第4研究室 創作に関するQ&A 158P | トップへ戻る |
蔵神紫苑さんからの質問
 「現実離れ」と「リアリティが無い」の違いとは?
 
 どうも、蔵神です。久しぶりの書き込みです。
 書いてる最中に思った事なんですが、小説(特に異世界ファンタジーなど)では、
 どんな事が「現実離れ(許される設定)」や「リアリティがない(許されない設定)」なんでしょうか?
 例えば異世界ファンタジーなどは「現実離れ」のつもりで書いたとしても、
 他の人が見れば「リアリティがない」と見られるかもしれません。
 結局何が言いたいかというと「現実離れ」と「リアリティがない」はどう違うんでしょうか? 
 皆さんご教授お願いします。


● 答え ●

幸真さんの意見
 はじめまして、幸真です。
 私は異世界ファンタジー小説をよく書くんですが、その中で、

 「魔法などでどうにかなるもの」は「現実離れ」「物理法則をまったく無視したもの」は、
 「リアリティがない」と考えています。


 たとえば、小さな子供が2メートルもある大剣を振り回すのはリアリティがない。
 だけど、何らかの魔法が子供か剣にかけられている、
 またはとても軽い物質でできている剣ならリアリティがあると思います。
 物理法則にしても、地球と同じではないと思うので、その設定をしっかりしていれば、
 『小さな子供が2メートルもある大剣を振り回す』という設定も使えると思いますが。

 乱文失礼しました。お役にたてればいいのですが。


竜宮かれいさんの意見
 どうも、こんにちは。竜宮かれいです。

 私は現実離れとリアリティは似てますが違うものだと思います。
 魔法がある騎士団がいる、モンスターがいる、これ等は現実離れです。
 少なくとも、私たち日本人の常識ではないです。
 では、リアリティが無いとは何か?
 魔法のある世界、騎士団のいる世界、モンスターのいる世界、
 これ等の世界のルールを壊すものがリアリティの無さだと私は考えています。
 
 現実離れした世界にもそれなりのルールがあるものです。
 ルールがちゃんと決まっていないのは個人的にはかなり駄目だと思っています。


 私の面白いと思うファンタジー作品はちゃんと独自の世界でのルールがあったと思います。
 例えば魔法のある世界は、科学の発展は無いかあっても遅れていると考えるのが妥当です。
 つまり、空とぶ絨毯や箒があるのに飛行機を作ろうという人はいないということです。
 これを曲げて大した理由も無いのに、
 飛行機を出すのがリアリティがないということではないでしょうか?
 つまり、現実離れは構わないですが、
 その世界にルールを決めそれに沿わないとリアリティが無いということだと思います。

 以上が、私の意見です。文章が少し変ですがお許しいただければ嬉しいです。
 それでは、失礼します。竜宮でした。


ワトソン薄志さんの意見
 残暑で体が溶解中のワトソン薄志と申します。
 
 私自身、ファンタジーは書いたこと無いんのですが読んでいていくつか思ったことがあります。
 その中の1つにどうしても許せないのは、
 『一度死んだ人物が魔法で息を吹き返す』というものでした。
 これはリアリティが無い(許されない設定)と思います。生と死の秩序が崩壊しているからです。
 逆に箒で空を飛べる(ありきたりですが)とかは現実離れではないのでしょうか?
 曖昧ですいません。
 まぁ結局何が言いたいのかと言うと、

 現実社会の秩序を根本的に揺るがす設定はリアリティが無いのではないかということです。

 素人の意見だと思ってくださって結構です。乱文失礼しました。


仁ノ河一城さんの意見
 どうも、仁ノ河です。

 現実離れっていうのは、呼んで字の如く今ここにある現実の常識から乖離してることですね。
 どんなことだろうと現実じゃありえなかったら「現実離れ」です。

 対する「リアリティがない」というのは、現実離れとは少し違って
 「作品中の世界の常識から乖離している」とでも言えるものだと思います。


 つまり、作品の中に独自の「リアル」が築けてない状態です。
 どっかのRPGみたいに、教会で死人が蘇生できる世界を舞台にした作品があるとしましょう。
 死んだからってそうそう生き返っていては、人口爆発は避けられません。
 生死の概念も大きく歪んでくるでしょう。
 これを無視して、何事も無かったかのようにほいほい蘇生を行っては、
 間違いなく「リアリティがない」と言われるはずです。
 しかし、ここに何らかの制約とその結果を取り入れれば話は変わってきます。

