ジジさまに対策のアドバイスをいただけるなんて、とても嬉しいです。ありがとうございます。
選評ですが……
・描写力はある
・ストーリーは、読みやすく一気に読めるが平板な印象
と書かれていました。
最近の選評では、(一次落、一次通過ともに)
・会話のスピード感は楽しめる
・情景描写をからめた設定を描いてほしい
とありました。
よろしくお願いします。
選評を見るに、
①.設定描写や心理描写を含めた説明文
②.物語の構成
この2点に問題がありそうですね。
①に関してのチェック方法ですが、
1.説明しなければならない設定が整理されているか?
2.その設定を説明なくストーリー中に登場させていないか?
3.説明をキャラのセリフ頼りにしていないか?
②に関しては、チェック項目というよりプロットの分解がよいかと思います。
まず、プロットを作る際、章ごとではなく、項ごとの細かいプロットを作ってみてください(これは今ある原稿で大丈夫です)。
それを読み返して、まず設定と中心軸になるストーリーラインがおもしろいかどうか見ます。
次に、ストーリーを通して主人公とヒロインが物語を開始し、終わらせるために必要な活躍をしているか(ふたりのエピソードが充分な量確保できているか)を見てください。
最後に、売りになる設定が、主人公たちを行動させるマクガフィンとして機能しているかを見てください。
とりあえずこの3点を見れば、おおよそ物語のつじつまが合っているか、自分が読ませたいものを表に出せているか、主人公とヒロインが正しく機能しているかが分かります。
この次に物語の緩急をつけることを考えるのですが、煩雑になるのでまずはここまで、ざっくりとでいいので試してみてください。
私が述べたものとは異なる、真の弱点を浮き彫りにできる可能性もありますので。
尋ねようとして忘れていたことを思い出したので、質問させてください。
新人賞に応募する際に、作品には規定枚数があります。
自分は電撃小説大賞に応募するつもりですのでそのパターンだと、ワープロの場合は42文字×34行の80~130ページ(長編)とあります。
タイトルやペンネームなどは別換算となっています。
自分がお尋ねしたいのは、章分けについてです。
市販のラノベは、大半の作品が章構成になっています。
自分も某所で書いている時は嬉々として章タイトルを考えたりしています。
ただ、新人賞に応募する作品には前述のようなページ制限があります。
たとえば物語が三つほどの章にわけられるとして、章の切り替えの際に章タイトルを挿入し、読みやすいようにページを変えたり改行で空白をあけたりするのが普通だと思うのですが。
そうすると、章分けをすることによって字数を何行分も無駄にすることになります。
章分け自体は無駄な行為とは思っていませんが、地の文や会話文が何行か書けなくなると思うとつい唸ってしまいます。
規定枚数にはそもそも幅があるので、過剰に気にしているとも思うのですが、やはり無視することはできません。
電撃小説大賞の方では、章分けをするかしないか、するにしても書式等は自由となっています。
実際、新人賞の応募作品は章分けをしているものが多いのでしょうか?
特に、受賞作品は何割ぐらいのものが章分けを行っているのかを教えていただけたら幸いです。
また、場面転換などの際は一行の空白を設ける、という単純なやり方がやはり多いのでしょうか。
結局は面白い作品が受賞するというのはわかっているのですが、なにぶんページ数を気にして書くというのが初めての行為なので。
回答よろしくお願いします。
> 自分がお尋ねしたいのは、章分けについてです。
基本的に、ご自身が読者としてその作品を読むことになった場合を想定してください。
章分けのない、応募用紙100枚を越える物語を読んだとすれば、おそらくは猛烈な疲労を感じ、さらにはせっかく作者が用意したギミックにも伏線にも気づくことなく、物語を読み流してしまうことかと思います。
物語にはかならず複数の節目があり、話が転じるためのカギとなるエピソードが存在します。
それを整理し、読者に知らせるためのものが章や節であると考えてください。
つまり、空白も大事な文量の一部だということです。
だとすればマイナスに考えるのではなく、その空白をいかにして余韻や情感として使うかを考え、カットするセリフや説明文以上の効果を上げることを考えるのが正解かと思います。
こんばんは、ティアラミスですわ。返信有難うございます。
> 1,ボツになった作品は、プロになったら、使えるのか?
