第4研究室 創作に関するQ&A 417P | トップへ戻る |
田口さんからの質問
 新世紀エヴァンゲリオンはなぜ受けた?
 
 どうも交流用掲示板に来るのは初めての入り口出口田口です。
 タイトルの通りなんですけど、自分はなぜ、
 新世紀エヴァンゲリオンが社会現象を巻き起こすまでにヒットしたのか分からんのですよ。
 最近友人が自分にこれをめちゃくちゃ勧めてきたんです。
 
 んで見てみたらこんな疑問を抱いたんです。
 弱気すぎる主人公。なにがしたいんだゲンドウ。伏線丸投げな最終回。って言うか使徒グロくね?
 一体なぜなんでしょうか? 
 誰か教えてください。お願いします。


●答え●

皇巫琴さんからの意見
 うちの父親が語ってくれた感じでは、雰囲気作りが徹底している。
 何かやるぞと感じさせてくれる。
 (あの頃において)新しいことをやっていたそうです。

 きっとストーリーじゃないんですよ。
 私もほとんど見ました。面白かったです。
 最終回の意味は全く推測も立ちませんが、面白かったです。

 これは特撮なんかと同じところもあると思います。
 
 ヒーロー物のツッコミどころはかなり多いですが、その空気が好きな人はたくさんいます。
 エヴァはその独特で新しい、今までにない空気を描ききったんじゃないでしょうか?

 よく分かってないくせにだらだらとすみません。
 ただあれ、アニメだから成功したんだろうなと思ってます。
 では。


エデモンさんからの意見
 イデオンのパ……ん、ゲフンゲフン


猫柳さんからの意見
 ウチの高校の国語の恩師がたまに語ってたなぁ……

 前近代の人間は神に支配されていた。神の造った自然に支配されていた。
 人の上に神は在り、人の下に自然在り。人は神と自然に板挟みにされていた。
 ある時、科学なるものが発達し、人は全てを理性で解決しようとした。
 つまり神の奇跡や悪魔に呪い、運命などを否定した。
 みるみるうちに科学や理論が発展し、ニーチェに至っては『神は死んだ』とまで表現している。

 科学の恩恵を享受し、神を殺し自然を支配した人間はさてある問題に突き当たる。
 それは、自らを支配するものがなくり、どう行動してよいか分からなくなったということ。
 自我の分裂や精神の不安定。近代に限らず現代に生きる我々の多くが陥ること。
 科学は神の呪縛を解き放ったが、人は逆に孤独になりまた進むべき方向も見失ってしまう。
 人はより不完全なものなった。それまでは神の言う通りに生きれば死後ですら幸せになれたのに……
 
 かくして、人の求めるところは人を孤独にする科学ではないもの、
 すなわち(理性や理論では信じなくても)神の存在に回帰する。


 エヴァンゲリオンとはそのスペルにエンジェルという単語を隠しており、
 科学の発展により縋るべきもののなくなった人間に新たな希望を与えるもの。
 進むべき道を示し、導くもの。すなわち、人間の補完。
 『人間補完計画』とは文字通り人間を補完するためのモノ、と、つまりはそういう訳で。

 現代に生きる人間の行く先のひとつがあの世界観なのではないかという解釈です。

 ……何か想像力が先行し過ぎてる気がしないでもないですか、
 ひとつの解釈として頭の片隅にでも留めておいてもらえれば幸いです。


へべれけさんからの意見
 こんにちは。へべれけと申します。

>エヴァが受けた理由
  ̄ω ̄)ノ 庵野がやけくそだったからw
 同人でやりゃいーネタを朝っぱらから延々とやられたら、そら見ますよ、みんな。

 当時の社会現象はファンが作ったものなので、会社としてはそれに乗っかった形ですよね。
 これは奇しくもヤマトやガンダムと同じムーブメントなのです。


 強いてあの作品だったから、というよりも時代が選んだ作品だったんでしょうね。


風月堂さんからの意見
 実際に見てみて、面白くないと思ったら、それでも良いのではないでしょうか。
 かく言う私も、涼宮ハルヒのシリーズを読んでみたものの、世間の大絶賛の理由が分かりませんでした。