・蘇生に掛かる費用が非常に高額
   ↓
 一部の人間しか蘇生できず、蘇生を繰り返す人間による支配が強くなる

・信仰が極めて深い者のみ蘇生可能
   ↓
 貧民層の信者も激増している

・あらかじめ何らかの措置を取った者のみ蘇生可能
   ↓
 戦争の前には大々的に行われている

・ノーリスクで蘇生可能
  ↓
 誰も彼も死なないことが大問題に
 
 ……と、こんな感じで。
 例示したように蘇生を含めた世界の法則が確立されていれば、
 そこには現実には無い「リアル」が存在し、結果的にリアリティが生まれてきます。
 これは他のことでも同じことが言えます。
 例えば炎の矢を指から撃ち出す魔法が誰でも簡単に習得できるのなら、
 弓矢のような個人携行型の射撃兵器は衰退してしまうでしょう。
 それなのに弓矢が使われているのは「リアリティがない」状態です。
 しかし、矢の方が遥かに疾くて集団戦向きだとか、炎の矢は普通の矢のように鎧を貫けないとか、
 次第に交替しつつある過程の時期だとか、
 そういうもっともらしい理由を挙げて二つの矢を共存させるのならリアリティがあります。

 仮に「現実離れ」という意味で「リアリティがない」といってるんだったら、
 それは言ってる奴の「見る目がない」ってことで一つ。


DoZunさんの意見
 小説はそもそも「非現実」です。
 特にラノベの場合は、ほぼあらゆる「非現実」、即ち「現実離れ」が描写出来るでしょう。
 しかし、実際は「リアリティ」がない、という批評や感想も出てくる。
 これはつまり、小説における「現実」と「リアリティ」は全くの別物である、ということです。

 では、小説における「リアリティ」とは何を指すのでしょうか。
 僕は、「説得力」あるいは「納得力」であると考えています。


 つまり、読者にその設定を受け入れさせればいいのです。
 そして、どうやって受け入れさせればいいのかと考えると、
 その設定を裏付けるだけの理由や制約のことを指します。

 例えば、魔法が存在するが、同時に機械文明も存在する。といった世界観を考えたとしましょう。
 普通に考えれば、魔法があれば機械文明が発達することはあまりないでしょう。
 ですが、魔法を使える人間はごく一部であったり、
 「まぶらほ」のように魔法の使用回数が限られていたり、
 魔法を使うことで寿命が縮んでしまったり。
 こういった魔法を制限する設定があったり、魔法が機械の動力であるという設定があれば、
 魔法文明と機械文明の共存といった世界も存在するわけです。

 人を生き返らせることが出来るという設定に関しても同様です。
 蘇生が出来るのは世界でもほんの数人であったり、蘇生を可能にする条件が非常に厳しかったり、
 「ドラゴンクエスト」のように蘇生には多額の寄付が必要であったりなど。

 一個人が超音速で移動することが出来るといったとんでも無い設定があったとしても、
 Gや摩擦熱などから身を守る魔法が存在するなどといった裏付けがあればあり得ることですよね。

 どんなに突拍子もない設定であっても、それを裏付けて読者に納得させてしまえば、
 それはリアリティを伴った設定になります。
 つまり、設定をしっかりと固めてしまうこと、
 それがリアリティを持った世界観の構築に繋がるわけです。


黒尻尾の駄猫@CAMUIロケットを応援してますさんの意見
 通りすがりの野良猫です。
 数十、数百億のロケットを純国産、完全民間で、
 1千万程度で打ち上げようと言うCAMUIを皆さん話題にしましょう!

