第4研究室 創作に関するQ&A 120P | トップへ戻る |
蔵神紫苑さんからの質問
 登場キャラクターの人数について
 
 どうも、本来なら今日はネットができない日なのに運よくネットにつなげられた蔵神です。
 んで質問です。

 現在俺が作成途中の小説は原稿用紙に換算して300枚分くらいの長さの長編です。
 んでキャラクターを作成したら、その人数は今のところ13人とかなり多いです。
 しかもそれは味方キャラの人数ですから敵キャラを作るとまだ増えます。

 そこで作成したキャラすべてを1巻で出すが、
 「1巻ではこのキャラ中心のストーリー、2巻ではこのキャラ中心……」
 というふうに巻ごとや章ごとにメインキャラを変えるというのはどうなんでしょう?
 もっとわかりやすく言うと「1巻は○○○○編、2巻は○○○○編……」というような感じです。
 ○○○○には人物名が入ります。
 とはいっても○○○○の他にもこのキャラに関わってくる人物を、
 すべてのキャラの中から3〜4人くらい選ぶつもりですが。


 あともうひとつ質問で↑とは違い
 1巻に出たキャラを2巻では出す必要がなくなったから消すのはいいか?
 という質問です。例をあげると「ハリー・ポッター」みたいに。

 
● 答え ●

 300枚くらいの長編で、味方キャラが13人は多いですね。
 これにさらに敵キャラまで加わるとなると、ゴチャゴチャしすぎて破綻してしまう危険があります。

 主要な登場人物は長編の場合、8人以下にした方が無難です。

 あまりにも登場人物が多くなると、それぞれのキャラを深く掘り下げることができなくなります。
 その結果、彼らの魅力を十分に引き出すことができず、最悪、読んでいる最中に、
 あれ? このキャラ誰だっけ? というような事態が起きてしまいます。
 
 作者は自分のキャラに愛着を持っていますので、キャラのことを忘れてしまったり、
 誰が誰だかわからなくなる、といったことはないでしょう。
 しかし、読者はそうではありません。
 キャラの登場シーンが短かったりすると、印象に残らないので、
 コロッとキャラのことを忘れてしまいます。
 そんなキャラばかりで構成された話をおもいしろいと感じるわけがありません。
 キャラの個性を楽しむどころが、
 登場人物を把握することに無用な労力を使わされて疲れてしまいます。

 1人の人間の名前を1時間で覚えろ、と言われたら簡単にできるでしょうが、
 13人の名前を1時間で覚えろ、と言われたら、これはなかなか困難です(汗)。
 人間の脳は、一度にたくさんのことを把握できるようにはできていません。
 
 こういったことを考慮に入れて、なるべく話がわかりやすくなるように、
 登場人物の数は絞った方が良いですね。

 

蒼い人さんの意見
 300枚で13人出すとなると、やはりキャラクター超過の節があります。
 
 かく言う私も、350枚で11人出しているのですが。
 ただ、実際メインで出せるのは7人程度です。
 残りは一つの節で顔を出すくらいだったりしますし、その中には故人も含まれます。

 やはりここはスリム化を図るべきでしょう。

 人物の役割に注目して、機会が少ない・目立たない人は降板させる。
 そして役割を誰かに兼任させる。難しいのはチームを組んでいる場合ですね。
 その中から一人抜いては、それが「チーム」として機能し続けるかは微妙な所です。

 もしくは内容を濃くして、一巻で扱う内容を更に限定する。
 そうすることで、登場人物も削る、というのが考えられます。
 また、メインキャラを変える――ザッピングは十分有効ですよ。
 但し、それを有効化するには、編ごとの視点変更はしない方が無難です。
 主人公の視点で固定しないと、「〜〜編」とまとめる意味が無いでしょうから。

>1巻に出たキャラを2巻では出す必要がなくなったから消すのはいいか?

 これも問題ありません。
 むしろ私の場合、本来いるはずの人員をわざと出しませんでした。
 人数超過による話のこじれが問題化しそうだったので、全く出番を与えませんでした。
 いるとしても、都合がつかない。そんな感じで処理しましたね。

 問題は消し方ですが……。
 物語のの舞台から抹消する、殺すだけではイカンでしょう。
 やはり意図的に出番を消すだけで十分でしょう。但し、相応の理由を付けて。
 一番簡単なのは「出張」という形でしょうか。現場にいなければ良いのですから。


ゆきむしさんの意見
 おはよう御座います、蔵神紫苑さん。
 ゆきむし です。

 まずは「私の場合」から書かせていただきます。
 私は、賞応募用小説の場合、
 一つの作品に対して設定の時点で三十人ほどキャラクターを作ります。
 戦闘有りの兵士養成学校物のファンタジーを書いているんですけど、
 学校の教官やら、同級生やら、家族やら、昔の英雄やら、国の王やら、
 はたまた王国の軍隊長やら………結局のところ、二十八人くらいは名前有りで登場しています。
 と言っても、会話の中でだけ出てくる人物や、既に死んでしまっている人物も含んでいますが。
 メインキャラは五人で、物語を通して主人公は一人、視点の変更も無しです。


