第4研究室 創作に関するQ&A 18P | トップへ戻る |
RforRさんからの意見  
 読者に配慮しよう

 はじめまして。 RforRと申します。
 
 ライトノベル作法研究所、コンテンツをすべて拝読しました。
 僕もプロを目指しているので、ある程度は分かっているつもりでしたが、
 それでもいくつか気づかされる点がありました。
 特に新人賞への投稿などについては知らなかった点が多く、
 とても勉強になりました。

 僕はある創作サークルに所属していたのですが、
 そこでのレベルはお世辞にも高いとは言いがたく、
 典型的な自己満足の作品ばかりでした。
 そのサークルで感じたことなどを反面教師として、
 こちらのライトノベル作法研究所とかなり近しい考えに至っています。

 そのサークルで特に多かったのが、
・ダラダラと長い世界観記述
・視点移動
・似たり寄ったりのキャラクター


 そして何より多く、読む気が起こらないのが、
・未完結(しかも長編)

 ライトノベル作法研究所では未完のものは初めから作品として扱わない、
 といったスタンスを持っているようにお見受けし、とても感激しました。


 さて、僕もこれまでにいくらかの考えを培ってきたので、
 ライトノベル作法研究所と被らない(と思われる)いくつかを、
 ここに記してみたいと思います。
 
キャラクターバランス
 先に書いた某創作サークルで時折あったのが、
 出てくるキャラクターがことごとく似ているというものです。
 おそらく、作者の好みのキャラクターだけを入れてあるのでしょう。
 しかし、読んでいる方にとっては区別が付きづらく、
 しかもお互いに足を引っ張り合ってキャラが立ってませんでした。

 正多角形の角に位置するようにキャラクターを作り、
 それぞれが引き立てあう関係というのが基本だと思います。


 もちろん、多少のずれがあるからこそ作品に雰囲気や味が付いてくる、とも思います。


受け手第一主義
 小説の場合、受け手は読者に他ならないです。
 ところが小説という表現形態は、
「ただ字を連ねていけば形になる」
 という勘違いを起こしやすいと思ってます。
 それは音楽に置き換えると、
「ただ音を出していけば形になる」
 と言っているようなもので、それはつまり「騒音」に他なりません。

 小説という形態は、そもそも読者の読解力に依存するところがありましょう。
 しかしながらそれは、言い換えると「甘え」ですよね。


 そこで僕は、物書きは小説以外の表現形態もやってみたほうがいい、と考えます。
 僕にとってそれはゲームと漫画なのですが、
 どちらも受け手のことを第一に考えなければならない、と思わされました。
 特に、それはゲームを作っているとき顕著に感じました。

 例えば、僕はアスキーのRPGツクールシリーズを子供の頃から楽しんでいました。
 (RPGツクールは、自分でRPGゲームを作って楽しむことができるソフトです)
 そして、ゲーム製作の基本がだんだんと分かってきました。

 ゲームの基本は「さまざまなプレイヤーの思考・行動」を
 すべて想定しておかなくてはならない、ということです。


「自分ならこの場面でこうするのがあたりまえだから」などという考え方では、
 思わぬバグが発生します。
「ひねくれ者ならばここでこんなことしてもおかしくない」と先読みし、
 その対処をあらかじめ作っておかなければなりません。

 他にも、絵を描いたら、裏から透かしてみろとか、
 左右反転させて見てみろ、とよく言います。
 これは「作り手」と「受け手」の観方が違うことを非常に簡単に教えてくれます。

 さすがに、小説を左右反転させたり後から読んだところで意味はありませんが、
 書いた作品を寝かせることで似たような効果は得られます。
 (というのは研究所にも書いてありましたけれど)
 しかしいつまでもそんなことばかりはしてられないし、
 最初から「受け手」のことを考えて書くのがいちばん手っ取り早いですよね。

 ながながと書きましたが、要は、
「小説という形態は、受け手のことをないがしろにしがちなので、
 読者のことをもっと考慮しなければならない」

 ということです。

 所長のブログのほうに、

>これで果たして読者は楽しんでくれるのか?
>という自問自答を絶えず繰り返す必要があるのですね。

>自分だけが楽しんで、後は知らないよ、という態度では、絶対におもしろい小説は作れません。
>常に読者の目を意識するのが、上達のコツです。

 と書かれてましたが、まさにそういうことだと思います。

 それでは、失礼します。



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柳田ライブさんからの質問  
 設定資料はどれくらい作った方が良い?
(研究所の掲示板に書き込まれた文章を修正して転載しました)

 みなさんは小説を書くに当たって、プロットとは別で、設定資料をどれくらい作るものでしょうか?

