第4研究室 創作に関するQ&A 16P | トップへ戻る |
秋夜さんからの質問  
 作品の冷却期間
(研究所の掲示板に書き込まれた文章を修正して転載しました)

 久しぶりの書き込みになります。秋夜です。
 昨晩、一つ短編を完成させたのですが、まだ推敲はしておりません。
 作品を冷静に見つめなおすための「冷却期間」が必要ではないか、と考えたためです。
 しかし、そのクールダウンの期間というのは、一体どの程度、取るべきなのでしょうか?
 長編か短編か、という作品の文章量によっても変わってくると思いますし、あまりに放って置いても、今度は作品に対する「熱意」そのものが、薄れてしまう危険もあります。
 特に賞への応募用に、長編を書き上げた直後などは自惚れも生じて、かなりの大作を書き上げた気になってしまうのですが、一週間もたつと、それが単なる可燃ゴミに見えてしまうことすらあるのです。
 冷静さを保ちつつも、熱を失わない。そんな風に理想的な客観視のできる期間というのは、どのくらいなのでしょうか? ぜひ皆様の意見をお聞かせ下さい。 


●答え●

 作品の冷却期間は2つあります。
 最初は、アイディアを閃いた瞬間です。
 アイディアを閃いた瞬間は、自分は天才ではないかと思ってしまうことがあります(汗)。

 しかし、そのまま興奮した状態で執筆に取りかかってしまうと、失敗する危険性が高いです。

 アイディアを閃いたらメモを取り、すぐに本文を書き出したい気持ちを抑えて、そのアイディアの質を高めることを考えてみましょう。
 複数のアイディアを出して組み合わせたり、発展させたりして、より作品がおもしろくなるように工夫してみることが大切ですね。
 
 二度目の冷却期間は、作品が完成しかかったときです。
 小説を描いている最中は、興奮し、ハイになってしまっているため、
 自分の作品を冷静な目で見ることができません。


 いったん小説を寝かして、しばらくたってから読み直すと、最初に気づけなかった欠点や粗を、それこそたくさん見つけることができます。
 そのため、読み直すのが怖くなったりするのですけどね(汗)。
 
 この冷却期間をどれほど置くかは、人それぞれ違うでしょうが、ある小説家は1ヶ月ほど作品をほったらかすそうです。そして、旅先で風景を眺めたりしていると、最終段階で使えるすばらしいアイディアを閃くことが多いのだとか。
 小説のことを放っておいても、頭のどこかで小説のことを考えているため、ふとした拍子に、より作品の質を高めるためのアイディアが湧くということですね。
 しかし、そのせいで、作品を大きく書き直すこともあるそうですから、プロの作家というのはなかなか大変です。
 もし、長期間放っておいて、熱意が低下してしまったら、その作品は、作者にとってその程度の作品だったのだと言えます。無理に完成させる必要はないでしょう。
 
>一週間もたつと、それが単なる可燃ゴミに見えてしまうことすらあるのです。

 こう思うということは、すでに秋夜さんが作品を客観的な目で見れている証拠です。
 自分の欠点がわかるということは、熱に浮かされた状態ではできませんから、十分に頭が冷却されていると思います。
 理想的な冷却期間でお悩みのようですが、現状のままでも特に問題は無いでしょう。


野々宮さんからの意見 
 こんにちは。野々宮です。
 私は飽きっぽいタチなので、書き上げた作品についてはどんどん情熱が冷めていってしまいます。冷静になるのを超えて、どうでもよくなってしまうのですね(汗)
 そこで、冷却期間を置かなくても、ある程度、作品を客観視できる方法を考えました。これです。

 執筆の時は横書きで書く→縦書きにして見直す。

 これは逆でも構いません。また、フォントやレイアウトを変える、あるいはプリントアウトするといった方法でも可です。ようするに、作品を違うフォーマットに変換して読むのです。すると、だいぶ印象が違ってきて、今まで気づかなかった欠点が見えてくるようになります。
 もしかしたら、私にしか当てはまらない方法論なのかもしれませんが(笑)。
 よかったら試してみてください。  


