第4研究室 創作に関するQ&A 329P | トップへ戻る |
にわとりさんからの質問
 続編が出るにつれて面白くなくなる傾向について
 
 はじめまして。
 ジャンルを問わず、人気があればシリーズ化する作品というものが多数あります。
 しかしながら、映画にしてもゲームにしても「2」「3」 までいくと、
 うーん、とイマイチ前作を超えていない印象を見受ける作品も多数あります。
 
 単にネタ切れが原因だと考えても、逆に続編を重ねるにつれ内容が濃くなる作品もあるし、
 例え、ネタ切れが一因だとしても、それが全てだとは思えません。
 それに一度作品を公に出せば少なからず批評を受けているハズなのに、
 大して変わらないどころか逆に酷くなっているモノまで存在しています。

 これらの現象は一体何が原因なのでしょうか?
 また、このような傾向を避けるには作者として何を意識すれば良いのでしょうか?
 皆様のご意見、ご感想を是非聞かせてください。


●答え●

ソーメン・エモンさんからの意見
 僕の親父は
「グレートマジンガーよりもマジンガーZの方が好きだ、グレートマジンガーは強くなりすぎ」
 みたいなことを言っていました。参考にどうぞ。


閃叉聖さんからの意見
> うーん、とイマイチ前作を超えていない印象を見受ける作品も多数あります。

 私はその考え方自体がナンセンスだと思ってますね。
 「前作を超える作品を作ろう」なんてのは所詮意気込みに過ぎないんですよ。
 むしろ私は、足かせにしかならないと思ってます。
 
 続編が決まるということは、商売が成立するレベルまで達していたというわけで。
 高水準、とは違いますが、一定のレベルが確保されている作品を、
 同じ材料でより高いレベルに仕上げるなんてのは、そうそうできるもんじゃありません。

 しかも続編となると間に挟まれる期間はあまり無い場合が多いですよね。
 アニメとかだと1期の最中に2期の話まで考えている場合もありますし。
 作り手だって1作品仕上げたくらいでどーんと上手くなるわけじゃ無い。
 環境も大して変わらず意気込みだけすごんで作ったって、
 良い作品をより良い作品に変えられるとは思えません。

 例えばです。レストランに行ってオムライスを食べたとしましょう。それがとても美味しかったです。
 ですが、次行ったときにまたオムライスを食べたとして、料理の質は上がっているでしょうか?
 答えは否、同じ味のオムライスが出てくるだけですよね。

 シリーズものに必要なのは、変化だと私は思っています。

 オムライスが美味しかったなら、次は別の料理を頼めばいい。
 例えば、パスタとか。そうすれば、オムライスには無い味が楽しめるわけです。

 作り手の心構えとしては、色々な味を楽しんでもらおうという意識を持ってやれば、
 良いんじゃないでしょうか。


 以上、私見終わりです。でわでわ。


魏延さんからの意見
 閃叉聖さんのご意見がまさに答えだと思います。

 「2」も「1」に劣らず面白かった、という貴重な成功例として、
 「エイリアン」や「ターミネーター」なんかの映画があります。


 「エイリアン」は宇宙船に侵入した獰猛なエイリアン1体VS非武装の搭乗員という、
 サスペンスやホラー色の強い作品でしたが、
 「エイリアン2」では、前作で生還したリプリー+完全武装の宇宙海兵隊VS大量のエイリアン、
 と、所々にホラー色を残しつつ、パニックとアクションの色合いを打ち出しました。

 ただ「3」以降の評価はどうにも右肩下がりです。
 非武装の囚人+リプリーVSエイリアンの「3」、
 「4」では半エイリアン状態のリプリーに、クイーンに反逆する人型エイリアンが登場します。
 そこまでいくといいかげんインフレ気味になってきた気がします。

