第4研究室 創作に関するQ&A 270P | トップへ戻る |
沈丁花さんからの質問
 三人称と神視点の違い
 
 どうも、沈丁花です。

 さっそくなんですが本題を。
 皆さんの考える三人称と神視点の違いってなんでしょうか?

 僕は今までほとんど三人称で書いてきたのですが、
 今読み返してみると神視点ではないかと疑えるものがいくつかあります。

 みなさんが考える三人称と神視点の違い。
 また、どうのような事に気をつければ神視点にならないかなど教えていただけると助かります。
 乱文失礼しました。


みつきさんからの意見
 沈丁花さま、こんにちは。
 三人称神視点と三人称個人視点の違い、ということでレスさせていただきますね。

 三人称神視点とは、まさに神様の視点で読者にその小説世界をご案内することです。

 「今、あっちではこんなことが起こっていて、こっちではこうなっています。
 Aさんはこのような考え方をしていて、その側にいるBさんは、また違う考え方を持っています。
 ちょっと離れたところにいるCさんは、二人とはさらに違う考えを持っています。
 Dさんは現在このような状況にあり、対立するEさんはこの点でDさんより有利な立場にあります……」
 
 と、まるでツアーガイドさんのように、小説世界を上から覗き込んで、
 読者に全部説明してあげたりすることができます。


 これが三人称個人視点になりますと、小説に登場する誰か一人のキャラの視点から、
 その小説世界を読者に見せることになります。
 一人称の視点と似たような感じで、視点を持つキャラの見たこと、聞いたこと、やったこと、
 考えたこと以外は、読者にはよく分からないようになっています。
 
 ただ、三人称個人視点は一人称視点ほど視点がガッチリ固定されていないので、
 視点を持っているキャラから視点が離れてそのキャラの外見を描写したりだとか、
 キャラの居る場所をロングや俯瞰で見せて読者に分かりやすく説明したりだとか、
 時々視点を持つキャラが見たり聞いたり出来ないことを、
 神視点的に読者に見せたり出来るようにもなっています。

 ですが、そうした後は視点を速やかに元のキャラに戻し、なるべく違和感を持たせないように、
 再び一人のキャラの目から見た小説世界ストーリーを進める、というのがお約束です。


 と、こんな感じでご理解いただけるでしょうか……。
 それではこれにて、失礼させていただきますね。


GONさんからの意見
 こんばんは、GONといいます。

「この些細な出来事が3年後に自身を脅かすことになるとは、今の彼には想像もつかなかった」

 というようないわゆる「神の視点」ですが、
 これは作者と読者の立ち居地の違いから生まれる問題です。

 読者は(あらすじや書評などで得た情報を除いて)今までに読んだ部分しか知りません。
 対して、作者は作品の展開を全て知っています。
 作品への知識に関して、作者は読者よりも圧倒的に優位にいるわけです。

 この作者の持つ根本的な優位が「神の視点」を生むことになるのですが、
 コレをあまり無邪気にやりすぎると読み手の方は
 「なんだこりゃ、上から物を見やがって」とやる気をなくしちゃうわけです。
 加えて、いちいちのシーンを「神」に説明されるとなれば、そりゃあ誰だって興醒めするよね。

 翻って、「神の視点」の予防法ですが、
 上で説明した作者と読者の優位性の差をなくしてやれば解決します。

 分かりやすく言えば「今までに作中で提示した情報以外は書くな」ってこと。

 読者は先の展開なんて絶対に分からないんですから、
 読者の読んでいる段階に合わせて書いていけば、とりあえず「神」は消えてくれるはずです。

 ちなみに、この「神」を殺すことで20世紀以降の現代文学はスタートしたはずなのですが、
 ここに来て死んだはずの神様が復活してきている傾向にあります。
 この事に関しては批判も賛同もしません。神にも功罪ありますし。

 時代遅れな神様をコケにするか、新たな信仰の対象にするかは、ひとりひとりの書き手次第です。

 とりあえず沈丁花さんは神様にはならないようですが、
 また暇ができたら、この全知全能さの功罪をじっくり考えてみるのもいいかもしれませんよ?


ayakaさんからの意見
 今晩は。
 締め切りが同日のレポートが3つもあってヤバすぎるayakaです。

 「三人称」と「神の視点」の違い、ですか。
 うまく説明できないかもしれませんが。

 『プロ作家養成塾』というハウツー本によれば、「神の視点」とは「視点移動」のことのようです。
 (本を実家に置いてきたからうろ覚え・・・・・・)
 「視点移動」についてはこのHPの第一研究室に書いてあります。
 具体例をあげてみます。