>使えます。
>新人賞は、設定とキャラのエッジの立ったものが上がりやすく、その中でマイナス点の低いものが受賞しやすい傾向があるのですが、プロになればエッジだけでなく、「安定感」が重視されるようになります。確実に売れる見込みのある、いわゆる王道を書ける能力ですね。
>さらに、新人のうちはとにかく企画が通らないものですので、多様なストックを持つことでその危機を乗り切れる可能性があります。
これは、意外でしたわね。企画を通らないのは、予測がつきますが、王道もので、ヒット作になるというのは(だから、王道なのでしょうが)……
以前、ジジさんは、受賞作を、何が入っているか分からない、石に例えていました。今回のお答えを聞くと、その石も、作家の腕や、編集者等の知恵などによっては、実は、黄金や未知の有用な鉱物に化けるというようにも、感じましたが、どうでしょうか?
> 2,ラノベで、大人を書くのは難しい?
>そのような歳上キャラのもっとも辛いところは、まさに「お父さん・お母さん」になってしまうことです。
>一般の中高生にとって、親という存在がどれほどわずらわしく、フリーダムの簒奪者であるかは、ラノベの主人公たちの多くがひとり暮らしをしていることからも察せられます。
>読者層にとって、「親」はリアルの存在で、厨二ドリームの侵略者です。それを置いておくとしても、性対象になりにくいだけに、扱いが難しいということもありますね。サブカル業界が20年を費やして姉や妹というキャラづけを構築してきたことには、それだけの理由があるということかと思います。
確かに……ただ、私として、お父さん、お母さんほど、べったりしたものというよりは、若者に理解のある少し皺のある紳士、淑女の方は、ラノベの世界にいても、いいのでは?と思いましたが、意外と、その適度な距離感や接し方というのは、書く側としては、難しいのかもしれませんね。
どうも、サイラスです。横やり失礼します。
> > 2,ラノベで、大人を書くのは難しい?
> >そのような歳上キャラのもっとも辛いところは、まさに「お父さん・お母さん」になってしまうことです。
> >一般の中高生にとって、親という存在がどれほどわずらわしく、フリーダムの簒奪者であるかは、ラノベの主人公たちの多くがひとり暮らしをしていることからも察せられます。
>> 確かに……ただ、私として、お父さん、お母さんほど、べったりしたものというよりは、若者に理解のある少し皺のある紳士、淑女の方は、ラノベの世界にいても、いいのでは?と思いましたが、意外と、その適度な距離感や接し方というのは、書く側としては、難しいのかもしれませんね。
僕の個人的な意見ですが、この手タイプの大人は、文章媒体との相性が良くないように思えます。
まず、この手のタイプは、エンタメでは、意外と見かけますが、彼ら、彼女らが活き活きしているのは、マンガなどの、視覚媒体です。
理由としては、この手のタイプは、行動で、存在感や信念を伝える、魅せることが多く、行動を表現するのが、苦手なラノベには、向かないよう気がします。
かといって、セリフで見ようとすると、口数多くなってしまい、これは、リアルなダメ大人、ひいては、お父さん、お母さんを連想させる危険性があります。
そういった意味では、ティアラミスさんのいう「大人」は、ラノベでは、扱いづらいのではないのでしょうか?