 僕は川上稔氏や吉田直氏の影響からか、
 長編1つ書くのにも、平気で大学ノート3・4冊ぎっしり使ってしまうのです。
 異世界物なら+2・3冊、超常要素一切無しなら−1・2冊です。
 友人に設定の齟齬を指摘され、川上氏のサイトを発見してからは、
 設定というものを異常に重要視し、ほとんど強迫観念のように設定を作ってしまいます。
 友人にそのことを伝えると「お前4クールアニメ作るんじゃないんだから」と呆れられてしまう始末。

 僕は設定資料の量は、平均的なのか多いのか少ないのか教えて下さい。


●答え●
 
 設定資料を細部まで作ることは、その世界にリアリティを与えるために必要な作業です。

 有名なライトノベル作家では「トリニティ・ブラッド」の吉田直さんや、
 「フルメタル・パニック」の賀東 招二さんなども、膨大な設定を書き連ねているそうです。
 事実、彼らの作品は、矛盾など一切感じさせない、完成度の高いモノに仕上がっています。
 設定を作り込むことは、大切なことです。

 ただし、設定はあくまでストーリーを引き立てるための要素に過ぎません。
 
 設定がいくら作り込まれていても、話がおもしろくなければ駄作の烙印を押されて終わりです。 
 柳田さんは、現在、小説家として、どれくらいの実力をお持ちなのでしょうか?
 もし、文章力や構成力がまだ未熟だと感じているなら、設定資料を作ることに熱中するよりも、
 小説家に必要な能力を鍛えることに力を入れた方が良いです。

 大学ノート3・4冊もの設定を作るとなると、かなりの時間がかかるハズです。
 その時間を、読書や執筆に当ててください。
 

 小説を描くのは、非常に難しい作業です。
 設定をどれだけ練っても、それを生かす力がなければ徒労になります。
 実際に小説を描くと、実力不足から読者に意図が正しく伝わらない箇所や、
 矛盾点、つじつまが合わない部分が出てくるのです。

 特に、アマチュアに多い失敗が、せっかく作った設定を披露したくて、
 設定の説明に紙面を費やしてしまうことです。
 歴史がどうたらこうたら、この宗教の神がどうたらこうたら、この建築様式がどうたらこうたら、と、
 ストーリーに関係してこない不必要な情報をいくら載せても、無駄なだけです。
 それどころか、話の流れを悪くして、ストーリーを掴みづらくさせてしまいます。
 作者に実力が無いと、設定を大量に作ったことが、逆効果になってしまうことがあるのです。
 設定は膨大、中身はスカスカという小説は、プロの作品にも多々見られます。
 
 まずは小説家に必要な基礎力を付けることに力を入れてください。

 膨大な設定を用意するのは、その次のステップです。


草葉光輝さんからの意見 
 ども、川上稔好きの草葉光輝と申します。
 設定はそれほど詳細を決めているわけではありませんね。せいぜい2〜30KBぐらいです。

 まぁ、だからといって少なけりゃいいのかと申しますと、
 個人的には設定はあればあるほど後々の役に立つと思いますです。
 もちろん、大前提として矛盾や設定の積み込みすぎなどに注意して、とゆーことですが。
 設定の時点で世界観がしっかりとしていれば、
 物語内で設定関係で矛盾が発生することはやはり少なくなりますしね。

 注意すべきことは、書き連ねた設定群を無理矢理、物語で全て使おうとしないこと。
 楽しむべき物語で設定が大量に掲載されていては読者が離れていく可能性もありますしね。


 まぁ、創るだけならば損は無いと思いますですよ?


