっ!」 ごもっともです。 「その存在ごと消してやる! 食らえ、これが俺の最終奥義!」 ザビーネがそう叫び、尋常じゃない魔力を纏った剣を掲げる。 「幼女! ロリータの名の下に!」 そして振りかぶる。 「俺のが光って唸るぅ!」 そこまでセリフが出て魔法少女は気づく。 「な、これは……Gガンだと!」 一瞬怯む魔法少女。元ネタを知っていたのだ。そしてその破壊力も。 「ハハハッ、覚悟しろクリーチャー!」 ……がしかし、分かっているからこそ立ち向かう手があるわけで。 「おっさん倒せとぉ轟き叫ぶぅ!」 そうザビーネが状態を引き振りかぶった瞬間。 「先手必勝!」 と魔法少女がさっさと攻撃を繰り出す。 「ひーさっっ――え、ちょ、待ってぇぇ!」 セリフを回している隙を突く非道、魔法少女Oさん。セリフ所ではなくなったザビーネも、早口で言いつつ剣を慌てて振り下ろす。 「スターライト・丼!」 「シャ、シャーイニング以下略ぅぅぅ!」 必死にフィンガー・ソードを略すも、やはり丼の方が早い。 ――ブンッ! 腹部に丼が直撃してザビーネの全身を魔力と衝撃が貫いた。 「ぐはぁぁぁぁぁ!」 だが――それだけでは終わらない。 魔法少女はなんとゼロ距離から丼の魔力を打ち込み始める。 「ドライブ! ドライブ! ドライブ! ドライブ! ドライブ! ドライブ! ……」 「うがああああああああぁぁぁぁぁぁぁ……」 一撃目で既に白目を剥いているザビーネに、計二十発のビームが連続で打ち込まれる。ゼロ距離なら魔力半減とかもう関係ないのだ。まさに、鬼畜の所業。 そして最後の二十発目でロリコンは爆発し、その断末魔が亜空間に響き渡った。 ……。 ……。 全てが過ぎ去った後、そこには一人のおっさんだけが立っていた。 ロリコン――合掌。 【エピローグ】 「危ない!」 ジロー君が叫ぶ。突然、亜空間が爆発したのだ。 全員がたたずを飲んで見守る。 そして煙の中から現れたのは他でもない、丸子を抱えた魔法少女の容姿をした魔法少女Oさんだ。 「丸ちゃん!」 「Oさん!」 女の子二人と、使い間一匹は魔法少女に駆け寄った。 一方、ザビーネはというと。 「ザビーネ様! ご無事ですか?」 「魔法少女怖い……怖い……怖いよぉ……」 焦点の合わない目のまま、ずっとうなされている。そのあまりの悲惨さに駆けつけた副官や怪人達が言葉を失う。 「な、中で一体なにが……」 「ひでぇ……人間のする事じゃねぇよ」 副官が叫ぶ。 「おいっ! ザビーネ様をお運びしろ。外見のダメージもそうだが、心にも深い傷負っておられるぞ!」 「教頭先生、ごめんなさい」 屋上の決戦から一時間後。丸子も意識を取り戻し一通り騒動が落ち着き、職員室で教頭がお茶を飲んでいる時だ。三人が揃って謝りに来た。 「いや、まぁ、無事ならいいんだ。あと、ちゃんと避難訓練は出る様に」 教頭はちょっと照れて、説教をする事で照れ隠しをした。 ――は、恥かしい。 そしてさっさと見回りに行こうとする。だがそれを丸子が引き止める。 「あ、あとこれ! 私の宝物なんだけど、あげる!」 そういって顔を赤らめて丸子は走り去った。残りの二人もやっぱり丸子を追う。 丸子の表情を見て、教頭はちょっとだけザビーネの気持ちが分かった気がするが、すぐに被りを振る。 そして貰った宝物をニヤニヤしながら見た。 しかし。 『――魔法少女Oさん参上! ――丸子ちゃんへ』 教頭は色紙を見て泣くに泣けなかった。 だがそれでも、ちょっと苦笑して「額にでも飾るかぁ」と両手で掲げた。 なお、教頭にはこの後にもう一つプレゼントがある。彼は自分がいい年したおっさんだと言う事をまた忘れていたのである。 そう、彼はまだ知らない。 明日襲い来る――全身筋肉痛を。 |
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2010年ゴールデンウィーク企画『ラ研学園祭』 掲載作品
●お題 以下の7つより、作中に3つ以上、文字列として使用して下さい。 「首輪」 「ラーメン丼」 「フライパン」 「アンドロイド」 「特殊部隊」 「片道チケット」 「ビーム」 ●作者コメント こんにちわ。 お題は「ラーメン丼」「幼女」「ビーム」「アンドロイド」です。間に合え!と十回叫んだら出来ました。嘘です。内容はタイトルの通り。イメージはエイリアンVSプレデター(これホント)。 ……実は初コメディで大暴走してます。あまりにも酷かったらすみません。たぶん、最初のタイトルが出る所で笑えたら大丈夫で、逆に「はぁ?」なら作者も正直お勧めしません。赤点炎上しそうな勢いなので。 それではよろしくお願い致します。 *追記 私はロリコンではありません。 ――が、「幼女! 幼女!」と叫ぶお兄さん達は大好きです。 ついでに○さんでもありません。 ――名前が三十路乃だけど二十歳になったばっかりです(汗) お疲れ様です。参加者及び企画運営の皆様、そして主催様にこの場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございましたorz |
