ジジさん(職業下読み) 2013年10月08日
前に下読みさんのスレ見た気がしたんで、賞に応募してる人で疑問ある人がいたら、身バレしない範囲で答えます。
いちおう、ラノベ、一般、それぞれ男女向きで読んでる職業下読みです。
初めまして、こんばんは。
早速ですが幾つか質問をしてみたいと思います。宜しくお願いします。
まず、面白さとはなんでしょうか?
特に「面白さ」とだけ言うと好みの差が出てくると思うので、下読みの仕事をしている上で特に評価されていると思えるジャンルや要素について話して頂けたらと思います。
尚、これに関してはライトノベル、一般それぞれの視点からの回答を希望します。
次の質問です。
読んでいて苦痛になる書き方、ジャンルなどがあれば教えて欲しいです。
これだけは絶対にやめて欲しい……。
誰得なんだろうこれは……など。
読んでいて嫌になる作品の特徴をお願いします。
……ということで、以上です。
> まず、面白さとはなんでしょうか?
こういう試すような質問をしていただくのはちょっと辛いのですが、
作品に「これを見せたい」というテーマがあり、それをクライマックスにきちんと据えて、見せ場が作れているかということになるでしょうか。
それが散漫だったりなかったりするものはおもしろくないです。
それから、これは形として提示できないのですが、賞を取る作品は「誰が読んでも上に上がる作品」だということです。ジャンルも要素もなく、下読みの別関係なく上がるものが賞を取ります。
傾向としては、ラノベならキャラがしっかり立っていて文章や会話からその心情の動きがきちんと見え、達成感に繋がっているかどうか。
一般なら、読者に想像を強いるよりも共感させられるテーマづくりと等身大なキャラ設定ができているかがひとつのポイントになるでしょう。
ラノベは想像しやすいもの、一般は共感しやすいもの、ということです。
> 読んでいて苦痛になる書き方、ジャンルなどがあれば教えて欲しいです。
普通に日本語がおかしいものは読みにくいし、まあまずおもしろくないですね。
頭のいい人の定義と同じで、いい書き手というのは誰にでもわかる言葉でおもしろく書ける人だからです。味つけとして独自の表現を使うなら、ところどころにちょっとずつ、がいいでしょう。
さらに、既存の作品のパクリはやめてほしいですね。応募作の中にかならずあります。
これは絶対に通りませんし(当然ですが)、なにかの間違いで賞を取れても、絶対にトラブルが起こります。
はじめまして。
早速ですが、応募原稿のレイアウトでミスがありました。
ページ番号の位置なのですが、左端なのに、真ん中に打ってしまったのです。
これだけでも落とされるでしょうか?
郵送してから気付いたので、不安です。
言い切ってしまいますが、大丈夫です。
基本、一次審査は「とりあえずおもしろいものを上げる」ための審査なので、担当してる下読みがよっぽど頭おかしい人じゃない限り、気にも止めない要素ですよ。
というか、そんなミスで賞取れる作品を落とすヤツはバカです。
もしその疑いがあるようなら、同じ作品をさらっと他の賞に流用してしまいましょう。
応募原稿に「よろしくお願いします」とか書くのはダメでしょうか?作家としての希望とかも一行だけ書きたいんですが…。
ラノベで異世界FT、SFはカテエラになることが多いと聞いたのですが、なぜでしょうか?
一般のほうは、最終に上がる作品、最終で落ちる作品ってどの程度のレベルですか?知り合いが最終で二回落ちてるんです。編集から声はかかってません。
「よろしくお願いします」はやめたほうがいいですね。
また、希望や思惑は、すべて原稿に練り込んでください。
書いた人の思いやら希望を作品内で伝えられているかどうか、それが評価基準のひとつですし。
一般、ラノベ関わらず、最終で落ちて且つ編集がつかない人というのは基本的に、物語を筋道立てて構成するのはうまいけど、作家としての武器がない(しかも前から進化してない)人と判断されてるものと思われます。
あらすじを作ってみて、自分の作品の武器はこれ(この設定・キャラ・どんでん返しなど)というポイントがあるかどうか確認するといいかと。
おもしろい作品って、あらすじだけでもおもしろいんですよ。
学歴に不安面があるので、「学歴不掲載希望」とかしたいんですけどそれはダメですか?一般もラノベも書いてるんですけど、一般のほうが高学歴作家が多いジャンルなんです(汗)
確かに、彼女は構成は上手くて器用なタイプです。幾つものジャンルの賞に送って、だいたい二次は行くし、最終は二回行ったとか自慢してたので。一般の二次はレベル高くて、編集部から通過連絡がこくるとか何処かでよんだので、すごいのかもと思う一方、なんでいつも落ちるんだろうと思いました。
やはり作家としての武器がないとダメってことなのですね。
私は一般に送ったことはありません。
一般のほうだと、作家が審査する賞と、編集が審査する賞だとどういう違いがありますか?大御所とかが審査員なのを見ると、これ絶対こだわり強いじゃんとか思ってやる気なくします。
ラノベは何となく売れそうなのを送ればいいんだろうなと理解しています。
基本的に賞の発表で出るのはペンネームと年齢だと思うんですが(もしかしたら現在の職業とかも出す賞もあるかもしれませんが)、学歴が必要になるのって書籍として出版されて、著者プロフィールを書くときじゃないでしょうか?
