第4研究室 創作に関するQ&A 489P | トップへ戻る |
高月さんからの質問
 主人公が精神的な成長をしない場合
 
 はじめまして。高月と申します。

 さて、さっそく質問させていただきたいのですが、私は今ファンタジー長編を書いています。
 主人公は軍隊的組織の司令官的な地位にあり、あまり自分の感情を表に表さない青年(?)なのですが、
 そのせいで、どうも戦闘や精神面で完成されてしまっているのです。。

 最近よく批判されるのが主人公最強設定というやつです。
 ですから、自分の主人公もそうなっているのでは? と不安になります。

 やはり、作品として主人公の心の葛藤などがあったほうが面白いと思いますし、
 戦闘面での敗北もあったほうが良いとは思うんですが、今のところそれが皆無で……。

 ストーリーとしては、護衛任務で出会った青年が世界にとっての重要な存在であり、
 主人公はそれを守るといった王道的な感じです。
 ですから、その青年のほうを悩ませて、主人公はそれを見守る感じにしようかとも思ったのですが、
 それも上手くいきません。
 というのも、そうすると青年の出番が多くなり、主人公の影が薄くなってしまうように思うからです。

 じゃあ、そっちの青年を主人公にすれば? とも考えましたが、
 まったく個人的な感情として、主人公にはそういう特殊な能力を持ってほしくないのです。
 あくまで、主人公は努力によって強くなったのであり、
 世界の存亡を左右する云々、なんて力はない人間であってほしいんです。


 ――やはり、主人公に心の葛藤や欠点、特殊性がないと面白く無いでしょうか?
 それがないと、どうも完全無欠、最強設定な主人公に見えてしうような気がしてしまいます。
 いや、まぁ、主人公はかなり強いんですが。
 主人公の影が薄いのも何とかしたい……
 そもそも、こういう設定にしようとするのからダメなのか……

 練習用として妄想を形にしているだけなのですが、なんだか色々な悩みが重なりすぎ、
 書き進めていく自信がなくなってきました。
 ……何かアドバイスをお願いします;


●答え●

結城友紀さんからの意見

 とものりです、今晩は。
 あなたの質問文を拝見していて思ったことが一つ。

 「最強」と「完璧」を混同していませんか?

 力あること=完璧ではありません。
 「完璧」としたら、人間の成長はそこで止まります。
 進歩なし、変化なし。
 
 読者が求めるのはドラマであり、「変化」です。

 そして、主人公を「最強」にする意味はあるのでしょうか。
 あなたが仰るストーリーだと、主人公を最強にしてしまえば、
 読者が「どうせ助かるんだろ」と見切りをつける気がします。

 主人公が主人公たる理由を考えてください。
 作者の都合ではなく、読者の目線で。
 あなたが考えた最強設定の人物は、主人公でなければ話が進行しないのですか?
 読むのは作者ではなく読者です。
 作者のエゴを通すなら、エゴを通すなりの面白さが求められます。

 悩みのない人間はつまらないものです。

 主人公をあえて影の薄いキャラにして、本人がキャラが薄いのを悩んでいるとかどうでしょう?
 力は努力でどうにかなりましたが、存在感は一朝一夕で身につかず、葛藤するというのは?


枕木さんからの意見

 初めまして。
 この掲示板にはお初に書き込ませていただきます枕木です。

 まず、回答させていただきます。

 私のアイデアとして、「主人公の一人称」という形にしてみたらどうでしょう?
 世界にとってその青年がどのように重要なのかがわかりませんが、
 主人公の視点で描かれる物語なら主人公の影が薄くなることもないと私は思います。
 「あくまで主人公は努力によって強くなったのであり、
 特殊な能力を有した特別な存在という訳ではない」という設定もあることですし、
 青年の紆余曲折を見守る主人公が、己の過去の努力と今現在一緒にいる青年の葛藤とを
 心の中で重ね合わせて考える・・・・というような展開はいかがでしょうか?一つの案として、ですが。
 最終的には、その主人公の過去と青年の現在をうまくリンクさせてクライマックスをつくってみたり・・・・。

