第4研究室 創作に関するQ&A 442P | トップへ戻る |
紅夜さんからの質問
 なぜTYPE-MOONはヒットした?
 
 タイトルのまんまです。
 自分はTYPE-MOONが大好きでして。
 空の境界、月姫、fate。
 で、これらの作品の良いところ、ヒットした理由は何かなと、思い
 もし、皆様の意見を聞ければと思い書き込みしました。

 TYPE-MOONの全体でも良いですし、
 それぞれの作品でもかまいませんので、意見をお聞かせください。


●答え●

巣鴨さんからの意見
 こんばんは。

 TYPE-MOON作品……というか、那須きのこというライターを一躍世に知らしめたのは、
 公開した中での処女作「空の境界」ではなく、同人ゲーム「月姫」ではないかと思います。
(勿論、空の境界も素晴らしい作品ですが)

 当時の同人、と言うか、ほとんどのノベルゲームと比して桁外れの文章量と、重厚な世界設定。
 印象的な名言や、独自の言葉遣い。
 吸血鬼や魔術、超能力、教会、そして直死の魔眼などのオリジナリティ。
 癖が強いがそれゆえに嵌れば強く記憶に残る地の文。
 

 好みは分かれそうな絵柄ですが、立ち絵の豊富さも個人的には良いところと思ってます。
 と、いろいろな特徴が一つの作品として昇華された結果としての大ヒットだったのではないでしょうか。

 そのアクの強さから、公募などじゃちょっとあぶれそうな作家ですけど、
 同人からここまでのし上がったことも凄いと思います。

 同人に、って言うか、伝奇ノベルというジャンルに新風を吹かせた方だと思いますね。

 文体の特異さが目立ちますけど、それもまた作家の個性として私は好きです。
 プロ・アマ問わず二次創作やそれに類するものがいろんな形で生まれてるのも、
 この特異さが人を惹きつける証じゃないかな? と思ってます。

 DDDの続刊や、魔法使いの夜、楽しみです。

 では。


宮島桂梧さんからの意見
 はじめまして
 月厨を自称する宮島です。
 Fateの魅力について、ですが。

 ぶっちゃけ、二次創作のしやすさですね。

 『聖杯戦争』というシステムだけを使用して、人物はオリジナルの二次創作もできますし、
 Fateキャラのその後の話だけでも良い。

 そこに、hollowの平行世界なんて出された日には、もう。

 そりゃあ二次創作もやりたくなるってもんですよ。


レベル99:バタ子さんからの意見
 TYPE-MOONのアンチ気味のぼくですが、失礼します。

 ヒットの理由はいくつかあります。
 ですが、ここは創作相談掲示板。
 みなさんの創作に参考になりそうな理由をあげてみますね。

 それは、イラスト担当である『武内崇』による、
 シナリオ担当の『奈須きのこ』の暴走のセーブではないでしょうか?

 TYPE-MOONを世に知らしめた同人ゲーム『月姫』。
 この作品の魅力は、死の線が見える『直死の魔眼』という斬新かつおもしろい設定にあると思います。

 これはあるゲームライターの感想でもあるんですが
「なんだよ、死の線が見えるってっ!
 物語の初っ端から、この作品の他所の追随を許さない、斬新な設定に惹き込まれたよ〜以下略」


 というように、
 月姫というゲームの冒頭は、
 少年時代の主人公『遠野志貴』が直死の魔眼を手に入れたところから始まります。

 
 奈須きのこは設定厨です。
 しかも、かなり濃厚な世界観のある作品を書きます。

 
 それゆえに設定厨にありがちな、
<ややこしい設定を、長々と語ってしまう>
 という大きな欠点があります。



 月姫のゲーム初っ端から直死の魔眼をもってきたのは、
 表現しづらい設定をユーザーに説明するためという、武内崇のアイディアです。


 奈須きのこは設定厨らしい暴走っ漢です。
 ついつい独特の文章で、むずかしい設定を長々と説明しちゃいます。

 そんなユーザーに優しくないことされたら、
「分かり辛い! こんな長ったらしい設定説明されたら、ひくわっ! 設定厨のオ●ニーかよ」
 と、一部の方々がゲームを放棄してしまいます。

