第4研究室 創作に関するQ&A 524P | トップへ戻る |
アロさんからの質問
 『良い物語はすべてを語らない読者に想像させる』とは?
 
 こんにちは。アロと申します。
 先日、国語の先生は、
 
 『良い物語はすべてを語らない、読者に想像させる』
 
 と、そんなことを言っていました。
 先生は、特に指定をせず、『物語』と言ったのですが、これはラノベにもあてはまるのでしょうか。

 ただ単に、回収できなかった伏線だと判断されるのでは?
 と、私は思ったのですが、皆さんはどう思うでしょうか?
 意見をいただければなと思います。


●答え●

実央さんからの意見

 こんばんは、実央です。

 あたしがいろんな意味で崇拝する(笑)、スレイヤーズはまさにすべてを語らない良い物語と言えます。
 たとえば正義王女と復活の早い生物(笑)の関係は裏話のようなもので、
 ちょっと匂わせておりますが本編はおろかメディアミックス作品でも触れられておりません。
 また、もっとミステリアスなのは「郷里の姉ちゃん」ですよね。
 リナが最も恐れる人物ではあるけれどあまり語られておりません。

 そういうのを想像してわくわくするのがスレイヤーズファンの楽しみの一つでもあるんですよねw。
 そんな想像する余地を作ることも、良いことじゃないのかなってあたしは思います。



寺宙さんからの意見
 それはリドルストーリーというジャンルの一つです。
 最近販売された米澤穂信さんの『追想五断章』という作品が
 結末の記されていない物語をテーマに扱っていますので興味がありましたら、読んでみてくださいませ。
 有名どころでは東野さんなども行っていますので決してなしではないのでしょう。
 
 ただ、中高生には受けが悪いであろうことは断言できます。
 
 分かりにくさはそれだけで敷居をあげる代物ですから。
 かく言う僕も結末くらい言え派ですので。
 でもだからこそ挑戦してみたいとは思うのですけどね。


ディンゴさんからの意見

 こんばんは。ディンゴです。

 まぁ、ラノベも広い意味で言えば『物語』ですし。
 それか、そんな深い事考えずに発言した可能性もあります。

 どの道、人によりけりかもしれませんが、ラノベでも『行間を読む』事でより楽しめる物語、
 その本質が見えてくる物語、ってたくさんあると思います。

 その先生が仰っていた事って、要はそう言う事なんじゃないのだろうか、とか思ったり。


オトロさんからの意見

 オトロです。初めまして、と。

 たぶん、その先生が言った「良い物語はすべてを語らない、読者に想像させる」という発言はおそらく。
 「うざい文章を書かないこと」という意味もあるのではないでしょうか?

 たとえば。
 プロローグの三ページを使って、世界観の設定をすべて書いてしまう。
 そうするとおもしろくないですよね、読者なら。

 四ページ目からようやく登場人物が歩き出した。
 遅い! と叫びたくもなります。

 そういうことを言っているのではないでしょうか?
 伏線を残したままにするは、また少し違うかもしれません。
 わかりにくかったらごめんなさい。


夜宵吹雪さんからの意見

 こんばんは。そしてはじめまして、夜宵吹雪と申します。

 伏線は大事ですよね。個人的には回収はしてほしいです。
 その表現の仕方には、いくつかのヒントを提示して、
 はっきりと語らずに関係性を書く手法は確かに存在します。ラノベもしかりです。

 まとめますと、物語の鍵はきちんと最後まで謎は残してはいけません。
 ただし、それをはっきりと明記する必要はないと思います。
 うすらぼんやりと、ヒントだけをちりばめて説明する・・・。
 探偵のいない推理小説みたいな感じで好みが分かれると思います。
 あなたで推理してくださいと、丸投げされているように感じるかもしれませんね(苦笑

 私としては伏線の回収を確実に表現しなくとも、分断された真実を物語中にちりばめ、
 それを読者が回収していくというのも個人的には好きです。
 重要なのは伏線を回収するのではなく、伏線を補完することなのではないかな、と思っております。
 ただ、そういった手法はかなり難しく、読者をモヤモヤさせることが多いのも事実です。
 個人的には好きなんですけど、書ききるのが非常に難しい・・・
 好みの問題が出てくるのではないかな、と。


