ライトノベル作法研究所
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  4. 下読みがラノベ新人賞の疑問に答えます公開日:2014/01/06

下読みがラノベ新人賞の疑問に答えます。その5

かーくんさんの意見2014/01/09

 ジジさん、どうもありがとうございました。
 滑ることを恐れずに、笑わせることを繰り返すことが重要なのですね。
 笑わせるには、「おもしろいと思っていいい」という心理にさせることが大切とは気づきませんでした。
 どうもありがとうございました。

ジジさんの回答2014/01/09

 例としては「すべり芸」がわかりやすいでしょうか。
 人間、ひとつの動作を延々と繰り返されるだけで笑ってしまうものです。
 そして一度笑わせてしまえば、次からは相手が「これは笑える」という先入観を持って見てくれるので、さらに笑わせることが容易になります。

 また、友達の話はけっこう普通の話でも笑ってしまうものです。
 これは互いに信頼関係があってのもので、受け手側の「笑ってやろう」という意識があってこその笑いですね。

 小説という媒体で簡単なのリズムとテンポで読ませるセリフ並び(バカテス方式)ですが、心情描写やアクションを地の文で挟みながら、流れで笑わせる会話形式(とらドラ!形式)のほうが、実は汎用性と対象層が広いかと思われます。

質問者さんの質問2014/01/09

 私は未だ投稿したことのないド素人なのでこの世界のことは殆ど何も分からないのですが、「下読み」というのはどのぐらいの深さまで読むのでしょうか?あの膨大な数の応募作品すべてを、じっくり読み込むのでしょうか?

ジジさんの回答2014/01/09

 下読みはひとりではなく賞の規模に合わせた人数がいますので、応募総数そのままの数を読むわけではありません。
 これも賞の規模によりますが、普通の賞であれば、一次審査で50から150の間の数を読む感じでしょうか。
 たいていの場合、編集部と下読みで相談し、下読みが申告した「自分が読める数」に基づいて担当数(「山」、「箱」などとも呼ばれます)が決められます。
 下読み側から言えば、自分がじっくり読み込めると自覚している数を編集部に申告するわけです。
 言い換えれば、「下読みとは担当分の応募作をもれなくじっくり、しかもスピーディーに(1日にA4用紙100枚からなる応募原稿を何作も読む必要がありますので)読み込んでいる」となります。

 どこまで深く読み込むかは、ほかの下読みさんのスタイルがわからないのでなんとも言えませんが、私の場合は読み終えた瞬間に応募作のプラス要素マイナス要素、そしてなぜそれがプラスであり、マイナスであるのかを説明できる感じですね。
 「おもしろかったです」、「つまらなかったです」という小並感よりは深く読んでいるかと思います。

質問者さんの質問2014/01/09

 返答ありがとうございます!
 失礼な質問かもしれませんが、応募作品の中には相当数読んだ瞬間「うわっ、つまんね!」という作品があると思います。そういう作品に出会った際でも、最後までジックリとジジさんは読み込むのでしょうか?

ジジさんの回答2014/01/09

 すべての応募作を同じように最初から最後まで全力で読み、プラス部分とマイナス部分を洗い出します。
 あるように読んでいると、「つまらん」と感じることはほぼありません。むしろ「惜しい!」と思うことが多いですね。 「つまらん」と感じることはほぼありません。むしろ「惜しい!」と思うことが多いですね。「あー、ここがもう少しこうだったら上げられたのに!」、この意味で研究対象を分析するような感じでしょうか。「その設定をこんな感じで生かせれば、こう展開できてこう終われたのに!」というように。

 商売として下読みをする以上は当然の読み方だとは思っているのですが、ちなみにそれを心がけていることで煩う病気があります。
 本や映画をオススメしてくれた友人に対し、ついつい「その作品はどこがどんなふうにおもしろいの?」、「話を聞いてると、そこのところは○○なふうに感じたけど、あなたはどう感じた?」などと根掘り葉掘り聞いてしまうのです。
 ようするに、ただ「おもしろい」で片づけられなくなるんですね。おもしろさとつまらなさを、データとして把握したくてたまらなくなるんです。
 「なんでいつもそんなに知りたがるんだよ!?」と怒られることもしばしばです。なにせいつも病的に知りたがりますから。

 まあ、プロになれば方向性はともあれ他作品、そして自作品も分析せざるをえない立場になりますので、訓練だと割り切って実践していただくのもよいかと思います。

蓮希さんの質問2014/01/09

 追加質問になりますが、ラブコメではないジャンルでもヒロインと主人公を恋愛に発展させないといけないんでしょうか?