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●感想
のり たまごさんの意見 読ませていただきました。 丼かぶって変身ですか! それもおっさん! そして魔法少女。 おっさんのパンチラは想像したくありませんが、あまりの面白さにご飯三杯はいけます。 そして丼のエピソードに茶碗三杯は泣けそうです。 楽しい作品をありがとうございました! ツミキさんの意見 わたしは一体、どんな感想を残せばいいんだ……(ゴクリ というわけで拝読致しました。ええ、なんというか、どこからツッコんだらいいのか真剣に悩んでしまうんですが、どうしましょうかw 正直言って、最初は、なんぞこれ。という感じでした。文体が肌に合わなかった、というのが一番だと思います。全体的に表現がド直球ストレートで飾り気も何もなく、一見して拙い、と感じてしまったんですね。 そして読み進めていく内に、わたしの脳内で恐ろしい化学変化が起こるのです。 変身シーンの直後あたりだったでしょうか、 >「くっ、だって、だって……っハハハハ、キモっ」 これとか、 >「うぇぇぇぇぇぇ」 変身前に笑っていたジロー君がその場に倒れて吐き気を催している。彼のガラスハートはこのおっさんのコスプレの前に砕け散った。 これで、なぜか不覚にも笑ってしまうのです。 いけません、徐々にですが、確実にわたしの脳は汚せ――順応し始めたのです。 そしてビヒモス幹部が現れてからは彼の変態ぶりが妙にツボにはまり、笑う回数も増えていきます。 いえ、それでもだだ滑りしてしまうところもあるんですが、そうなってしまってからは、気になっていた文体が不思議と、「この作品にはこれこそが相応しい」と思わせてきます。 これを狙っていたのかどうかは分かりませんが(笑) 作者さまは恐ろしい御仁だと、わたしを恐怖させたのでした。 はい、大雑把な感想はそんな感じです。 しかし、すべてにおいてゴリ押ししちゃった感じですねw ここまで押し切られるともう何も言えません。やりきりましたねw あの無茶なはずのお題の使い方も、まったく気にならないのだから不思議なものです。逆に一番違和感ないんじゃないかとすら思えます。 ええ、どうしようもなく役に立たない感想になりましたが、このあたりで失礼します。 では、引き続きお祭り盛り上がっていきましょー 玖乃(くの)さんの意見 ふ、震えて名前の欄だけで三度ミスる…… 面白かったです。ありそうでなかった感じの作品でしょうか。 最高に笑いました。 あ、なんかこうやって書くと冷静に見えますが、あの、腹筋痛くてうまく書けないだけでsssう やべえはらいてえ とくに感動したのは、ラーメン丼の底の文字。なんでしょう、ああいうのに弱いです。自分にはできないですw しかし、 読めば読むほどクレバーな作者さまです。読みにくくなりかけたら途端に軌道修正されるテクニックは息をのむばかりです。 (ただ、重箱の隅で申し訳ないですが、逆にその頭の良さがわざわいして作者さまの熱意が常識の範囲でおさまっているようにも感じました。突き抜けてくださいw) いやでも、面白かったです。腹筋いたくなけりゃびっくりマークたくさんつけて感想したかったー では、GW企画感想期間、楽しんでいきましょう!!!!! AQUAさんの意見 読了しました。全体の感想を簡単にまとめさせていただきます。 【文章】 ギャグ百連発、面白かったです。 余計なものはごっそり省き、ただギャグのためだけに文字数を費やした、という感じですね。 この潔さに惚れました。 もちろん、読みやすさもバッチグーです。 【ストーリー】 ネタ系、と一言でいってしまえばそれまでなのですが、本当に最後まで予断を許さない面白さでした。 魔法少女なオッサンとロリコンな敵、基本は二人のアホらしいバトルだけなので、ストーリーも何も……って感じですね。 キャラと設定の勝利、です。 何かツッコミどころを探したのですが、どうもそういう気分になれず、むしろ評価とかご指摘するのもおこがましい。 この作品は黙って「こういうものだ」と受け止めるのが正解なのでしょう……。 一部誤字を見つけたので、ご注意ください。 【お題・舞台】 学園モノとしてど真ん中ではありませんが、しっかり校舎や校内イベントを使い倒しているあたりが上手いと思いました。 お題については、ラーメン丼がど真ん中。あとはナチュラルに溶け込んでました。 【まとめ】 面白かった、の一言に尽きます。 さりげなく作者コメに「幼女」が混ざっているあたりも含め、素晴らしいギャグセンスですね。 この路線でどこまでも走っていただきたく思います。 