 続いて「私の意見」をば。

 私の作品では上記しているとおり、物語を通して主人公は一人、
 視点の変更も無しなのですが、これはやっぱり、読者が把握しきれないからです。


 巻ごとに主人公を変えるのは何ら問題ないでしょう。
 むしろ、登場人物が多いだけに、巻を分けてそれぞれの関係性を描くのは、
 構想した物語を描くためにも必要なことだと思います。
 巻ごとに変わるのなら、読者も区切りを入れられますから、感情移入し直しやすいでしょう。
 しかし、章ごとにメインキャラを変えるのは、これまた上記の通り、読者に混乱を与えてしまいます。
 物語中枢に関わる人物が四人程度だとしても、なまじ登場する人物が多いわけですから、
 章ごとに感情移入する相手を変更するのは、作者には可能でも、読者には難しいことです。
 名前が漢字の人物と、カタカナの人物を混ぜて入れたとしても、
 ころころと章ごとにメインキャラクターを変えてしまっては、
 登場人物の多さと相まって、読者に途中で匙を投げられることになるでしょう。

 なので、私としては「一巻を通して主人公は変更しない」を推します。

 もう一つの質問に関して。

 一巻に出たキャラを二巻では出す必要が無くなったから消すのはいいか?
 構わないでしょう。一巻と二巻ではメインキャラクターが違うのでしょうし、
 であれば必然その登場人物が関わる人間も変わってきますし。
 
 以上、長々と駄文「私の場合」「私の意見」です。
 それでは、ゆきむし でした。


峰しずくさんの意見
 こんにちは
 このサイトの中にも、これくらいの長さならこれくらいの人数、
 というのが示されていると思いますので、それに準じるのが無難といえば、無難です。

 だけど、作者はどんな世界だって作っていいんです。
 このサイトで示された指針以上の人数を出すのは難しい、ということですから、
 その難しさを克服すれば何の問題もありません。
 その方法のひとつとして、章ごとに主人公クラスの人間を変えてしまうのも、
 良いアイディアだと思います。

 実際に、そういう作品は存在します。
 マンガですが、田村由美さんの「7seads」が良い参考図書になるでしょう。
 連載中の人気漫画ですから、マンガ喫茶などで容易に読めるはずです。

 物語は、隕石が落ちて世界が崩壊したあとの地球。
 政府は人類を滅亡させないために、
 よりすぐりの人間を冷凍保存して、未来にポンと放り出しました。

 日本では、5チーム。春、夏A、夏B、秋、冬のチームが存在する。
 (どうやら、このプロジェクトは世界的に行われたらしいが、外国人はまだ登場していない)
 このうちの3チームは、遺伝子的に優秀で、近親者に犯罪人がおらず、
 生殖能力にも問題ない等々から選抜されたチームです。
 優秀な人材ばかりだと、極限状態に弱いかもしれないと、問題児ばかりを集めた夏Bチーム。
 残り1チームは、合宿所のようなところで幼いころからサバイバルの特訓を受けて、
 最終テストで生き残った者たちのチームです。
(このチームだけは、地球に近い将来何が起こり、
 自分たちがどういう目的のためにトレーニングを受けているかを知っている)

 時間的には、行ったり来たりしてて、現在単行本になっているのは、
 最後の1チームの最終テストの段階(つまり現在)ですが、
 それ以前に、滅亡後の地球でのサバイバルの様子も描かれており、
 そこでは、それぞれのチームの8人だけ(7人プラス事情をしって7人をサポートするガイド1名)
 の様子も描かれていますし、それぞれのチームが交錯する様子も描かれています。

 5チーム×8人ですから、これだけで40人。
 しかし、最後の1チームは、7枚しかない未来への切符を争うわけですから、
 それよりはるかに多くのキャラが登場し、
 さらに訓練を受けるわけですから当然先生役のキャラもいるわけで、
 ものすごい登場人物数になります。
 まだ7巻だったと思うけれど。既に死んでる人、冷凍睡眠から覚めない人などもいます。

 コレ以前の作品に「バサラ」(外伝含めて合計27巻だったと思う)というのもありますが、
 これもまたものすごい登場人物数で、
 しかもラストの方には一堂に介する場面まであったりしますから、これもまたとんでもない作品です。
 こちらは、主人公は常に同一人物で、
 話が進むたびに順次脇役がどんどん次から次へと出てくるタイプです。
 結構、死にます。
 「バサラ」もマンガ喫茶で読めると思いますよ。

 是非、参考にしてください。


猫の盛りさんの意見
 通りすがりの野良猫です。
 オイラなりの答えを残します。

 オイラの好きな「冒険者達」と言うお話しがあります。
 副題は「ガンバと15人の仲間」だったかな?
 ガンバの冒険というアニメで、知ってる人は知っている奴です。
 アニメじゃ主要の7匹?にメンバーは減ってますが。

 ネズミの主人公側だけで16匹。
 ヨイショ、ガクシャ、イカサマ、シジン、マンプク、ジャンプ、カリック、テノール、バス、バレット、
 イダテン、アナホリ、オイボレ、ボーボ、そして彼等に助けを求めに来た忠太。
 更には大水薙鳥の一族や島ネズミの忠太の姉の潮路。
 彼等は協力して恐るべき白イタチのノロイ率いるノロイ一族と決戦します。
 活劇有り、心理戦有りで、後半に全キャラの個性が引き立ち素晴らしい不朽の名作です。

 この名作のように全ての登場人物に意味があり、個性があり、
 必要であるのなら13人くらい大した問題ではないと思うのです。

 ただ、単に顔見せで、別の巻で活躍するとか言うだけだとオイラは忘れてしまうでしょうw
 アーサー王と円卓の騎士とかはそう言う描き方の筈です。
 でもあれはシェアワールドだった気が……

 そんな感じで。
 ではでは。

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