 そこで、Amazonの書評や当サイトの「一押し」や「第5研究室 アニメ化小説研究室」
 のハルヒの部分を読んでみましたが、全く共感できませんでした。
 日常だ非日常だ、メタだ視点がどうとか、私にとっては、
 そういう見方の何処が面白いのかさっぱり分かりませんでした。
 また、「評論的に見て面白い」という意見もありましたが、
 "評論的な見方ができること=面白さ"であるとは考えない私から見れば、共感できませんでした。
 結局、共感できる意見は一つも見つかりませんでしたし、
 様々な意見の評論・理屈はどうしても理解できませんでした。

 ハルヒの大絶賛に関して言えば、評価する観点や楽しみ方が、
 自分と大きく異なることしか分かりませんでした。

 ですので、ハルヒ人気についての理解を諦めました。
 要するに、私にはどうしても理解できなかった、ということです。

 上記の、私の理解力のなさ故のケースは極端にしても、
 もし、このスレッドやネットの(エヴァに肯定的な)意見が理解できなかったり、
 共感できなかったとしても、憤ることはないと思います。
 仮に共感できなくても、評価される理由が理解できたのならば、それはよいことだと思います。

 しかし、どうしても共感できない、理解できないということは、あると思います。
 それは、田口さんの感性だと思います。

(私とて、ハルヒ人気は全く理解できなかったのですから)

 私は、ハルヒを大絶賛する意見には全く共感できませんし、
 西尾維新の作品の紹介や評判を聞いても全く興味が湧かない人間です。
 世間で絶賛されても、興味の湧かない二次元作品は沢山あります(たとえば「狼と香辛料」など)。
 しかし、だからといって「ハルヒや西尾維新を評価するのはおかしい! 自分に分かるように説明しろ!」
 と主張することに意味があるでしょうか。


 当サイトでも、
 第四研究室>オリジナリティ・著作権・感性>感性
 のところに
 人気作品をおもしろいと感じないのは感性が乏しいから?
 という議論があります。

 長大な駄文、失礼しました。
 それでは。


言成嗣さんからの意見
 田口さんは、エヴァを薦められてみてみたけれど、
 人気作といわれるほど面白いとは感じずに、ギャップを感じた。
 だからそのギャップを埋めたいので、人気の理由を知りたい。

 と、読み解きました。的外れならすみません。

 なぜ受けたかという結論からさきにかくと、んなもん知らんと言い切れます。
 強いて言うなら、運だと。時代が何を撰ぶかなんて分かれば苦労しません。

 とりあえず、(昔の)映画版をみてまでの感想ですが、
 面白かったし、世間に受けても別におかしいとは思いませんでした。
 地球規模でバーンとなるのはエヴァが最初にやったことだと思います。

 ただ心理学の観点からすばらしいだとか、登場人物の心情を事細かにえがいてるからとか、
 人気の理由のこじつけには、まったく持って同意しかねました。

・心理学の用語や、それを基にした考えで描いているから面白い

 正直ハァ? と思いましたね。当時。
 心理学はそもそも、学問としていい加減なものだし(今思う)
 心理学があるから、エヴァがいるわけでもなし、使徒が襲ってくるわけでもない。
 
 要するに、使徒が襲ってくる世界で、キャラがどうするのかという話です。
 キャラの心情があるから、世界が面白いという訳じゃない。

 わかりやすく言おうとして失敗しました。これ以上言ってもぐだぐだっぽいのでやめときます。

・登場人物の心情を事細かにえがいてるから
 そうなのか? と思いました。かなり適当で、一面しか映していないと思いました。
 まあこれは感性の差なんでしょうけれど。

 余談というか。
 当時友人らが話してたのは、綾波とアスカとどっちが良いかとか、
 エロいシーンがどうだとか、そんな程度だったと思います。
 普通の学生の口から出る言葉なんて、結局その程度のことしかないと思います。
 若者への影響云々、んなこと気にする奴の気がしれんと思ってました。

> 弱気すぎる主人公。
 何が駄目なんですか?(笑)

> なにがしたいんだゲンドウ。
 一つになりたかったんじゃないですか?

