第4研究室 創作に関するQ&A 27P | トップへ戻る |
吾妻 空哉さんからの質問 2007年
 キャラクターを活かすためには?

 はじめまして。
 タイトル通り、キャラクターについてなんですが、
 どうしても、キャラクターの性格が確立しないんです。
 キャラクターの癖や性格、過去なんかはしっかり設定してあります。
 何故キャラクターが確立しないか、という点を考えて分かったことは、
 設定した癖や性格が文章に表れてないということです。
 表す事ができないんです。
 ユニークで、その人の過去に絡んだ癖でも、その癖を出す場が話の中で作れないんです。
 これは自分でどうにかしなきゃいかんだけかもしれませんが、
 なにか打開策があればお願いします……。


●答え●

 私は二次創作小説を作っておりますが、二次創作のキャラを動かすのは楽です。
 二次創作をやっていて吾妻さんのような悩みを持ったことはありません。
 なぜなら、どんな人物であるか、すでにイメージが確立できているからです。


 口調、態度、性格、容姿、嗜好から趣味に至るまでのすべての情報が網羅され、
 完成された人物像がバッチリ頭の中にあるのですから、楽で当たり前ですよね(笑)。
 それで、この前、オリジナル小説をつらつら作ってみたのですが、

 オリジナル小説を作るのは、ホント難しいと痛感しました。
 なぜなら、キャラクターのイメージがカオス状態で確立できていないから(汗)。


 大まかな設定を考えてから執筆に入りますが、
 二次創作のキャラとは違い、自分で一から考えたキャラというのは、
 最初は、なにかまとまらない、ぼや〜〜っとしたイメージになっているのですね。
 で、このあやふやなイメージのまま登場人物を動かそうとすると、
 なにか不自然なギクシャクした感じになってしまいます。
 でも書いているウチに、だんだんとイメージが固まってきて、
 よし、コイツはこういうキャラでいこう! というのが決まってきます。
 すると、だんだんぎこちなさが外れてきて、うまく動かせるようになってきます。
 そうしたら、キャラの登場シーンまで戻って不自然な部分を改稿してから、執筆を先に進めます。
 
 こうやって試行錯誤の末、確立されたキャラというのは、
 最初に決めた設定とは大なり小なり外れたものになります。
 せっかく事前に考えたアイディアがまとめて没になってしまうこともあります(涙)。
 でも、それで良いんです。
 事前の設定にこだわりすぎると、それがキャラクターの足かせになって、
 自由に動かせなくなってしまう、ストーリーに制約ができてしまうというデメリットがあります。
 設定通りのキャラクターを作ろうなどとは思わず、
 小説を描いていく中でイメージを固めていくのも良いのではないでしょうか?
 登場人物の癖を出す場面を考えられなかったら、
 そもそもそんな癖など最初から無いことにしても良いと思います。
 癖を出す場面が挿入できないということは、
 その癖はストーリーには関係してこないということですよね。
 ストーリーに関係してこない設定に無理にこだわる必要はありません。

 参考までにこんな話を……
 漫画「鋼の錬金術師」の作者・荒川 弘さんは、師匠である衛藤ヒロユキ師から
 「データの数値を決めると自由度が落ちる」と言われたこともあって、
 キャラクターの誕生日とかスリーサイズとか、血液型とか、
 ストーリーに関係してこない細かい設定は決めていないそうです。
 主人公の誕生日に限ってだけ、ストーリーに関係してくるため「冬」と決めているそうです。
 (「鋼の錬金術師」12巻・あとがき参照)

 
通りすがりeさんからの意見
 (通式儀礼)ダンロップフェニックストーナメントを見ながら通りすがります。
 普通すぎる……まあ、いいか。

 本題です。
 キャラクターの癖、性格、過去が本当にしっかりしているのなら、
 崩れることはあまりないと思いますが……しっかりとはどれくらいなのでしょうか。
 癖が過去に絡んでいて、性格にも過去が影響を与えるでしょうから……

