第4研究室 創作に関するQ&A 51P | トップへ戻る |
カオルさんからの質問  2007年
 小説通信講座や、専門学校は役に立つ?
 
 はじめまして。カオルと申します。
 実は、小説通信講座を受けてみたいと考えているのですが、
 これって、本当に役立つモノなのでしょうか? 例えば、こちらのサイト。
 『ジュニア小説通信講座』

 作家になる夢を叶えます。
 ということですが、作家になることを保証するものではありません。
 値段は15ヶ月で29,500円と良心的なのですが、
 学生の身となるとやはりちょっと高いので、二の足を踏んでしまいます。

 また他にも小説の専門学校というのがあります。
 各校の紹介文には、「高いデビュー実績を誇っています」といったことが書かれていますが、実際には生徒全てがプロになれるなんてことは有り得ないハズです。
 プロになれなくても例えば、文章力などは身に付くと思いますが、
 こういう専門学校に通っていた経験が就職で評価されるということは、あまり考えられません。
 すると、こういう学校に進むのは将来設計を考えると、リスクが大きいのでは? と思います。

 もし、こういった通信講座や専門学校に通われている方、通ったことがある方、
 いらっしゃいましたら、その実態というのを教えていただけないでしょうか?
 よろしくお願いします。


●答え●

元村良一さんの意見
 ども。副管理人の元村良一でございます。
 通信教育受講者及び、専門学校卒業生(東放学園)という、
 ある意味「レア?」な経験をした元村の個人的な意見を言わせて頂くと、
 「役に立つか、立たないかは自分自身の行動次第」です。

 まず「通信教育」の方ですが、あくまでも“私見”という形で言わせて頂ければ、
 まったくといっていいほど役に立ちませんでした。


 テキストに書かれている内容も、市販の「小説の書き方」と大差ありません。
 無論元村が受講したのは7年前のことなので、内容が変わっている可能性は充分にありますが、
 リンク先を拝見したところ「まったく変わっていない」ように思われます。
 また、システムとして非常に使いづらい上に、
 書いて送ってから戻ってくるまでに時間がかかるので、
 それだったらまだ「ライトノベル作法研究所」などの投稿サイトに作品を掲載して、
 意見を聞いた方が役に立つと思います。意見や感想は辛辣かもしれませんけどね。
 
 さらに「添削」と言っても、誤字脱字の修正に毛が生えた程度のようなものですので、
 真剣に「プロ」を目指すのであればやめておいた方がいいと思います。


 そして「専門学校」の方ですが、こちらも「学校によりけり」というということが言えると思います。
 具体的に「誰が」「どんなことを教えているのか(カリキュラム)」
 ということと「卒業生」や「進路」がどうなっているのか?
 なにより「環境」がどうなのかきちんと調べた上で判断しないと、大変なことになります。

 また、どんなに素晴らしい環境でも、
 最終的に「自分自身」が努力しないと絶対にプロになることはできません。


 そして「自分自身が『努力する場』として相応しいか否か?」ということは、
 ご自身で判断して頂くより他はありません。
 他人が言えるのは、あくまでも「参考程度の助言」ですからね。


 例えば元村が「東放学園(正確には東京アナウンス学院DCI科)」を選んだ理由は、
 当時教鞭を振るっていた講師の方々が、あまりにも素晴らしい先生方ばかりだったからです。
 「土屋裕(編集者)」「星敬(SF研究家・豊田有恒に師事)」両名を始め
 「中村うさぎ(作家・エッセイスト。ゴクドーくんシリーズで有名)」
 「清田予紀(心理学者)」「鏡リュウジ(心理占星術研究家)」
 「西谷史(小説家。女神転生などでお馴染み)」
 といった、いま考えても凄まじく豪華な講師陣が揃っていたことと、
 その他「個人的な経緯」があって入学した訳ですが、
 環境としては恐らく「日本最高」と言っても過言ではない学校でした。