 興味を失った読者が、その小説を棚に戻すのと同じです。 

 「結末まで読んでくれたらおもしろくなるのに……」というのは作者のオ●ニーでしかありません。
 最後までゲームを楽しんでもらうには、それなりにユーザーへの配慮が必要なのです。


 それは小説だって同じですよね。
 エンタメ小説や、ラノベなら、なおのこと。
 読者へ配慮が大切ですね。


 奈須きのこの奇抜な設定を、どれだけユーザーに分かり易く伝えるか。
 そこを大切にした武内崇の手腕は、かなり大きいかと。

 奈須きのこ自身、武内が暴走をセーブしてくれる、とどこかのインタビューの記事でいっていました。

 ヒットした理由のひとつに、ゲームプレイヤーへの配慮があるからだと、ぼくは思います。
 独特の世界観だからこそ、配慮の大切さが活きてくるんじゃないかと。


少佐さんからの意見
 発売日にTYPE-MOONエースを購入してヒャッホウっていう気分になっていた少佐ですこんばんわ。

 ……Fate関連作しかやったことのない自分が言うのもアレですが。
 ですので、ちょっとFateに偏り気味に意見を述べてみたいと思います。

 まずは「聖杯戦争」なるものを舞台とした世界設定。
 これって、深くまで知り、探求すればそう簡単に思いつくものじゃありませんよ。
 それをめぐるキャラクター間のドラマというのでしょうか。それもかなり。
 キャス子と葛木先生、ライダーと桜なんて言うのはまさにそうです。

 そして、所謂「中二病」になっているような気がしないでもない必殺技や、そのネーミング。
 「宝具」の存在。
 これが魅力であると同時に、アンチを生み出す原因の一つになっているような気がします。

 後これは個人的に感じる魅力。タイガー道場の存在。
 「教えて知得留先生」から持ってこられた、とことんまでカオスを追及したBADEND。
 これはこれである意味一番の魅力ではないでしょうか。


 語り出せば止まらなくなりそうなのでやめておきますが……
 やはり、他とは一線を引いた部分が多々あるからではないでしょうか。
 アレにエロはいらんのです。エロい人にはそれがわからんのですよ。

 さておき、月姫のリメイク版に魔法使いの夜。Girl`s work。
 発売日を待ち遠しく思うまでです。
 それでは、stay nightよりhollow ataraxiaの方が好きな私でした。


パプテマスさんからの意見
 文体の独特さは置いておくとして、

 やっぱり、話のネタになりやすい、からではないでしょうか?

 ガンダムとかも、最強のパイロットはだれだ〜、とかよく見ますしね。

 それに、月姫の場合、二十七祖なんてほとんど設定しかでてきてないぶん、
 そういう話もしやすいですし、その設定も適当だから決着もつきにくいです。


 そういうのを見たり聞いたりした人が興味をもって……
 みたいな感じで売れていったんじゃないでしょうか?
 まあ、売れたといってもオタの中で、ですが。


桂さんからの意見
 僕もかなりな設定厨なので、那須きのこさんのことは結構尊敬しています。
 あの独特の世界観。凝りに凝った設定。ああもう、大好きだよ! 憧れですよ。
 
 だけど、その一部マニアを惹きつけまくる濃密な世界観が痛烈なアンチを生み、
 またラノベやゲームとの接点が浅い人にとっての敷居を高くしてるのも間違いなく事実です。


 そもそも、実際の利益と人気・知名度は必ずしも連動するわけじゃないです。
 五割の人間に支持されていても買うか買わないか半々な作品と、
 三割の人間にしか支持されていなくても必ず買われる作品となら、
 後者のほうが利益が高くなるのは当たり前のことです。