Triple-Iさんからの意見 
 これは、設定を作りすぎです。
 僕の場合、資料だけは大量に集めますが、設定はそれほど詳しく書いたりしません。
 大体Wordのデフォルト設定で、3〜4ページくらいびっしり埋まる、と言ったところでしょうか。

 ライトノベル系の新人賞に応募する、という前提で言いますと、明らかに設定量が多すぎます。
 そんなに設定を練ったところで、ムダになるもののほうが多いでしょうし、
 何より、設定に縛られて自分の書きたいものが書けない、という事になってしまいます。


ひろやさんからの意見 
 多大な設定はいつかあなたを助けます。

【設定が作るリアリティについて】 
 設定は世界観であり、その一つ一つがキャラクターや背景、ストーリーなどに密接にかかわります。
 それらに自然な動きを与えるでしょう。


 よく考えてみて。バックグランドの無い薄っぺらい世界に人や国が存在できると思う?
 これが後々矛盾を生みます。
 それらが自然で、そして、ちゃんとしたリアリティを持って存在するためには設定が必要なんですよ。

 よくあるじゃん。突然現れたような歴史もへったくれもないような国。
 雰囲気もなく、キャラクターがその国に馴染めず、
 キャラとそういうバックグラウンドで矛盾があるアマの小説。
 あ、俺だ、と思ったらちゃんと書いてみよう。

 まぁ、設定というのは見える部分だけじゃないんだよ。
 活かされるのは見えない部分。歴史や国家をちゃんと作ればキャラの背景はずっと奥深くなる。
 宗教をちゃんと作ればその国のモラルなどが反映される。
 そうすれば人々や国の考えかたがより鮮明になる。
 これらは書かなくともキャラの思考、行動理念などに引っかかるんだ。大切な事さ。
 あと、ちょっと風習とか入れてみると何気ないコマが世界観に引き込むスパイスになる。

【続編を考えるならば……】
 設定は第二話などのストーリー構成にも関わってきます。
 よく考えてみて。本当にプロになって、それで連載できるのかな。
 何話も話を作れる設定なのかね。
 それが一話っきりの話であり、あまり設定を必要としないものならばいいけど。
 多くの設定を作り、自然な配置をすませれば、
 ただねちょっとテーマやキャラを放り込んだだけでストーリーができます。これ、本当。

 設定が少ないのは問題です。はっきり言います。めっちゃ問題。
 ここで少ないのが無駄、という人が多くてビックリした。

 無駄なものなど設定にはありません。全てが世界を構築するのに必要ですよ。
 ただ、小説に出てこないだけでその世界では生きています。
 何かが、何かに少しずつ関係して出来上がるのが世界です。本当に生きてきます。マジで。
 こればっかりは信じていいよ。

 詳細な設定はあなたを必ず救います。
 そして、本当にリアルなものを作りたいならば設定をしっかりと組み立てる事をお勧めします。


 ただ、設定があんまり必要じゃない話も存在するのも事実。
 今回は異世界ものを作るという視点で書きました。
 現実だと、その変わった小説の部分をどう現実に当てはめるか、
 で設定が必要になるからどっちも大変。
 もちろん、本格的なものならば。ギャグとかだとあんまし必要ないけどさ。


春瀬 まゆらさんからの意見 
 設定だったらそれくらい作りますよね……? 人それぞれなのでしょうか。

 自分でオリジナルの世界を作るのなら土台となる設定は必要不可欠なはずです。
 土台がしっかりしないものに家などは立ちません。それと同じです。


 欠陥です、後に気付いても直せない事が多々あるものです。
 だって、無から有を作り出すのって、すごく難しい事ですから。
 自分に自信がもてないのであれば、準備を万全にし様々な事態に適応できるようにしてこそ、
 物語が書けるのだと思います。

 あ、でも。熱中しすぎには注意です。


みつきさんからの意見 
 柳田ライブさま、初めまして。
 設定資料についてですが、柳田さんの三・四冊というのはかなり多いのでは。
 それを書くだけでもかなりの労力ですよね。でも、楽しく書けるのならそれもいいと思います。