 「ターミネーター」では、未来人+サラ・コナー VS T-800(シュワちゃん)という、
 冷酷非情、銃器さえ効かない相手との絶望的な戦闘が展開されます。
 「2」では前作で恐怖の対象だったT-800がコナー親子の護衛につき、
 交流のうちに感情を覚え、“強く良き父親”として描かれる反面、
 最新型のT-1000と、これまた絶望的な戦闘が繰り広げられました。

 続編でも成功するには、ここの研究所にもあった、シークエンスの利用応用が鍵じゃないかと。
 『上級テクニック。物語の流れを、よりダイナミックにする方法』
 絶対的な悪・脅威を凌ぐ、新たな敵・課題の出現など……。

 しかし、しょせんキャラや設定が同じですから、タダでさえ受け手は飽きを感じますし、
 なおそこから一作目を超える作品を次々と編み出すことには限界があります。


 丹精こめて作り上げたカレーから、全く別のおいしさを持つカレーを作れといわれて、
 その通り仕上げてしまう人はプロの中のプロか運に恵まれた人のどちらかかと。
 一個作るならまだしも、五個も六個も要求されたりしたら……
 意欲やマンネリとの戦いになると思います。

 漫画やラノベなんかはとにかくシリーズが続いたモン勝ちという業界ですが、
 大賞・大人気を得るほど卓抜した作品のクオリティを、何巻もそう易々とは超えられないでしょう。

 行き当たりばったりでも、ネタが枯渇しても、作者が飽きても、
 人気があるなら続けざるを得ないジャンプ漫画。
 
 あれらは、「あそこで終われば名作だったのに」
 と言われる作品ばっかりです。
 作者が望むとき、少し出し惜しんで終わるぐらいが一番いいんだと思います。



小豆の踊り子さんからの意見
 初めまして、小豆です。

 私もにわとり様と同じ様なことを思っています。
 つい先日も、一作目は面白かったのに、
 二作目から変に世界観を広げて話がガタガタになったラノベを読みました。
 
 私が思うに、一作目は「これで勝負するんだ!」と意気込んで作ったからヒット。
 二作目からは「三作目にどうやってつなげよう」と考えて作るから面白くないのでは?


 最初から三部作にするつもりだったならともかく、
 一作目で終わるつもりだったのに売れたからじゃあもう一つ……
 なんて動機で話を作ったら一作目を超えるなんて無理です。
 一作目がヒットして人気の貯金があるのも問題かと。

 要は、してないつもりでもしている「油断」が根源ではないでしょうか。

 古典で習いましたが「初心の人、二つの矢を持つ無かれ」って昔の人も言ってましたし。
 例えたくさん話を書いてきた人でも、話を作る人ならみんな、今作ってる話に関しては初心の人です。
 どんなに金を積まれても、どんなに人気があろうと、
 自分の決めた終わりからはみ出さないことが大切だと思います。

 乱文失礼いたしました。


穴子さんからの意見
 必ずしも続編がつまらなくなるってことはないと思いますよ。
 最初の作品で全てが完結している作品はつまらなくなってしまうかもしれませんが、
 続編のテーマになる伏線をちらっと織り交ぜていけば続編もそれなりが作品が作れると思います。

 完結している前作を越えるって言うことは僕も結構難しいと考えます。
 何故なら世界観は前作も続編も一緒です。
 ということは前作の方はその世界観で1番おもしろいと思った作品を書いているはずです。
 なので続編が前作を越えるとしたらそれは作者の表現力の向上などによる物と考えます。

 僕の見解はこんな感じです。参考になりましたでしょうか?それでは。


日暮さんからの意見
 閃叉聖さんが続編を出すことを前提に話されていたので、
 私は別の視点から意見を言わせて頂きます。
(でもなんか、結局言おうとしてることは同じ様な気もするなあ……)

 そもそも、人気が出たからと言って、その続編を作る理由とはなんでしょうか。
 大概は「商業的価値があるため」です。

 
 良く売れるから、また同じ様なのを売って儲けたい。
 ではそこに、作者が人間としての、またはその作品の面白さとしての向上が、
 いったいどれくらいあるのか、と。

 私は大してないだろうと思っています。
 もし私が物書きで、例えどんなに人気の作品を書くことが出来たとしても、
 “ただ売るために物語を延命させる”ことだけは、絶対にやりたくありません。