 販売戦略には大まかに分ければ二種類、つまり「広く浅く」と「狭く深く」があります。
 TYPE-MOONは明らかに後者で、しかもほかのラノベなんかに比べて
 その傾向は顕著じゃないかって思います。

 一部の人間にしか支持されないことを覚悟で趣味に突っ走るか、
 多くの人に読んでもらえるように大衆を意識した作品にするか。
 設定厨の僕にとって、TYPE-MOONは深く考えされる実例です。



風月堂さんからの意見
 正直TYPE-MOONは私好みでないのですが、「空の境界」を読んだ印象や風評から、
 奈須きのこについて少し思うことを述べます。

 TYPE-MOONの人気の理由は、
 "題材のとっつきやすさ"と"アクの濃さ"にあるのではないかと思います。


 奈須きのこの作品は、しばしば設定が独創的と言われます
 しかし、魔術バトル系の作品の苦手な私は、
 題材に関して言えば独創性あふれるという見方に少々の疑問を感じてきました。
 むろん魔術等の設定の作りこみの独自性についてまで否定するわけではないのですが、
 少々気になっていたので遅まきながら、一つの見方としてコメントすることにしました。

 まずは、題材の"とっつきやすさ"について。
 魔術設定・バトルアクションや各種のキャラクターといった題材は、
 いわゆるオタクにとってとっつきやすいのではないでしょうか。

 
 奈須きのこの作品は、正直ながら(好きな方には申し訳ないのですが)、
 題材に関して言えば独創性よりも"ありきたり"さを感じます。
 しかし、この一見するとありきたり題材(裏社会的な魔術バトル・吸血鬼など)は、
 それだからこそ、オタクにとってとっつきやすく、それだけ興味を惹きやすいのではないかと思います。

 もう一つには、やはり、しばしば言われるような奈須きのこらしい独創性もあると思います。


 (説明過多なほどの)魔術設定関係の作りこみ、
 一目で奈須きのこと分かる独特のくどい文章という、一種の"アクの強さ"といいましょうか。
 いわゆる"設定厨"を惹きつけるのは、前述のように興味を惹きやすいことと、
 その興味を十分に満足させる作りこみとがあるように思えます。
 
 文章についてですが、一頃これに憧れて文体を真似た創作が見られたことは、
 独特な文章もまた魅力であることの証左ではないでしょうか。


 
 奈須きのこというと、とかくオリジナリティあふれると言われるのですが、
 前述の通り少々の疑問を感じてきたものです。
 (好きな方には申し訳ないのですが)空の境界、月姫、fateのどれも、
 題材はありきたりに思えてなりませんでした。

 ラノベから見ますと、裏社会の魔術バトルや変にひねくれたキャラというのは、
 (古い例ですが)「ブギーピップは笑わない/上遠野浩平」と大きく異なるようには見えません。
 魔術バトルの人気は、「とある魔術の禁書目録(インデックス) /鎌池和馬」の人気などからも伺えます。

 そういったことからすると、いわゆるオタクといわれる人々にとって、
 とりわけ魔術バトルという題材には、需要といいましょうか
 "なじみやすさ""とっつきやすさ"があるように思えます。

 中身は独特であっても入り口は入りやすい、とはいえるのではないでしょうか。

 上述のことはラノベに偏った見方であり、なにより多分に偏見に満ちた見方であると思います。
 ただ、設定の作りこみや文章の独自性を否定するわけではありません。
 それは「空の境界」を読んで十分に感じられたことです。最後にそれだけは述べておきます。

