第4研究室 創作に関するQ&A 240P | トップへ戻る |
蒼さんからの質問
 読者の目を意識するとは?
 
 どうも、たまにふらりと現れては消えていく。そんな男、蒼です。
 はじめましての方、はじめまして。
 久しぶりですの方、久しぶりです。
 こんにちはの方、こんにちは。

 本題。
 タイトルのとおりなんですが、「読者の目線を意識して書く」とは、
 具体的にどういうことなんでしょうか?
 というのも、最近小説執筆中にふと思うのですが、
 「これって、読む側からしたらどう感じるのだろう?」と不安になるのです。

 「自分は物語が分かっているから理解できるけど、
 読むほうは物語にちゃんと入り込めているのだろうか?」
 はたまた、「自分の思っているように感じ取ってくれているのだろうか?」
 などなど。


● 答え ●

嶋さんからの意見
 あなたとは初対面。お初にお目にかかります。

 スポーツに例えるならばプロレスですな。
 ライトノベルも、プロレスもエンターテイメントですから、「客が望むようにする」ってこと。


『どっちが勝てば観客が喜ぶだろうか』
『どういう試合内容にすれば観客が喜ぶだろうか』
『レスラーのギミックをどうすれば観客に人気が出るだろうか』
『乱入など、客にあらかじめ知らせないことはどうすればいいか』
 ということを考えて、決定した上で試合に臨む。

「どういうストーリーにすれば、読者を惹かせられるか」
「どういう結末にすれば、読者を感動させられるか?」
「どういう文章が読者にとって読みやすいだろうか?」
「どういうキャラクターが、読者の共感を得るだろうか?」
「悪役はどうだろか。読者は悪役が存在しない、主人公が何の障害も無く、ホイホイ進む話を望む?
 悪役が主人公に殴られ蹴られるだけが存在理由のサンドバッグになることを望む?
 それか主人公と実力伯仲し、最後まで勝敗が分からない強敵になることを望む?」
「伏線はどうやって張る。矛盾しないように、尚且つ気づかれないようにはどうする?」
 などを考え、「コレだ!」と決定した上で書いた文だと思われます。


jogtyさんからの意見
 パンナコッタナタデココナッツタピオカの方なので、パンナコッタナタデココナッツタピオカ。
 元ネタが分かった方には、100ぺリカといいたいですが、別に何もありません、あしからず。
 ひとりでニヤニヤしてください。

 さて、本題です。
 私ン中の定義では、蒼さんのその考えであっています。
 
 読者が愚作を読んだときにどう感じるのか、を考えるのが、
 私の中での読者の目線を意識することです。


 叙述トリックを仕掛ける場合なら、読者に不審感を与えつつ、ミスリードできているか。
 オチをばらしたときに、読者がそういうことだったのかと納得できるかどうか。
 などなど。


みつきさんからの意見
 蒼さま、こんにちは。時々お見かけしております。

>「読者の目線を意識して書く」とは、具体的にどういうことなんでしょうか?
 
 つまりは、『自分が書いた作品を、自分以外の誰かが書いたものとして読むクセをつける』ということです。

 蒼さんはもう、『読者の目線』と言うものを持っていますよね。
 他の人が書いた作品を読んだときの、自分の目線がそれなんですから(^^)。
 
 私たちは小説を書くとき、その登場人物たちになりきって、
 そのキャラの目線になって物語を書きますよね。
 
 それと同じ要領で、
『わざわざ書店まで出向いて、1500円も出して本を買ってきた人』
 になりきって、自作品を読んでみればいいと思いますよ。


『これは、自分が楽しむために、わざわざ二つ先の町にある書店まで自転車を漕いで行って、
 アレコレ比べながら時間をかけて吟味した挙げ句に一冊だけ選び、1500円も出して買ってきた小説だ。
 文庫本なら3冊は買える値段だったんだから、
 面白くなかったりしたら速攻でゴミ箱に叩き込んでやるぞ!』
 とか、いろいろと状況を設定して、イメージに臨場感を出してみましょう(笑)。

 何度も何度も、そういうイメトレをやりつつ自作品を読み直していると、
 だんだんと、書きながらでも『他人の目線』を持てるようになるので、
 よろしければ一度、お試しになってくださいませ。

 それではこれにて、失礼させていただきますね。


風月堂さんからの意見
 まず、以下のページを見ると良いと思います。
『読者の視点で小説を書くには?』

 あくまで私見ですが、「読者の目線を意識する」ということには、
 いくつかの観点があるように思います。


 一つには、
 基本的な文章のルール、文法です。

『第1研究室 推敲をしよう』

『第2研究室 基本的な文章作法』


 もう一つには、読者がきちんと文章を理解できるか、ないし読者を混乱させないかということ。

 より具体的には、文章の曖昧さや、作者の暗黙の前提(キャラの区別など)を排除できているかということ。
 参考として、「読者の視点で小説を書くには?」より、

>作者にとっては「普通の言葉」のつもりが読者には「知らない言葉」ということは多々あるわけです。

『第1研究室 タブー、これをやってはいけない!』
 の、特に以下の項目
・あまり興味を引かない設定をクドクドと書かない
・登場人物を不必要に多くしない
・時点移動に注意 