> 伏線丸投げな最終回。
 伏線て何があったんだろうと、記憶の曖昧な今になってはなんのことか分かりません。(投げました)

>って言うか使徒グロくね?
 別にぐろくても良いじゃないかと。
 生物なんだろうし。

 まああれですよ。つまらないならつまらないんでしょう。
 みたいと思ってみなければ――うーん言葉が違うな。
 面白い話と出会うのは、運命みたいなものですから、外れを引いたからと言って、
 友人を責めてはならんだろうし、誰も田口さんに面白さを強要することなどできません。

 それでは。


ひすいさんからの意見
 どうも、ひすいと申します。

 キリスト教はどうして全世界に20億人以上の信者を抱える宗教になったんでしょう?
 隣人愛とか、三位一体説がどうとか、イエスの行った奇跡とか。
 信者からすればこの上ない有り難い話なんでしょう。

 しかし、信者でなくて興味のない人から見たら「ハァ?」ですよね。

 いくら信者がそうでない人にキリスト教の良さについて説こうが、
 その人が精神・肉体的に追い込まれていたり、
 元々キリスト教に興味を抱いていたりしない限りは、そう簡単には理解出来ないでしょう。

 アニメなども、そういった点では同じ。
 いくらファンがファンでない人に「ここがこういう風に面白いんだよ〜」と良さを説こうが、
 元々その作品の雰囲気に合っていない人にとっては「そんなもんかねぇ?」と。理解できないわけです。

 簡単にいえば、エヴァという作品に合う感受性を持つ人が沢山いたから。

 主人公が如何に弱かろうが、主人公の父親のしたいことが如何に理解不能だろうが、
 最終回の終わり方が如何に微妙だろうが、敵が如何にグロかろうが、
 人気があるってことはそれを面白いと感じる人が沢山いるというだけのこと。
 面白く思えないのは、単に自分の感受性とエヴァの雰囲気が合わなかっただけだと考えて、
 自分の面白いと思える作品を探すのが一番では?

 では。


きぜとさんからの意見
 感性の違いでしょう。
 全員が全員、エヴァを称えているわけではありませんよ。
 田口さんはその感性を大切にしてください。
 他に迎合しなければそれも個性として作品に表れてくることでしょう。
 ちなみに私はエヴァを作画アニメとして楽しんでいます。
 何度見てもいいものです。

 それに、最終回のぶん投げっぷりは単に予算の問題ですよ。
 だからファンは新劇場版を心待ちにしているのです。


 まあ、程よい謎加減が議論の余地を作って、そこに語りたがりのヲタクが集まったって感じですかね。
 実際、内容についてあーだこーだ議論するのは楽しいですしね。

 暗に「流行がわからない」って質問な気もしますが。エヴァを引き合いに出すと釣りに見えますよ?
 型月よりはましですけど。


パプテマスさんからの意見
 なんだかんだで作りがいい作品ですから。

 シンジとゲンドウ、人(エヴァ)とシト、アスカとレイ等々対立関係が複雑に交差していて
 私はすごく面白かったですよ。


 伏線も、丸投げというよりは考えさせる物でしたし。
 でも、こればかりは嗜好の問題ですから。
 みた後に、あーでもないこーでもない、と考えることが好きな人がいれば、また逆もしかりです。

 あと、最終回は元々の25、26話がボツになって作り替えた物ですから、
 まあ、予算と時間が足りなかったんでしょう。


セルゲイさんからの意見
 当時リアルタイムで見ていた世代です。

 あの時代はバブル崩壊後で後に「失われた十年」と呼ばれ、
 97年にはオウム、中学生による殺人事件なども起こった閉塞感や社会不安の非常に強い時期でした。

 そのころの空気と、作品の空気が重なって視聴者にリアルに感じられたんです。

 また人気の大きな要素として謎が謎を呼ぶストーリーがあります。

 伏線や断片的なヒントしか語らない話は口コミで多くの解釈を呼び、
 書店のコミックコーナーに宗教関係書が並ぶ異例の事態になりました。
(だからこそ劇場版完結編をもって第一次エヴァブームが収束しました。
 謎本の出版もほとんど無くなりましたし)

 また、まだ萌えという言葉がなかったころ、今では当たり前の
 「無口キャラ」も当時は新鮮でそういった新しい萌え要素も大受けしました。


 その時代にブームとなった作品にはそれなりの理由があります。
 今見て面白いと思えても思えなくてもおかしくはなく
 賛否両方あって良いと思います。


うさぎさんからの意見
 かなり久しぶりにカキコします、シバタことうさぎです
 
 エヴァ世代に近い私からすると、あの頃ちょうど少年の自殺が社会問題化していた記憶がある、
 連日のように報道されるイジメでの自殺、不登校、世紀末的退廃ムードの中ノストラダムスがもてはやされ、
 怪しげな新興宗教が猛威を奮っていたあの時代に、
 エヴァはすごくマッチしたんじゃないかなぁと私は思っています。
 