 しかし「現実」を振り返ると、元村は残念ながらプロデビューを果たすことが出来ないでいます。
 無論その責任は、全て元村自身の能力・努力不足のせいです。

 この様に、肝心なのは「どこで学ぶか」ではないと思います。
 「何を学ぶか?」これに尽きると思います。


 学ぶ場所は、何も「専門学校」や「通信教育」だけとは限りません。
 ネットでもいい。カルチャーセンターでもいい。身近に優れた人材がいるなら、家でも構わない。
 けれども、そこから何も得るものがなかったら、何の意味もないじゃないですか。

 そして最終的に「何を書くか?」が全てです。

 名門校で学んでも、元村のように駄作しか書けないようでは悲しいじゃないですか。
 逆にどこへ行かなくても素晴らしい作品が書けるのなら、
 専門学校などに通う必要はないということも出来ます。
 興味があるようでしたら「体験入学」や「学校説明会」などに足を運ばれてはいかがでしょうか?


しゃんテンさんの意見
 はじめまして、しゃんテンと申します

 私は、小説の専門学校ではありませんが、小説の塾のようなものに週一回程度通っています。
 ちなみに、一回につき3時間程度の授業があります
 授業でなにをするかと言うと、生徒の一人に作品を出してもらい、
 残りの生徒の皆で作品を批評しあう。
 最後に、教師役の人間がコメント(批評)をする。
 そんな感じです。
 ……批評をお互いにやるだけなら、文芸サークルなどに入ればいいか……という感じもしますが。

 で、そこにはいって伸びるか、ですけれど……。
 人それぞれです。


 私から見て下手になってしまう方もあります。
 そこにいる人の目を気にするあまり、文章が窮屈になるというか、弁解がましくなるというか。
 ただ、伸びる人は凄く伸びるようです。
 プロデビューされる方はごくごく一部ですが、そこまでいかれた方もいるとのことですし。

 そこでの授業内容が役に立つかどうかは人による、人の姿勢によるとおもいます。
 伸びない人の姿勢が必ずしも良くないかというとそうであるときもあるが、
 そうではないときもあります。
 一緒に学ぶメンバーや教師などの人間の相性も大きいと思います。

 実際に通ったりする前に、その場所を見学する、実際に其処に通っている人を探して話を聞くなど、
 自分に合うかどうかをよく調べ考えてからのほうがいいのではないかと思います。
 とはいえ、入る前にそこがどのような場所で、
 自分に合うかどうかというのは分かりにくいものですが 。


hiroyaさんの意見
 えっと、うちの、高校時代に作ったサークルでは他の部活に入っているのが条件であり、
 活動時間は一時間が鉄則でした。
 ほかの部活に入っているのが条件というのは、
 他の部活にいればその部活のストーリーが書けるっていうわけです。
 
 同じような話をしましょうか。
 法律の勉強をすれば法廷モノ、法律ものが書けるようになりますよ。
 詳しく勉強しているうちに「あれ、これなんか変だな」っていうポイントが見つかるはずですから。
 とある弁護士が小説を書いてベストセラーになったことがあります。
 職業で得た知識、葛藤などが生きており、文句なくリアルな内容でした。
 ちなみに日本の作家じゃないですよ。
 
 つまり、ここで言いたいのは小説は知識を使うものであって、
 書き方とかは他の誰かから知る事ができるってことです。
 今ついている職業、学校の経験などはその時でしかできません。
 ちょっとでも物書きをしたことあるなら、実地での知識ほど重要であることを疑う人はいないでしょう。

 つまりは小説の書き方を勉強しただけでは駄目。
 それだけで安心しきっている人は小説家にはなれないだろうね。
 
 小説の書き方だけでなく、自分の置かれた環境で何を得ていくかが重要。


ふきさんの意見
 こんばんは、ふきです。

 まず、私はこの手の学校に通った事はありません。
 ですから、通った事による効能や小説家への道に対する膂力の上昇に関しては、
 他の方を参考になさってください。
 私が書きたいのは、カオル様の仰る下記の点について、です。

>プロになれなくても例えば、文章力などは身に付くと思いますが、
>こういう専門学校に通っていた経験が就職で評価されるということは、あまり考えられません。
>すると、こういう学校に進むのは将来設計を考えると、リスクが大きいのでは? と思います。