龍閃さんからの意見 
 初めまして。
 冷却期間はとても大事な事だと思います。
 書いた直後、一週間、一ヶ月、一年で作品の印象が変わるのは良くある事ですし。
 私は、一週間の期間をおいて、プリントアウトした紙で作品を見直します。
 やはり、パソコンのディスプレイのものをそのまま読むというのは冷静さを欠くと思われますので。
 その点、野々宮さんの方法は面白いですね、今度試してみようと思いますw
 冷却期間が無駄に感じる場合は、そんな時こそ情報集めです。ネタ練りです。新しい境地開拓です。今まで考えていたネタを使った直後なのですから、今まで使っていた物以外に敏感になれると思います。
 今まで執筆していた疲れを癒すのも大事ですけどねw


聖さんからの意見 
 仕上げた作品に対する冷却期間は、絶対と言って良いほど設けた方がいいと私は思います。

 というのも、忘れた頃に読み返すと第三者的な立場で読み返すことが出来るからです。
 そうすることによって、気が付かなかった小さな事でも目に止まるようになります。


 長期間、冷却期間を設けるとその作品に対しての熱意が欠けてしまうことが危険だとお考えのようですが、そのような作品を推敲をしたとしても果たしてよい作品として仕上がるでしょうか。
 私が学生の頃、創作クラブの顧問をしていた先生は最低、三ヶ月はおいておくように、と言っていました。つまり、頭の中に入っている設定、あらすじなどを全て忘れて、新しい気持ちで読み返せ、と言う物でした。
 小説もワインも熟成期間が必要だと私は思います。


雷矢さんからの意見 
 こんにちわ、雷矢です。
 あったら、の話ですが。

 読み上げソフトに自分の小説を読んでもらうというのはどうでしょうか?

 私はちょくちょくやりますが、読み上げソフトの音声は色気も味気もなんにもない(笑)機械音声なので、なんだか自分で書いた小説なのに他の人が書いたような感じがしてきます。
 でもやっぱり自分の小説なので、人様に目の前で読んで貰っているような気恥ずかしさにのた打ち回りながら推敲する事になります。

 書き終わった後は、ゲームをしたり映画を見たりして違う世界に旅立ってみては?


柊さんからの意見 
 柊です。いつもお世話になっております。

 冷却期間。私はあまり置きません。置いたとしても、長くて三日くらいです。
 なぜかと言いますと、早く誰かに読んでもらいたいというめちゃめちゃ単純な動機も確かにありますが、何より一貫したテンションで全編を書きとおしたいからですね。

 冷却期間を置いてから推敲した部分と、ノりにノッてる熱いテンションで書いていた部分とでは、文章の質が全然違ってくる気がするんです。

 前者はよくできているけれど迫力や臨場感に欠け、後者は逆に出来もへったくれもないくせに妙に作品に「合う」気がする。ここにはこの表現しかないと思わせるものもあったりなんかして。
 この二つが混じってしまうと正直、自分の中で違和感が出てしまいます。

 それに実際私の場合、(このサイトにおいてはという限定つきになりますが)長い冷却期間をおいてあれこれいじり回した話より、最初から最後まで一貫して同じテンションでガーッと書いた話のほうが評判はいいようです。その方が話全体にパワーが出るんでしょうか。
 私のここでの投稿作の中で、お気軽で100点を越えた話はどれも皆冷却期間をほとんど置いていなかったりします。逆に今ひとつ不評だった作品(0点とか50点とか、第五で評判よくなかったりとか)はどれも不思議と、長い冷却期間をおいた後大幅に書き直したものばかりですね。
 冷えた頭で書いた文章は技術的なクオリティを上げる一方で、作品自体の持つパワーを薄れさせてしまうものなのかもしれません。

 そんなことを抜かしつつ、自分の書いたものを客観的に見る目が欲しいなーなんて矛盾したことも考えている柊なんですけどね(汗)


みつきさんからの意見 
 私も推敲はプリントしてやる派なんですが、やっぱり映像画面で見る小説と、プリントアウトして紙で読む小説とでは、客観できる度合が全然違うと思います。
 なんていうか、紙で読んでいると視野が広くなったような感じがして、画面で見ているときには気付かなかった文章や物語の変な所に気付きやすくなるみたいなんですよね。

 ジャンルは違いますが、プロの漫画家さんも、書き上げた漫画を一度コピー機に通してから最終チェックをするって人が結構いるそうです。

 それまで集中して向き合っていた生原稿とか映像画面から離れて、一旦別のものに出力して見返してみることで、自分と作品との距離が少し開いて、粗が見えやすくなるみたいですね。



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和月さんからの質問  
 冒頭を作るコツとは?
(研究所の掲示板に書き込まれた文章を修正して転載しました)

