![]() |
↑目次へ戻る | ![]() |
![]() |
|||||||||||||||||||||||||||||||
煌夜祭
十八諸島の世界を巡り、世界各地で話を集め、他の土地へと伝え歩く。 それが我ら語り部の生業。冬至の夜、我らは島主の館に集い、夜を通じて話をする。 それが煌夜祭―年に一度の語り部の祭。 お話ししよう。 夜空を焦がす煌夜祭の炎壇でも照らすことの出来ない、真の闇に隠された恐ろしい魔物の物語を…… 廃墟となった島主の館で、今年もまた二人だけの煌夜祭が始まった―! 第2回C・NOVELS大賞受賞作。
最初から最後の話まで、1話1話が、独立した話として語られるのですが、その殆どが繋がっている。 終章へと向けて。壮大な物語を紡ぐように。 そう、世界には無駄な物など無く、全ての物に意味が有るように。 自分がもっと良かったと思うのは、多少ネタバレが入りますが、個人の救い。 という点に、最後はきっちり焦点が当てられていくのがいいなぁと思いまして。 努力し、友情による救いを得て、そして、その結果に勝利を掴むという落ちも好きですが、 この話は自分たちは苦しみ抜き、夢破れてしまうけれど、 その存在に意味が有るんだよとそう伝えていてくれる。 そんな点が凄くいいなと。
やっぱり……女性は強い、ですよね。
此方で紹介されているギャップキャラですね。 例えば、茅田砂胡作品における、リィさんやジャスミンさんなど。 それは等身大の人と言えるかもしれませんが。 二つ目は定形化されたファンタジー世界観、例えば、フォーチュンクエストのようなもの、ではなく、 作者さんが独自にアイディアを足し込んだ世界観なので、 一回目に読んだときには世界観が少々掴みにくいかもしれませんね。 その代わり、繰り返し読むのに向いた本だと思います。
![]() |
|||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
![]() |
|||||||||||||||||||||||||||||||
ゴクドーくん漫遊記
俺の名は、ゴクドー。正しくはゴクドー・ユーコット・キカンスキー。 当年とって16歳の将来性ある若者だ。 放浪の冒険者ってとこだが、そのうちでっかい山を当てて、大金持ちになってやる予定なのである。 富豪のボディガードのバイトでちょいと稼いだ俺は、気持ちよく酒場で1杯ひっかけていた。 そこに小汚いババアが現われ、こともあろうにこの俺にいいくさった。 「おまえさん、命を狙われとるぞ」 こいつに出会ったおかげで、俺はとんでもない陰謀に巻き込まれてしまう。 超RPGコメディ、いよいよ登場。
ライトノベルの男性主人公は、特に一人称の場合、世界と事件の解説役を担うため、 ややもすると空気扱いになりがち。 しかしこの作品は、物語の語り手である主人公こそが異世界へ読者をいざない、 常識ハズレの主観で事件を振り回しまくる。 こういうタイプはあるようでいてなかなか少ない。 多くのライトノベルはヒロインや別のキーパーソンを軸に事件が展開され、 主人公はそれに巻き込まれていくからだ。 (傑作と名高いフルメタルパニックなども、 主人公そのものがエンタメの中核という点でゴクドーくんシリーズと類似している) キャラクターや世界観はコミカルの力押しだが、エンタメとしてはそれが清清しい。 また、電撃から出ている外伝ではゴクドーくんが主人公であってはなしえない、 センチメンタルを基調とした展開を見せるのも嬉しいところである。 ![]() ゴクドーくん、ルーベット、プリンス。 この三人はとてもいいトリオです。 ![]() 悪童エンタメを徹底しきれず、変に道徳的なメッセージを落ちに持ってくることが多い点。 作者が「プロットなんか作っていない」と公言しているように、 序盤のテンションと収束の方向が若干食い違う場面が多々あった。
今では書店で見かけることはほぼ無くなりましたが、古本屋では大抵見かけるシリーズです。 この作品の最大の特徴は、自分の欲望に素直すぎる登場人物達でしょうか。 はっきり言って、数あるライトノベルの中でも、金のために即決で敵に寝返ったり、 ヒロインを酔いつぶして売り払うなど、 その他様々な自分勝手な行動をする主人公やキャラクターを私は知りません。 小難しい建前など気にせず、本音で生きていこうぜ。と思わされる一品。 悪い言い方をしますが、「よくあるイイ子ちゃんな主人公には飽きたぜ」 といった方にピッタリの作品です。 こういう言い方をすると誤解を招きそうですが。 「私はこの本を読んで新たな世界に目覚めました」 うん、間違ったことは言ってない(たぶん) 古本屋なら割と手に入りやすいので、一冊道でしょうか? 最後に、この作品は9割ギャグで1割がシリアス? です ![]() 主人公のゴクドー・ユーコット・キカンスキーですかね。 正直、それまで持っていた主人公観がぶちこわされました。 ここまで自分に素直に生きている主人公は初めて、彼はいろんな意味で最高だと思います。 ![]() 特に思いつかなかったのですが、あえて言うならば 「小学生レベルのお下品さ」 としか言いようのない所でしょうか。 自分は気にならなかったのですが、気にする人は気にするところだと。
2012/10/22
![]() |
|||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
![]() |
|||||||||||||||||||||||||||||||
皇国の守護者
氷雪舞う「皇国」最北の地に鋼の奔流が押し寄せた。 最新の装備に身を固めた「帝国」軍の破竹の進撃に「皇国」軍は為す術なく壊走する。 敵情偵察を命じられた殿軍の兵站将校、新城中尉は僚友の為、 剣牙虎の千早と共に死力を尽くし、敵の猛攻に立ち向かうが……
この作者独特の皮肉がかかったセリフ。 凶悪な展開。多分に含まれた諧謔。そして、ほんの少しの優しさ。 組織の中であがき続ける人間、組織を徹底的に自らのために利用する人間、 様々な人間がおりなす第一級の異世界戦記。 漫画版も含めてとにかく読め! と言える面白さです。
極悪で凶暴で倣岸で嫉妬深く執念深く小心者で臆病者で、 勇気があり知恵がまわり状況判断力があり義務に忠実。そして、有能。 複雑、いや、奇怪極まりない人物。そんな人物だからこそいい!
それとお世辞にも女性キャラをキチンと書いているとは言い難いところ、ですかな……
![]() |
|||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
![]() |
|||
|
|||
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
トップへ戻る | ![]() |