 専門学校卒という履歴は、基本的に就職には役に立ちません。

 大学と違って、お金さえ払っていれば卒業出来る場所が多いからです。
 ですから、その点ではリターンもリスクもないと考えて良いでしょう。

 ですが、文章力を身につけたならば、それはかなりの力になると思います。
 というのも、新卒でも中途採用の経験者でも、
 まともな文章を書ける人が驚く程少ないからです。


 多くの職種にドキュメント作成の業務は存在するので、
 『他者に納得してもらう文章を書く力』がある事は、確実なプラスです。
 就職する際には評価されなくとも、実際の業務では欠かせない底力の1つですからね。

 以上、お役に立てましたでしょうか。


mayaさんの意見
 はじめまして、mayaと申します。
 すでに、元村さんから的確なコメントが出ていますので蛇足にしかなりませんが――

 通信講座にしても、専門学校にしても、授業料を払う以上はお客様という扱いを受けます。
 そうした関係の中でどれだけ実力を伸ばせるか、少しばかり疑問に感じることもあります。


 もちろん、本人の向上心によるでしょうから、これは単なる私見デス。
 ちなみに、やや趣旨違いになってしまいますが……大学の授業にもぐるというのはどうでしょうか?
 カオルさんが東京近郊に住んでいらっしゃるのなら、
 東大や早稲田、最近なら中大の創作に関する授業が充実していると耳にします。

 幸いなことにこれらの大学は出欠に厳しくありませんし、
 もぐるだけなら授業料もかかりません(ナニ)。
 それから個人的な経験談ですが、授業のはじめのうちに教授に
 「モグリですが、先生の授業をどうしても受けたくて来ました(熱い眼差し)」
 と言うと、意外に気持ちよく扱ってくれます(笑)。
 最近はインターネットでシラバスを見ることもできますし、
 さらに授業評価についてもネット上で確認することができます。
 少人数の授業や、ゼミ形式のものは無理でしょうが、検討の価値はあると思いますよ。

 また、春のうちは新歓コンパの時期ですから、
 他大だから、あるいは学生じゃないからといって尻込みせず、
 ミス研やSF研などをのぞくこともお勧めデス♪ 
 いろんな可能性を試してみてくださいませ。


sinoさんの意見
 初めまして。小説通信講座が役に立つのか?という質問に意見させていただきます。
 私は受講するのは構わないと思いますが、
 学校で習うような国語がより理解出来るようになった、というレベルまでにしかならない気がします。

 いくら先生に教わるとはいえ、それを理解し、応用するのは自分自身です。

 専門学校に通う暇があるなら、市販の小説を五十冊読んだ方が遥かに有意義でしょう。
 色々な作家さんの文章に目を通せば、句読点の打ち方や言い回し、
 展開の流れなどが自ずとつかめてきます。
 また豊富な語彙と漢字が頭に入っていきますので、
 知らず知らず新たな知識が生まれてくるものです。
 その中で自分流の書き方を編み出していけばいいのではないでしょうか。


峰しずくさんの意見
 こんにちは、峰です。ひとつ実例をご紹介します。

 僕が通っていたのは、『ナンバクリエイターファクトリー』という、
 プロ志向のクリエイター養成スクールで、そのうちの「ライターコース」です。
 毎週90分の授業があり1年間で、確か授業料は10万円を超えていたと思います。
 (現在は、1年ではなく、もっと短くなっていて、授業料も安くなっています)

 僕自身は、ライターというよりも小説家希望でしたので、
 自分はこのスクールからプロデビューできるなどとは考えることはせず、
 文章の修練だけを目的にしました。
 それに僕のサラリーマンとしての仕事の中に、「書く」「編集する」という業務があり、
 また新人を育てるという役割も担っていましたので、趣味と実益を兼ねられると点もありました。
 プロ志向と銘打つ限りは、少なくともそれなりに自信があったり、
 自分なりにそれまで勉強してきた人だけが受講に来るに違いないと思い、
 切磋琢磨の場としては最適だと考えたからです。
 また、スクール自体が、吉本興業と南海電鉄の共同運営によるもので、
 しっかりした信頼のできるものだという判断もありました。