 もしかすると、過去が設定としてしか機能していないのだと思います。
 癖や性格と同列に並べているのではないでしょうか。

 キャラクターを確立させるなら、過去が重要なのです。
 それこそ、過去だけで短編になるくらいのしっかりとした物語として、です。

 過去はどんなことでもいいので、深く、しっかりとしたものであるべきです。
 あやふやな過去では、その過去を経たキャラクターがあやふやになるのも当然です。
 しかし、一人だけの過去がしっかりしてるだけではいけません。
 そのキャラクターに関わる全ての人物(脇役)にも、短編になるくらいの過去があると良いでしょう。
 脇役は難しいでしょうが、せめて掌編程度の過去を考えましょう。
 それだけでだいぶ違いますから。
 一回出しただけでもう出すつもりはなく、重要でもない使い捨てキャラならなくても構わないです。
 キャラクターを形成する要素は、その人物一人だけで作られているものではありません。
 周りの人物と関わることによって、形成されていくのです。
 脇役だからって、一切手を抜いてはいけません。

 簡単にまとめると、まずはそのキャラ過去を見直す。
 次に、周りの重要なキャラを見直す。そして、脇役を見直す。という感じですね。
 これだけやれば、全員まとめて確立するので結構楽ですよ。


DoZunさんからの意見
 初めまして。
 通りすがりeさんの次のレスだと面白いコト書かないととか思いつつも、
 書けなかったりするDoZunです。

 吾妻さんが言うようにキャラの癖などが文章に表れない、というのは、
 吾妻さん自身がキャラの性格や癖などを把握し切れていないためではないでしょうか。

 勘違いしてしまいがちですが、
 キャラの設定をしっかりと固めることと把握することは全くの別物です。
 たとえば、キャラの設定を箇条書きに書いていたりしませんか?
 そうすると、どうしても把握しきれず、
 自分のイメージと文章内でのキャラの間に齟齬が生まれてしまいます。
 よく言われることですが、キャラを掴むためには、短編や掌編を書くといいです。
 もしくは、キャラに自己紹介をさせてみるなど。
 要するに、キャラの設定をエピソードとして設定するわけです。
 
 そのキャラを掴むための短編や掌編を書く際、
 キャラ一人で動かしてもある程度は把握出来るかもしれませんが、
 そのキャラと近しい人物と絡めて、そのやりとりを描写するといいでしょう。
 人間、誰に対しても全く同じように接するというのは不可能です。
 そういったキャラの違いによる掛け合いの温度差といった物も考えるといいかと。
 その為には、まず人物同士の関係を、紙に書いてみること。
 そういった関係を決めておくと、癖などを生かしやすくなります。

 キャラをしっかりと把握しきっていれば、
 自然とキャラの癖などを文章に表すことが出来るようになります。
 勿論、いきなりは無理でしょうから、回数を重ねる必要がありますが。

 それと、どうしてもこのキャラのこの設定を使いたいんだ、という場合には、
 逆算していくといいかもしれません。
 今、Aという場面を書いているとします。そして、使いたい設定を盛り込んだ場面をBとします。
 どうすればAからBに繋がるのかを考える。
 つまり、どうすればその設定を使えるかを設定から辿っていくワケです。
 これは通常のプロットにも使える手段ですので、なかなか便利です。

 それでは、少しでもお役に立てれば幸いです。
 

御伽話さんからの意見
 どうも、御伽話と言います。
 通りすがりさんの真似をしようと思ったけど、何も思い浮かばなかったのでやっぱ本題に入ります。

 キャラが活きないって事は、キャラのイメージがくっきりと出ていないという風に解釈します。
 言い換えれば、そのキャラクターと他のキャラクターの個性が似たり寄ったりで、
 各キャラの個性の境界線がハッキリしていないのかもしれません。
 自分としては設定がキャラ確立に活きていないと言うよりは、そっちの方なんじゃないかと思います。
 無理に設定を活かそうと考えるよりも、
 他のキャラとの個性の境界線を明確にすることが良いのではないかと思います。

 あれです。
 ただ普通の紙に明るい色を塗っても目立ちませんが、
 その周りの色が、暗い色であるならばそれは目立つことになります。
 だから、その最初の色をどうこうしようと考えるよりは、その周囲を工夫することによって、
 その色をはっきりさせることが良いのではないかと思います。