 それでは。


パプテマスさんからの意見
 ブギーポップの影響受けてますよね。
 「ブギーポップは笑わない」が出版された8ヶ月後から、
 きのこは空の境界を書いてますし。


やっとこさんからの意見
 どうも、やっとこと言います。

 TYPE-MOONさんの一番の魅力は、個人的には「引き込み」だと思います。

 作品にすっと入っていけるというか、「よく分からないけど何か面白い事が始まったぞ」
 と思わせる導入がどの作品でもよく使われてるなーと。
 ただ、よく取り沙汰される世界観や作中設定に関しては、
 一般的な意味で「独創的」と思った事はありません。
 先にブギーポップシリーズとの類似を指摘している方もおられましたが、
 そもそも「影響を受けている」と奈須さん本人も言ってますし。

 ただ独創性といっても色々で、本当にゼロから奇抜なものを作り上げる人も居れば、
 既存のものを大胆に組み合わせることで奇抜さを出す人も居ます。
 自分的には奈須さんのそれは後者かなと。

 月姫で言えば「死んでも治るから死なない」存在に、
 「殺すから治らない」という能力を充てた当たりは素直に感心しました。

 
 ぶっちゃけブギーポップにそんな能力を持ってたサムライは居ましたが、
 そんな事とは関係なく見事なオリジナリティだなと。
 そういう発想力と、ゲームというフォーマットをきちんと理解して
 「ゲームとして面白いとはどういう事か?」を追求出来る企画力(歌月十夜とかが好例でした)。

 そんなところですかね、自分の考えるヒット要因は。
 お客さんを楽しませる、という点ではかなり見習う部分が多いなぁ難しいなぁ、
 でも出来れば俺も一躍スターなのに畜生、と思う次第です。


tikuさんからの意見
 紅夜さん、はじめまして。
 tikuと申します。
 奈須きのこ先生の書かれた『空の境界』も『Fate/hollow ataraxia』も、とても面白かったです。

 自分の作品に生かすという視点で見てみると、
 まずタイトルのつけ方が非常に上手いと思います。

 『空の境界』の「空」を、「そら」でもなく、仏教の「くう」でもなく、
 「から」と呼ばせる所に高いセンスを感じます。
 そして作品にとてもマッチしています。

 「アタラクシア(ataraxia)」は
 ギリシャ語で「なにものにも乱されない心の平静な状態」を意味するそうです。
 作品にぴったりのネーミングだと思います。

 特徴的で目を引くタイトルですが、
 きちんと作品の内容にあったタイトルをつけている点がすごく好感がもてます。


 また、日本語、英語だけでなく、ギリシャ語まで使っているところもすごいと思います。

 「目を引き、なおかつ作品の内容に合ったタイトルをつける」
 という所は、まず自分の作品に生かしてみたいと思います。
 たくさんの作品が刊行されている出版業界では特に重要なことのように思います。


 私が奈須きのこ先生の名前を初めて知ったのは愛蔵版『空の境界』からです。
 なんとマニアックなと驚かれるかもしれません。
 買ったわけではありませんが、広告関連雑誌のヒット商品の特集記事で、
 愛蔵版『空の境界』の記事を見かけたのが、奈須きのこ先生の名前を知ったきっかけです。

 紅夜さんはご存じでしょうが、知らない方もいらっしゃると思うので、
 『空の境界』についての記事をウィキペディアから一部引用します。
「5000部限定の愛蔵版は、9,800円と高価であるも関わらず、
 予約開始から2時間で完売した事で話題を呼んだ。
 通常版・愛蔵版合わせて2007年5月現在70万部以上の売り上げを記録。
 後に全3巻にて文庫化された。」

 愛蔵版は約一万円で、通常版は約二千五百円(上下巻合計価格)です。
 作品の内容は愛蔵版も通常版もまったく同じだったと思います。
 うろ覚えで申し訳御座いませんが、愛蔵版には講談社ノベルスを入れるお菓子の空き箱を
 イメージして作られた専用ケースがついてくるなどの特典があるだけだったと思います。
 しかも、たしかネット通販のみで、二時間で完売だったと思います。

