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銀河英雄伝説
宇宙暦八世紀、人類は二陣営に分かれていた。 銀河帝国VS.自由惑星同盟。 若き二人の天才の出現がその均衡を破った。 帝国軍上級大将・ラインハルト、そして同盟軍きっての用兵家ヤン・ウェンリー。 帝国軍は反旗をひるがえす同盟に向けて遠征を開始する。 迎え撃つ同盟軍。アスターテにおいて両軍は激突した! それは二人が宿命のライバルとなる戦いの幕開けでもあった……
各巻の解説でも論じられていることだが、機動戦士ガンダムに通じるところがある。 ガンダムが画期的だったのは、人類VS宇宙人でなく、人類VS人類を描いたところ。 これってよく考えてみると、人類の歴史そのもの。だからそれ故に難しい。 倒すべき敵は立場によって違うし、それぞれの正義も違う。でも現実に限りなく近い。 絶対的な敵なんてどこにもいないのだから。 長い血統による独裁と貴族達の富の独占による帝国の腐敗。 また、政治の形として最高のはずの民主主義が、衆愚政治と軍事政策で腐敗している。 二つの国の状態は、歴史をひもとけば(あるいはひもとかなくても)いくらでも存在してる。 そんな中で革新をめざし自ら進んでいくラインハルトと、いやいやながら担ぎ出されて進んでいくヤン。 対称的な二人のそれぞれの信念に、サブキャラクター達の皮肉やユーモアに、世界の様相をみる。 キルヒアイス提督。 以下ネタバレです! ラインハルトが息子にジークフリードってつけたときは不覚にも泣いた。 なんで死んじゃったんだようー、しかも二巻で! 十五冊もあるのに一巻一巻が高い。八百円位する。 でも帯の紹介文がかっこいいから新品を買った。完全にのせられている…。
多少ネタばれを含みますが… 腐敗した専制国家に生まれ、それを打倒し新たな帝国を創り治めるラインハルト。 腐敗した民主主義でも、独裁者は性に合わないと従うヤン・ウェンリー。 この二人の軍事的天才を中心に繰り広げられる戦いの中で、色々なことを考えさせられました。 また二つの国と人物の対比が上手なのです。 イメージ的に、帝国軍=ドイツ 同盟軍=アメリカ。 100人は軽く越える登場人物のそれぞれの思惑や行動、 魅力を端的な文章で印象的に鮮やかに描きる描写力に圧倒されました。 ヤン・ウェンリーです。 この人の矛盾について考えると思考の迷路に陥ります。 軍隊・戦争嫌いの戦争上手。常に勝ち続けながら負ける展開。 戦術が上手な戦略家(逆にラインハルトは戦略を実行できた戦術家。 彼ならば一度ヤンと互角で勝負してみたかったに違いない)。 人間不信の人間好きで博愛主義な孤独人(深読みすればですが) このアンバランスさと芯の通った反骨精神。それで居て怠け者で優しい姿に和むのです。 最初の50Pの世界観説明と二巻まで読んで挫折する人が多いことでしょうか…。 3巻に手をつけたら最後までノンストップです!挫折した人、リトライプリーズ! 科学考証はよく突っ込まれますが、凄く枝葉ごとというか…私はまったく気になりませんでした。
とにかくオススメです。読んだ事無い人はぜひ読んでください。 とにかく素晴らしいのはキャラクター達でしょう。 この物語は全十巻ですが、様々なキャラクターが出ます。 そしてなによりすごいのは、その大部分のキャラクターが印象的なのです。 物書きとして、良くここまでキャラクターを出せる物だなと、ただ感心するばかりです。 いや、もう誰でしょう?(笑) たくさんキャラクターがいて、絞りにくいです。 でもあえて一人と言うなら、オーベルシュタインでしょうか。 友人にもしたく無いですし、部下にもしたく無い。当然上司もいやだ。 しかし遠くから見てみたい。そんな感じのキャラですね。(まったく分かりにくい説明すいません) いわゆる謀略方の人間ですが、その生き方にはすじが通っています。 そこに魅力を感じるのでしょう。 欠点ですか……うーんこの作品はSFなのですが、 科学考証にかなりの無理があると、昔から言われていました。 しかし、それでもそのマイナスを大きくカバーするほどの魅力があります。 あと、文体がやや硬い。それだけでしょうか?
しかもこのシリーズを読んで『十二国記』を思いついたんだとか! 『十二国記』ファンも必見です。
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