第4研究室 創作に関するQ&A 32P | トップへ戻る |
繁さんからの質問  
 公開した小説を書き直したくなったら?

 初めましての方が多いと思われるので、初めまして。繁と申します。
 中性的なHNですが一応女です。
 質問の答えや感想はごくたまーに書いていくのですが、
 小説を投稿する勇気は出ない小心者です。

 で、本題。
 現在私は長編の小説を執筆しています。
 細々とHPを運営しておりまして、そこで掲載しているのですが。
 飽きっぽい性格のせいか、すぐに書き直したくなるんですよね。
 で、5話くらい書くと「こうしたほうがよかった」というのが溢れ出し、
 またプロローグから書き直すということをよくしてました。

 でも何回も書き直すと読者も嫌になりますよね。
 読者の一人である友人から
「気に入らなくても一度完結させたほうがいいよ。
 繁は推敲しすぎてるから……あんま推敲しないで書き上げちゃって、
 書き直すのはそれからにしたら?」
 とアドバイスを受け、そうしてみることにしました。
 プロットを「これに沿って書けば大丈夫」というぐらい細かく作り直し、
 推敲はやりすぎると全部嫌になるので最小限に抑え、
 「もう書きなおさねぇぜ!」と大口叩いてみたりしたのですが。

 執筆途中に、その場の思いつきで設定を追加してしまったんですね。
 その時はそのほうが作品が面白くなると思っていたのですが、
 そのアイディアが作品に矛盾を生んでしまうことに気付いたのです。
 現段階で矛盾は発生していませんが、
 このまま行くと確実に物語がぶち壊れてしまうんですよ。

 なのでもう一度書き直そうと思ったのですが、
 サイト上でも「もう書き直さないので見捨てないで下さい」
 とか馬鹿な宣言をしてしまい、(本当に馬鹿。死んでも治らない馬鹿)
 書き直すに書き直せない状況なのです。

 もし私と同じような立場に立った場合、皆さんならどうなされますか?
 ご意見・アドバイスをお願いします。


●答え●
 
 お気持ちはよくわかります。私もたまに、あそこは、やっぱりあーしておくべきだったと、
 一度公開した作品に手直しを加えたくなることがあります(汗)。
 特に、ココが良くないなどの批評を受けると、そこから書き直したくなっちゃう衝動に駆られますね。

 でも、一度公開した小説は書き直さない方が良いと思います。
 
 理由は2つあります。
 まず、読者が混乱するからです。
 どの程度、手を加えるかにもよりますが、
 例えば設定を変更したり、伏線を追加したり、ストーリーの流れを変えたりすると、
 連載型の作品を読み進めていた読者は、その部分に戻って読み直さなければなりません。
 もし、書き直されたことを知らずに先を読んだら、つじつまが合わなくなります。
 これは読者にとって明らかにマイナスです。
 あまりこのようなことを繰り返していると、危惧されている通り、
 読者に愛想を尽かされてしまいかねません。
 
 もう1つは、手を加えたことが、必ずしも作品にとってプラスにはならないかも知れないからです。
 小説の腕とは短期間でレベルアップするものではありません。
 同じ所で足踏みを続けて、作品をこねくり回していても、
 あまりおもしろさには影響しないと思います。
 下手をすると、1つの綻びを直したら、別の所が破れて、そちらの修繕に奔走している間に、
 また別の問題が……なんて、問題のモグラ叩き状態になる可能性もあります。

 完全に納得のいく完璧なモノを作ろうとするのではなく、
 今回の失敗は次回の教訓とするというスタンスの方が良いと思います。

 
通りすがりeさんからの意見
 どうも、もし他のサイトでこいつはあの通りすがりじゃないかと思われても、忘れて下さい。
 であえいであえい、このまともな文章を書いた通りすがりをひっとらえろ!

 ふう、さっさと本題に入ります。
 私の場合、長編は書き上げて、推敲を終えてから公開しようと考えています。
 連作短編を書いていたときは、一週間ごとなので楽でした。
 それで……過去の作品を読んでみたんです。
 結果。何だあの駄文は、本当に自分が書いた文章なのかい? 
 あんなの信じられない、最低だ、最悪だあっ! 
 あ、あんなもの……認めない、認めないぞ――あれは昔の作品、今のこの私とは関係ないのだ! 
 あ、あれは……昔のことなんだー……(フェードアウト)
 そんな経験をするのも悪くありませんよ。無論、改稿は何年経ってもしないつもりです。

 また、完成された原稿を公開していくのだと、改稿する必要がないのでとても楽です。
 更新中に次の作品を執筆できますから、充電期間というものがありません。
 とはいえ、最初の長編を書くまでは期間が空くのですけれどね。