 愛蔵版だけで、二時間で、合計約五千万円分売れたというのはすごいと思います。
 掲載されていた雑誌でも衝撃的な記事として紹介されていたと思います。

 奈須きのこ先生の文体については、奈須きのこ先生が書いているからこそ、
 評価されるように私は思います。
 高いセンスによってつくられた世界観や独創的な内容を、真摯に表現しているからこそ、
 奈須きのこ先生を好きな読者は、多少難解な言葉が出てこようが時系列が前後しようが、
 そんな障害をものともせずにぐいぐいと物語の中に引き込まれていくのだと思います。

 うわべだけ、奈須きのこ先生の文体だけマネたのでは、おそらく全くヒットしないように思います。
 奈須きのこ先生ご自身、『月姫』のヒット以前は、
 自分の小説がほとんど読まれていなかったというようなことを
 『ファウストvol.1』のインタビューで答えていました。


 私が、奈須きのこ先生の才能の中で、特にすごいと思うのは客観性です。

「『月姫』以前に僕はネット上で小説を発表していていましたけれど、
 なかなか人の目に留まらないんです。
 ではいま何が吸引力があるかと考えたら、それがギャルゲーだったわけなんです。」


 奈須きのこ先生が『ファウストvol.1』のインタビューでこのようなことをおっしゃっていました。
 さらっと答えられていますが、これはすごいことだと思います。
 練り込んだ世界観をつくる方ですから、きっと内向的な性質が強い部分があると思います。
 けれども、しっかりと客観性をもって、自分の作品とそれを取り巻く環境を分析しています。
 そして、計画を立てて、実行に移されています。

 私はこの奈須きのこ先生の客観性も学びたいと思っています。

 長くなってしまいましたが、私の考えた奈須きのこ先生の書かれた作品がヒットした理由と
 自分の作品に生かしたいと特に思った所は以上です。
 綾辻行人先生が『空の境界』〈上〉文庫版の解説を書かれていました。
 とても面白い解説だったので、一読されるのもいいかと思います。それでは。


三毛招きさんからの意見
 宮島さんの意見に近いのですが、二次創作のやりやすさにあると思います。
 ただ、私の場合それは世界観とか文章上の理由ではないと思いますよ。


 一番の理由は「絵」だと思います。

 Fateあたりからはともかく、月姫のころだと絵が下手な部類に入ると思います。
 絵が下手だと二次創作しやすいんですよ。

 原作より下手に描いて叩かれることはあっても、原作より上手く書いて叩かれることはないですからね。
 商業になっても人気だったのは同人の客がそのままついてきたからじゃないかなーと思います。
 たぶん、最初から商業だったらライアーソフトとかと同じく、
 「名作だけど知る人ぞ知る」的な部類に入ってたと思いますよ。

 同様の理由で二次創作されやすい(人気がある)ものに、
 同人ならひぐらし、東方、商業ならKeyがありますね。


ぐぅさんからの意見
 こんにちは。

 私は『空の境界』を読み終えて「つまらない」と思った側の人間です。
 『月姫』や『Fate』の一部で熱狂的な人気は前々から知っていましたし、
 私の好みの雰囲気っぽかったので、初めて触れる奈須きのこ作品にワクワクしつつ読んだのですが、
 残念ながら個人的には合いませんでした。

 「つまらない」と思ったからこそ、どうして人気があるんだろう? と読み終えてから考えたのですが、
 ヒット要因の一つはやはりクチコミではないかなと思います。

 『月姫』と同じく同人ゲームから始まりアニメ化まで至った『ひぐらしのなく頃に』も
 発売当初はそれほど売れず、クチコミによって徐々に認知度を得ていったと聞いたことがあります。
 『月姫』の初動売り上げがどの程度かは分からないのですが、

 発売当初に買った人々の何割かがTYPE-MOONの作り出す世界観etcにはまる。
  ↓
 面白いと周囲に広める、ブログ等でオススメする、同人誌を作る etcetc
  ↓
 それを見て、興味を持った人が買う。
  ↓
 面白いと周囲に(以下略以後繰り返し)、という形で浸透していったのではないかと思うのです。