MIDOさんからの意見

 こんにちは、MIDOです。

>良い物語はすべてを語らない、読者に想像させる。と、そんなことを言っていました。

 要するにそれっておもしろい物語という意味ではないでしょうか。
 おもしろい内容の作品って、先を知りたいからどんどんページをめくるじゃないですか。
 同時に、自分で頭の中にその本の世界を思い浮かべて、
 主人公に感情移入したりして、わくわくはらはらどきどきするじゃないですか。

 それって、読者に想像させているってことですよね?
 文面に書いてあるだけの文章で、読者にその人だけの世界を想像させている。
 想像させるだけの力がその物語にはあるということだと思います。

 紙面に書いてある言葉だけで読者をたくさん想像させてしまうから、
 読者は「この作者はすべてを語っているわけではないんだ。
 この物語にはもっと素晴らしい要素があるんだ!」と思う。そういうことだと思います。

 読者にあれこれ想像させたり考えさせたりする作品は、
 たぶんおもしろい作品、よい物語と言えると思います。

 コメントは以上です。


焔嵐さんからの意見
 焔嵐と申します。

 先生の言う「全てを語らない」のは伏線とは別のものではないかと推察します。


 台詞や行動の裏にある感情の動きなどを想像すること。
 話し全体からテーマを読み取るということ。
 結末をはっきりしない感じで描き、解釈を読者に任せるということ。
 このあたりが国語的な意味合いでの行間を読むという話じゃないかな、と。

 なんだか意味ありげな登場人物を最後まで説明しないとかは伏線を回収していない例ですが、
 それは読者に想像させるという言葉には当てはまらないと思います。


 ラノベにも当てはまると言えば当てはまる、でしょう。一応は物語ですし。
 ただ、こういった行間の話はもう少し文学的な問題ですから、
 ラノベではさほど気にしなくていい話だと思います。
 
 ラノベは「楽しければいい」というエンターテイメント。
 行間を読ませるような、考えて読むようなものではないと思っています。

  
 そこらは個人における解釈の違いかもしれません。

 正確なところは先生に聞いてみるべきでしょうけど。


蒼幻さんからの意見
 こんばんは! 蒼幻と申します。

 すべてを語らないことが良作であるという意見。

 これにはおおむね賛成したいと思います。
 すべてを言葉に直して書いてしまうと、文章が卑しくなるという面はあると思います。
 推敲するときに、読者に分かる限界まで言葉を減らすことが大切とされている面がありますしね。
 とはいえ、私もいま書いてるものはちょっといただけない。
 なんでもずけずけ描いているんで、つまり卑しいんですよ(笑)

 とりあえず、無駄を省くという姿勢が、小説には求められると思います。
 たった一行で深みのある内容を醸すことだってできるのが小説でしょう。

 ではまたです!


サイラスさんからの意見
 どうも、サイラスです。
 僕が、思いついたというのは、その作品に対して、
 色々と想像を掻き立てられるという意味ではないでしょうか?
 どういうことか ?というと、たいていの作品は、色々、きちっと説明が施されています。
 ただ、その分、その後、どうなったの? ができませんし、

 その先が知りたいという、衝動も、こうではないか、という想像もできません。
 よい作品というのは、その部分があるということだと考えています。


トム・フラナガンさんからの意見
 伏線とかそういうレヴェルの話ではないです。
 作者の伝えたいメッセージがあるとして、それをそのまま言葉で表すのはいけない、
 という旨の言葉であると私は常々考えておるわけであります。

 そこらへんはラヴクラフトの『文学における超自然の恐怖』に細かく記載されています。
 テクニック的には、「行間を読ませる」ことに近いものではないだろうかと思います。


みつきさんからの意見
 アロさま、こんにちは。

 伏線は回収しておくべきもので、
 そこは『すべてを語らない』の範疇には当たらないような気がします。


 『すべてを語らない』に当てはまるのは、ともすれば、説明しすぎ、
 不躾に踏み込みすぎになってしまいがちな部分のことではないでしょうか。
 覗き見どころか土足で上がりこんでまでリポートして、
 見せなくて良いところまで読者にわざわざ知らせたりする、
 そういう『品のない書き過ぎ』は良くないよ、書くべきところはしっかりと書きながら、
 見せる必要のない部分については、いい塩梅のところで立ち止まるのもまた、
 作品に奥行きを持たせるいい隠し味になりますよ、ってことなんじゃないかな? と思います。