 ネタも切れてるというのに続けようとすれば、物語は当たり前に陳腐なものになります。

 無理に続編をだすのではなく、(テーマのみを受け継がせるなりして)全く別のものを書くのも、
 考えてみてはどうでしょうか。


 まあ、消費者側にも問題があるんですがね。
 例えば往年の人気シリーズ「ガンダム」を以て言えば、
 “面白いロボットアニメ”ではなく“機動戦士ガンダム”を求めてしまう、とか。
(最近始まったOOとかいうのは良い意味でガンダムっぽさがないと思います)


サイラスさんからの意見
 センター試験を受けて、もう3年たったか…と感慨ふけるさいらすです。
 僕としては、まず、下手な背伸びはしていないこと、
 もっと端的に言うと、決めたことは曲げないことが挙げられるます。

 これは日暮さん、小豆の踊り子さんが書いたことに共通していることですが、
 売れたから続編、今度は客受けが言いようにこんなアイディアを……

 と人気や売れるために作品のキャパシティーを超えたことをやると潰れる可能性が高いです。
 つまり、売れてもここまでと決めておかないと作品を殺す危険性があります。

 
 それでは作品が可哀想です。
 もう一つは、続ける作品なら、本気にならないことなのかもしれません。
 というのも、短期で終わらせる作品なら初めからアディアを総動員しても構いませんが、
 そうでないなら、温存を掛けないと後々、アディアがなくなり、作品の質が落ちる危険性があります。
 
 最後は、日常に近いことかな、これは、サザエさんやドラえもんがいい例かと思います。

 というのも、「現実は小説よりも奇なり」という言葉があるように、
 ネタ、アイディアの供給もやりやすい……というやつなのかもしれません。
 また、ある二次の作家が

『もし終わる必要のない物語なら(もしそんなメディアがあるのなら、の話ですが)、
 かっこいいことを言う必要も、戦う必要もなく、ただやさしく生きているキャラが、
 他のどんなキャラよりも役割を果たせるのでしょう』

 と書いたことがあり、僕は、それが長く続くコツなのかもと思ったことを覚えています。
 あと、番外ですが、僕は、小説(ライトノベル、純文学、携帯小説など)を安易に
 映画化、アニメ化はちょっと危険な気がします。
 というのも確かに小説が売れれば、商業的にはもっと稼げるように
 映像化、アニメ化とやりたい気もわかりますが、僕から見ると、おそろっしく安っぽくみえてしまいます。
 
 また、映像化にしろ、アニメ化にしろ、作者以外の人間の解釈(脚本等)も入るから、
 原作とはとはイメージも変わるから、どうも変な印象を受けます。


 拙い文で失礼。では、これで、


金時さんからの意見
 私は時間的な問題も大きいと思います。
 
 例えば新人賞に応募する際の作品は完成までにいくら時間をかけても問題ありません。
 しかしその次の作品。これは出版社から完成までに一定の期限を用意されるはずです。
 続編に限らず、第二作が面白くなくなる傾向にあるのは時間制限で十分に作りこめず、
 出来が甘くなってしまったと言うのが少なからずあるように思います。

 あとラノベ独特の難しさとして、一話完結+シリーズ展開と言う形態があると思います。
 
 ラノベは基本的に一冊につき一つずつ違うストーリーが入っています。
 これとシリーズ全体のストーリーを両立するというのは結構な難題ではないでしょうか。
 一巻ごとに違う小ストーリーに力を入れすぎて全体のストーリーが遅々として進まない、
 全体としては重要な巻だけどそちらに手を取られて小ストーリーが薄い。
 どちらにしても読者は不満を感じるでしょう。

 シリーズ物を書く時は、一巻(一話)ごとに必ず小さな起承転結を用意し、
 かつ全体としてのストーリーも進めていくバランス感覚が重要だと考えます。


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