第2研究室の、
『あいまいな文章に気を付ける』

第4研究室の、
『読者を疲れさせない説明の方法とは?』

『むずかしい漢字表現はライトノベルで使うべきではない?』


 さらには、内容に関すること。
 批判的に見て不自然や違和感が無いかということ。


 設定が不自然ではないか(知っている人から見れば不自然=資料不足、
 誰もが容認できないほど大きな矛盾の存在など)、展開に無理がないか、など。

 『読者の視点で小説を書くには?』の

>普段小説を読んでいて、この展開はないだろとか思ったことはありませんか?
>ストーリーの「捻れ」「ご都合主義」
 などがこれに当たると思います。

 ただ、三番目の内容面は、場合によっては、一概に改める必要があるとは限らないかもしれません。
 少なくとも、「読者の目線を意識する」という点では、
 内容だけでなく、文法や読者の理解しやすさを考える必要があるとは言えると思います。

補足
 この分類はあくまで便宜的なものです。
 ただ、「読者の目線を意識する」ことには、
 「内容・おもしろさ」とは別の観点もあるということを示したかったのです。


月見さんからの意見
 はじめまして、蒼さん

> 「自分は物語が分かっているから理解できるけど、
 読むほうは物語にちゃんと入り込めているのだろうか?」
> 「自分の思っているように感じ取ってくれているのだろうか?」

 これらも、「読者の目を意識する」ということだと思います。

 前者の場合。
 世界で一番その作品の詳細に詳しいのは、作者です。
 作者の常識は読者には一切通用しません。
 実生活の中でも、たまに自分の知っていることは、
 みんなが知っていると思い込んで話をするような人がいます。

 これは創作という分野においても起こりえることで、
 作品の中でやってしまうと致命的なものとなります。

 それこそ、小説というものをはじめて読んだ人にも過不足なく伝わるよう、
 徹底的に客観的な視点に立つことが肝要です。

 後者の場合。
 確かに、大事なことです。伝えようと思うことを正確に描くのは当然必要なスキルです。
 しかし、結局のところ作者と読者は違う人間ですし、
 読者といっても一人一人読むペースから思想まで十人十色。
 作者が意図した通りのことを正確に受け止めてくれることなど、そうそうあるものではありません。

 とある作家があとがきで語っていたことですが、
 作者が思い通りに描けることなんて、よくて全体の六割程度。
 そこから読者が読み取ってくれるのはさらにその六割。
 実質的には四割弱しか思うとおりに伝えられないとか。


 ……えー、なんか説教臭くなってしまって恐縮なのですが、まとめますと、

「客観的視点は常に持たなければならないが、とらわれすぎるのも考え物」
 結局バランスかよ、という面白くも無い結論です(苦笑)


 なにより、読者の目を気にしすぎるあまり、創作を楽しめないのは本末転倒かと思いますので。
(とはいえ、素人であるうちは客観視点が足りないことはあっても、
 意識しすぎってことはないと思います。ひたすら推敲推敲……)

 それと、もう一つ。
 「自分の好みでのみ書かない」ということも大事かと思われます。
 今のライトノベル業界は、「萌え」要素が前面に押し出されている傾向にあります。
 私などは、「萌えなどに頼るかっ! 硬派をつらぬいてやる!」
 などと息巻いていた時期もあったのですが、今はまあ、ニーズに合わせるのも大事かな、と。

 実際に、プロの作家さんが「これは自分的には微妙だけど……」
 と恐る恐る入れたシーンが多くの読者のツボにはまったという話も聞きます。


 時には自分のこだわりを押し込め、
 あらゆる嗜好の読者を意識することも大事なんじゃないかな、と思います。

 長くなってしまいました。それではこれで。


ひとさんからの意見
 「読者を意識する」と言うのは、「一個の人間」としての読者の存在を自覚し、
 読者を尊重し、読者に感謝する事だと思います。

 そういう意識を持つことで、読者に対して作品を通して向き合い、
 語りかける事が出来るようになります。
 そうする事によって、読者の心に残るものが出来上がると信じています。

 とても抽象的な精神論ではありますが、
 「ただ書いてるだけでなく、ちゃんと読者という人間に伝えようとしているか」という事を、
 自分自身にいつも問い続けていきたいと思います。

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