では、少しでもご参考になれば幸いです。 ※5/14 ご評価につきまして補足 全ての作品を読ませていただいた結果、感想内容・ご評価を再チェックしております。なお、ご評価につきましては以下のような基準にて。 ・ストーリーの完成度(7割) 文章的な読みやすさ/キャラは立っていたか/展開についていけたか/伏線は回収されたか/オチはついていたか、というポイントを無難にクリアしていればプラマイゼロ、どこか気にいったら加点、引っかかったら減点しています。 ・学園&お題への取り組み(3割) 今回は『学園設定&無茶なお題をどこまで上手く取り入れられたか?』を、重要ポイントとしてチェックさせていただきました。こちらも無難ならプラマイゼロ、気に入ったら加点、引っかかったら減点しています。 ・その他フィーリング(基準無し) 上記に当てはまらず心を揺さぶられた場合、加点や減点を。 なお、しっかり読み切れなかったorどうしても点がつけられない作品は、申し訳ありませんが評価外とさせていただきました。orz 巻上つむじさんの意見 はじめまして、あるいはこんにちわ。 読ませていただいたので、感想をと思います。的外れな意見などあると思いますが、取捨選択をお願いいたします。 ○文章 基本的に分かりやすく、かつ丁寧に書かれていました。私が三人称での小説を未だに書いたことがないので、この手腕には唸ってしまういきおいです。むむむ(何がむむむだ! とお返しください)。 で、気になったのは人物の心情を表す時の「――」です。あまりにも多くて、少し文章を読む際に邪魔だなぁと感じるところが結構ありました。こういう規則性がある書き方というのは今までに見たことがないので、これも作者様の個性と言えばそうなのですがね。もちろん、これが点数に影響するということではありませんし、私が少し邪魔臭いと感じてしまっただけですので、聞き流してもらっても構いません。 ○内容 非常に面白かったです。こういうライトノベル調の話を最近読まなかったので、あまりのコミカルさに思わず吹いてしまうところ多数でした。特にロリコンのところとか、ラーメン丼が変身グッズに選ばれちゃう辺りとか、本当に笑えました。モニターの前で笑ったのって、久しぶりな気がします。これでコメディ初挑戦だなんて、本当はコメディを書くために生まれてきたんですよね? 御堂=ロリコンっていうのは、大体御堂再登場の時、明かされる前に一瞬で分かってしまいました。でもこれ、冷静に考えてみれば隠す気ないよね。 物語の最初から最後までコメディで貫き通す姿勢、ご立派です。底に書いてあったメッセージを見ても全然感動できませんでした(もちろん褒め言葉です)。 で、私がこの話で特に評価したいのはやはり導入部分です。 魔法少女0さんという謎が深まるばかりのタイトルをスパッと解決、それでいて笑える。しかも興味を惹く。私にはこんな冒頭、いつまで経っても書けないのだろうなと一人布団を濡らします、しくしく。 あ、それとシャイニングフィンガーソードは熱いですね。っていうかあれ、腕ぶっ壊れるんじゃないかなって思うんです、理論的に。 ○お題、学園モノ どちらもバッチリでしたね。らーめんどんぶり。ラーメン丼という料理ではなくて、こっちで来ましたか。 初めはただのロリ小説だと思って油断しました、見事な初等部の使い方です。 基本的に企画の作品って、あまり感想がついてないのから読むんですが、どうしてこの作品に早々と感想がつかないのか不思議でなりません。冒頭からある地点まで読めば、全部読まずにはいられないほどの中毒性があります。オススメですよ、みなさん。 ということで、褒めてばっかりですいませんが感想終わります。おっさんが出てくる話は企画で当たりなんですね、わかります。 くるくるさんの意見 こんにちは、くるくると申します。拝読しました。 いや、笑いました。 魔法少女とおっさんの組み合わせで、ここまでの笑いを生み出せるとは。 正直、脱帽です。 特に、 >なんというか、白とピンクのゴシック・ロリータを着た、バーコード頭のおっさんが内股でポーズを取り、白目を剥いてぷるぷると痙攣しているのが今の姿だ。 この辺から腹筋が痙攣し始めましたね。そして、 >――チラッ。 この辺でとどめを刺されました。 ……いやあ、現在進行形で腹筋が痛いのなんの。 癖の強い地の文ですが、個人的にはこれも気に入りました。 正直、欠点らしい欠点は、僕には見つけられませんでした。 しいて言えば終盤の展開が予測できたことなんですが、ギャグの勢いで十二分にカバーできていたと思います。 拙い感想ですみません。すこしでも作者様の役に立てば幸いです。それでは、駄文失礼しました。 燕小太郎さんの意見 燕小太郎と申します。拝読しましたので、コメントをしたいと思います。 >聖徳学園 作者様が意識されたのかわかりませんが、念のため。