 それではこれにて。


達馬さんからの意見
 はじめまして、達馬と申します。

 例えば「怒った」という登場人物の感情について、
 「彼は怒った」などと言葉で説明するのではなく、その言動で読者に理解させる。

 ……そんな感じではないでしょうか。


文文さんからの意見
 こんにちは。文文と申します。

> 国語の先生は、良い物語はすべてを語らない、読者に想像させる。と、そんなことを言っていました。
 
 「良い物語は」と全て一括りにするのはどうかと思いますがね。
 それは先生の見た範囲内でしか言うことが出来ないんですから。

 さてそれはともかくとして、僕はそもそもすべてを語ることなんて出来ないと思います。
 ある事件が起こったとき周りにいた主要人物はどう感じて、
 野次馬どもはどんな心境で、その時周辺の環境はどうなっていて、
 その事件の真相は誰がどう思ってどんな感情でどれだけの力を込めてどうしたのか。
 物語の終局はAというキャラから見たらどうでBというキャラから見たらどうで、
 CやDの視点だとどんな風なのか。

 そんなこと全部書いてたら、作者も読者も本もみんなギブアップします。
 川上稔さんがまた千ページ越えを果たしましたがそれの比じゃないです。

 そういうわけで、『全てを語らない=良い』とはならないと思います。
 むしろ全てを語らないのは普通のことです。
 良い物語の秘訣はもっと別のところにあるのではないでしょうか。


六花さんからの意見
 こんにちは、六花と申します。
 参考になるか分からないんですが、思ったことを。

 ライトノベルではないんですが、北村薫さんという方の小説をお読みになったことはあるでしょうか?
 私は「すべてを語らない物語」と言われると北村薫さんを思い出します。

 えーと、ネタバレになってしまうので詳しいことは読んでいただくしかありませんが、
 最近直木賞をとった「鷺と雪」のラストはまさに
 「語らない。が、想像させられる」の代表のようなシーンです。
 ラストシーンは、とても衝撃的な事柄が書かれているにもかかわらず、
 淡々とした、事実だけを簡潔に記した文章でした。
 後日談、一切なし。語らなさ過ぎて、分からないひとがいるんじゃないか? 
 というぎりぎりのラインでした。
 にもかかわらず、私は「じゃあこの後この人たちはいったいどうなったんだろう?」
 などと、かなり考えさせられました。

 もしこの物語が、その「衝撃的な出来事」がいかに衝撃的なことなのか、
 主人公がその後どのような一生を送ったのか、
 というようなことで締めくくられたらどうでしょう?
 きっと、さめてしまったと思います。

 語らないことによって、読者に深くそのことを想像させ、強い印象を与える。
 さらに、考えてもらうことにより、物語のテーマを同時に考えてもらう、わかってもらう。


 もちろん、一人よがりになるリスクの高い手法ではありますが、
 うまくいくと、かなりの印象を与えることができると思います。

 あるいは、えーと、具体例がちょっと思いつかないのですが、
 大好きなキャラがいて、その人の過去は語られておらず、「うまい具合に」(重要)伏せられていたら、
 ついつい「この人、過去にどんなことが……」と、今ある情報だけでなんとか妄想しようとしませんか?
 ……しませんか。私はします(笑)
 端的に言ってしまえばキャラ萌えです。

 二次創作にハマる人が多いのは、
 物語の語られていない部分を想像するのは楽しいことだからです。


 上の方法はちょっとライトノベルで使うのは難しいですが、
 こちらの、キャラの情報をあまり与えない、あるいは小出しにしていく、
 という方法は、やってみる価値があるかもしれません。

 長々と失礼いたしました。


 ……あ、初期の「キノの旅」で、ラストが語られていない話があったような……


鳩羽さんからの意見
 こんにちは、初めまして。鳩羽と申します。

 私たちが過去を振り返って話すとき、すべてを相手に話しきることはできません。
 主人公の行動を一から十まで書くと、深みがなくなるのではないでしょうか。
 つまり、私が考えるに「良い物語はすべてを語らない読者に想像させる」とは、
 書かれていない部分にも行動や経緯があって、それを作者は理解し上手く話に取り込ませていく。
 
 決定的なことを書かずに、その可能性を臭わせて先を想像させる。
 謎を残すことによって、より物語を深くさせているのではないかと思います。


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