 もちろん上の話は、奈須氏の物語に初期購入者を惹きつける何かがなくては成立せず、
 紅夜さんの親記事にある“ヒットした理由”というのもその部分についてのことかと思いますが、
 その点についてはファンの皆様が語っている通りだと思います。

 重厚な世界設定や概念的な能力設定、独特な文体、濃いキャラクタたちなどなどですね。
 武内氏の絵を気に入った人もいるかもしれませんし、二次創作のしやすさもあるのでしょう。
 作品の発表にゲームという媒体を選択したことも一因でしょう。
 
 初っ端で「つまらない」と書いた私ですが、「駄作」だとか「最悪」だとか言うつもりはまったくなく、
 概念的な設定部分や全体的な雰囲気などなど惹かれる部分は多々ありました。

 最近はネットのおかげで評判や感想は爆発的に多数に広がりますし、
 『月姫』など同人ゲームをプレイする人々であればPCは絶対に持っています。
 さらに、その多くがインターネットを利用していることと思います。
 いくらかのユーザーの嗜好にマッチさえすれば、
 予想外のヒットとなる可能性はネットのない時代とは比較にならないでしょう。

(ちなみにこの点は、携帯電話のヘビーユーザーである中高生らに
 ケータイ小説『Deep Love』や『恋空』が流行っていった機序と似た部分があると私は考えています。
 後者なんかは超大々的に宣伝攻勢を行った結果、本も映画も大ヒットとなってしまいましたが)


 というわけで、受け入れられる下地と広まる下地があったことが、ヒットの要因ではないか? 
 というのが私なりの結論でした。


 当然ながら“これなら受け入れられると想定して作品を書く”とか“この媒体で発表すれば売れる!”
 なんて市場調査が簡単にできるなら、誰でもすぐに作家になれるんですけどね……。

 その一番難しい部分を上手いことクリアしたTYPE-MOON。
 奈須氏か武内氏は直市の炯眼でも持っていたのやもしれません。


招き狐さんからの意見
 受験シーズン真っ只中、こんなところに居て良いのか、という僕、招き狐です。

 僕は格闘ゲーム「MELTY BLOOD」のアーケード版をやってから、
 関連作品が好きになっていったという形でした。
 当時から小説家になりたかったので、MELTY BLOODのホームページで、
 キャラクター説明欄の設定を読み、「このキャラで小説書きたい!」と思ったのが……
 月厨きっかけですね。

 さて、ヒットの要因、というか一因に、「共通した世界観」というのを挙げたいと思います。

 奈須きのこ氏の作品は、「DDD」を除く作品の世界観が一定になっているために、
(いやぁ、といっても僕が知っているのは月姫とFate系と空境だけですが……)
 別作品の登場人物をまた別作品へ登場させることが容易です。
 現に、空の境界のメインキャラ、青崎青子は三作品全てに出てきています(まぁ、チラッとですが)。

 月姫をやってみて楽しい、と思った人が、Fateの世界観を苦にするとは思えません。
 というか、空の境界を理解できれば、
 もう三作品すべて理解できる程度の対奈須耐性は出来ていると思います。

 ファンを別作品のファンにスライドさせることが出来る、というのは、
 作品を受け入れる層(下地)を作るうえで、かなり効果的な働きをしているのではないか、
 と僕は考えています。

 月姫が好きな人に、Fateをプレイした方が勧めた、なんてことはかなり楽に想像できる状況でしょう。

 二次作品を作りやすい、という中に、絵だけでなく世界観を統一していることも大きな理由かと。
 僕が今書いているものがちょうど月姫×空の境界なのですが、
 設定の難しさは別として同世界観のために書きやすいです。

 多々乱暴な私見ですが、これにて。

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