 初めまして、小説を書き始めたばかりの和月です。

 早速ですが、「冒頭」をどう表現したら良いのか分かりません。
 冒頭は大事だとよく言われてますが、そういうことを聞くと緊張して、書けなくなります。
 どうやったら「つかみ」をとることができますか?
 すみません。本当に初心者で分からないんです。
 返事のほどよろしくお願いします。


●答え●

 第1研究室でも紹介している通り、冒頭は物語の最重要箇所です。
 冒頭がつまらなければ、大半の読者はその時点でその小説を見限って去っていきます。
 アマチュアが描いた小説であればなおさらです。
 そのため、インパクトのある冒頭をどのように演出するかが、
 小説を描く上で大きな課題になってきます。

 コツとしては、重大事件や悲劇などの衝撃的なシーンからはじめることです。
  
 逆に、徐々におもしろくしていこうなどと、何の変哲もない日常シーンにしてしまうと、
 読者はがまんできずに途中で読むのをやめてしまう可能性が高いです。

 しかし、重大事件や悲劇などをどう描いたら良いか?
 そこからどう物語を発展していったら良いか?
 などは、小説を書き慣れた人でも悩む問題ですね。
 和月さんのように、ここでつまずいてしまうために小説を書き出せない方もいるでしょう。

 そこで、市販されているライトノベルを読んで、
 プロ作家がどのように冒頭を描いているか研究してみることをオススメします。
 
 どんな分野でもそうですが、プロの手法をマネし、その技を盗むことが上達への近道です。
 小説の腕前は、読書量にも比例しますが、
 いかに貪欲に知識を学びとろうとしているかによっても変わってきます。
 この作家は冒頭をこんなシーンにしていると分析して、メモ帳などに書いてみるのが良いですね。

 漫画やアニメなどを参考にしてもいいですが、漫画やアニメでは効果的とされる手法が、
 小説では適用できない場合もありますから注意が必要です。
 小説を描くのであれば、なるべく小説から学び取るようにしてください。

 また、「うまくできないのではないか?」と萎縮して、
 いつまでも最初の一文が書けないようでは、前に進めませんから、
 ダメで元々という気持ちで、とにかく小説を書き出すようにしてください。

 試行錯誤し、失敗から学び取るようにしないと何事も上達しません。
 


Triple-I さんからの意見 
 冒頭ではとにかく、インパクトを重視します。
 このサイトでも言われていることですが、ミステリーを作る常套句「最初に死体を転がせ」にも現れているように、冒頭はインパクトが非常に大事です。

 また、冒頭では説明をあまり入れないのも重要です。
 冒頭から延々と世界観だの人間関係だの説明されると、読者は引きます。


 もう1点、起承転結の『起』に相当する部分は、短く、切れ味を重視して書く事。
 切れ味良く、スパッと収まるようにすれば、インパクトを与えやすいです。
 長くても原稿用紙10枚から20枚程度に収めましょう。

 この三つを注意すれば、十分つかみとしては良いものが出来上がります。
 あと、こういったところの勉強法ですが、様々な小説を読んで、
 インパクトのあるスタートというものを、身体で覚えましょう。

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蜜野さんからの質問  
 非現実的な個性を持ったキャラクターの是非について
(研究所の掲示板に書き込まれた文章を修正して転載しました)

 初めまして。蜜野と申します。
 早速ですが、質問です。

 最近、色んなライトノベルを読んでいるんですが、
 どの作品も判で押したように「気の強いヒロイン&受身の主人公」という形になっているような気がします。
 しかし、現実的に言えば、「戦闘力はあるけど精神的に幼い少女」に代表されるような、ホルモンバランスの異常を来たしている人間がそうそういるとは思えません。
 それどころか、本来そうあるべき女の子(腕っ節はなくとも、精神的に大人。陰から男の子を支えるような存在)が「媚びてて嫌だ」などと非難されているような印象さえ受けます。

 ライトノベルを書くには、こうした「強いけど、男性受けのいい心の弱さ標準装備」なヒロインを必ず入れなければならないのでしょうか。実際問題、完璧な女性というキャラは男性受けが悪いようですし。
 もし普通(ホルモンバランスが正常)の女性キャラを書くとしたら、それはジュブナイルになってしまうのでしょうか。
 意見をよろしくおねがいします。