 王道展開の最強主人公ともなると、
 読者の興味を惹く設定を作るのは難しいと思いますが・・・。
 高月さん、がんばって下さい。


逢雄さんからの意見

 初めまして。逢雄と申します。
 一つ言わせて頂きますと、

 主人公の心の葛藤や内なる悩みなどを表現するのに戦闘での敗北は必要ありません。


 映画『プラトーン』やジャンプ漫画『るろうに剣心』などを見てみて下さい。考え方が変わります。
 既に見たのならもう一度。意識して見れば違います。

 それはそれとして、その主人公と青年を対照的にしてみてはいかがでしょうか。

 主人公は勝手に身体が反応して敵をあっさり殺してしまうが、
 青年は恐怖で味方の危機にも動けない、など。
 青年が食糧を子供に分け与えているのを見て、主人公が思いつかなかった自分を責めたり。

 後、これは秘策ですが、主人公のせいで敵が集まってくる設定も使えます。
 後半でわかればなおいいです。青年に自分は必要でありながら、同時に有害なのですから。

 主人公の『最強ゆえの弱点』を存分に使うのです。

 非常に高名である、実力で生きてきたので運や常識がなかったりする、
 逆に強いので正面からの決戦をしてくれないなども。

 考えながら描いたので少しまとまりがないですね。ご容赦を。
 それでは、参考になりましたら。


高月さんからの返信(質問者)

 上手くいえないのですが、別に主人公は完璧、最強というわけではないんです。恐らく。
 むしろ、完璧に見えるようにしか書けないことに悩んでいます;

 ですが、そうですね。主人公を「最強」、強くする意味はないんですよね……。
 これは確かに、私のエゴです。強くあってほしい、と願うのは私の自己満足。
 そんな人間を主人公に選んだのも。
 なんだか、改めて言われてドキリとしました。
 
 ただ一応、青年を守る立場ですすでいくので、強くなければ守れないというのはあるんですが、
 強くしすぎる必要はないんですよね。


適広当樹さんからの意見

 こんばんは、適広当樹と申します。

 完全無欠主人公自体は批判の対象ではない、と私は考えますが、如何でしょうか? 
 そんなことないよ、とか思います?

 主人公が完全無欠だとしても、それ自体を批判されることはないです。
 だって、そうでしょう? あくまで批判されるべきは、その物語の面白さではないんですか? 
 心配するところがズレています。
(注釈:この場合、完全無欠とは、高い能力値を持ち、
 人格が良識ある大人以上に達しているキャラを指します。
 あと、物語中で一部の人間に嫌われやすい云々は欠点としてカウントしません)

 完全無欠に見えることを恐れることはありません。
 ただ、今回はどうなのかな。駄目な完全無欠になっちゃっていません?

   ***

 完全無欠主人公を安易に描いてしまうと、
 作者の独りよがりで物語が進むので面白くないのだと思われます。


 というか正確には、安易に物語を書いた結果生まれがちなのが、完全無欠主人公なのですが。
 勿論、安易な物語は面白くないです。だから批判されます。

 逆に、面白いお話の主人公が完全無欠であることはあります。
 特に英雄を描くタイプの話では、そうなることが多いようです。

 だから、単に完全無欠=面白くない、というわけではないのだと思います。
 安易さこそがつまらなさの原因なのです。

   ***

 図にすると、こんな感じです。

 A(安易さ・面白くない) → B(完全無欠主人公)
 A(完全無欠主人公) → B(安易さ・面白くない)


 上はありがちですが、下は必ずしもそうではありません。
 むしろ完全無欠はイコールタブーだという人は、『完全無欠主人公』を、
 私が『安易に書いて出来た完全無欠』と言っているものとして定義しているか、
 あるいは、表面だけしか見ていない安易な人です。
 ツンデレはつまらないと一概に言ってしまうような人と同じですね。
 
 中身のない表現系だけのツンデレがつまらないのであって、
 中身を作って結果としてツンデレに分類されるキャラは魅力的なのに……
 因果が逆転してしまっているのです。


 たまにいます。そうならないように気を付けてください。
 高月さんの完全無欠主人公の解釈には、それっぽいところが見えます。

   ***

 さて。

 完全無欠型主人公を面白く書くのは無茶苦茶に難しいことだけは覚悟しておいてください。
(実際、それは存在します。英雄を描くタイプの話を読んでみるといいと思います。
 銀英伝とか、ラノベだと空鐘とかもそうかな?)