 音楽にも時代の波があるように。


みつきさんからの意見
 田口さま、はじめまして。

> 一体なぜなんでしょうか?
・なんだか欝っぽくて、どこか刹那的で、そういうのが好きな人にとっては雰囲気が良かったのかも。
・語りたがりが好むようなメタ的展開(?)が盛り込まれて……いた……ような。
・包帯少女とツンツン少女と綺麗なお姉さんの完全包囲網で男の子的にウハウハだった。
・女性にはカヲル君が受けた。(シンジ君はカヲル君のオマケ)


 って感じ、でしょうか。
 私はリアルタイムで見ていまして、最初のほうは面白いかな?
 って感じだったんですが、最後のほうは、もう、なんだかなあ……
 で、劇場版最終回で、ああ、面白くなかったorz、になって、最近のリニューアル映画版に至っては、
 まだやってたんだ……ちょっとびっくり……な感じでした。

 それではこれにて。


ひなげしさんからの意見
 こんばんわ、はじめまして。
 エヴァですか。いいですね、エヴァ。
 約束の時が導入されましたが、私はいまだにまごころを君にをやっています。
 そっちの方が設定入ることが多いですし。
 で、エヴァのよさですが。

 まずキャラがよかった。


 綾波やアスカといったヒロインは今でも人気がありますし。
 シンジ君だって(なぜか彼は君付けしてしまう)弱気ではありますが、
 がんばるときはがんばってましたしね。

 設定も斬新だった。
 
 これはとある番組のエヴァ芸人がいってたことですが。
 マジンガーZあたりが人と悪の組織、ガンダムからは人と人との争いが描かれていた。
 そしてエヴァがそのさらに次。
 人となんだかわからないものとの争いを描いた作品だということです。

 あとは個人的には、意味があるのかないのかもわからない設定や
 展開というのもヒットの一因だと思います。
 難解なほどありがたがり崇高な気になる、と風浦可符香さんも言ってますしね。


 まあこれが私の考えですが。
 ヒットの理由が理解できないからそれを考える、というのはよいことだと思いますよ。
 それでなにかつかめるかもしれませんしね。

 あと、最近エヴァ人気が盛り返してきたのは、パチンコパチスロによるところも大きいでしょう。
 エヴァを見ていた世代が二十歳を超えてするようになり、
 それに中年のかたがたも乗っかった感じがしますね。つくりも秀逸ですし。

 ではではでは。


黒尻尾の駄猫さんからの意見
 通りすがりの野良猫です。
 オンタイムで見ていた年寄りの当時の感覚で述べてみます。

 まずは昔話。
 オイラの中ではガイナックスというのは大阪の模型屋で、
 (昔はゼネラルプロダクツ=ゼネプロと呼ばれてました)
 ナウシカのフィギュアとか作っていた集団です。

 で、自主制作でOVA(ダイコンシリーズ)や、
 特撮のビデオ(当事はVHSのほかにベータ版も売ってました)も作ってました。
 庵野(あえて敬称なし)といえばジャージ着て、
 ノーメイクでウルトラマンとかやってる変な奴でした(細かいところはネットで調べてね)。

 そんな連中が「王立宇宙軍〜オネアミスの翼」や「トップを狙え」とかを売り出して、
 本格的にアニメ製作会社風な事を始めて、そこそこ売れて、マニア層に非常に受けました。
(まあ、受けたけど儲からなかった)

 で、ついにテレビシリーズに参入して「ふしぎの海のナディア」という
 ”海底20000里”を原作とする作品をNHKで放映し始めたのです。
 次々に起きる新展開、謎が謎を呼びつつもある種の流れを確立し、
 ストーリーとして方向付けるのは庵野の得意技でした。
 これがトップのような数話程度のOVAなら全然問題なくまとめられのですが……。
 