 僕は3期性ですが、1・2期性からは既にプロデビューした人が何人も居るスクールでした。
 講師の先生は、現役のライターであると同時に編集プロダクションの社長でもありましたから、
 これも信用できると思いました。
 というのは、単にライターというだけなら「ライバルを養成している」ことになってしまいますが、
 編集プロダクションを経営し、企画を作って雑誌に持ち込んでプレゼンテーションし、
 それで仕事を得るとなれば、優秀なライターを何人も抱えておきたいというのは当然のことで、
 しかもそれが自分の生徒であるなら、これほど実益に直結したものはないと思うからです。

 つまり、有能なライターを本気で育てて、仕事もきちんと与えてやろうというのが、
 看板だけではなく、マジなんだと判断したわけです。


 事実、私も在籍中にいくつか仕事の声をかけてもらいました。
 残念ながら、企画そのものが企画倒れになったり、
 打ち合わせをしているうちに「これは違うな」と感じて辞退したこともありました。
 また、生徒にはサラリーマンや学生が多く、実際の取材は「平日の昼間」に行われるので、
 先生も「声をかけたくてもかけられない」という事情もあったようです。

 ですから、見所のあるフリーターの人は、先生の紹介でさっさとデビューしたりしました。
 (主にタウン誌のグルメ情報です)


 在学中に自力でデビューする、という目標もあったのですが、
 それは残念ながら果たせなかったものの、現在は雑誌連載を持たせていただいています。
 (これはスクールや先生の口ききではなく、HPを見た編集さんに声をかけてもらったものです)
 
 スクールそのものは、得るものが大きかったです。

 課題もたくさん出されましたが、きちんと添削されて戻ってきましたし、
 戻されたものの再提出は言われませんでしたが、自ら再提出すればさらに添削もしてもらえました。
 200字や400字といった短い文章のトレーニングは、
 ここでなされたといっても私の場合は過言ではありません。
 文章の高度な手法はともかくとして、
 基本的な「作法」はほぼ習得しているとうぬぼれていた私でしたが、
 それまでどの本でも教えてもらえなかった「作法」も身に付けることができました。
 
 そんなものは「作法」じゃない、といわれるかもしれませんが、
 これを行うことで、自分の文章が飛躍的に読みやすくなったものです。


 他のコースと共通ですがゲスト講師も多彩で、有名なところでは、糸井重里さんなどですね。
 数年たった現在、同時の同級生(といっても年齢バラバラですが)
 とはほとんど付き合いはありませんが、スクールに通う、ということそのものも楽しかったですしね。

 しかし、ものの本によると、
 「食い詰めたライターや小説家が、文化講座程度のレベルで、日銭稼ぎのためにやっているもの」
 もありますから、気をつけなさいということでした。


 参考になれば幸いです。


樋口里亜さんの意見
 お久しぶりです。
 めっきり忙しくて顔をだしていなかった樋口里亜と申しますが、少し時間がとれたので、書き込みを。

 実をいうと私はアミューズメントメディア総合学院のノベルス学科に入りたいなぁと思っています。
 そこには「編集者から批評を貰える」という素晴らしい特典があるのですよ。
 プロの編集者から直々に批評を貰えることは、文章技術の発展は勿論のこと、
 編集者側からみた自分の小説というのが分かるので、新人賞へ投稿する際にとても有利です。

 そういう大学にはない特典は作家になる上ですごく貴重なものですから、
 私は入ろうと思っています。


 また、プロの作家が教えてくれるので、
 大学で文章作法を教えてくれるよりもっと深いところまで見てくれると思います。
 例えば新人賞投稿の際、大学の先生に見せても、
 もしかしたら文法上のことしか見てくれないかもしれません。
 けれど小説の専門学校ならキャラの心情や物語の波など、
 もっとたくさんのことを教えてくれると思います。
 とはいえ、私は大学にはいったことがないので分かりませんが(違ったらごめんなさい)

 前に夏休みで体験入学をしてきたのですが、
 物語の流れなどを見てもらったりしてとても参考になりました。


 専門学校や大学も体験入学などはあると思うので、
 一回経験してから答えを出すのも一つかと思います。
 まだ時間があると思いますから、大学か専門学校か、後悔のないように決めてくださいね。

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