 高月さんは完全無欠主人公のお話の書き方やら何やら研究してから、
 そして、それを元にして常に計算しながら書いていますか?
 物語で描くべきものって、ジャンルによって違うんですが自覚しています?
(完全無欠主人公に多い英雄ものは主人公が何かを得るというよりは、
 むしろ世界の方が(他の人々が)彼あるいは彼女の圧倒的な能力、影響力により、何かを得る、
 あるいは、失う話になる、と私は考えていますが、そういうのあります?)

 研究していないなら、書いた物語は散々な酷評を受けることになると思うので、お覚悟を。
 ちゃんと研究していて計算しているのなら、問題はありませんので突き進むべきだと思います。

(追伸:返信を読んで。

 ちゃんと書けているか、いないか、です。
 『書けている』のに、『安易な完全無欠に見える』ということは有り得ません。
 『そう見えてしまうと思う』のなら、それは、『ちゃんと書けていない』のですね。
 勿論、『ちゃんと書けていない』というのは、安易さの表れであることもありますが、
 実力不足が故のことでも有り得ます。

 で、もうひとつ。『安易な風に見えてしまう』というのが、『そういう風に見る人がいそうで怖い』、
 の意味だった場合。
 もしもちゃんと書けているのなら、批判されるようなモノにはならないはずです。
 胸を張っていればいいと思うのです。
 たとえ完全無欠だ、ダメだー、という類の安易な批判をされたとしても、
 それは批判者の見識が浅いだけですし、大多数の人には面白く読んでもらえるはずです。
 だから、そんな意見、気にする必要はない(無視する、とこれは少し違います)と私は考えます。

 世界にはいろんな考えの人がいるというのは、正負両面の意味で正しいのですね。
 正は教師、
 負は反面教師として(無視する、ではないのは、このあたり)、
 『謙虚に』参考『程度』にすればいいのですよ……
 という私の意見も、参考程度に見ていればいいと思われます。では、これにて)

   ***

 あと、第四研究室の「最強主人公はタブー?」 ……というのを参照してみては如何でしょう?

 ついでに、もうひとつ。
 完全無欠主人公でも常に勝ち続けなければいけないわけではありません。
負けさせることは可能です。
たとえば、敵にも同じように最強クラスの力を持つ人間がいるかもしれません。
(銀英伝がそれです。あれは完全無欠主人公と最強主人公との両立という一面を持っていました)。
 他にも、大敗をトントンくらいにすることしか出来ないとか、
(それでも凄いんだけど、本人納得いかない、みたいな?)
 完全に自分の権限の及ばないところで話が決まってしまうとか。


REDさんからの意見
 高月さん、はじめまして。

 さて、完全無欠最強の何が悪いのか、私にはよくわかりません。たしかによく批判されていますけど。

 具体例として、バンパイアハンターDの主人公、Dは成長しない最強キャラです。
 なんの問題もありません。
 
 あの作品の場合、Dによって関係する周囲の人間に変化があるわけですが、
 そのように主人公以外の成長や変化があればよいのでは?


 この場合、「人として」描くのは青年の方にして、
 物語を動かすのは主人公という形にすれば解決できるのではありませんか?


とおふじさんからの意見
 どうも。初めまして。とおふじと申します。

 最強司令官と言われて、最初に出るのはやはり、ヤン提督でしょう。
 もし、まだ未読でしたら「銀河英雄伝説」をおススメします。

 ただ、軍オタとしてひとつ言わせてもらえれば、戦争(特にリアル)に、「最強」は存在しません。
 ナポレオンも信長も、あくまで勝率が高いだけです。
 最強の敗北の参考としてこういった天才の敗戦を調べてみてはどうでしょうか。


安眠妨害禁止区域在住の猫さんからの意見
 そもそも成長の定義は存在しません。
 これを前提条件に考えれば如何様な対象法も生まれるはずです。

 常に達観している主人公、精神的に老熟し老獪で損得勘定で動く人間が、
 恋や友情で我が侭や自分勝手、感情で動くようになるのも一種の成長です。逆もまた然り。


 司令官が完璧でも部下が無能であれば、相応の危機は訪れますし、
 護衛対象を人質に取られた場合の反応など、方法は幾らでも転がっていると思いますよ。
 人間、完璧を描くことは不可能です。