 オイラ的に見るに中盤くらいで息切れが起き、なんだかわからない方向に迷走した後に、
 複線の回収に急ぎすぎて打ち切り状態で無理やり終わった作品でした。

 そして時は流れほとぼりが冷めたのか、
 再びアニメ放映の話が出たのがエヴァンゲリオンという奴でして……。

 正直に言えば「庵野のことだ途中で破綻するに違いない」というのがオイラの放映前の想いでした。

 で、やっぱり毎話謎を増やす手法で物語が始まるのですが、
 ストーリーは派手ですし唐突に古い円谷の特撮のような作戦とか、
 どう見ても仮面ライダー(しかも1号、2号とか)とか、色んな世代のツボを抑えた展開で、
 「ああ、このままいければ名作になるのに……」と、悲観的ながらもそこそこ期待したものです。

 そう、中盤までのアクションも多く派手で、そして謎をどんどん増やしていくまでの部分で、
 ファンを一気に獲得していったのが成功といえたのでしょうね。

 後は言うまでもありません。
 広げすぎた風呂敷のたたみ方が思いつかず脚本が遅れ、その影響で作成が遅れ、
 苦肉の策で画を出さない演出の名のもとに、
 本来は中の様子なんか描く必要もないラブホの話をやってしまったのだとオイラは思う。
(この頃は惰性で観てました。
 溶けたシンジのサルベージ以降からのグダグダ感は説明の必要はないだろうし)

 尚、嘘かホントかラブホの件で局の担当は髪をマル刈りとし、
 打ち切りとなったとオイラは聞き及んでいます。

 で、あの最終回はないだろう? と、誰もが思ったわけで、
 最初にワンフェスで地味に映画化の話とかが発表されたりして、アスカ萌えとかアヤナミ萌えとか、
 そういう方向にしか逃げ場のなかった当時のファンのオタク達は、
 映画でちゃんと複線の回収をしてくれると、せめて話の核心くらいは披露してくれると期待したのが、
 連日徹夜の超満員御礼に繋がったのだと思うのです。

 オイラの中ではあのテレビ放送の最終話で完全に終わっていたので、
 正直、視界の中にも入れたくなったという思いがあり未だに映画版は観ていません。

 流石に謎の部分が多かったので映画を観た人に話を聞くと
 「まあ、多くは謎のままだがファンとしては好意的に解釈するべきである」というような感じらしい。

 そして今、作品を焼きなおして映画公開しているというお話を聞くと、
 「勝手にやってくれ」としか思わない状態ではあります。


 つまり社会現象になる秘訣をエヴァンゲリオンに学ぶとするなら、
 序盤でいかに多くの、そしてそれなりに広い層を惹きつけつつ、
 それらの想いをあえて解消せず終え、クチコミ的に色々と論議の輪を広げて、
 頃合をみてもう一度、更に解消しにくい方向で再公開する。


 と、まあ、かなりひねくれた解釈ですが、こういうことじゃないのでしょうか?
 庵野には1クール以内で終わる話を作らせるべきだ! と未だに信じて疑わないダメなオイラです。

                         ではでは。


世羅 悠一郎さんからの意見
 当時を振り返る者として。先に言って置きますと
 「当時は、はまっていたが映画を最後まで見て、完結した状態の後は嫌いになった」人間の意見です。
 
 父のロボットモノを見下したり揶揄する言葉が「どうせガンダムだろ?」から、
 「どうせエヴァだろう?」に変わった程度には、当時の社会現象はありました。
 後で「ガンダムだろう?」に戻った訳ですが、どちらにしろ気分の悪い事です。

 それはさておき。
 当時はですね、やっぱり謎解きなんかで盛り上がってましたね。
 
 後は、その時期ロボットモノに飢えていたっていうのもありますかね。
 
 当時はロボットモノが過去に飽和したって事で、あんまり作られなくなりまして。
 飢えていたんですよ。
 そこに餌が放り込まれればまぁ、食いつく訳で。
 謎に対する解釈を互いにコミュニケーションツールにするって言うのも、
 ロボット目指していた訳じゃないヒトにも受け入れられた訳です。
 映画まで見てみると、個人的にはもう最悪なのですが。

 それと当時は、熱血主人公が否定されるような傾向があった事も事実です。


 ガンダムからの引き続きで。
 エヴァ以後は、熱血主人公も見直されるような感じになりましたが。
 ……はい、熱血主人公、当時は嫌いでした。
 でも、エヴァを観た後は、こんな風にやられるよりは熱血の方が好きって考え方に移行しましたが。
 むしろ、時代による作風が加わって好みにチェンジして行ったので。
 今は熱血好みです。作風にもよりますが、無意味な熱血でなければ。

