ライトノベル作法研究所
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  4. 新人賞下読みが質問に答えます公開日:2014/11/14

ラノベ新人賞下読みが作家志望の質問に答えます9

斎藤さんの質問2014/10/03

 もやもやとしていた自分の欠点がみえてきました。
 選評に書いてくれた言葉をちゃんと理解できていなかったようです。

 今執筆している小説なのですが、登場人物は設定上最低5人必要なのです。応募作には不向きてすよね。
 ですが、新たに物語を考えるには締切に間に合わないので無謀だとはわかっていますがこのまま書いてみようと思います。
 なにかコツのようなものはありますか?

ジジさんの回答2014/10/03

 5人いるとしても、主要キャラはおそらく5人必要ないかと思われます(たいがいは主人公やヒロインをサポートするお助けキャラが加わっているものですので)。

 その主要キャラ以外の2、3人の個人エピソードを掘り下げないこと。

 それらのキャラを描く場合は、できるかぎり主人公やヒロインのエピソードの中で、彼らの関係性というものを通して描くことですね。
 たとえばそのキャラが主人公の兄貴的存在だとすれば、どのような立ち位置から主人公を導くのか(背中で語る、行動で引っぱる等)を描くべき、ということになります。

たなかさんの質問2014/10/03

 回答ありがとうございます。

>あくまでも競争相手が多いという点で、確かにMMO、異世界転生もの、加えて異能力バトルものは、避けられるなら避けたほうがよいかもしれません

 なるほど。確かに、同じ土俵で技術を競い合うよりは、違う土俵で戦った方が受賞の確立は上がりますよね……
 しかし、申し訳ありません。追加で質問させてください。
 こういう競争相手の多い作品って、いわゆる「流行」の作品であることが多いと思います。そして、新人賞受賞を狙うなら流行の作品を描くことも大切だと思うのですが、これはどうなのでしょうか。受賞を狙うなら、自分が面白いと思う作品を書いた方がよろしいのでしょうか?
 申し訳ありません、少し漠然としてしまったので、質問をまとめます。

質問.
 「流行の作品を書くべきか」「書きたいものを書くべきか」
 これはどちらを優先するべきなのでしょうか?
 よろしくお願いします。

ジジさんの回答2014/10/03

 以前、別の方にお返事させていただいたことなのですが、昨今の流行――今感はかならず研究してください。これが踏まえられていないと、まず一次審査で残れません。

 ただし、今感はメインネタではなく、あくまでもテイストで充分です。書きたいテーマ8の中に、今感2を混ぜることを意識してください。
 そして、8:2の比率を実現するには、長編なら設定の中にひとつかふたつ、今感のある要素を入れるとよいかと思います。これは設定でもキャラでもストーリーラインでも、なんでもかまいません。
 これによって、今時の流れを意識しつつもオリジナリティのある作品が完成します。

斎藤さんの質問2014/10/4

 おつかれさまです。
 今、ジジさまにアドバイスを頂いた内容を見ながらプロットを書き直しているのですが、
 設定描写や心理描写を含めた説明文のチェック方法に

 説明をキャラのセリフ頼りにしていないか?

 と書いてくださいました。
 キャラのセリフ頼りとはどのような会話やシチュエーションなのでしょうか?
 よろしければ教えていただきたいです。

ジジさんの回答2014/10/04

> キャラのセリフ頼りとはどのような会話やシチュエーションなのでしょうか?

 たとえばですが、
「これは……魔法罠か! 気をつけろ、○○が●●することで発動し、近づいた相手を死に至らしめるぞ」
「そんなの常識だぜ! 3年前、俺は西をさまよってた。そんとき何度もこいつと出くわしたんだ。ま、そのおかげで白き神が眠る古き神殿を見つけられて、カーラと逢えたんだけどなっ」
 などと、物や状況、キャラ設定などの説明を、キャラのセリフで事細かにしてしまうことです。説明文を減らそうとすることで起こる現象なのですが、読者から見ると実に陳腐でげんなりします。

風月さんの質問2014/10/5

 おはようございます。
 風月と申します。

 一作品に二つのテーマを絡ませる。
 と言うのは、ありでしょうか。
 具体的には「地下組織を壊滅させる」と「幽霊を成仏させる」です。
 もちろん二つのテーマに接点を持たせています。

ジジさんの回答2014/10/05

 「複数の目標の達成が最終目標の達成に繋がる」のは、構成としてまったく問題ありません。
 特に、「 二つのテーマに接点を持たせています」ということですので、心配ないかと思われます。

風月さんの質問2014/10/5

 安心しました。
 ありがとうございます。

 追加質問です。
 わたしはここ最近、三次選考の壁のようなものを感じています。
 漠然とした質問で申し訳ないのですが、もしあるとすれば、ジジ氏の考える三次の壁とは、どんなものでしょうか?

 わたしの考えでは、ジジ氏とのやり取りを思い返して、「今感があるかどうか」、「売れるかどうか」、この辺りが該当するのかなと思っています。

ジジさんの回答2014/10/05

> もしあるとすれば、ジジ氏の考える三次の壁とは、どんなものでしょうか?

 賞の規模によるかと思いますが、大きい賞ならまだ相対評価の域にあるはずですので、作品の売りが明確に押し出せていない(たとえばテーマがはっきりとしない、キャラ性が弱くて好きになれない、目標達成によるカタルシスが弱い等)のではないかと。
 小さな賞なら、編集部内で今感や商業性について取り沙汰されていることもあるでしょう。

 対処法として考えられるのは、「自分の武器を強く押し出す」こと、そしてできるならば評価シートで指摘されているであろう弱点を潰すこと。このふたつですね。

 評価シートでのプラス評価、マイナス評価については、こちらにざっくりと書いていただければ「こういうことではないか」という予想をしますので、気が向いたらレスをしておいてください。

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