●答え●

 ライトノベルに非現実的な個性のキャラが多いのは、そちらの方が、
  
 描いていて、読んでいて楽しいからです。
 
 現実世界とまったく同じ、どこにでもいるような女の子を描いても、
 作者も読者もあまりおもしろくありません。

 「戦闘力はあるけど精神的に幼い少女」というのは、
 現実には存在しないから魅力的なキャラクターに映るのでしょう。
 女性の身体は男性と違い、生物学的に言って戦闘向きには作られていません。
 腕力において男性に勝っているという点だけでも、人目を引く個性に成ります。
 また、なにか武術を極めた人間というのは、厳しい修行に耐えた人ですから精神的にもタフです。
 「戦闘力があるけれど精神的に幼い少女」というのは、現実的にはまずあり得ませんね。

 しかも、圧倒的に強いにも関わらず、誰かに依存しなければいけないような脆さをもっていると、
 そこが妙にかわいらしく映ります。
 俗な言い方をすれば、○○ちゃん萌え!
 つまり、良い意味でのギャップが生まれるのです。

 第1研究室でも紹介しているのですが、このギャップを上手く活用することが、
 魅力的なキャラクターを作るための1つのコツなのですね。


 だた、ここに1つ落とし穴があります。、
 ギャップのあるキャラクターのウケが良いからといって、自分が描きたくないのに、
 無理にそのようなキャラクターを描いてしまうと、画竜点睛を欠くことになります。

 魂の入っていない抜け殻のようなキャラができやすくなるのですね。

 そういう読者に媚びを売っているようなキャラの出てくる作品は、あまりおもしろいとは言えません。
 自分が描きたくないキャラクターを無理に描くようなことはしない方が良いでしょう。


シズさんからの意見 
 初めまして。
 参考になるか分かりませんが、私の意見を。

 物語の最重要人物である主人公とヒロインは、
 印象の強いキャラクターにした方が良いと、私は思うんですよね。


 だから、ほとんどの作品のヒロインは「現実離れ」しているのではないでしょうか。

>>どの作品も判で押したように「気の強いヒロイン&受身の主人公」という形になっているような気がします。

それは今「ツンデレ系ヒロイン」が流行っているせいもあると思います。(2005年3月現在)

>>しかし、現実的に言えば、「戦闘力はあるけど精神的に幼い少女」に代表されるような、ホルモンバランスの異常を来たしている人間がそうそういるとは思えません。

 「小説は非現実を書き、読者を楽しませる物」でもあると、私は思います。
 だから、あまり現実は気にせず、
 どんどん「現実離れ」した女性キャラクターを書いてはどうでしょうか。


>>もし普通(ホルモンバランスが正常)の女性キャラを書くとしたら、それはジュブナイルになってしまうのでしょうか。

 ここまで読んで思ったのですが、
 もしかして蜜野さんは「正常(?)な女性キャラ」を書きたいのでしょうか。
 それも良いと私は思いますが、印象の強いキャラの方が受けるのは確実でしょうね。
 あ、別に現実の女性が印象ないと言っているわけではないです(w
 まぁ、多少激しい一面を持っていたり、かわいい一面を持っていたりした方が、魅力的なキャラになると思います。

 ではでは駄文失礼しました。


不空さんからの意見 
 こんにちは。
 生物で盲斑(盲点)の大きさを計測したら、ピカチュウの形をしていた不空でございます。

 実は、私も蜜野さんと同じ事を考えていました。
 ライトノベルに登場するキャラ(特に女性)にはリアルさがない、と。
 キャラクター小説とか呼ばれてる割に、中身が空っぽの登場人物が多いような……
 絵のせいでもあるのかもしれませんが。

 まあ、インパクト付けるためには多少大げさな設定も必要かもしれませんが、
 そればっかりも嫌ですよね。正直ウンザリしてしまったり……

 しかし、そのような女性を登場させなくても、テクニック次第で印象づけることは可能だと思います。
 というかそもそも、『戦闘能力があって気の強い子』と『ひ弱でおっとりしてる子』の二つのうちどちらかを選択する、みたいな傾向自体が間違っていると思うのです。
 一目ではっきりとわかる違いなんて知れてます。

