↑目次へ戻る |
時載りリンネ!
200万字の本を読むことでたった1秒だけ、時を止めることができる一族“時載り”。 バベルの塔に住み、本を摂取することで生きている彼らだが、 わざわざ人間界にやってくる変わり者もいる― それが僕の隣の家に住む幼なじみの少女・リンネだ。 「わくわくするような大冒険がしたいな」というリンネの一言により僕らは、 時間を自由にまたぎ歴史の中に住む死の集団“時砕き”が所有する、 “誰にも読めない本”を巡る冒険を始める。
200万字読むごとに1秒間時を止める事ができる「時載り」と呼ばれる種族の女の子・リンネと、 リンネの隣家に住む幼馴染の男の子・久高の「わくわくするような大冒険」のお話です。 とにかく、3巻まで読んでみてください。 今(2009年8月)現在、5巻まで出版されているシリーズ中、傑作は3巻だと思っています。 1、2巻と違ってバトルシーンは殆ど無く、全体的に児童文学の雰囲気が漂っているのですが、 これが時載りリンネ!の世界観にすごくぴったりなんです。 私が児童文学好きというのもあるかもしれませんが……。 主人公とヒロイン共に小学生、というのもラノベにしては珍しいかな、と思いますので、 児童文学好きな方は、ぜひ。 正直に言うと、1、2巻はそれほどでも無いのですが、 3巻以降格段に面白くなっていく作品だと思います。 長編の5巻も良い雰囲気ですし、短編集の4巻も楽しいです。 クドイようですが、読み始められた方は、とにかく3巻まで読んでみてください。 この作品の良さが分かると思いますので。 お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか? ヒロインの、箕作リンネ・メイエルホリドです。 小学生らしく素直で元気いっぱいで、でもちょっとだけ背伸びしたい年頃で、 幼馴染の久高と仲良しで……ものすごく可愛いです。 こんな女の子が妹だったら、きっと仲良くなれそうだなと思ってしまいます。 この作品の欠点、残念なところはどこですか? 1巻の最初のあたりが、ややハルヒシリーズに似ている事でしょうか。 ハルヒは大好きな作品なので、最初にリンネの1巻を読んだときは何とも微妙な気持ちになりました。 やっぱり自分が好きな作品と似ている作品というのは……あまり気分の良いものではないんですよね。 恐らく「楽しいことがしたい」というリンネのキャラクターがハルヒと被って見えてしまう事と、 主人公の一人称で物語が展開されていく事が、私がそう思ってしまった原因だと思われます。 ただ読み進めていくとストーリーもキャラクターもハルヒシリーズとは全く違うものですし、 「リンネとハルヒが似ている」と感じるのも1巻の前半だけですので、あまり問題は無いかと思います。
理由は「文章がしっかりしてそうだった」から。そしたら当たりでした。 アン・マキャフリーが子供向けに書いたファンタジーとかと似た、 (『天より授かりしもの』しか読んだことがありませんけど) 暖かで優しいにおいがします(天日干しフトンや淹れたてココアとクッキーみたいな)。 ほんわかした温かみのある日常描写が極上、優しさに満ちたファンタジーです。 消費される小説というより、ロングセラーを狙うタイプの作品だと思います。 (あまり古本で出回っていないのは、読者が売りたがらないのも理由の一つなのかもしれません)。 安易に「萌え」ばかりに走るようなアザトサがなくて、 純粋にカワイイばかりです(これは作者の性格なのでしょうか)。 絵柄もしゃれていて、独特の愛らしさがあります(話の内容にとてもあってます)。 すげー趣味いいなーと感じました。 まだ二巻と三巻しか読んでいませんが、機会があったら他の巻も読んでみたいです。 (上で妃芽さん推奨の第三巻は、これまた独特の良さが濃厚かと。 物語が進んでいくにつれ、「時」と「言葉」というテーマがはっきりと表れてきて、 「時載りってそういう存在だったのか」「なるほど」とうなずかされます) お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか? あえて意表を突き、ねはん君(箕作涅槃、リンネの弟)が一押し。 「ダルタニヤンごっこ」でやられました。 リンネよりカワイイかも。 それとリンネに忠実な久高にもエールを(将来苦労するかも)。 この作品の欠点、残念なところはどこですか? 部分的にしか読んでいないのでなんともいえませんが、 リンネが世界で七人しかいない「時砕き」である必然性が薄い気がするあたりです。 (もともと子供の冒険談ですし) もっと大きな保安組織、時載り警察とかの見習いでも良かったんじゃないかなーと。 他の時砕きにしても「死の集団」なんて言う割にほんわかしていますし。 (実質的には「強力すぎる大魔法使い」の方が正しい気がします)。 作者さんは邪気がなさすぎて「争い」を描くに向いていないみたいですし、無理することなかったのにと。 大人から子供まで楽しめる内容なのに、言葉などがやや難しいことがあるので、 小さな子供には読みづらいかも。 もしもうちょっと平易な外国語にでも訳されることがあれば、外国でも広く読まれるかもしれません。
|
|||||||||
|
|||
その小説、105円で売られているかも…… |
↑目次へ戻る |