第4研究室 創作に関するQ&A 58P | トップへ戻る |
雛奈さんからの質問  
 物語の設定はどうやって決める?
 
 はじめまして、雛奈と申します。
 早速ですが本題に入らせていただきます。
 私はいつも物語を作るとき設定というものに困ってしまいます。

 いつ・どこで・だれが・なにをしたか

 というような感じで話をつくろうにしても、長くは書けません。
 長く書こうとすると、なぜか物語のように進んでしまい混雑してしまいます。
 みなさんの物語の設定を決めるときの例を教えてください。


●答え●

 雛奈さん、こんにちわ。

 プロットや物語の設定は、自分がわかりやすいように作ればそれでOKです。

 長く書く必要もなければ、物語のように進むことを気に病む必要もありません。
 形式などにはこだわらず、頭に浮かんだことを思いつくまま書き出して保存しておきましょう。
 すると後で読み返したとき、ここはやっぱりこうした方がおもしろそうだ!
 というように発想を深めるように役立ちます。
 これらは他人に読ませるモノではないので、一見デタラメに思えるモノでも大丈夫です。

 例えば、「万能の天才」と呼ばれたレオナルド・ダ・ヴィンチは、メモ魔として有名でした。
 彼はメモ帳を片時も離さず、なにか思いついたことがあると、どんどんメモしていたそうです。
 でも、レオナルドは読字障害という脳の障害を負っていたため、
 書き残したメモは鏡文字と呼ばれる左右反対のものでした。
 しかも情報は断片的で絵を書き加えている場合にも、
 絵と文章の内容がまったく一致していなかったものが多かったそうです。 

 つまり自分にさえわかれば、それでオッケーというわけです。

 こういったメモは、確かにごちゃごちゃしていて美しくないでしょうが、
 メモにしてアイディアを可視化すると、いろいろ並べて見比べているうちに、
 思わぬ組み合わせがあることに気づきます。

 これによってアイディアをドンドン洗練、発展させていくことができるのです。

 これはブレーン・ストーミングという知的作業で、
 レオナルドを天才たらしめた秘訣はこれだとも言われています。
 ブレーン・ストーミングはアメリカのNASA(アメリカ航空宇宙局)でも取り入れられ、
 活用されています。

 私の場合も設定を作るときは。特に、
 「いつ・どこで・だれが・なにをしたか」といった形式にはこだわりません。
 自分にさえわかれば、それでオッケーの境地で適当に書き殴っています。
 だから、まあ、覗いてみてもあまり参考にはなりませんよ(笑)。
 
 設定などは実際に執筆に入ると都合によって変更することが多いので、
 あまりキッチリ作りすぎると、逆に足かせになる場合があります。
 柔軟に対応する必要があるので、この方法がベストかなぁと思います。

 ただ、あまりカオス状態のメモでは困るので、
 テーマか、世界か、キャラか、ストーリーかといった区別を付けて書いていくと良いと思います。
 また決定事項を決め、これは変更しない、変更したとしても全体が崩れるようなことはしない、
 といったことを決めておく必要がありますね。 


Neutronさんの意見
 はじめまして。
 私がプロットするときのやり方を書かせていただきます。
 参考になれば幸いです。

1.核を決める
 物語の芯になるものです。単一のアイデアや出来事であることが多いですね。
 普段メモを取って貯めておきます。

2.登場人物を創る
 核を包むように、登場人物を肉付けしていきます。 
 型紙を貼り付けるのではなく、自分がその人物になったつもりで、生い立ちや考え方、
 長所や短所などを創り上げていきます。
 その上で、今度は客観的立場に立って、登場人物の心理を分析していきます。
 この段階で、人物と同時に物語が発生してきます。それらは断片化したまま、ストックしておきます。

3.大まかなストーリーラインを決める
 300枚分程度を起承転結に分けて、中心になる出来事をまとめます。原稿用紙1枚程度。

4.肉付けする
 3で設定した内容を元にして、話を肉付けしていきます。
 方法としては、設定した人物を早送りで行動させるようにして創ります。
 2で発生した断片を元にします。

5.カットを割る
 今度は等速(あるいはスロー)で人物を動かして、細かいシーンを見ていきます。
 ページ数や行数の当たりもつけて、具体的な部分までメモ書きします。
 長編ならシーン数は数十〜百程度になることが多いです。

6.書き始める

 ただ、あまり細かく設定しても、結局登場人物たちは従ってくれません(笑)
 設定は登場人物たちを動きやすくするためのものだと、個人的には思っています。


蒼い人さんの意見
 新掲示板で初投稿、蒼い人です。では早速。

 設定を作る際には、単語から構築しますね。
 世界観であれ、人物像であれ、単語から得られる特徴を組み合わせて作り上げます。
 例えば、「世界」という項目に、

 世界-神様-魔法

 こんな感じでつなげていきます。後は、付属させた要素で適当に物語をでっち上げるのです。
 この場合なら、「魔法は神の奇跡である。神に反逆する者が地上にはびこっているので、
 神は人間に力を貸している。よって人間も魔法が使える」と連想ができるでしょう。