『聖徳学園』って名前の学校は実在するんですけど、今作の聖徳学園は完全な創作ですよね? モデルにしたとかじゃなくて。 >ビヒモスの支部はいかにも悪の組織の基地だ。そしてその玉座にはザビーネと呼ばれるビヒモスの幹部が座っている >ザビーネは鼻からおでこにかけて、目を覆う様なマスクをつけている。それでも端整な顔立ちだと分かる人間の男で、歳も若い。なびかせている黒マントが良く似合っていた。 細かいところで申し訳ないんですが、『座っている』という表現の後に、『なびかせている黒マント』というはおかしく感じます。座っていたらなびいたりしないと思うのですが。 一読しての感想。 面白いんだろうなあ、とは思うのですが、私とはツボが若干ずれていたようです。 おそらくギャグの一つ一つより、視点移動のわかり難さなどから、物語に入り込めなかったように思います。完全な神視点もアリだとは思うのですが、私はちょっと苦手みたいです。 ストーリーについて。 バーコードのおっさんが魔法少女になり、学園を守るために悪の組織のロリコンと戦う話。 一見単純ながら、起承転結、良い人っぽかった御堂先生が実は敵という流れは見事で、参考にさせていただきたい構成でした。チート同然の能力で圧勝というのはバトルであれば良いとはいえませんが、コメディであれば問題ないでしょう。 強いてあげれば、丸子の活躍がもう少しあっても良かったかなという気がしないでもないですが、枚数もあることですので仕方ないと思います。 キャラクターについて カッコいいオッサンは見ていて清々しいですね。ロリコンの悪役も小学生らしさを残す丸子も、それぞれ好感が持てました。キャラクターに関しては指摘するところがないと思います。 その他雑感 やっぱり、視点が一番気になりました。カメラが小刻みに動いて画面が揺れる映画を見ているようで、物語に入り込めなかった印象があります。すらすらと読みながら、『面白いんだろうな』と思いながら読み進めてしまったのは残念です。 基本的には片方の視点で、相手のボケを引き出したい場合は台詞や動作で表現されていれば、もっと面白く読めていたはずなのですが……もちろん私の好みの問題なのですが、やはり残念でした。 他の点で悪い部分はおそらくなかったと思います。素晴らしい物語でした。 拙い感想ですが、少しでも参考になる部分があれば幸いです。それでは、また。 出良さんの意見 こんにちはですー。いや、おはょぅι゙ょかな。 読ませていただいたので感想をば ◎読書直後の感想 面白くてついつい笑ってしまった。もちろんいい意味で。 セリフで笑わせるストレートなギャグが多いと思った。これは滑ると非常にマズイけど、本作は確実に笑いを引き出せていたのですごい。羨ましい。 丸子=◯さんだと勘違いさせる点、私は見事に騙されていました。おっさんだとわかったとき、驚きはしないもののいいエッセンスになっていて好印象。序盤を読ませるためのギミックといった所か。 中盤から最後に到るまで勢いが落ちないのも良かった。 私自身は変化球型の笑いの方が好きなので、わがままをいうならそれが足りなかったと思った。 ◎内容について おっさんやロリコンなど笑いを活かせるキャラ構成。おっさん魔法少女なんて想像するだけでも面白い。それでいて貪欲に笑いを狙う姿勢は素晴らしかった。 しかし「序盤の痩せ気味の教頭→初変身の時ビール腹」など笑いを狙ったがための設定のブレが見られるのは今後気を付けるべき点でしょう。 お題もラーメン丼がいい意味で異彩を放っている。その他二つも違和感なく使えていたと思う。 「幼女」がお題だって? そんなのあったら私は「幼女」「幼女」「幼女」のお題三つで勝負してたさ。割と本気で(笑) ◎誤字、表現 >……好きでやってらそれはそれでマズイって >ロリコンだからださ! 余計な文字があったり、必要な文字がなかったりするのは企画の期限があるため仕方ないか。でもこの手の間違いは、読んだ時に漢字誤変換より気になると思うので気を付けましょう。 表現は、見た限り変なものはなかったです。 ◎まとめetc まぁ細かいことはいいんだよ的な感じで楽しめましたね。私としても、とても参考になる作品で読んで良かったと思えました。 最後に、企画参加おっ加齢さんでした。 つとむューさんの意見 はじめまして、つとむューと申します。 今回、初めて参加させていただきました。 よろしくお願いいたします。 (この感想にはネタバレが含まれています) 【良かったところ】 >「いつもの事ながら、おっさんが魔法少女に変身するって凄い絶望感があるよね……」 やはり、この作品はこの一文につきます。すごいアイディアです。可笑しくてたまりませんでした。 お題も、ラーメン丼はバッチリです。ただ使いこなすだけではなく、ちゃんと細工もしてあったので好印象です。 アンドロイドもビームも実際に出てきました。 