東琴傭兵さんからの意見
 小説でキャラクターを区別するにはやはり『セリフ』に気を使うのが一番簡単だと思います。
 確かに過去や性格も重要ですが、『喋り方』を変えると結構区別されます。

 癖を出す場面がないなら、そんな設定は必要ないということです。
 使わない設定は使わない、使いたければ無理矢理使え。というのが俺の流儀なもので。

 性格に関してはちょっとやそっとの違いじゃいけません。
 とことん特化させましょう、するとキャラも確立していって書きやすくなってきます。
 『骨組み』を重要ですが、一番大事なのはやっぱり『人格』なわけです。
 上辺だけの設定と侮ることなかれ、読者は上辺をまず見るんですから。

 後、過去の癖とかは伏線に使用出来ますけれど、
 キャラクターを確立させるにはちょっと弱いと思います。
 素人駄文書きの戯言失礼、東琴傭兵でした。


仁ノ河一城さんからの意見
 どうも、仁ノ河です。

 自分の経験から言いますと、ぶっちゃけ些細な癖や性格は設定してもあまり意味が無いです。
 と言うか、設定してみても使いどころがさっぱり無かったりします。

 少し前まで、キャラを把握するということは設定を固めることだと考えていました。
 しかし、設定を紙に書いてみてもイマイチしっくりこず、
 何だか箇条書きの文章の羅列が頭の中で踊っているような感じがして、
 設定を進めれば進めるほど気持ちがどんどん冷めていました。
 で、これではいかんと思い直し、
 紙に書きながらキャラの設定を作るという行為を綺麗に止めました。
 まず頭の中でストーリーの断片を映像的に想像し、その中でキャラを練っていく。
 紙に書くのは備忘録代わり。
 時たまシーンを頭で文章化してみたり、絶対にストーリーには入れない
 (or人様にはとてもじゃないが言えない)ような状況でのキャラ同士の掛け合いを空想してみたり。
 キャラ設定の概要を紙に殴り書いて、そこから想像を膨らませてみたり。
 効率的だとはとても言えないかもしれませんが、
 全くのゼロから紙とにらめっこするよりはずっと楽になりました。

 所長が「二次創作はキャラのイメージが確立できているから楽だ」と仰っていますが、
 それなら創作でも同じような状況になればいいだけです。
 「言うは安し行うは難し」という格言は、とりあえず忘れておいてください。
 文字を並べて文章化された設定は、文字という記号で塗り固められて硬くなってしまいます。
 しかし、頭の中にある設定は文章の設定よりもずっと柔らかく、好きなように弄り倒せます。
 加工するなら後者の方がやりやすいはずです。
 ただし、考えていたことを忘れると非常に気持ち悪いので、消えないように何度も蒸し返したり、
 前述のように備忘録を作ったりする必要はありますけど。

 長々と書きましたが、今回はこの辺で。


よしろ〜さんからの意見
 皆様はじめまして。キャラクターの確立については私も悩んだ時期が合ったので、
 なんとなく回答を寄せたくなってしまいました。

 キャラクターを確立させるためには、キャラを動かしてみる方法しか無いと思います。

 所長さんのおっしゃるように、書いていく中で固めていくのもいいですが、
 その過去やキャラクターの日常を短編にしてみたり、ワードを開いて、
 自分とキャラとの脳内対談をそのまま打ち込んでみたり、
 同じ方法でキャラ同士を会話させてみたり、とにかく頭の中で動かしてみるのが私の手法です。

 もちろん必須の設定は動かさず、でもストーリーに関わらない部分は自由に。

 おしゃっている『癖』に関してもストーリー上必須でなければ削って構わないかと。
 しばらく後に、そのキャラを最初の設定と比べてみると、
 なかなか面白い結果になっているかもしれません。

 電撃ゲーム小説大賞で『七姫物語』で金賞を受賞した高野和氏は、あとがきの中で、
 作中の人気キャラ2名は、高野氏自身が中学生の頃から頭の中で好き勝手やっていた、
 と書いています。受賞時の高野氏が30歳ほどなので、実にそのキャラたちは高野氏の半生を
 かけて確立されたキャラというわけです。