 物語が進むうちにだんだんとわかってくる違いのほうが、深くて味があります。
 同じ人間なんていないんですから、その枠から逃れて自由に人間を作ればいいんです。


 難しいですし、深く読んでもらわないとわからないことにもなりかねませんが、
 成功すると新鮮な感じがしておもしろくなるはずです


仁ノ河さんからの意見
 どうも、仁ノ河です。
 男女問わず完璧な人格・能力のキャラというものは、主人公達の対抗馬や便利な味方になったり、格好よさを体現させてみたりといった役どころが多いですが、言ってしまえばそれだけです。
 物語の深めようもありませんし、感情移入も望めません。
 せいぜい完璧超人な美形が、女性ファンからキャーキャー言ってもらえるくらいしょう。

 キャラの魅力とはイコール人間としての魅力です。
 (ここでの魅力があるとは、
 ただ単にかわいーとかカッコいーとか言ってちやほやされることを指していません)

 何事にも完璧過ぎるキャラは完璧であること以外に個性が無く、個性から放たれるものである魅力が必然的に弱くなってしまいますし、露骨な萌え狙いのキャラはそれ以上の魅力を出すことはありません。

 どちらも人間として薄っぺらになってしまうのです。


 また人格的・肉体的に強ければ、主人公を導き物語を引っ張っていくキャラとすることができます。
 部分的な弱さや欠点は、キャラに個性を与え、魅力を生み出す元となります。

 無論、だからといってありがちなキャラしか創れない作者というのも問題はあります。
 ありがちなキャラしかだせないと、キャラの創造能力に大きく欠けている、と読者に判断されかねませんので。

 あと一見普通であるように思える女の子が不評というのも、ここら辺に起因している所が多いと思われます。試しに、ありそうな理由を挙げてみます。

 あまりに普通として認識されている故、個性がないと判断される。
 他のキャラの個性に負け、かえって浮いてしまう。こんな感じで媚びを売る女を知っている。
 地味。存在価値がわからない。誰かに頼りきってる奴は嫌い。
 他のキャラでも代役が可能である……etc

 ……やっぱどんなキャラでも、
 最低一つは武器となる個性がないと生き残れないぞってことでしょうか。


 たとえ主人公を支えるタイプのキャラであっても、 その辺のカーネルおじさんや食い倒れ人形とすりかえても進行に問題がないようなマスコットではなく、人間的な魅力と強さを持つキャラであれば非難はされないと思います。

 それと主人公が受身気質なのは、そっちの方が物語の展開が楽だからではないかと思います。
 (経験あり)
 主人公が自発的に事件に首を突っ込む過程は書きにくいですが、事件に嫌でも巻き込まれてしまうという立場であればそこに至るまでの流れが物凄く楽になります。

*なお、ここでの巻き込まれるというのは「望んでなった仕事上の任務で」とか「そういう家柄や体質で」とかいった、元より巻き込まれる状況にはあったというパターンも含んでいます。

 それに、事件に立ち向かう動機も定めやすいです。
 何らかの怪異に巻き込まれたのであれば、序盤は自衛という最大の動機のよって動かして、それから徐々に自分の意志で立ち向かうようシフトさせることができます。
 ジャンルによっては、ここで成長物語としての側面を作り出すこともできます。
 だれかに頼まれたのであれば、責任感を動機としても自然な流れでしょう。

 また『*』で示した場合においては、自分がやらなくてはならないのだといった感じで、義務として立ち向かわせることもできます。

 逆に、別に頼まれてもいないのに自発的に首を突っ込んだとか、静観できる事件を静観しなかったといった場合であれば、どんなに下らないものでも構いませんが、とりあえず最初から動機や信念を持っている必要があります。
 それは正義感であったり復讐心だったりしますが、とにかくそう言うものを持っていないと話が始まりません。
 でなきゃただの迷惑野郎です。

 もちろん、巻き込まれた以降は自発的に動いたり、自分から介入したはいいがにっちもさっちも行かなくなったりという場合も多々あります。
 あくまでも大体どんな感じか、といった程度です。

 上の二つ以外にも、自分が原因を作ってしまったので自分で何とかするというパターンがありますが、受身云々の話から少しずれそうだったので触れません。
 当然これらが全てではありませんが、多くの物語に横たわる共通点の理由の半分くらいは上記の内容にあると思います。