 或いは本当に完璧であるなら、どんな物語であれ、主人公の凄まじい魅力で物語が立つはずです。
 何故なら完璧とは相応の魅力を持ってこその完璧なのですから。
 
 というわけで、欠点は探し方次第。
 欠点はやり方次第では隠せますし、逆に引き立たせることも出来る。
 こういった隠蔽と演出は作家の専売特許なんですよ。


風来坊Qさんからの意見
 こんにちは。風来坊Qです。

 私はどちらかと言うと精神的な成長をしない主人公を書くことが多いです。
(個人的にはそっちの方に魅力を感じるんで。)
 基本的にそんな作品を書いている時は、未熟な準主人公を書くことにしています。
 そんでもって、主人公には強烈な個性を与えて、準主人公は典型的・・・
 とまでは言いませんが、いわゆる常識者にすることで、二人のギャップを作り出して、
 まあ、なんとなく面白くします。

 その世界のスタンダードで普通の思考をもった準主人公、それと変わり者である主人公。
 その二人のふれあいを通して準主人公の成長を描く・・・見たいな感じです。分かりにくくてすみません。

 あと、別に欠点や葛藤を与えなくても、性格がユニークならそれなりに面白くなるはずですから、
 その辺は自分で色々試してみる事をお進めします。
 特殊な点が無い事については、主人公を敵にとって計算外だった存在にするとか、
 そういうのでカバー出来るんじゃないですか?


魏延さんからの意見
 別の視点から言わせていただきますと・・・

 その青年がどういう経緯で若くして司令官クラスになれたのか、
 そこに弱みや悩みもあるのではと思います。

 例えば、旧日本軍の高級将校や参謀は、みな恐ろしく頭が切れるエリートだったと言います。
 というのも、軍の大学はたいへん難関だったからです。
 しかしその日本屈指の秀才たちが指揮した戦争は、あの凄惨な悲劇につながりました。
 つまり、戦争は将棋やペーパーテストのようにはいかないわけで、
 実戦は知らないが誰よりも勉強はできた指揮官、というのは、時にやっかいな存在となり得ます。

 時代や状況は違いますが、
 聡明の噂を聞き付けた劉備が、家を訪ねてまで召し抱えたという天才軍師・諸葛亮も、
 内政手腕は超一流だが戦争指揮能力は過大評価されている、とよく言われます。
 また、彼の部下・馬謖は非常に優れた参謀でしたが、
 いざ兵を預かると、実戦経験豊富な副将の忠告を無視した戦術をとって完敗、
 その敗北で全軍撤退を余儀なくされたため、死罪を食らいました。

 そんなわけで、頭がよくて指揮官になれたなら、
 知識偏重・机上の空論に陥らないかどうかが、ひとつのかぎになるでしょう。


 それを頑張って克服した、という苦労話にしてもいいし、
 経験不足を欠点にしてもいいと思います。

 逆に、叩き上げで地位を勝ち取った指揮官なら、
 それまでの経験自体が苦労のかたまりでしょうから、人間味は容易に出せると思います。
 ちなみに僕のハンネの魏延というやつは、
 一兵卒から大将軍の地位まで上り詰めたお人です。

 完璧や最強と言っても、それにふさわしい努力や経験をしてきてさえいれば十分人間くさくなります。
A「お前ってすごいなぁ」
B「まぁ苦労してきたからな」
 ・・・って、人間としてめっちゃかっこいいと思いますよ。自慢気でなければ、ですが^^;

 登場時からすでに完成してるようなキャラでも、
 要領や才能やコネだけで出世してきたような苦労しらずの人間でさえなければ、
 共感や同情は得られると思います。


飛車丸さんからの意見
 こういった物語に限らず、ネタには相性というものが少なからずあります。
 また、主役として相応しい素材と相応しくない素材も。
 その辺りの見極めが大事ですね。

 ともあれ。

 練習用であるなら、気にせず書いた方がいいです。
 ここで下手に綺麗にまとめると、自分で欠点を見つけづらくなってしまい、後々において逆効果。
 面白くないのも失敗するのも当然と割り切り、他人に依らない自分の長所と短所を知るためにも、
 まずはのびのびと自由にいってみましょう。


MIDOさんからの意見
 こんばんは、MIDOです。

 いっそ主人公とその青年と、どっちも主人公にしてしまうというのはどうでしょうか。

 ツートップ戦法というヤツで(すいません、勝手に命名しちゃいました) 
 最近(2009年現在)、多いではないですか。
 ガンダム種然りギアス然り、少年二人が主人公格で、どっちも同じくらいの露出度を誇るという作品が。
 どちらの作品も主人公と呼べる人物は一人かも知れませんが、
 最終的に主人公は二人いた、と思えるような内容になっていたようにも思えます。