 この駄文がお役に立てれば幸い、でなければ悪い手本にでも使ってください。
 それでは


りおさんからの意見
 ライトノベルは時にキャラクター小説と呼ばれる事もあり、
 魅力的なキャラを提示する事が重要視されます。
 そのため、「まずはキャラ設定から考える」って方が多いように思います。
 また、ファンタジーですと、世界設定が重要視されるため
 「まずは世界設定から」って方も結構見受けられます。

 ですが、「キャラ」「世界設定」「ストーリー」は何から考えても良いし、
 何を優先してもいいものだと思っています。
 小説が完成したときに全て出来上がっていれば何も問題はありません。
 「キャラ」「世界設定」「ストーリー」は、相互に深く影響をし合っていくものです。
 ストーリー本位に考え、ストーリーをもっとも盛り上げてくれるキャラはどんなキャラか?
 って路線で考えてもいいんです。

 吾妻さんは、キャラから考える方法が向いていないのかもしれません。

 実は、私もそうでした。書き始めの頃は、キャラ設定を細かく考えたものですが、
 肝心のストーリーが出てこないし、出てきてもキャラが全然生かせない。
 ストーリーから先に考えて、それを生かすアイテムとしてキャラを位置づけて後は、
 自分なりにキャラを生かせるようになったと思っています。

 「キャラを先に考えない」「ストーリーに応じてキャラを変える」という考え方には、
 抵抗があるかもしれません。キャラクター小説であればなおさらです。
 ですが、小説の評価は、完成したものに対して与えられるものであって、
 作者の執筆過程に対してなされるものではありません。

 ストーリー本位に考えても十分に魅力的なキャラを提示する事は出来ます。
 キャラを引き立てる癖などは推敲の段階で全体のバランスを見ながら書いても良いと思います。


 なにも、書き始めから「完璧」である必要はありません。
 小説は完結するまでは「未完成」なのですから。


優曇華さんからの意見
 書いたストーリーを頭の中で動画化してみてください
 自然とキャラの仕草や口調が思い浮かぶ筈です。


hiroyaさんからの意見
 打開策として、俺がよくやっているのを紹介しようと思う。

<用意するもの>
・小説書きに理解ある友人
・チャット
・キャラクター設定

1・友人にキャラの設定を教えて、キャラになりきってもらう。
2・自分が演じる主人公キャラと、その友人が演じるキャラでチャットをする。
3・二回ほど繰り返す。


 さて、これだけでかなりの勉強になるんでためしてみるとよろし。

・キャラが設定とは違った動きをする。
・勝手に動く。
・制御がしづらい

 などのポイントが分かればいい。
 それから必要だな、と思った設定などを付け加える。
 次に友人に他のキャラを作ってもらって、もう一度なりきってチャットをする。

 それを繰り返すと長編でも、大体主人公などのキャラの性格、行動がつかめるようになる。
 できればそんな手間のかかる事はしたくはないけど、
 どうしても不安だな、と思うならやってみるよろし。

 もう一つ。
 前に出した例を使ってみる。リサイクル万歳。

<例1>
 彼は席に着き、いい匂いを漂わせる夕食を前に祈りを捧げた。
「ふんにゃらーほんにゃらー」
 ぼそりと静かに、そして、厳かに言葉がつむがれるのを彼女は聞いた。
 それは●×教の祈りの言葉だった。

 さて、こういう何気ないシーンが作れるかどうかっていうのが大切だと思う。
 普通に夕食が目の前にあるからぱっと食べてしまうんじゃなくてね。
 こんなシーンで重要なのは幾つかある。

・夕食の時に祈るという習慣がある。
・●×教っていうのがある。
・主人公は読者から見れば敬虔な信徒だ。という情報がちりばめられている事。

 ここで重要なのはキャラが敬虔な信徒のように見えるという事だ。
 ここで主人公は祈るという習慣をしているだけなのだが、
 同時に信徒がどのようなものかを読者に提示している。
 主人公はこういう日常シーンで吾妻さんの言うような癖を見せているわけだ。