 最後に一つ。

 基本的な文法や文章作法を除けば、小説に絶対なんてありません。
 常識なんて崩してなんぼの世界です。


 極論すれば、小説の世界では書き手こそが神であるといえます。
 あなたが嫌いなものは出さなくてもいいですし、好きなものはだせばいいんです。

 ただし、読者に受けるかどうかは全くの別問題ですのであしからず。
 長文乱文、失礼致しました。
 
宮原 聖(通称ひじりん)さんからの意見
 
どうも〜、ひじりんです。
 ちょっと興味のある話だったので、横から参加します〜。

 昔から言われている言葉でこんな言葉があります。

「女は愛嬌、男は度胸」

 これが何を示すかというと、実はそれぞれ足りないものを言っているんですよね……。
 この地球上では、基本的にマッチョイズム、つまり男性優位主義が基本となっていて、軍人もほとんど男性が占めています。
 ですからどうしても「戦う人=男性」という印象がありますが、過去に戦う女性がいなかったわけでもありません。
 有名どころで上げてみれば、「アルテミス」「ジャンヌダルク」「貂蝉」などなど……(アルテミスは神話からですけど(笑))
 いろいろ調べてみると、結構気性の激しい人もいます。
 女子プロとかの人もそういう意味で言ってみれば、かなり気性が激しいですね。
 生物的に「男らしい」「女らしい」というある種の性格付けは出来てしまっていますが、だからと言ってその一言で片付けてしまうのは一種の性差別です。
 ラノベは現実である必要がない、または現実ではないからこそですから、別にホルモンバランスにこだわる必要はないんじゃないかなーと思います。
 要はキャラクターが立つか立たないかの問題ですしね。

 また先ほど「女は愛嬌、男は度胸」と言ったように、意外と男性の方が度胸ない人が多いです。
 特にここ最近は一層この言葉通りになってるみたいですから、気の強いヒロインもおかしくはないと思いますよ(それが強さに繋がるのはラノベらしいところですけど……(笑))。

 ただ日本民族的な、女性はおしとやかで慎ましい方が良いという古風な考え方も未だに根付いていますから、楚々とした女性も書き方によってはちゃんとヒロインになれると思います。
 というより、気の強い女性キャラが多い今だからこそ、逆に「女らしい」キャラの方が印象を持たれるかもしれませんよ。
 あとは全部書き方次第です、としか言いようがないですね……。
 魅力あるキャラクター作りにがんばってください><


不空さんからの意見
 参考までに投稿させてもらいます。

『小説でも戯曲でも、我々が見るのは、人間の本性であり、行為である。
 小説において描かれるのは、主として、思想と事件である。
 小説はゆっくりと進まなければならない。そして主人公の思想は、いかなる方法によってであれ、全体が慌ただしく展開しようとするのを抑制しなければならない。
 小説の主人公は受動的でなければならない。少なくとも、高度に能動的であってはならない。
 小説では偶然の働く余地が与えられるが、しかしその偶然は、作中の人物の思想によって引き起こされるものでなければならない。偶然の外的事情によって、人間が思いもかけぬ破局へと駆り立てられるのは、戯曲にしか許されない。』

 ゲーテの『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』からの引用(省略あり)です。
 戯曲と小説の対比なんでこれだけでは意味がわからないと思いますが、受動的主人公は小説において一般的だということができると思います。
 もちろん、ゲーテは三百年ほど前の人なので今に当てはめるのは見当違いかも知れませんが。
 古い習慣を抜け出すことは大いに奨励されるべきですが、今ある秩序の中で作品を生み出すことも、悪くはないはずですよ。

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えだまめさんからの質問  
 幼い頃から作家修業をしていないと作家になれないの?
(研究所の掲示板に書き込まれた文章を修正して転載しました)

 初めまして。受験真っ最中だと言うのに本ばかり読んでいる全く受験生っぽくないえだまめです。
 なんだかとても心配になったので思わず書き込みをしてしまいました。
 めんどうなようでしたらスルーしてもかまいません。

 私は作家志望(ラノベ)なのですが、最近どんどん自信をなくしてしまっています。
 何故かと言うと、本に興味を持ち始めたのが中学からで、作家になりたいと思い始めたのが中3の時なのです。(現在中3)
 作家のプロフィールなどを見ると、
 毎回毎回「小学生の頃から読書壁だった。」
 「作家になりたいと思ったのは小学生の頃。」
 「ある作家の○○全集を何度も読み返した。」などを目にします。
 それとは逆? に、
 私は読書関係の始まりが全て中学からで、遅いのではないのかと思っているのです。
 現在日本では作家志望の人が激増していて、新人賞などに選ばれるのもほんの一握りだけです。
 そんな中でスタートが遅く、知識不足の私が通用するのでしょうか。
 さらに国語の読解問題が一番の苦手というありさまです。

 みなさんはどのように思いますか? やはり無理でしょうか?
 よかったらアドバイスや励ましの言葉をいただけるとうれしいです。
 また、みなさんは何歳の頃から読書に興味を持ち始め、作家を志しましたか?