 それはさておき、今回のご質問ですが。

 現実離れとは、文字通り架空の世界観だと思うのです。
 もしくは、創作ならではの特殊な状況ですね。
 現代物で妖怪が出るとか、ファンタジーな異世界は現実離れしていると思います。

 リアリティとは説得力だとおもうのです。

 読んでいて、読み手が自然に受け入れられる、
 読み手が惹き付けられるそうした描写はそれなりに厚みがあると言いますか、
 描写に頷ける何かが含まれていると思うのです。

 14〜15歳程度の少年が、今まで剣を握った事もないのに自分の身長もある大剣を軽々担ぎ、
 3メートルを超える巨大なモンスターを打ち倒したとします。

 古武術の達人が日本刀1本で体重が1トンもあるアラスカグリズリーに、
 予備知識一切なしでいきなり挑んで勝てるでしょうか?

 こうして比較してしまえば、少年の方はかなり嘘くさく見えます。
 そもそも剣は対人用の武器であり、剣で人間以外の生き物と戦う事は実は非常に不利です。
 でも、それではお話しにならないですよね?

 嘘を如何に現実味を帯びさせるか。
 その説得力を作品で表現させるのがエンタメだとオイラは考えます。


 スターウォーズという映画にライトセイバーという武器が出てきます。
 光で出来た刀身を持つ剣で、金属もスパっと切り裂き、
 人間の手足どころか胴すら1振りで真っ二つにします。

 人間の身体自体はそんなに凄い熱耐性はないので、
 ああいう事も不可能ではないかもしれません。
 でも、映画のように切り口が鮮やかに切断されるには、
 光の剣に振れた部位が瞬時に蒸発しないと不可能です。
 表皮、深皮質、筋肉、血管には血が流れ、骨もあり、中には髄質が詰まっています。
 これらが一瞬で光の剣が通過する際に全て線上に蒸発しないとスパっとは切れません。

 また、単純に沸点を上回る熱量では不可能です。
 簡単な話ですが、熱を受けた相手に熱が奪われるからです。
 表面は切れても内部に進む程に熱が奪われて出力が落ちていきます。

 それを防ぐには最初から圧倒的な熱量を有している必要がありますが、
 そんな強烈な熱量を帯びた光の刀身を持つ武器を素手で持っていられるわけがありません。
 (1トンのバターの固まりを半田コテ1つで一刀両断には出来ないのです)

 ガンダムのビームサーベルやビームライフル、
 ザクのヒートホークだって公開されている設定のジェネレータの出力じゃ無理があります。
 でも、作品を見ている時にそんな事は考えません。

 いえ、考える暇もなく展開されるアクションやドラマ。
 ジェダイの騎士達のカッコイイ立ち回りに拳を握りしめながら画面に見入り、
 12機のリックドムがあっという間に全滅する様に熱くなるのです。

 書き方は作品やシナリオの内容によって変わるので何とも言えませんが、
 軽薄で単調な文ではなく、読み手を引き込むような厚みのある楽しい文を書いてください。
 ではでは。


りゅみえーるさんの意見
 あんまり言葉に囚われてもしかたないとは思いますが、
 おそらく「現実離れ」というのは設定の問題で、「リアリティがない」というのは、
 その設定をもとに書かれた作品(小説)を読んだ、読者の感想のことでしょう。
 
 ドラゴンや魔法のでてくる「現実離れ」したファンタジーものだろうが、
 コンビニや携帯電話のでてくる現代を舞台にした作品だろうが、
 そこに描かれた世界が真に迫っているという意味で、面白い作品には必ずリアリティがあります。
 要するに「リアリティがない」というのは、設定が設定のままで小説になっていない、
 つまらない作品だということじゃないでしょうか。


んぼさんの意見
 何か書いてみよう、と思っている、んぼです。

 既に仰っている方もいらっしゃいますが、
 「現実離れ」と「リアリティ」は、それぞれ取る対象が異なります。
 「現実離れ」というのは、あくまで現実世界を比較元として得られた結論・評価であります。
 対する「リアリティ」というのは、もっと汎用性の高い言葉で、
 「どの視点から見たリアリティか」を指定せねばならない単語でもあります。
 この場合は、小説ですね。
 リアリティは比較して得られた結論ではないため、
 小説なら小説の中という完結された世界の中で、
 整合性が得られない、もしくは矛盾した内容であった時に用いられます。