あと、この展開で無理に「特殊部隊」が出てこなかったことも、個人的にはかなりポイントが高いです。 【?な点】 >「あの! 私の名前を書いて貰っても良いですか?」 自分の早とちりもあったのですが、普通サインを貰う時って自分の名前を言って貰うので、このシーンでも名前を言ってサインを貰ったと勘違いしてしまいました。 そのため、 >「あれ? なんで小高丸子って私の名前を知ってたんだろ?」 このセリフの意味が最初わからず、困惑してしまいました。 また、このサインをもらうシーンでは、まだ魔法少女の正体が明かされていませんでした。 実は、女の子の名前が「丸子」だったので、 「魔法少女○さん」=「丸子」と勘違いしてこのシーンを読んでいたので、 本当に何が何だか分からなくなってしまいました。 僕のような鈍い人にもわかるように、導入部分をもう少しすっきりしてもらえると良かったと思います。 「避難」が「非難」になるなどの誤字がありました。 また、教頭が40歳というのは、ちょっと若すぎるような気もしました。 拙い感想で、気に障る点などありましたらお許し下さい。 笑える作品、ありがとうございます。 執筆お疲れ様でした。今後のご活躍に期待しています。 殿智さんの意見 企画執筆、お疲れ様です。殿智と申します。 作品拝読しましたので、感想を。 【文章・構成】 コメディとしてテンポよく読め、また魔法少女モノを意識した三人称視点の地の文も作品に合っていたと思います。構成もしっかりとしていて、キャラクターの立ち位置をきちんと提示した上で、無駄なくバトルへと展開されていたのはお見事の一言に尽きます。枚数の制限を最大限に活用なさっているな、と。 細かい部分で気になる点がなかったわけではありませんが、それ以上に先を読ませる勢いがありました。 【キャラクター】 性転換モノというのが流行っているらしい昨今ではありますが、まさかオッサンをロリ少女にするとは……ある意味商業ではできない所業。そこにシビれるあこがれ(以下略 その他ロリキャラが多数出てくるわけですが、その少女たちに関しては特筆すべきことはないですね。丸子という名前が伏線と見せかけて実はなにも関係ない、というのは大胆な采配でしたが、なくてもよかったような気もします。 メインキャラはあくまでオッサンとロリコン。その二人に関しては魅力的に(気持ち悪く)書けていたと思います。 オッサンの気持ち悪い容姿を描く技術に、ただただ感嘆です。 【ストーリー】 構成のところで触れましたが、王道的な魔法少女モノの展開ですね。しかしながら、その主要キャラをいじくっただけで、ここまで面白い(気持ち悪い)物語になるとはw オチはシュールな感じに締められていますが、もう少しインパクトのある締め方でも良かった気がします。 【総評】 面白かったです。読んでいて途中で止まることなく最後まで読めました。 お題に関しても今まで読んだ中で一番面白く自然な使い方をしていたように思います。ただそれだけに『アンドロイド』は少しもったいなかったですね。これをうまく使えていればお題による加点もあったのではないかと。 これを長編にして欲しいだとか、続きが読みたいだとかそういうふうには感じませんでしたが、それは最適な形がこの枚数であるからで、そういう意味では規定枚数に最も合った形で作品が作れているということだと思います。これはなかなかできることじゃないですよね。尊敬です。 褒め尽くしで感想を終えてもよいのですが、蛇足的に、改善案を。 完成された物語ではあると思いますが、作者様の実力を想像するに、文章の点においてはまだ洗練の余地が残っていると思います。ギャグの勢いはそのままに、全体としてもう少し描写をスッキリさせるとさらに読みやすくなるように感じました。 タイトルは悪くはありませんが、最適とは言い難いかな、と。「なんだこれ?」とは思いますが、求心力は弱かったですね。もっと強烈なモノにするか、逆に最高にポップなモノにして「タイトル詐欺」的な笑いを誘うか――このあたりでも作者様のセンスを発揮してもらいたいところです。 以上となります。 個人的な意見も多分に含まれております。ご容赦ください。 それでは、引き続き企画を楽しんでまいりましょう。乱文にて失礼しました。 冗さんの意見 こんにちは。読ませていただきました。 いろいろと細かいところをつついて嫌味なあらさがし感想を投下したかったのですが。 もういいや。しょうがないや。楽しかったんだもの。 私はおっさんフェチでありますので、この作品が魔法少女の皮をかぶったおっさんであるらしいという噂を聞きつけて、いてもたってもいられずワクワクしてやってまいりました。つまり、最初からネタは割れていました。にもかかわらず最初のネタ明かしで笑ってしまったって、これ、どういうことなんでしょうか。 しかも適度なハゲ、適度なメタボ。愛する生徒に煙たがられるという哀愁のジレンマ。