 ヒロインとの出逢いをきっかけに主人公がバトルに巻き込まれるストーリーを書きたいんです。ヒロインとのラブいイベントは起きません。ヒロインが主人公の師匠的な役割をします。
 ラッキースケベな事は起きても、ヒロインは主人公を弟子としか見ませんし、主人公も恋愛対象として見ていません。

 ラブコメではないですが、ヒロインとの恋愛は必須なんでしょうか?
 一応、クライマックスにヒロインは少し主人公を意識するようになるエピソードがあります。恋愛発展前といった感じです。
 その際に、ヒロインを死なせて主人公を成長させようかとも思っています。やはりヒロインの死は、読者受けが良くないんでしょうか?
 これから惹かれ合う2人が引き裂かれ、主人公の心にヒロインが刻み込まれる。より強くなってヒロインを失った悲しみを二度と味わいたくないという理由付けがあるんですが……。

 以上の質問にお答えして頂けますと嬉しいです。
 お忙しいところ、何度も質問を重ねてしまいましたが、よろしくお願い致します。

ジジさんの回答2014/01/09

> 追加質問になりますが、ラブコメではないジャンルでもヒロインと主人公を恋愛に発展させないといけないんでしょうか?

 その必要はありません。
 ただ、

> ラッキースケベな事は起きても、ヒロインは主人公を弟子としか見ませんし、主人公も恋愛対象として見ていません。

 ラッキーを起こすのは要熟考ですね。
 このようなラッキーは、読者に「そういう関係になる!」という期待を持たせてしまうからです。
基本的に、物語を読んでいる読者の脳は“ドラマ脳”になっていて、それゆえにささいなことでもすぐ脳内にフラグを立ててしまいます。
 これは選考する側も同じですので、そのフラグが折れてしまったと感じるとがっかりしてしまうのです。

 ですので、メインヒロインの師匠ではないサブヒロインにフラグ方面はお任せして(実際にくっつかなくても可です)、師匠には恋愛に代わる――この場合は師弟愛方面のドラマを担ってもらうのが無難でしょうか。

 もしくはラッキーが起こっても、それをH方面に行かせず、師匠の心身の傷を露にするような構成にし、彼女の心情の吐露を受けた主人公がなにがしかの決意を固める……というような展開にするか。
 ともあれ、師弟愛を恋愛とはちがうベクトルで熱量高く描ききり、読者を納得させることが最重要課題になるかと思われます。

納涼な非常ドアさんの質問2014/01/09

 初めまして。納涼な非常ドアと言います。

 少し踏み込んだ質問になってしまうかもしれませんがご容赦を。
 新人賞応募の際、たいてい応募歴のようなものを書く欄がありますが、たとえばその賞で昔(あるいは別の賞でも)高次まで残った経験(四次選考落選など)がある人は、一次はほぼパスという選考をしたことがございますか? また、他の下読みの方でそういう方式を取っているということを耳にしたことはございますか?

 もしも無い場合は、応募歴を書かなければいけない真意も教えていただければ助かります。

ジジさんの回答2014/01/09

> 新人賞応募の際、たいてい応募歴のようなものを書く欄がありますが、たとえばその賞で昔(あるいは別の賞でも)高次まで残った経験(四次選考落選など)がある人は、一次はほぼパスという選考をしたことがございますか? また、他の下読みの方でそういう方式を取っているということを耳にしたことはございますか?

 他の下読みさんと選考に関わる突っ込んだ話をしないので(別に主義などからのタブーではなく、応募者の方の個人情報を守るためです。編集者とは雑談まじりに話しますが)他の方のことは知らないのですが、選考に関わる人間ならすべからく、そのようなことはしないです。

 私の例で言えば、どの賞にも商業で書かれた経験のある方からの応募作が少数混ざっているものですが、普通に一次を通せなかったことが何度となくあります。理由はまさに「一次を上げられる作品ではなかったから」。

 選考とは公平且つ公正でなければなりません。その原則が破られたら、それはもう「プロアマ問わず」の文言を掲げて作品を募集する意義がなくなってしまいます。

> もしも無い場合は、応募歴を書かなければいけない真意も教えていただければ助かります。

 応募作の使い回し(二重投稿等)の確認がひとつあるかと思いますが、私は気にしたことがないので、そのことについて編集者と話したこともありません。よって明確な回答ができません。すみません。

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