 そのため、

>「現実離れ」のつもりで書いたとしても他の人が見れば「リアリティがない」と見られる
 
 ということは、あり得ません。
 もしあったとして、その原因は別にあります。

 ここからは、書き手から見た「リアリティ」に関して言及していこうと思います。
 (既に「読者から見た」リアリティは数集まっていると思われますので)

 設定という点から見たリアリティは、書き手が構築していくものです。
 現実世界であり得ない設定が存在した場合、
 その存在がどのように世界へ影響を与えるか、その結果どのような現象が起こるか。
 そしてそれらをひっくるめ、積み重ねられた時の流れの中でどのような変化を経て、
 どのような未来へ向かっていくのか。
 それらを総合的に考え、吟味し、想像するのが「設定」という作業です。

  もちろん、これらの「自分が想像した内容」が、
 他の人から「リアリティが無い」と評される場合もあります。
 自分が想像した方向性が、読者の想像したそれと違った場合、
 というのももちろんあるのでしょうが、
 ほとんどは「作者が何らかの要素を失念していた場合」だと思われます。

 例えば、「百人に一人、魔法が使える人がいる世界」だと設定したとします。
 そして、「魔法が使える人は、使えない人と一緒に暮らしており、
 その力でモンスターを退治する仕事をしている」という設定にしたら、どうなるか。
 作者の脳内では、

<特殊な技能を持った人がいるのなら、それに特化した職業があるんじゃないか>

 という想像が成り立っているのでしょうが、この場合、
 「自分と違う人間を、人は恐れて憎むもの」という要素が欠けています。
 となると、「使えない人と一緒に暮らしており」の部分は、リアリティが無いと言えるでしょう。
 この例なら、「魔法が使える人が差別を受けている」か、
 「特権階級に就いている」かのどちらかが普通じゃないかな、と考えられるわけです。

 要するに、こと設定に関してのみ言うならば、「リアリティが無い」という状況は、
 「設定の作りこみが甘過ぎる」という原因に行き着きます。
 そしてそれは、「現実離れ」という評価とは、何ら関係がありません。
 故に、

>「現実離れ」のつもりで書いたとしても他の人が見れば「リアリティがない」と見られる

 ということは、あり得ないと言えるのです。
 (少なくとも、同じ原因ではないということです)

 とりあえず、脳みそが煮えるくらいに考え、そして社会経験を多く積めば、
 こういった「リアリティの欠如」というのはかなり軽減されると思われます。
 当然、一朝一夕に出来ることではありません(´・ω・`)


桜木谷 見征さんの意見
 どうも、自分も久しぶりの書き込みです。
 桜木谷です。

 認識の違いだと思うのですが、リアリティがないというのは現実物に適応される表現だと思います。
 例えば、魔女がいました。
 その魔女が壁を走ったりとか、箒で空を飛んだりしたらそれは現実離れだと思います。
 対して、高校生の主人公がいました。
 学校で近づいてくる女の子がみんな魔女でした。
 これはリアリティがない、という事になると思います。

 ただ、ご質問の内容が異世界ファンタジーと言うことなので、そちらについても。
 設定如何の問題ですが、
 メチャクチャ強い騎士が一人で門の前に立ちはだかって大軍勢を食い止める。
 荒唐無稽な話ですが、これは「現実離れ」だと思います。
 本来なら「リアリティがない」という風になりそうですが、
 それは設定の付け方で「現実離れ」になるのではないでしょうか?

 後はリアリティがない、というのは内面描写に関わる事象に関しての表現が強い気がしました。
 悪いドラゴンを倒します!何でさ?みんな困ってるから!
 なんでやねん。
 て感じの奴ですねw
 対して現実離れは、外面描写ですね。前述の壁を走ったり云々です。
 これは「魔女」という荒唐無稽な設定の上に成り立っています。
 箒で空を飛んだりしても「魔女だから」の一言で片づいてしまいますw
 基盤自体が「現実離れ」していますから、恐らく問題がないのだろうと思います。

 イマイチ要点が掴みにくい気がしますが、ご参考までに……。

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