>サイト上でも「もう書き直さないので見捨てないで下さい」とか馬鹿な宣言をしてしまい、
 (本当に馬鹿。死んでも治らない馬鹿)書き直すに書き直せない状況なのです。

 これくらいならまだ甘いです。
 私なんか、まだ一切書いていないのに年内公開を宣言したのですから。
 目標は何と、クリスマスイブ。
 キャラは決まっているので、三週間でプロットや構成含め本文、推敲をやらなくてはならないのです。

 一度、失敗覚悟でやってみるのはいかがでしょうか。
 ぶち壊れる前に修正できるように努力してみてはどうでしょう。
 案外、やりすぎた設定でもなんとかなるものです。
 確実にぶち壊れるなんてことはありえません。
 十五禁すれすれまでいきながら無理やり軌道修正させることも可能なのですから。


蒼い人さんからの意見
 同じ思いをしている方はいるものですね。
 全く同じ経験がありました、蒼い人です。

 私は「書き直す」に一票入れます。
 何故なら、労力は甚大であるものの、楽しい事でもあるからです。
 時間が必要なら、お勧めはしませんが。

 私が書き上げた物は二つあるのですが、いずれもリライトしました。
 愛着があるからでしょうか、設定を追加・変更してもっと面白くしてやろうと
 思ったのです。それが、たとえ無駄になったとしても。

 「書き直した方が良いのではないか」という疑念よりも、
 「書き直した方が絶対良い!」という確信を私は感じました。
 まあ、書いてみたら下手くそで、どうしようもなかったからでもあるのですが。
 それでも、リライトは書き易いですよ。大体の流れは把握出来てますから。
 加えて「前回の拙さ」を知った為か、技量も速度も向上したと実感しております。
 かなりの労苦にはなりますが、腕を上げるには適した材料になります。
 それが長ければ長いほどに。

 以上、リライトで5万字を10万まで引き伸ばした事のある男からでした。


矢治さんからの意見
 繁さん、初めまして。矢治と申します。
 書き直したくなる気持ち、分かります。
 作品を何百回と読み直していると、本当に改稿の堂々巡りになってしまいますからね。
 日によって読む印象も変わったりするし、変えたり戻したりと、
 ベストを尽くそうとすればするほどこの泥沼にはまっていきます。

 HPで長編を掲載しているそうですが、出来ることなら、
 全て書き上げた上で一話ずつ掲載した方がいいかと思います

 
 他者に見せる以上はベストのものを出すべきだし、
 訪れる読者も、繁さんのベストの作品を読みたいはずですから。
 とはいえ、リアルタイムで作品を作り上げるのもネット小説の楽しみの一つ。
 趣味というのであれば、どちらを選んでもまた正しいかとは思います。
 
 でも、掲載した上で何度も書き直すのはいただけません。

 読者の事を考えてみてください。読者は当然一話から五話まで積み上げて読むでしょう?
 そこで新たな六話目の話の流れがおかしくなっていて「おかしいな?」と書き込んだりすると、
 繁さんから「実は三話と五話を書き直していて、そこを読み返せばわかります」と返ってくる。
 その時、読者はどう思うか……。既に気付いておられますよね。

 それで、今まさにそうなる危険を孕んでいる。
 とすると、方法は一つ。後半の流れで辻褄を合わせるしかありません。
 面白いと思って設定を追加したのであれば、それをさらに生かせるように、矛盾のないように、
 新たな気持ちで取り組むしかありません。
 このまま行くと話がぶち壊れるのなら、後半部分プロットを捨てて、全く新たなプロットを作り直し、
 前半の流れとも合うさらに面白い話を作り上げてください。
 かなり骨の折れる作業ですが、やり終えた時は喜びが湧きますよ。
 私もそうでしたので、保証します。

 ただ、くれぐれも改悪にならないように。
 自分が何を書きたいのか、しっかりしたものを持っていないと、辻褄合わせに終始したり、
 面白い展開を思いつくままに入れて結局わけのわからないものが出来上がったりします。
 その時最高だと思ったアイデアも、時間が経てば
 「なんだこれ?」と思うようなものがしばしばですから、
 そういったものに惑わされないで書くためにも、自分の中でしっかりと芯を通すことが大切です。 

 サイトを存じ上げないので読むことはできませんが、面白い作品が出来るよう応援しています。
 頑張って下さい!