 まぁ、要は「当時としてはブームとして成立した」という背景があります。
 今やっても、昔ほど受けないでしょう。
 新劇場版もやってますが、それだって昔から好きのままでいた人が観に行く数の方が、
 新規より多いでしょうし。
 リピーターという奴ですね。
 未だに模型雑誌でも扱ってますから、その影響がどこまであったかは推して知るべしです。

 ああ、そうそう。
 「何がしたいんだゲンドウ」「伏線丸投げ最終回」については。
 その後に放映された劇場版で決着付いてるので観て理解して下さい。
 宣伝じゃないですが、あれ、結局本放送に組み込めずに劇場でやったんですよねぇ。
 結局謎は残るし後味悪いし。

 あ、或いはPS2ゲーム「第三次スーパーロボット大戦α」でもOKですよ。
 ただ、どちらにしろ、何がしたかったかとかそういう理由については、途轍もなくちっちゃい理由です。
 観たら興醒めするかも知れないですね。あ、とっくに興も何もない?
 だとすると、ゲンナリが加速します。
 まぁ、要は。

 ヒットした理由は「当時、上手く世間の要求に答えられた」です。
 
 その御友人は、今がその時期だったのかもしれないですねぇ。
 模型誌(電撃ホビー)でも、ifの世界とかを本来のスタッフじゃない方が展開なされていますし。
 まだ、当時の残滓は少なからず残っている感じでしょうか。

 結論としてはなんだろう。
 ネットのそこかしこにも資料は残っていますし、そこから読み取れる部分もあるかも知れないですね。
 ここだけでなく、色々な視点で探って見ると良いかと。
 作品自体は好きになれないでしょうが、上手くいけば、
 ちょっと時間をかける事で「理解できなかったものが理解できた」にシフトするのではと。
 視聴時間を無意味にせずに済むかも知れません。
 より、手持ちの技術が増えるかもしれない。
 そんな所でしょうか。

 それでは、失礼します。


鳴海川さんからの意見
 これはまた深い質問が来ましたね……。
 こんばんは、鳴海川です。
 
 まぁ、一言言うならば「綾波レイ」「惣流・アスカ・ラングレー」。
 この二人が絶大的な人気を得たが故にあそこまでヒットしたんでしょうね。

 
 戦う高飛車な帰国子女、無口な優等生。そして美少女。
 当時はこれが斬新で、そして何よりも萌えたのでしょう。他に理由が思いつきません。
 でもまぁ、一応レスをする身としてとりあえずファンとなった自分が
 「エヴァ」の何処に惹かれたかは説明しましょう。

 さて、自分が「エヴァ」の何処に惹かれたかですが……
 それは前出の「綾波」や「アスカ」の魅力にではありません。いえ、ないとは言えませんが……。
 
 一番惹かれたのはやはり、「碇シンジ」でしたね。
 あの「弱くて後ろ向き。且つ戦い、天才である」というキャラクターに惹かれたんだと思います。
 

 元々「エヴァ」は中高校生を対象に描かれた作品です。
 この時期は多感なもので、「人生って何?」や「何故自分はここにいるんだろう?」
 みたいな絶対に答えの出ない問題に頭を悩ませることがあります。一般的に言う「思春期」ですね。
 この「思春期」というもの。これは一言で言っても色々な方向へ伸びます。
 例えば、性に惹かれてひたすらそれについて調べたり、趣味に没頭したり、上記にある通り悩んだり、と。
 自分はこの「悩む」タイプだったのですが、これは少し厄介なものです。

 「悩む」タイプは、基本的に一時周りからの正論、励ましを全て打ち壊し拒否します。
 つまり、後ろ向きな考えの渦に嵌って抜けなくなる。
 ここが主人公である「碇シンジ」と共感しました。

  まぁ、早く抜け出せる人はこの渦の中でもがき、結果誰かの手によって助けられるのですが、
 シンジのようなタイプの自分は抜け出せないわけですよ。
 ずっと薄暗い否定しかない自分の中にしかいられない。
 一歩心の外へ出ればそれは全部嘘、自分を傷つけるもの。だから出ない。
 楽しいことだけをして生きていきたい。これは非常にシンジと似ています。