 私の場合は、その物語にどうしても必要で重要な部分(主人公の必殺技(?)についてとか、その世界における決まりごととか)をきちんと書き出すと、現代物で大体B5ノート、2枚〜4枚くらいになるでしょうか。
 異世界物だと、大体その倍くらいです。
 あとは、主要な登場人物ごとにノート見開き(つまり2ページ)で、身長・体重、現在の所属、容姿や普段の服装などを簡単に書き、必要に応じて学歴、家族構成などを書き込みます。
 これで書き始める前の設定資料作りは終わりです。

 見開きで作った登場人物設定の頁にたくさんの空白部分が残りますが、
 ここには小説を書いていくうちに出てきた事柄を忘れないようにメモするための余白になります。

 私の場合、とにかく小説を書き始めないとストーリーもキャラも動き出さないので、
 このやり方が一番いいみたいなんですよね。
 四百字詰め原稿用紙で三百枚くらいの作品だとすると、
 設定資料の量は(余白込みで)大体ノート二十枚弱くらいです。

 確かに、千枚以上に及ぶような作品を書くときには、それに従って設定資料も増えていくものと思いますし、詳細な設定がどうしても必要になってくるでしょうね。

 ですが、作品内の齟齬や矛盾を無くすために一番大事なことは、設定資料を作ることではなく、
 作品を書いている最中に何度も何度も読み直しをして、
 自分の小説に何が書かれているのかをきちんと把握することなのではないでしょうか。

 齟齬や矛盾が生まれる一番の原因は、
 読み直しと推敲の回数の少なさなのではないかと私は思います。



峰しずくさんからの意見 
 設定は、現実世界を舞台にするものほど適当でよく、
 異世界を舞台にするものほど詳細なものが必要、と言うことになると思います。

 
 資料など、現実世界を舞台にするものなど、インターネットでほとんど検索できますから、
 あらかじめ集める必要すらないのでは、と思います。
 ただし、急場しのぎでネット検索するにしても、
 「ここはきちんとおさえておくべきだ」と自分で判断するだけの力量は必要でしょう。

 個人的な話になりますが、現実にある土地を使って旅を舞台にして書いたときは、
 航空会社の国際線時刻を調べたり、
 英語表記に苦しみながらヨーロッパの鉄道会社のHPを見たり、「地球の歩き方」を買ってきたり、
 あげくに「旅行記」を掲載した個人HPからその土地の雰囲気をつかもうとまでしました。
 架空の土地を舞台にした旅のお話では、頭の中で何度も何度も地図を書き直したり、
 などということをしました。

 宇宙もののSFや、ファンタジーの場合は、設定を作りながら書き進めることも多いですね。
 そのせいか、僕の作品は世界観がしっかりしていると言われることがありますが、
 実は別にノートを作って世界を構築しているのではなく、書きながら決めているので、
 物語の中にもそのまま出てくるのです。
 なぜなら、物語中に記述しておかないと、作者が設定を忘れてしまうからです。

 なので、原則はともかく、世界観を作っていくことを楽しみながら書く、
 ぐらいでよいのではないでしょうか? 
 
 しかしこれも、ここはきちんと作っておかなくては、
 という部分を自分で判断して押えておく力量が必要でしょう。

 でもまあ、商業作品の中にはすごいものもありますよ。
 松本零士さんの「銀河鉄道999」の同じ話の中に、「1001」番線が出てくるのに、
 銀河鉄道には1000号までしかない、という設定になっていたり、
 本社は地球にあるはずなのに、いつのまにか違うところになっていたり……。
 銀河鉄道999の再出発は1年後、ヤマトの再出発は1000年後なのに、
 宇宙空間で出会っていたり。(時の輪がねじれているのだろうと思うけれど)。
 作品がすばらしいので、これを時空を越えた壮大な物語と言い切ってしまうことが出来るわけで、
 ならばアマチュア作家は細かいことにとらわれずに、
 壮大に書いてしまうのもひとつの手かなと思いますが。

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