 つまり、ここでいいたい事は一つ。
 こういう何気ないシーンをちゃんとアドリブで入れられるようにならなきゃ駄目よ、という事。

 雰囲気出し、キャラの癖、設定、などをごっちゃに入れられる何かがあるか、無いか。
 これはアマが中々抜け出せないポイントの一つだと思うけれど、これが重要。
 特に膨大な設定を調理するファンタジーでは。
 さて、とりあえず、なぜ、ここでコメントをしたかというと。

 設定をしっかり作る、作らないという部分ばかり気にしていないで、
 どのように話の進行上でキャラの個性を提示するかを考えなきゃダメ、
 というのを教えたかっただけ。


 俺はキャラを活かせない原因が、
 設定を詳細に作ったから、作らなかったから、というところにあるわけじゃないと思う。
 個性をみせれるほどの構成力、文章力などが足りないだけなのでは、と思っている。
 
 ぶっちゃけた話。設定を作るのは誰でもできる。ただ、つらつらと書いていけばいい。
 でも、小説家は文章でみせる人達だから、
 こういうどうやったらキャラの個性を実際に表現できるだろう、
 という事を考えていかなきゃいけない。

 そこが重要だと思う今日この頃。
 キャラが活きるような書き方、構成を持ってくるのが大切だって事。


あやめさんからの意見
 あえて身も蓋もない言い方をしますが、打開策なんてありません。
 そうやって理屈でものを考えようとすること自体が、
 登場人物の輝きを消してしまっているように思います。
 彼はこういう人物だからこういう状況ではこう動くはずだ、と頭で考えるのは簡単ですが、
 そうやって執筆を続けてしまうと、何やら設定だけに突き動かされた
 表面だけの「キャラクター」が生まれてしまいます。
 いわゆる紙の上の、人間味のない登場人物になってしまいます。
 血の通った登場人物を描くには、まず彼のことを理解し、
 ひとりの人間として認めてあげることではないかなと思います。

 人付き合いと一緒です。なんとなく書いていくうちに、なるほど彼はこういう人物なのか、
 と書き手自身理解を深めていくような関係が望ましいと思います。


 当然そうなれば初期の頃に書いた描写は削らなければなりませんが、
 それも登場人物を理解できた代償として笑って削りましょう。
 そのときはよりよい描写ができるようになっているはずです。
 拙い考え方ですが、登場人物を描くときは何も考える必要はないと思います。
 私は自然に筆が動かなければ、今の自分にその人物を描くことはできないんだな、
 と割り切って考えるようにしています。


えいキチさんからの意見
 スラムダンク、バガボンドの作者として知られる井上雄彦先生はキャラクターに関して
 「キャラを作るときには完璧な人間にしないで必ず短所を作るようにする」と言っています。

 この「短所を作る」というのは言い換えれば、
 「出る場面と引っ込む場面をはっきりさせる」ということではないでしょうか。


 例えば野球、ある選手は肩が強く、ピッチャーとして活躍するけれどバッティングはできない。
 またある選手はバッティングはできるけど守備はからきし、ある選手はバントが上手くて足が速い。
 こういう短所と長所があるからチームプレイが面白くなる。

 ライトノベルに置き換えれば、あるキャラは普段地蔵のようにボーっとしているが、
 戦闘では超人的な力で活躍する。
 またあるキャラはギャグ担当要因として普段は出番が多いが、
 いざというときにはぴーぴー言ってるだけで全く役に立たない。
 理屈っぽくてうっとうしいキャラが頭は人一倍良く、語学や策略に長けている。

 こういう具合に、プロの書いたキャラクターは出る場面と引っ込む場面が、
 はっきりわかれています。
 いわば役割分担がはっきりとしているのです。


 私の場合も、書き始めた頃の小説を見てみると、
 出てくるキャラクターの役割分担が重複しまくっていて、
 まるでキャラクターを活かせていないことが多いです。
 
 戦闘になれば仲間のキャラ全員が強くてワーッと一斉に戦う、
 また普段の会話ではキャラがみんな口上手で面白い会話をする、
 異性にはそれぞれがモテモテで恋愛的な展開を繰り広げる。
 先の野球のたとえで言えばこれは4番ばかりあつめた巨人軍のやり方ですね。
 これではキャラクターを活かすことはできません。
 だから「短所」言い換えれば「引っ込む場面」を設定してやる必要がある、
 そうすれば活躍する場面で出てきた時に
 そのキャラクターがより活かされるいう計算になっているわけです。