おっさん萌えのツボすべてを心地よく圧していき、ラストは「漢らしさ」でくるとは……完敗です。惚れました。結婚してください。作者さまにではないです、教頭です。 ラーメン丼を探すところ、やや失速が気になったかな、ということと、バトルの中で使われていたネタがわからなくて残念だったことだけ、お伝えしておきます。 ごちそうさまでした。結構なおじさまでございました。 執筆お疲れ様でした。次回作も力いっぱい期待しております。 akkさんの意見 『『ラーメン丼+○さん=魔法少女○さん』』読ませていただきました。 感想を書かせていただきますakkと申します。 どうぞよろしくお願いします。 ・タイトル ちょっとゴチャゴチャしすぎてる感じでもありますが、コメディーらしい雰囲気ですので合っています。○は何と読むのだろうと気になりましたが、まさか……とは……。噴きました。 ・お題 (◎○△×) 学園ものかどうか ―― 初等部 ○ ビーム ―― 技 ○ ラーメン丼 ―― 魔法アイテム ◎ アンドロイド ―― 敵 ○ 幼女 ―― !? 実に学園もの。魔法少女は学生だし……と思ってたら、まさかの教頭先生が主人公でびっくりです。ビームは技としてなので及第点です。アンドロイドは敵として少しだけ登場しただけなので普通でした。そして、ラーメン丼の使い方は素晴らしかったです。ラーメン丼を変身用の魔法アイテムにするなんて……アイデアの勝利です。あと、幼女は――ん? そんなお題無いです(笑) 読了しました。 ……ザビーネさん。ロリコンはびょーきです。だからこれはてんちゅーなんです。 さて、内容を追っていきたいと思います。 >この地域一体は陥没する危険がある。 クリスタルを奪われた際の被害は、直接的な被害なんですねw 人の心のなんたらが危険に! とか夢が愛が! とかいう乙女チックな設定ではないようです。 序盤、魔法少女の正体が分かります。私は完全に丸子だと思っていたので、騙されました。冒頭に出てきたおっさんとは! оさんでおっさんと読むとか無茶ですw 最初から主要キャラ(御堂先生も)出てるし、情報の出し方が上手いなぁと思いました。 >大の大人数人を木っ端微塵に吹き飛ばす破壊力。 比喩が何かおかしいです(汗) 大人を粉々にしちゃいけません。わざとですか? 細かい設定が、展開に活かされていて好感が持てました。 たとえば、『魔力九割を使って容姿弄るか、三割使って衣装の方を弄るか』→『後半の力で勝負する』ところに活用できてました。『どうしてラーメン丼が浮かんだか』→『底に書かれている文字→たくさんの丼から一つを見つけるための伏線』とかもお見事です。 終盤の戦闘シーンではかっこ悪いはずのおっさんがかっこよく見えました。魔法少女の服を着たおっさんのパンチラとか破壊力ありすぎですw 最後は筋肉痛というオチも決まった所で終了です。 熱いお話でした。非常に面白かったです。あまり深く考えずに読めて良かったです。 いや、魔法少女も末期です。オーソドックスな魔法少女はすでにやりつくされた感があり、奇を衒わないとオリジナルがないと言われかねないような時代なんだなぁとしみじみ感じました。 正反対のイメージのものを組み合わせることは、実に相性が良く、ギャグ向けの設定になるのですね。伏線のことも勉強になりました。 以上でございます。 執筆お疲れ様でした。少しでも参考になりましたら幸いです。 役に立つ部分と立たない部分はあるかと思いますので、取捨していただけますようお願いいたします。 ほとんどただのエールになってしまいました。至らぬ感想人でごめんなさい。失礼いたしました。 馬やんさんの意見 お祭りワッショーイということでこんにちは。 ようやく地獄の連休から解放されて感想再開でございます。 タイトルを見た瞬間から読もうと決めてました。 遅くなったのは仕事のせいです、もっと早くに読めればよかったと後悔orz おっさんと名のつくものは私から逃れられない運命にあると知りたまえ……!(ぇ さて、まず一言。面白かったです。 ――が、惜しい……!! ものすごく惜しい。構成面では非常にレベルの高いものを感じました。 筋書きと話の流れ、とことんコメディを突き詰めながらもホロリとちょっといい話、オチもしっかり忘れない。これは素晴らしかった。いや、もう負けましたorz ただひとつ惜しいと思ったのは、テンポが悪いこと。です。 まだ今ひとつ書き熟れてない感じで、ところどころ間延びしているように思います。 そのただ一点が非常に惜しかった。 御作は本来ならドッカンドッカン笑えるはずのものだと私は直感します。 実際面白かったですし(いろいろ突っ込むのも野暮だと思えるほどに、ええ。これはすごいことです)、読んで良かったと思えます。 ですが、笑いが途中でくすぶってしまったのも事実でした。 その原因はやはり、文章の拙さであると感じます。 