峰しずくさんからの意見
 こんにちは、峰です。
 長編連載途中にて、最初から書き直したくなったこと……ええ、そりゃあ、ありますとも。
 同じ作品を2度も最初から連載しなおしたこともありますし、
 いたたまれなくなって、こっそりサイト上から消えた作品もあります。
 設定が変わるほどではありませんが、過去に掲載した部分を、
 こっそり一部手直し、なんてこともありますよ。

 繁さんと状況が完全に違うのは、僕の場合、複数同時連載をしているということです。
 あっちに手をつけ、こっちに手をつけしていると、
 決定的なスランプには陥らないというメリットがありますが、
 特定の作品だけ全く先へ進まない、という事態もまねきます。
 おそらく、その作品だけを集中して取り組んでいたとすれば、
 きっとサイトそのものが半年も1年も更新されないままになっていたことでしょう。
 そして、いつしかまたその作品もかけるようになるのですが、
 しかし、そのまま続けるのがもうイヤになることもあります。
 作品そのものがイヤになるわけではないので、「んじゃ、一から書き直してみるか」と、
 再連載スタート、となるわけですね。
 しかし、それ以前に、相当期間その作品は放置の憂き目にあっているわけで、
 繁さんはおそらく、一生懸命続編を次々書き、
 かつ過去部分に常に立ち戻って推敲し、ということなのだとおもいますが、
 この点が異なっていると言えるでしょう。

 なので、繁さんの参考になるかどうかは疑問ですが、
 実際に書き直しをしている人がここにもいますよ、ということで。
 ちなみに、そのことに関してクレームのメールは届いていません。(笑)


DoZunさんからの意見
 初めまして。
 既に皆さんが仰っていることではありますが、長編小説の公開方法には二種類あります。
 一つは書き上げた作品を一気にアップする方法、もう一つは一話ずつアップしていく方法。
 中編連作の場合は章ごとつまり数話でアップする方法もあります。
 繁さんのお悩みは、推敲を繰り返していると、どうしても発生してしまう問題でもあります。
 推敲すればする程、穴が見えてしまい、その穴を埋めようとしている内に、
 新しい設定を思い付いてしまう。
 他の人の場合はわかりませんが、僕も同様の経験を何度かしたことがあります。

 書き直すということは、小説の質を上げるという点においては良いことです。
 ですが、読者に対しては不親切になってしまうことの方が多く、
 連載途中の改稿はお勧め出来ません。


 途中で設定が変わってしまったりすると、読者は首を傾げてしまうことになりますから。
 現段階で矛盾が大きく露呈していないのであれば、
 嘘を嘘で塗り固める――という表現はおかしいかもしれませんが、
 それが矛盾でなくなる設定を付与するしかありません。
 つまり、矛盾が露呈するであろう今後の展開を変えていくしかないわけです。
 尤も、嘘を重ねると綻びが発生するように、
 念入りに展開を練っていく必要があるのは言うまでもありませんが。

 以上は、改稿反対派としての意見だったのですが。
 ここからは改稿するなら、という立場で書いていきたいと思います。
 どうしても新しい設定を付け加えて、最初から書き直したい、と思ってしまった場合は、
 少なくともまず一度現在書いている小説を完成させるべきだと思います。
 そして、書き上げたその作品をリメイクする。
 半分までしか書き上げていない状態でリメイクするのではなく、
 完全に書き上げた物をリメイクするわけです。
 途中でリメイクをしようとすると、結局同じ事の繰り返しになってしまいますから、
 完成させて、落ち着いた上でリメイクするべきです。
 僕の場合は、そうしました。というよりも、現在進行形でそれをやっています。
 なまじ途中から書き直すよりは、その方が格段に良いです。

 乱文で失礼しました。これが少しでも繁さんの助けとなることを祈っています。
 執筆、頑張って下さい。


あやめさんからの意見
 物語の結末を考えないまま筆を進めるのは危険でしょうね。
 十話構成だとして、頭の中では五話あたりまでしか考えていないのに、
 できた部分だけ公開するというのは後々厳しくなってくるように思います。
 長編でもいくらかの物語が連なって構成されるものが多いと思います。
 プロの作品なら十巻以上も文庫本を発行している作品もあるかと思いますが、
 大体一冊か二冊でひとつの物語は完結します。
 HPで公開するなら、最低でもこれくらいの分量までは執筆から推敲まで完了した状態で、
 公開するべきだと思いますよ。

>サイト上でも「もう書き直さないので見捨てないで下さい」とか馬鹿な宣言をしてしまい、
 (本当に馬鹿。死んでも治らない馬鹿)書き直すに書き直せない状況なのです。

 私なら書き直しますね。
 人に読んでもらうなら自分の中で最高と呼べるものだけにしてもらいたいですから。


 HPへいらっしゃる方々もどうせなら書きかけなんかではなく、
 繁さんの最高の小説が読みたいと思いますよ。思い切って謝りましょう。

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