 そうした風にそれぞれにはっきりとした役割分担を与えることが、
 キャラクターを活かすことに繋がるのではないでしょうか。



渡り鳥さんからの意見
 初めまして、初めて書き込みというものをします。渡り鳥です。
 早速本題に入らせていただきます。

 結論から言うと僕はキャラの個性というのは、
 『あるシチュエーションに対してそのキャラがどんなリアクションをとるか』だと思っています。


 なので……これはほかの皆さんの意見とかぶる所もあるのですが、
 僕はキャラの個性を固めたい時は数人のキャラをとにかく色んな設定で動かしてみます。
 説明するより具体例を書くほうがわかりやすいと思うので例を挙げてみると、

 例えば、今、僕が異世界ファンタジーを書いているとします。
 主要な登場人物はA・B・C・D・Eの五人です。A・B・Cは男で、D・Eは女とします。

 最初の設定は、そうですね……五人で焼肉屋に来たことにしましょう。
 世界観はどうしたなんて事はこの場合なしです。突然ワープしてやってきてしまったのです。
 その場合、この五人はどういうリアクションをとるのでしょうか?

A;何の警戒もせずにひたすら肉を食べています。半生でも気にしません。
B;ひたすら酒を飲んでいます。酔った勢いで店員のお姉さんに声をかけています。
C;初めて見る光景に怯えています。でも、オレンジジュースは気に入ったようで放そうとしません。
D;Aを見て穏やかに微笑みながら、Bの暴走を視線で牽制しつつ、
 怯えるCを宥めてやって、Eにも少しは料理に口をつけるように言い、
 自分の分は店員に毒見をさせ、それからようやく優雅な所作でお肉を味わいます。
E;全くの無表情で肉の焼けるさまを観察しています。手をつける気配はありません。
 店員に空気清浄機(網の上に付いてる奴です)の仕組みを細かく質問して大いに困らせています。

 ざっと思い付きで書いてみましたが何となくどんなキャラ達か想像出来ませんか? 
 後は、例えば海水浴場に温泉、スキー場、それから世界観を意識して夜盗に襲われた時や、
 森で行き倒れそうになった時、無実の罪で死刑を宣告された時、等々……。
 
 とにかく色んなシチュエーションを用意してその中で、
 そのキャラ達がどんな行動を取るかを考える訳です。


 他の方が言っていたように掌編ぐらいの長さでストーリーを書いてみるのもいいでしょう。
 そうして『このキャラはこういった場面ではこういう行動を取る(台詞を述べる)』
 というのが明確にイメージできるようになれば、
 そのキャラの個性は確立されたと考えていいと思います。

 補足すると、この時の行動が突拍子もないものであるほどその個性は強く、
 二人以上の人物が違った行動をすればするほど、
 個性がはっきりしていると言えると思います。


 さっきの例で言うとAとBの個性の違いが弱い気がするので、
 もう少しはっきりとした区別を付けた方がいいかもしれません。
 それにこのやり方だとキャラがその個性を無視した行動を取る事がなくなる、
 (ご都合主義にならなくなる)ため、結構便利です。
 
 説明が長くなってしまいましたが以上が僕のやり方です。
 人それぞれ、あったやり方があると思いますが、少しでも吾妻さんの参考になればと思います。
 それでは駄文乱文、失礼しました。


かい@さんからの意見 2012/07/23
 僕の場合 (僕、冒険小説しか書いた事ありません)

1、怒りっぽいキャラがいるので、ふざけた文章を書いたりして怒らす。
2、科学者だったら、いつもわ少しふざけてるけど、科学的なことが起こると急にまじめになったり、非科学的な事が起こるとなるほどって思う。

 て言う風に、ジョブ事に色々な目立たせ方があります。

萌え・美少女・美形・BLについて
その他・創作上の悩み
世界観・リアリティ・設定についての悩み
タイトル・ネーミングについての悩み
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