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ごめんなさい。やっぱり私はあいつと戦います

ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ

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 ○読者投票結果
 最高です!一押し。 98
 おもしろいです! 48
 なかなか良いです 23
 ふつうです 2
 イマイチです 2
 おもしろくないです。 3
 買うと損します。 3

ジャンル学園
著者滝本竜彦
初版発行 2001年 12月
角川書店
価格(第1巻)514円 (税込:540円)
ケイ素さん(男性・18歳) Y氏さん(男性・19歳) 蓮月さん(男性・21歳)一押し!

■ 解説                               
 
 「ごめんなさい。やっぱり私はあいつと戦います」
 平凡な高校生・山本陽介の前に現れたセーラー服の美少女・雪崎絵理。
 彼女が夜な夜な戦うのは、チェーンソーを振り回す不死身の男。
 何のために戦っているのかわからない。
 が、とにかく奴を倒さなければ世界に希望はない。
 目的のない青春の日々を“チェーンソー男”との戦いに消費していく陽介と絵理。
 日常と非日常の狭間の中、
 次第に距離が近づきつつあった二人に迫る、別れ、そして最終決戦。
 次世代文学の旗手・滝本竜彦のデビュー作、待望の文庫化。

 単行本として出版された、
 第5回角川学園小説大賞・特別賞受賞作品
を、文庫化したものです。


■ ケイ素さんの書評                       

 私がライトノベルを読み始めたのは、この小説がきっかけといっても過言ではありません。

 この本を読んでからラノベの魅力に取り付かれ、はまっていきました。
 この本は、それだけの力がある本です。
 
 ヒロインの雪崎絵理は悪と戦うツンデレ美少女。
 主人公は何にも出来ない高校生山本。この二人を中心に話は進んでいきます。
 
 この本は何かをやりたいけれど何がしたいのか、
 何が出来るのか分からない高校生の心理をうまく描いています。
 そういう高校生にぜひ読んでもらいたい本です。
 

 ともかく面白い話で、最後の手紙のシーンは最高です。ぜひ読んでください。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 山本陽介。
 最後はへたれじゃなく、男を見せます。
 かっこよい。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 強いて言うなら映画が残念だった。



■ Y氏さんの書評                         

 冴えない高校生、山本陽介は、スーパーから牛肉を万引きして帰る途中、
 雪道にひとり座り込んでいる美少女を発見する。
 妙な好奇心を発揮して声をかけた山本に、謎の美少女は平然と言い放つ。

『帰らないと、死ぬわよ』

 そして夜のしじまに突如響き渡るチェーンソーの爆音!
 突如立ち上がり、チェーンソー男にスローイングナイフを投擲する美少女!
 突如強烈な正義感が沸き起こり、万引きした牛肉を投げつける山本! 
 謎の巨悪、チェーンソー男とは何者なのか。
 謎の美少女、雪崎絵理はなぜチェーンソー男と戦うのか。
 山本は絵理を救うことが出来るのか?! ノンストップの青春アドベンチャー。

 ……と書いてみたものの、本作品は血湧き肉踊るバイオレンスノベルではない。
 いや、もしこの小説が有り体のアクションや紋切り型のバイオレンスを扱った作品であったならば、
 本作品が文学界に新風を呼び込む傑作とはならなかったと断言できる。

 あなたは『悪』というものがなんなのかと考えたことがあるだろうか? 

 『悪』とは他者の幸せを阻んだり、奪ったりする行為を指す。
 そんな巨悪が日々、あなたやあなたの身の回りの人間の幸せを奪っているのだと知ったら、
 あなたはどうするだろう。そんなものだと納得して日々を生きるだろうか。
 それとも、自己を守るため、あるいは他者を守るため、その巨悪の権化と戦おうとするだろうか。

 ヒロイン雪崎絵理は後者を選んだ。
 孤独に、妥協せず戦い、自分を今の状況へ追い込んだ悪と戦おうとする。
 山本はそんな彼女を支え、励まし、やがて彼女を戦いの日々から救い出そうと足掻き始める。
 その両者の姿がたまらなく不器用で青く、そしてほほえましいのである。

 あえて話を広げすぎないやり方は、
 『俺はこれが書きたいんだ』という著者の絶叫であるのがはっきりとわかる。
 この頑固なテーマ性こそが、この小説が青春ノベルの金字塔たる所以である。


 もっと無責任に、もっとスマートに生きればいいのに。
 そんな言葉はいくら言ったところで聞こえるはずがない。
 逃げることも恐れることもチェーンソー男は許してくれない。
 チェーンソー男は圧倒的に『悪』で、主人公らは圧倒的に若いのだ。

 ぶつかった中から学びもし、転んだ痛みから育ちもする。
 青春には、人間を面倒な方向へと転げさせる不思議な魔力がある。
 そんな青春の魔力を信じる人は、一度この本を手に取って読まれるといいだろう。
 倒すべき自分にとっての『悪』に立ち向かってゆく力が湧いてくるかもしれない。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 渡辺。

 『俺には才能がある』と吹きまわってはいろいろなものに手を出し、
 結局挫折する主人公の親友・渡辺は典型的な負け組の人間であるが、
 そのくせ他人のサポート忘れないため、なんでんかんでん人から信頼されるタイプの男である。
 本作品で彼は己のうちに眠る眠れる才能にやっと気づき始めるのだが、果たして――?


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 物語の最後半が弱く、もっとクセのある終わり方でもよかったとも思う。

 が、結局は人の好き好きだろう。
 もしも『この終わり方でよい』という人がいたならば、
 私にはこの物語を楽しむ力が足りなかったのだと素直に認めざるを得ない。



■ 蓮月さんの書評                        

 冒頭から意味がわかりません。
 とにかく意味のわからないまま文章は進んでいきます。


 女子高生が闘ってたり、主人公は何もしなかったり、意味のわからないキャラが出てきたり。
 その意味のわからなさが引きつけるのか、
 自然と視線を進めていけて、飽きることなく読み終えることが出来ました。
 これはただの暗い、それこそネガティブなだけの話ではありません。

 ほんのりとエッセンスが加えられていて、ちょっぴり感動できます。

 ライトノベルの範疇からはみ出ている不思議な世界観ですが、何の問題もありません。
 これぞ滝本ワールドです。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 雪崎絵理です。

 強情を張っているような、素直じゃないところがなんともいいです。
 たまに見せる彼女のなにげない寂しげな素振りがこれまた良いです。


■ 一言感想                           

・この作品は、なんと言っても冒頭文から迫力があります。
 いきなりチェーンソーを振り回す男、それに立ち向かうセーラー服の美少女。
 この、スリル満点の緊迫感! たまらないです。


■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)     

最高です!一押し。
おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
ふつうです。
イマイチです。
おもしろくないです。
買うと損します。


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