 キャラクター記号論と同じようなものですが、要は要素の集合です。
 そちらで考えた方が、最初からAtoZで歴史を作るより楽です。
 更に、そこから設定を敷き詰めることで、パターンに還元できないものが作れるでしょう。

 設定という樹形図を作り、そこで挙げられた要素の詳細を記述していく。
 後はプロットを作って、破綻しないストーリー展開を考えていきましょう。



みつきさんの意見
 雛奈さま、はじめまして。

 プロットを作ろうとすると、いきなり物語に突入してしまうんですね。
 それ自体は、それだけ書きたいという気持ちが溢れているという証拠だと思いますから、
 とても良いことなのではないでしょうか。
 
 というわけで、私の物語の設定の作り方を少々。
 私のやり方は二種類あります。

 ひとつは、登場人物たちの相関図をいきなり作り始める方法。

 A4くらいの紙を用意して、真ん中に『今回はこんなキャラでいこうかな』ってくらいの気持ちで、
 主人公の枠を作り、そこに名前と性別、簡単な性格、特徴などを大雑把に書き込んでいきます。
 で、『そのキャラが主人公なら、こういう補助キャラクターが必要だな』、
 という動機でもうひとつ枠を作り、同じく名前やら何やらを書き込み、
 主人公の枠から線を引っ張ってきて、
 『友人・フリースクールで知り合った』などと関係性を書いておきます。
 
 同じようにして、『親』とか『敵』とか『対抗組織』とかの枠を作って、
 関係性のあるもの同士の間に線を引っ張りつつ、その都度思いついたことを、
 それぞれの枠の中や繋ぎ線のところにどんどん書いていき、
 『こういうキャラがいたら、こういう人も必要だな』とか、
 納得のいくまで何度も何度も相関図を書き直していくと、あら不思議、
 ひとりでにストーリーやら諸々の細かな設定やらが出来上がっていって、
 『あとは書くだけ』の状態になっていたりします。

 もうひとつのやり方は、設定も何も作らず、
 まず先に物語の発端部分を書いてしまう方法ですね。

 
 物語の始まりの部分には、主人公と、主人公に深く関わる登場人物が必ず出てくるものですから、
 まず思いつくままに、発端となる事件と主人公、
 それを取り巻く人々をきちんとした小説の形で書き上げていきます。
 で、そうやっていくと、途中で必ず手が止まることになります。
 
 それはそうですよね、だって、細かいことを何も考えていなかったんですから。
 なので、その段になって初めて、
 その世界や登場人物たち、ほか諸々の設定を細かく考え始めます。
 『こんなふうに始まった物語が、どういう経路をたどって、どういう最終地点に落ち着いたら、
 読む人は楽しめるかな』ということを一番の基準にして、
 それまでに書き上げた部分を何度も読み返しながら、その後のストーリーに必要な情報や、
 具体的な出来事などを考えて設定を作ったり、必要な資料漁りをするわけです。
 
 もし、それまでに書き上げた部分に足りない要素が見つかれば、
 その段階で書き直したり書き足したりしておきます。
 こちらの方法では、物語が中盤に差し掛かる頃、
 ようやく必要な設定が出来上がる、ということですね。

 とまあ、人によっていろんなやり方がありますよ、って感じでしょうか。
 一番肝心なのは、『面白い作品を作ること』なのですから、こうしなければいけない、
 という考えに捕われず、雛奈さんだけの、物語が一番面白くなる特別な方法を、
 どうぞ見つけてくださいね。
 それでは、これにて。


嵐さんの意見
 私の場合は、まず時系列に事実を並べます。
 次に、作品の描写の順番を決めます。
 時系列の事実は、作品の整合性に関するものなので、これをテキトーに書くと、
 作品に矛盾があるということなります。また、伏線を張るにもこれがベースとなります。
 描写の順番は、あまりきっちり決めません。
 というか、時系列のまとめはある種のアンチョコですしね。


峰しずくさんの意見
 こんにちは、峰しずくです。
 お気持ち、めっちゃよくわかります。
 僕が実はそうです。

 かつては、ノートなどにそういうのを書いていて、延々長くなってしまい、困り果てました。
 結局、プロットは作らない、いきなり書き始める、という手法をとることになったのですが、
 それは「原稿用紙」に「手書き」をしていた時代のこと。

 今ならPCを使うわけですから、あとでいくらでも加除修正や入れ替えなどできます。
 なので、何も悩まずに、書き始めてそれで物語が進行しちゃうなら、
 「この部分はプロットではない。本文である」と思っちゃえばいいわけです。
 そして、次の章はプロット、次の章もプロット、次の章は、
 あらあら、また本文さながらに長くなっちゃったよ〜、でも何の差し支えもありません。


しくさんの意見
 『十二国記』をご存知でしょうか……アニメ化もし、若年層だけではなく
 一般にもファンの多いファンタジー小説です。
 この作品の誕生には『銀河英雄伝説』という作品があるそうです。

 『完璧な専制君主は結局死んだら後が続かない。でも、もし、
 君主が死ななかったら?死なない専制君主を選ぶシステムは?』

 という発想から、王と麒麟というシステムを思い付いたとか。

 ……どちらの作品もご存知なかったらすみません。

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