 そうでなくてもこの設定の場合なら、青年のほうをすごく駄目駄目なキャラにして、
 完全無比の主人公を振り回すという形に持っていくこともできるかと思います。
 何事もクールに無難にこなす主人公だが、今までふれ合ったことのないタイプの人間とふれ合い、
 混乱し、我慢できずに爆発し、つい怒鳴りつけてしまった、みたいな王道なスタンスも取れるでしょう。
 で、最終的には協力してラスボスを倒し、友情成立、みたいな。
 これだったら完璧に主人公、成長していますよ。我慢強さの部分が(笑)

 あとは恋愛とか、とにかく未知の領域に主人公をぽいっと放りだしてみるのがお薦めです。
 案外、作者が思っているより慌てふためいてくれる可能性も見いだせるかと思います。

 コメントは以上です。それでは。


マンタさんからの意見
 設定がイマイチわからないので、主人公を軍隊の指揮官として捉えますよ。
 この場合、主人公の強さの源と軍隊なんですよ。
 だから軍と離反するハメになるのが、この主人公にとって一番辛いことなんです。

 となるとドラマを作るとしたら、自分の味方の軍隊から、
 その世界の運命を握る青年の命を守ることなんですよ。


 まあ、このパターンは吐いて捨てるほどあります。
 映画でもよくあるし、漫画でもよくある。
 有名なところでは鋼の錬金術師もこの分類です。

 この設定ならドラマ不足がなくなります。
 主人公は味方である軍を裏切るわけですから、当然部下のなかからも離反者がでてくるし、
 敵はかつての同僚や上司、部下です。
 もう主人公は死にたくなるぐらい、ドラマを味わうはめになります。

 まあ一つの案です。気にくわなかったらスルーしてください。
 じゃあ頑張って書いてくださいね。


tikuさんからの意見
 高月さん、こんばんは。
 tikuと申します。

 書かせて頂いたら、あまり他の方が指摘されていない指摘ばかりになってしまいました。も
 しかしたら的外れな指摘がたくさんあるのかもしれません。もしそうでしたらご容赦下さいませ。

 個人的な意見なのですが、心があれば、必ず葛藤は生まれるように思います。
 屈強で博識で、人間として精神的に素晴らしくても葛藤はあると思います――
 というか、強い人間ほど葛藤は大きいように思います。
 単純に考えても、例えば、周囲の嫉妬とか。
 たいてい嫉妬する人間は、相手が努力してそれを成したかどうかなど関係なく、
 とりあえず何がなんでも相手を貶めようとします。

 それだけでも、かなり葛藤は生まれると思います。
 主人公の年齢は知りませんが、若くて出世したのなら、足を引っ張る同僚や、
 年齢は上だが階級は下ということで言うことを聞かない部下もいるように思います。
 派閥による争いもきっとあるでしょう。

 それに戦闘・戦術・戦略すべてにおいて最強クラスでも、戦いで完全に敗北することはあると思います。
 『透明人間の納屋』(島田荘司著)に、世の中のことはなんでも知っているような、
 人間的にも素晴らしい人物ととても強い軍人が出てきます。
 けど、どう見てみても、敗北以外の何ものでもない――そう思える状況です。
 戦争ものではありませんが、島田荘司先生の『透明人間の納屋』は読みやすいですし、
 ライトノベルでは見かけない物語なので、一度読んでみてはいかがでしょうか?


 葛藤が生まれれば人は変わります。
 そして葛藤が生まれない人間もいないと思います。
 葛藤が生まれれば、成長と呼べるかどうかはわかりませんが、変化はするでしょう。

 それに戦闘や精神面だけで、軍人は務まらないと思います。小説ではありませんが、軍人の葛藤なら、
 「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」―ベトナム帰還兵が語る「ほんとうの戦争」
 がオススメです。
 小学生でも読めるように配慮されていますが、平易な文章だからこそ、迫るものがあるように思います。
 軍人なら人を殺す必要があるでしょうし、その葛藤は想像を絶するように思います。
(戦争を始めるか始めないかを決めるような立場の人間は、絶対に戦場には足を運ばないでしょう。
 悪夢にうなされるからです。)
 そういうことを考えると、軍人で葛藤がなく、
 精神的な変化が起こらないというのは、ちょっと想像できないです。