 次に共感したのは、彼が「強制的にエヴァに乗せられたこと」。


 これは「似たようなこと」で共感する人が多かったのでは?
 ここでポイントとなるのは「強制的」の部分。
 シンジの場合は「エヴァに乗せられる・戦わせられる」だったのですが、
 我々もそれに近いことを体験しています。
 そう、それは「勉強をさせられること」。

 中高校生と言ったら勉強シーズン真っ盛りの時期。
 当然良い成績、最低でも成績下位にはいかないように勉強をせねばなりません。ここが「強制的」。
 そして勉強は、ある面で「己との戦い」です。
 勉強を無理矢理やらされ、できなかったとき、我々は自分の駄目な面などを見ることになる。
 後ろ向きな面を見ることとなる。状況こそ違えど、ここがシンジのやらされたこととシンクロしたのです。
 そして、「エヴァ」に共感するか否かの別れ道はここ。
 
 後ろ向きな面を見て、それでも前向きに頑張れた人は「エヴァ」を見て疑問を持つでしょうし、
 逆にそのまま後ろ向きに進んでしまった人は共感を得ることでしょう。
 何故か? それはシンジがエヴァに乗って自分の後ろの面を見、
 後ろ向きに進んだのと同じ道を辿っているからです。

 同じ道を辿った者は、その道がどんなものか知っている。
 だから、同じタイプの人の気持ちも判る。そういうわけですよ。


 そしてこれは勉強に限らず、自分から進んでやる趣味でスランプや壁にぶつかった際にも適用される。

 非常に広い面で共感を得やすい特徴だったんですね。
 これは。どんな前向きな人でも、一瞬はこれに共感せざるを得ません。


 最後に、彼が「戦う」「天才」であったことです。
 「戦う」ことは、もう言わずもがな非日常です。
 そして、我々が何処か心の中で望むこと。
 ああいうふうな状況になってみたい、あんなふうに格好良くなりたい。
 その疑似体験方法として人気をゲット。
 上記の後ろ向きのタイプの人の場合、より深く疑似体験したことでしょう。

 そしてその疑似体験は「戦う」ことだけじゃない。
 「主人公がその道の天才であった」ということも共感を得るところでしょうね。
 人は皆、「自分は天才である」と信じたいものです。
 しかし、生きていくうえで一部を除きそれは否定しざるを得なくなってくる。
 だけど、やはり心のどこかで思っている。

 そんなとき人が求めるのが、「戦い」同様「疑似体験」です。
 これはライトノベルを書く我々には判りきっていることだと思うので、詳しい説明は省きますね。

 ……これまでが、「碇シンジ」に惹かれた理由です。
 後は前述の通り、ヒロインの「綾波」や「アスカ」に惹かれたり、
 「エヴァンゲリオン」自体に惹かれたりした方もいたことでしょう。
 あ、アスカや綾波がクラスに一人はいる秀才を、
 被ってくれたこともまた疑似体験において重要なことかもしれませんね。

 自分の考えとしては異常です。
 では、長々と駄文を失礼しました。

萌え・美少女・美形・BLについて
その他・創作上の悩み
世界観・リアリティ・設定についての悩み
タイトル・ネーミングについての悩み
やる気・動機・スランプについての悩み
作家デビュー・作家生活・新人賞・出版業界
上達のためのトレーニング・練習法について
読者の心理・傾向について
使うと危険なネタ?
恋愛・ラブコメについての悩み
ライトノベルについて
文章・描写についての悩み
人称・視点についての悩み
推敲・見直しについての悩み
コラム(創作に役立つ資料)
批評・感想についての悩み
ネットでの作品発表の悩み
ストーリーについての悩み
冒頭・書き出しの悩み
プロットについての悩み
キャラクターについての悩み
主人公についての悩み
セリフについての悩み
オリジナリティ・著作権・感性
テーマについての悩み
二次創作についての悩み

 携帯版サイト・QRコード
  
第4研究室は小説を書く上での質問・悩みをみんなで考え、研究する場です。
質問をされたい方は、創作相談用掲示板よりお願いします。
質問に対する意見も募集します!
投稿されたい方はこちらの意見投稿用メールフォームよりどうぞ。
HOME|  第1| 第2| 第3| 第5| 鍛錬室| 高得点| CG| 一押| 資料| 掲示板|  管理人| 免責| リンク| メール|