物語から一歩引いた完全な作者語りで、言い回しなどはなかなかコメディセンスが光っていましたねw しかし事が臨場感とか描写の点に及ぶと、少々……、やっぱり、出てくる一言は「もったいない」です。 描写の点では、描写というよりはやや説明的で淡白な印象を受けました。 このままでも悪くはないのですが、勢いがない。やはりコメディは文章のテンポで威力が決まるところがあると私は思います。 テンポの悪さのひとつとして、地の文での突っ込みが少々野暮ったいかなと。 突っ込みどころに関しては、説明せずとも読者が「おいっ!」って言ってくれますから、省いてしまっても問題ないと思うのです。 あるいは、キャラクター同士の掛け合いで上手く処理をするかですね。 この掛け合いで処理、の部分は上手くできているところとそうでないところがあったように思います。掛け合いで処理できているのに地の文で輪をかけているようなところもあったように思えます。 あとは、もうちょい描写に心を砕いて臨場感を意識なさってはどうかと思いました。 もう+10点……といきたかったですが、このテンポの悪さが本来抜群であるはずの面白さを殺している、と評価させていただきます。なので、点数はこのへんで。 多分、ここが改善されればもう+10点どころか、センスによってはあと+20点くらいの楽しさはあります。 魔法少女○さん、熱かった……!! クライマックスの奥義は破壊力抜群でした。 特に「そうか、じゃあ……拳でいいか?」は最高でしたね。 想像するとモザイク必至な事態ではあるはずが、不覚にもあの一言は「やべ、カッコいい何でだ俺は変態なのか」と嫌な汗をかきました。 今のところ、個人的に優勝候補として推したい。 それくらいのポテンシャルを秘めた作品でした。 ご馳走様、と言わせていただきます(-人-) それでは、お祭りまだまだ楽しんでいきましょう! 兵藤晴佳さんの意見 バカネタもここに極まれりという良作です。 魔法少女に変身するオッサン。ロリコン悪の組織との不毛な対決。 笑えるのになぜか哀しい。 後半やってることはマトモに読んでるのがバカバカしくなるくらいどうでもいいのですが、前半でしっかりツボを押さえているので全く問題にはなりません。 楽しませていただきました。ありがとうございました。 正田いおりさんの意見 こんばんは。正田いおりと申します。 あまりまとまっていないかもしれませんが、感想です。 大きなネタバレを含みます。 とにかく笑いました。 特にOさんとザビーネの最後の対決の所では、二〜三行読むごとに大笑いしながら楽しく読ませていただきました。本当にありがとうございます。 笑いの中に少しシリアスが入っていて、それがさらに面白さをつくりだしていると感じました。 >――なんでもいい。学園を守れるのなら、私しかいないのなら……やるしかない! や、 >「……分かった。私の羞恥心くらいでどうにかなるのなら安いものだ。被ろうじゃないか」 や、 >「私の大事な生徒が人質に取られているのだ。ここで行かねば教師をやってる意味がない!」 や、 >――引けないんだよ。私は。 や、 > ――教頭先生、今まで叱ってくれてありがとう! > > 卒業生達からのメッセージである。 等の辺りで、教頭先生の教師人生が凝縮されていると思います。 おっさんが魔法少女をするという光景は笑えますが、その動機はとても熱く、かっこいいです。 最初、タイトルの読み方がわかりませんでした。 多分「○さん」は「まるさん」かなと思ったら違いました。 「まるさん」と思い込んでいたため、丸子が魔法少女かと思っていました。 正体が教頭先生の方だと分かった時に驚き、笑いました。 仕掛けにひっかかりました。お見事です。 「【六、魔法少女《おっさん》VS悪の組織幹部《ロリコン》】」 魔法少女VS悪の組織幹部 というのと、おっさんVSロリコン というルビがとても効果的にあわさっていると思います。ギャップがすごいです。 このタイトル一文だけでかなり笑いました。 Oさんの正体をピタリと当てたのに、そのせいで自信消失してしまったドクター・ジョニー(ジュニー……では多分ないですよね?)に同情します。 出番ないわりには印象的でした。 >まさか丼が変身アイテムだとバレるのは正直僕も予想外だった 私もまさにそう思います。普通はまず分からないだろうと私も思います。 ドクター・ジョニーすごいです。(一体どうやって分かったのか詳しく知りたいかもしれません) 最後の一文、オチでまた笑いました。確かにそうだなと納得しました。 ひょっとしたら人を選ぶかもしれないかなとは思いましたが、私の好みにまさにぴったりでした。ツボでした。ありがとうございます。 読ませていただきまして、ありがとうございます。面白かったです。 乾燥柿さんの意見 おはようございます、読ませていただきました。 