●答え●

 悩んでいる暇があるのなら、

 
一冊でも多くの本を読み、一行でも多くの文章を書いてください。

 作家になれるだろうか? なれないだろうか?
 と考えているウチに、時間はドンドン過ぎていきます。
 特に社会人になると忙しくなるので、読書や執筆にかける時間なんてほとんどなくなります。
 書籍『プロ編集者による文章上達秘伝スクール』の著者、村松氏は、
 
 作家になるために必要な時間=才能×努力 

 だとおっしゃっています。 
 自分に才能が無い、努力が足りないと思ったら、努力すれば良いだけの話です。

 実際に、社会人になってからコツコツ10年以上も新人賞に応募し続けて、
 作家になった人が何人もいます。


 代表的な人として、第13回日本ファンタジーノベル大賞を受賞した粕谷知世さんがいますね。
 彼女は13年にも及ぶ長い投稿生活の末、『クロニカ』という作品で大賞を受賞し、
 作家デビューを果たしました。
 幼い頃から、作家修業をしていた人間が有利なのは当然です。
 彼らに比べて自分に努力が足りないと思ったら、今からでも必死に勉強すればいいだけの話です。

 ちなみに、私が本に興味を持ったのは高校生からで、
 小説を本格的に描きだしのは、その後、自衛隊に入隊してからです。

 まだ中学生なら、これからいくらでも挽回できるでしょう。


イシカワさんからの意見 
 確かに、多くの本を読んだ人は語彙や表現が豊富なのかもしれません。
 ある方がおっしゃっていたのですが、「小説家は365日四六時中仕事をしていないといけない」と。

 作家はあらゆる方向、あらゆる事象にアンテナをはっていないとならないのだそうです。

 それが、語彙や表現の増やし方であり、文章を作る者としての心構えだとも。
 語彙・知識不足なんかはどうにでもなります。
 メモ帳を常に携帯し思い立ったことを書きとめてみるとか、辞典を傍におき(電子辞書だと便利かもです)言葉を何でも片っ端から引いて書き付けてみたり。
 思い切って日本語の文法参考書を買ってみるのもいいかもしれません。
 少し生き方を変えるだけで、それらはちょっとずつ確実に増えていきます。

 やはり、小学校の頃から小説を書いている人は強いと思います。

 というのも、文章の上手い下手は「書いた量」に比例してしまうところが少なからずあるからです。

 だから僕は言います。「文章をたくさん書いてください」と。
 出遅れた感があるのは否めません。が、決して不可能ではないです。むしろ「これから」です。
 三十路を過ぎてから大成した小説家だって何人もいらっしゃいます。
 作家を目指すというのなら、諦めないでください。
 たくさん文章を書いてください。何にでも興味をもってください。
 心がけ方、気の持ちようでいくらでも道は開けます。

>みなさんは何歳の頃から読書に興味を持ち始め、作家を志しましたか?

 小学校六年生のときに「鉄仮面」を読んだのがきっかけで読書を始めました。
 図書室でズッコケ3人組も読みました。中学入ってからは「三毛猫ホームズシリーズ」でしょうか。
 作家(ラノベ)という職業を本格的に意識するようになったのは、
 中学二年のときに「ダブルブリッド」を読んでからです。
 「作家になりたい!」と思ったのは高校生になってからでした。
 作家の真似事は小六の頃からしていましたが……。

 偉ぶったようなことをつらつらと書いてしまい、すみませんでした。
 しかし少しでもえだまめさんの励みになれば僕も嬉しい限りです。


じゅんのすけさんからの意見 
 こんにちは。じゅんのすけと申します。

 スタート時期が遅かったと言うことですが、だからといって夢を諦める理由にはならないと思います。
 スタートが遅いぶん、ゴールするのが遅れるかもしれませんが、ようはゴール(作家になること)にたどり着ければ問題ないのではないでしょうか。