 『透明人間の納屋』(島田荘司著)
 『「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」』
 どちらも小学生でも読める文章で、大人でも唸る本です。それに短いです。
 早い人なら二冊で二時間かからないと思います。

 高月さんは書けなくて悩んでいらっしゃるようですし、
 小説を学ぶ方法は書くか読むかしかないと思います。
 ですから、書けないのでしたら参考になりそうな本をいろいろ読んでみるのがオススメです。
(二冊とも私の地元の図書館にもありましたから、高月さんの地元の図書館にもあるかと思います。)
 ある程度はリアルを知った上で、フィクションにした方がリアリティが増すかなと思いました。

 執筆、頑張って下さい。


暗泥藻さんからの意見

 初めまして高月さん。暗泥藻といいます。
 私も悩んだことがある内容だったので少しばかり意見を述べさせていただきますね。

 私は高月さんの悩みを”主人公の魅力”が読者にどう思われるか、と捉えました。

 好かれる主人公とは共感できる人か、尊敬できる人だと私は思っています。

 共感するのは、自分と同じ目線を持っている等、読者が自分と主人公との共通点を感じ取ったときです。
 尊敬するのは、主人公が読者のこうありたいと思うような性格だったときだと思います。

 完全にこのどちらかだけになるわけではなくて、
 あくまでこういう要素が好かれる主人公にはあるんじゃないかな、ということです。

 どちらのタイプも最強、完全無欠で問題ありません。
 腕っ節があっても頭が良くても精神的に成熟していてもいいんです。

 尊敬タイプの場合はむしろ精神的に成熟していないといけません。
 腕っ節があっても、頭が良くても、性格が悪いのでは尊敬されませんから。

 このように考えた場合、
 高月さんが書こうとしている主人公は尊敬されて好かれるタイプのように思えます。

 俗に言う最強系主人公が嫌われるのは尊敬できない主人公だからです。
 尊敬が嫉妬に裏返ってしまっているのです。

 読者が欲しいものを主人公が手に入れる展開。
 たとえば地位や名声、美人の恋人。
 共感できる人や尊敬する人がこれらを手に入れたのならばそうそう嫉妬することはありません。
 共感している場合は自己投影に近いものをしていますし、
 尊敬している場合は、この人は立派だからこれくらい当然と考えられます。
 でも、それらを手に入れた人が気に食わない奴だったり、
 よく知らない奴だったりすると嫉妬しませんか?

 嫉妬するときはそのための努力を読者が知らないからです。

 なぜなら努力するということは、読者のこうありたい、という願望を刺激するものの一つだから。
 誰しも努力したら報われたいですもの。
 さらに言えば、彼らの努力を読者が知ったとき、
 その人物は読者の知らない人物でも気に食わない人物でもなくなるのです。
 気に食わないけど、その力には納得するくらいには印象が変えられると思います。

 棚から牡丹餅で力を手に入れた主人公が、
 苦労もせずいきなり精神的に成熟した発言で訳のわからない魅力を振りまき、
 恋人や名声を手に入れる。
 そりゃあ嫉妬されます。
 最強系主人公が嫌われるのはそういうことじゃないでしょうか。

 美人の彼女がいるから、地位と名声があるから憧れるんじゃないんです。
 その人と成り、それを手に入れるまでの努力を知っていて、
 なおかつそれが好ましいものだから尊敬できるし、自分のことのように喜んであげられるんです。

 つまり、高月さんの主人公を嫌われないようにするのならば、
 精神的に尊敬できるほど成熟していることをわかるような展開を描き、
 共感のできる積み重ねてきた苦労をそれとなくにじませるなどすれば良いと思います。

 完璧な人間が嫌われるのはそんな人間がいないから。
 完璧な人間が居ないということはつまり、
 完璧に見える人間は完璧になるよう努力しているということです。
 
 努力して身に付けたものならば嫉妬なんて誰もしないと思います。
 それがわかると好感をもたれるのではないでしょうか。

 決して無理なことではないと思いますよ。
 だって未熟な青年を守り助けるために尽力するという立派に尊敬できる展開があるわけですし。


サイ・アキラさんからの意見
 こんにちは、サイ・アキラです。短めに、簡潔にお答えします。

 「ゴルゴ13」を読んでください。

 これで最強主人公のことがいろいろ分かりますので。
 
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