はなはだ勝手ではございますが、本作を個人的に探しておりますナイスラーメン作品の暫定一位とさせていただきたい。ちなみに私が勝手にやっとる事で、非公認非公式なものです。 しばらくはナイスラーメニスト(暫定)と呼ばせてくださいませ。 ストーリーは魔法少女に変身する禿頭もとい教頭先生モノ。作者様のおっしゃるように本文に書かれたタイトルの箇所で吹きました。 とはいうものの、よく訓練されたラ研感想人諸氏の皆様の眼力にかかれば、きょうび美少女や幼女や魔法少女の正体が女の子な訳がないことなど先刻ご承知おきのことなのではないかと思われます。かく言う私は何の訓練も改造も施されていない生粋の素人ではございますが、それでも魔法少女でおっさん余裕でした。にもかかわらずOで笑ったよw あくまで個人的意見ですが、本企画において今まで読ませていただきました作品の中では最もラーメン丼を活用されていたように感じました。被るのはまあ思いつきがちなネタとしても(丼で変身もまあありきたり)、丼のお印への着目とホロリとさせるエピソードはすばらしいですな。今回の企画でラーメン丼を使われている方の一体どれほどが実際の丼を手にされたのでしょう。作者様はさぞなめ回すようにじっくりねっとりと丼をご覧になったに違いありません。ラ王の容器で代用してた我が身が誠に恥ずかしい限りでございます。 が、面白かったのも亜空間に入った直後まで、個人的にはロリコンはあそこでもうやられちゃった方が良かったのではないかと思います。なんだか無意味に戦闘が長引いた感じ。Gガンネタとか出しちゃった時点で作品の背後からリアルおっさん(=作者様)の姿がチラ見えます。 読者が本作に期待するのは多分バトルじゃないのではないかと。もしバトルがないと面白くないのであれば、それはそもそも本作の設定に魅力が皆無(作者様も持てあましている)だからなのではないでしょうか。 個人的には使ってない教師設定を生かして欲しかったなと思います。ロリコンを見てかつての教え子だったことを思い出し、教え諭していく、なんかだとよりよかったように思います。でないと学園要素無k(ry 永遠さんの意見 御作、拝読いたしました。 今回、タイトルについては思いっきり誤読していました。 いやはやそういうことだとは……被っちゃったんですね、「ラーメン丼」。 このあたり、お題の使い方として秀逸な部分を感じると共に、思わず画を想像してしまい、妙な気持ちになりました。 魔法少女の変身シーンに至っては、何をかいわんやといった感じです。 ただ、こうしてみると御作は文章の配置が的確であり、例えばこのように書いたときに 読者に対してどのようなイメージを喚起するのか――という点から見ても優れていると感じました。 コメディをよく研究なさっているといった印象です。 それに組織の敵も……正直、アホすぎて笑うしかありません。 ここまでおバカだと、逆にキャラとしていとおしく感じられてきますね。しかし、そこは悪の組織。 ロリコン幹部のようにアホなキャラがいる一方で、ドクターのように恐るべき解析を行う人物もいるのです。 決して戦闘にかまけるあまり、他の描写をおろそかにするといったことはしていない。 この点から鑑みても相当の書き手であると感じます。 ここまで書いてきたイメージでは、御作は笑い一辺倒のお話かとも思われるのですが、決してそんなこともなく。 現実世界で、教頭先生もしっかりいいところを見せていたというわけなのですね。 総じてこの作品は正統派漫才とも言えるものに仕上がっていると感じました。 というわけで、読むのは……一瞬でした。今企画の中では最速記録更新かもしれません。 つまり、それほどによかったということです。企画執筆、お疲れ様でした。 たこさんの意見 約束通り(勝手にですが)感想書きにきましたw といってももう感想が出尽くした感じがあるので、ほとんど読了した報告となります。 ○よかったと思うところ 正直笑いましたw バカだこの人(ほめています)と思いながら読みましたw 僕もこのくらいバカだと思われる作品を書いてみたいです(ほめています。気分を害したらすみません)。 特にロリコンを成敗するところです。初めてラーメン丼を被るところも笑いましたがw それと丸子には見事に引っかかりました。やりますねえw とにかく、終始にやにや笑ってばかりでした。ちくせう、やられました! ○残念だと思ったところ ありません。参りました! ちょっと言うなら読者を選ぶなあといったところでしょうか。それはこの作品の宿命みたいなものでしょうか。でも関係ない! 僕は笑ったんだ! 以上です! 本当に感想ですみません。分析とかできないんです……。とにかく面白かったです! ありがとうございました! |
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