<具体例1> 
 顔が熱い。足が小刻みに震えている。心臓は早鐘を鳴らしていた。
 一度大きく息を吸う。そして、花子はついに口を開いた。
「あたし、太郎君が――好きです」
「え・・・・・」
 太郎は唖然となった。
 花子が自分を好きなんて考えたこともなかった。


 適当な文章ですいません!!!
 「顔が熱い〜好きです」までは、花子の視点ですが、
 「唖然となった」以降は太郎自身の言動なので、太郎に視点が移動しちゃってます。

 わかりづらい説明でごめんなさい。
 『プロ作家養成塾』にはもっとわかりやすく書いてあります。
 三人称をだと思っていたら神視点になっちゃってたというケースの具体例も挙げてあります。
 興味があるのでしたら、読んでみてください。

 少し古い本なので入手困難かもしれません。私は古本屋で見つけました。
 ただし、著者の若桜木氏はこの本の中でライトノベルを痛烈に批判しているので、
 それを了解の上読んでください。

 長くなってごめんなさい。
 ではでは。


寛太郎さんからの意見

 簡単で申し訳ないですが、大きな勘違いがひとつあるので指摘。

 「神視点」は、三人称の中に存在する視点のひとつです。
 ゆえに「神視点」は三人称ですので、意地悪な言い方をするならば、
 この二つに違いがあったらおかしいです。

 確か、ラノベの「キノの旅」が神視点だったと思いますので、お持ちでしたら読んでみるのも宜しいかと。
 ただ、現代小説からは神視点の小説が極端に少ない気がするので、
 あまりメジャーな視点ではないかもしれません。


フライエさんからの意見
 「神視点」と「三人称視点」については、先に皆さんが説明されているので、
 私からは簡単に済ませましょう。
 神視点は、ものすごく高い位置から全てを見通した視点。
 だから語り手は、その瞬間における世界の全てを知っています。

 一方三人称視点は、そばにいる誰かがその場面をレポートしているような視点です。
 一人の人間の視点に合わせて第三者がことの顛末を見届けている感じで、
 その場における状況以外の事柄を語り手は知りません。

 つまり情報を開示できる範囲が違うわけです。

 そして次が本題。どのようなことを気をつければ神視点にならないか、という質問ですが。
 目線を固定すれば良いと思います。

 具体的に言えば、シーンごとの中心人物(主人公というわけではありません、
 あくまで語り手が追う人物です)を決め、その人間が知りえない情報は絶対に書かない。


 例えば他の人間の心情とか、他の場所で同時に起こっていることとかでしょうか。
 まぁ書かないといっても、事実として書かないということであって、
 予想や思い込みとして書くのはありですが、その場合はその場合で明言する必要があります。

 これに気をつければ神視点になる事はまずありえないでしょう。


幻想魔術師さんからの意見
 こんにちは。幻想魔術師です。

 神視点も三人称視点も難しそうで使ったことはないのですが。
 ちなみに違いも、三人称視点が「主人公以外の人間」神視点が「作者もしくは神」からの視点。
 くらいしか知りません。
 
 効果が高いというか使いやすいのが神視点で、
 わかりやすいというかリアリティがあるのが三人称視点かなと思います。
 銀英伝の後世の歴史家の視点とかどっちなんだろ? とか思いますけど。

 参考になれば幸いです。
 というか中身の薄い意見ですいません。


煌れこさんからの意見
 こんにちは。初投稿で合唱コンクール並みに緊張している煌(きらめき)れこです。

 三人称と神視点の違いについてですが、三人称は物語を一緒に追って行く形……
 つまり本当の三人称視点といえると思います。
 対して神視点は物語のあらゆることに精通し、
 主人公たちが知らない情報をも読者に与えてしまう視点じゃあないかと思います。


 具体例をあげますと、いま主人公が戦っている敵がいるとします。
 その敵には、命をかけて戦うに値するエピソードが存在しているとします。
 当然主人公はそれを知らないので、敵の口からその情報を聞かないと事情がわからないわけです。
 ここで三人称と神視点が分かれます。
 実際に敵から聞いたところで、それを踏まえて生まれた情報を提示するのが三人称。
 口から聞いていないのに、倒した後とかに敵の過去を提示するのが神視点。

 ということだと思います。
 ずばり私は、神視点だと物語を追って楽しみたい読者にとって、
 疑問になってしまう場面が出てくるのではないでしょうか? と思っています。
 自らは過去を語らず、かつ死んでしまったキャラの過去を知らせたい場合は、
 他のキャラをうまく利用して主人公に情報を与える場面を用意したらいいと思いますよ。

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