> これは、意外でしたわね。企画を通らないのは、予測がつきますが、王道もので、ヒット作になるというのは(だから、王道なのでしょうが)……
このあたりが難しいところなのですが、王道とは多くの読者に支持されるからこそ王道という大きな一面があるのです。
ただ、その王道というテンプレは、賞においては敬遠されがちです。なぜならそのテンプレは、多くの有能な作家と真摯な読者が力を合わせて築き上げてきた、物語形式の強固な鋳型だからです。
ようは、「王道はその応募者が考えたネタではない」ということですね。
ちなみに、ボツになった作品を世に出せる例として、立場は応募者の方とちがいますが、野村美月氏の『陸と千星(ファミ通文庫)』のあとがきを見ると業界の薄闇が垣間見えます。
> 以前、ジジさんは、受賞作を、何が入っているか分からない、石に例えていました。今回のお答えを聞くと、その石も、作家の腕や、編集者等の知恵などによっては、実は、黄金や未知の有用な鉱物に化けるというようにも、感じましたが、どうでしょうか?
化けるというか、もともとその石の中に含まれている素材なのです。それを採取できるかどうかが作家の熱意と編集者の腕なのですが、ただしその作業は文字通りの手探りになりますし、結果が出るかどうかは作家の中の素材含有率によることになります。
> 確かに……ただ、私として、お父さん、お母さんほど、べったりしたものというよりは、若者に理解のある少し皺のある紳士、淑女の方は、ラノベの世界にいても、いいのでは?と思いましたが、意外と、その適度な距離感や接し方というのは、書く側としては、難しいのかもしれませんね。
すでにサイラスさんがコメントをくださっていますが、私の解釈で述べるなら、やはり読者対象層にとっての導き手というのは、自分より少し歳上……歳上キャラとして想像できる範疇になるかと。
具体的には前記したとおり、異性なら「庇護してくれながらも性対象にもなりえる存在」ですし、同性なら「先輩という、友達であり導師である存在」になるのではないかなと思っています。
人が大人像について考えるようになるのは、通常は自分が社会人という大人の枠組に組み込まれてからのことです。
大人の年齢層は、子供の年齢層が7~18歳程度なのに比べ、非常に幅が広いので、憧れや目標としてかなり高い年代の人も視野に入ってきます。
そのようなことから、子供年代が対象読者層であるラノベにおいては「かっこいい大人」が成立しづらいものと思われます。
私が書く作風は基本、コメディ色よりダークかつシリアスな内容が多いです。
別にコメディが嫌いなのではなく、単にダークな内容の方が好きで、キャラクターのむき出しの本音を出しやすく、また苦しみにあがく彼らの姿を美しいと思うし、敬意の念すら感じるからです。
しかし、昨今のラノベではどうもそういうダークよりな作品より、コメディ色の強い作品が多い傾向を感じます。
そこで質問です。
新人賞に応募される作品でダークorシリアスな作品とは何割くらい来るものなんでしょう?
またその手の作品で選考を突破する作品はどれくらいあるものなんでしょう?
またそういった作品は書く事or生き残ることは難しいのだろうか?
という三点です。失礼いたしました。
> 新人賞に応募される作品でダークorシリアスな作品とは何割くらい来るものなんでしょう?
コメディではない、ということなら、7割程度はシリアスものですね。年度や箱にもよりますが、異能力バトル、ファンタジーなどの応募作の王道ネタは、戦いが入ってくるだけにコメディ混じりくらいのシリアスものが多い気がします。
> またその手の作品で選考を突破する作品はどれくらいあるものなんでしょう?
これは作品のクオリティによりますので、年度によります。
> またそういった作品は書く事or生き残ることは難しいのだろうか?
作品がおもしろければ当然生き残ります。
繰り言になってしまうのですが、おもしろければなんでも大丈夫です。
ライトノベル作家の方の執筆速度はどのくらいなのでしょうか?
私はお話の筋道がすべてできている状態で長編を1作(約10万文字)完成させるのに一月半ほどかかります。
全くのゼロの状態から開始すればさらに時間がかかると思います。
プロの方は長編を2~3週間ほどで完成させるというのを見ました。
兼業が多いとされるライトノベル作家の方もそのくらいの期間で書き終えてしまうのでしょうか?
この件に関しては私の職域外ですし、プロになってから担当編集者と相談するべきことです。
ただ、専業なら2週間で1作書く人は普通にいます。