 スタートの遅さで言えば、僕は相当遅いです。
 小説に興味を持ち始めたのは大学生になってから。高校までは、読書なんて大嫌いでした。

 人よりスタートが10年遅れたかもしれませんが、
 なら僕は、皆さんよりも10年、15年あとにゴールするだけです。
 なにも問題ありません。



防衛課被害者の会さんからの意見 
 励ますのを半分、奈落の底に突き落とすのを半分、といった感じにレスさせていただきます。

 あいまいな記憶なんですが、歴史小説家の隆慶一郎氏は、
 確か50代ぐらいで作家デビューしたと思います。

(ただし、隆氏の前職はシナリオライターである)

 それから考えると、あなたの悩みは実に小さいといえます。

 確かに1個人の成長として考えると、早期教育は有効です。
 でも残念ながら小説というのは、プロスポーツの世界ほどではないにせよ、
 かなり『天才の芸』に属している分野であるため、
 才能のない者に教育を施しても、たかがしれています。

 才能のある者にとっては、知識や技術というのは瑣末なものであるにすぎず、
 (腹の立つ事に)教えればあっという間に吸収してしまいます。

 なにやら、説教臭くなってきたので、このあたりで辞めておきます。
 それを知って進むのか退くのかは、自分で判断するしかありません。
 後々、後悔することのないように祈らせてもらいます。


柊 木冬さんからの意見 
 初めまして。柊と申します。

 ……そんなことで悩んでる暇があったら一行でも多く書けやボケェ、とか思った私は絞首刑に処されるべきでしょうか。
 いえでも実際そう思うんですよ。ボケェは言いすぎにしても(笑)

 私は物書きとしてのスタートを切った時期が異様に早いです。
 赤ん坊の頃から海外在住だったことで、日本語能力の劣化を恐れた両親が私に徹底した読書教育を施し、それが高じて物書き志望となりました。
 初めて書いた話の内容なんて、昔すぎてもう覚えちゃいません。
 ひらがなも書けない3〜4歳のうちから、妙な記号の群れを紙に書き綴っては「お話が書けた! 読んで!」といって親に見せていたそうです……(困ったガキだ)
 そんな私が言っても説得力はないかもしれませんけど。

 いやむしろスタートが早かったから思うのかな、
 執筆歴や読書経験の長さ・多さって、実はあまり関係ない気がするんです。


 だって15年近い筆歴を持っている私を圧倒するような作品を、
 書き始めて2年とか3年しか経っていない人があっさり書いちゃったりとか、よくあることだからっ!
 ほんとにほんとによくあることですから!(涙)

 あと、ここだけの話ですけどね。
 むちゃくちゃ子供の頃から小説書いたり読んだりしてる人って、実は結構『足踏み期間』が長いんですよ。何も考えずに読んでた期間、何も考えずに書いてた期間がものすごく長い。
 実際私も、本格的に技術やクオリティなどを気にして書き始めたのは小学校の五年生ぐらいからです。子供のうちって選択眼がないから、何を読んでも面白く感じてしまって、いいものも悪いものも隔てなく吸収してしまいますしね。

 だからえだまめさんが思ってるほど、彼らはあなたの先にいるわけではないのだと思います。

 ある程度成長してからもの書きを志した人は、考えながら書く、考えながら読むということの重要性を知っています。
 いい作品を選り好みして読んで効率よくセンスを鍛えることもできます。
 ですから成長はものすごく早いんです。追いつくことは決して難しくないはずです。

 だから、ね、安心して書き続けてください。
 早くから「この世界」にいた私たちだって、実は脅かされて怯えているのですよ。
 成長してからこの世界に入ってきた人たちの存在にね。同じことなんです。
 それでは、失礼しました。


gazeさんからの意見 
 読書を始める時期の遅さについてお悩みのようですが、ことライトノベルに関してはそれほど神経質にならなくても良いと思います。
 ライトノベルの読者はほとんどが学生です。
 えだまめさんが普通に学校生活を送り、いろんな出来事に出会い、その中で自分が感じたことや考えたことを少しでも心に留めておけば、その感性が執筆をする時に大きな財産となるはずです。
 子供の頃に読んだ本なんて、大した得にはなりません。

 国語の読解問題の出来なんて、気にするだけ無駄です。

 あれは本当の読解能力ではなく、
 どれだけ教師の感性や模範解答に近い感性をしているか、を測るものです。
 そもそも書き手に要求されているのは、読解能力ではありませんし。

 自分に限界を感じたりするのは、まだまだ本当の力に気づいていない証拠です。
 夢を信じた自分の心に自信を持って下さい。
 最強の敵は、不安で横槍を入れてくる自分自身です。

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