だとすれば、賞をとってから担当編集と相談すれば大丈夫ですし、途中で学歴が出る賞なら、それは応募プロフィールのところに書き添えれば大丈夫ですよ。
>一般のほうだと、作家が審査する賞と、編集が審査する賞だと、どういう違いがありますか?
基本的に作家含む特別審査員が読むのは最終候補に残った作品だけなので、特に違わないです。
なるほどなるほど。ありがとうございます。
「よろしくお願いします」以外は、常識の範囲ならOKなんでしょうか?
応募者のプロフって最終以後で加味されないんでしょうか?
うーん、なんでそもそも作家さんが審査するんでしょうか?審査する側のほうが全然ハイレベルだから新人なんて最終候補でも技術的には皆同じなのでは…。
エンタメでも好みや得意ジャンルはあるし、売れるかどうか考えるのは編集の仕事なので、新人を見る意味がよく分からないです。
編集さんが作家さんにこういうの出来れば通してほしいと希望出したりするんでしょうか?
作品以外の文章を添付すること自体が常識外だと考えてください。
また、プロフィールで通る賞も基本的にありません。
出版社は一瞬の話題より、安定した作品供給ができる人間を求めるものですので。
> うーん、なんでそもそも作家さんが審査するんでしょうか?
話題作りです。一応、考え方のちがう人を入れることで選考をよりよくしたい流れもあるかと思いますが。
すみません。賞関係なくなってきていますので、この流れはここまでにさせてください。
少年向けレーベルについてお聞きしたいです。
応募作品の主人公の性別は、男:女の割合はどのくらいでしょうか。
また、男女W主人公での応募作品はありますか?
(涼宮ハルヒのようなヒロインが主人公より目立つ、というものではなく、男女両方の視点が均等に織り交ぜられているようなもの)
私が今書きたいものが男女W主人公ものなのですが、萌え要員が女主人公ともう一人くらいしかおらず、全体的に男臭いです。
やはり萌え要員が少ない作品は不利でしょうか?
ジャンルは、異世界魔法モノ、男主人公と女主人公の間にほんのり恋愛です。
ラノベということなら、男女比は99:1で男の子が主人公ですね。100本に1本、あるかないかという比率です。
少女向け、女性向けだとこの比率が50:50になる感じでしょうか。
ただ大事なのは性別じゃなく、男子向けなら男子から、女子向けなら女子から見て共感、憧れ、嫉妬できるようなキャラであることです。
> また、男女W主人公での応募作品はありますか?
> (涼宮ハルヒのようなヒロインが主人公より目立つ、というものではなく、男女両方の視点が均等に織り交ぜられているようなもの)
今のところ見たことがありません。
複数主人公制のものはちらほらありますが。
ただ、応募はあるのに受賞作としてこのジャンルのものが出てこないことからも、その難しさは察していただければ。
> やはり萌え要員が少ない作品は不利でしょうか?
それが売りのレーベルでなければ、応募段階ではあまり気にしなくていいと思いますよ。下読みというふるい落とし段階で要求されるのは、おもしろい作品を上げることだけですので。
ただ、おもしろさが同格の萌え作品と萌えなし作品のどちらかを選んで上げなきゃならない状況なら、私は迷わず萌え作品を上げます。これは単純にニーズの問題です。
オトコ臭いのが辛いようでしたら、男性キャラひとり男の娘にしてみると華やぐかと思います(別に恋愛にからめる必要もありませんし)。