元記事:新人賞に出すつもりの作品のキャラクター数が多すぎるの返信
そういう場合、キャラクターを「人」単位で考えるのではなく「役」の単位で考えてみましょう。
「アイドルグループ」という一つのまとまりがあるので、これで1役です。
なので、物語上なにか行動を起こす場合も「どこそこのグループの誰々」という感じではなく、「このグループの行動」という形にする。
グループのそれ全体全員で一つのキャラクター、と考えるわけです。
そうすると、その小説はパッと見でキャラクターが多いように見えるけど、実際は
>アイドルグループが四つあり
とあるので、主要キャラクターは4人の「扱い」で済みます。
もちろん全員名前ありのモブキャラではありません。
これをテンプレがごとくよく使うジャンルで言うと、大会を勝ち進んでいくタイプの部活ものですね。漫画に多いです。
麻雀漫画の「咲」とか顕著でしょう。全員に名前があって無名学校の一回戦目でもちゃんとスポットが当てられてキャラを書けてる。
でもこれは「学校」というグループ単位でまとめられた「役」なので、基本的に目立っているのはその学校の主将や副主将。
彼らがグループの顔で、まあちょっと例えが悪いけど多重人格で言うと主人格みたいな感じ。
この顔役のみに描写を集中して他をモブ扱いすしても良いし、そうするとガールズ&パンツァーみたいになる。
ガルパンは主人公側はかなり多いキャラをちゃんと書いてるけど、対戦相手側は主将や副主将など2・3人ほどしか目立っておらず、基本名前も出てこない。
単純に書く機会がないのと、主人公側は主要メンバー5人以外もちゃんと書けてることからガルパン作者の技術が劣ってるわけではなく、おそらく意図的なものだと思うけども。
これも主要メンバーや生徒会メンバーとある程度グループが分かれてますね。
私見での分析をしてみると、おそらくガルパンは戦車一両単位でグループに分けてるから、対戦相手まで同じように一両単位で書いたら書ききれないため対戦相手は簡略化してるんだと思う。
なのでプロットで気にすることは、
>焦点を当ててプロットに組み込んでいるのはメインの数人だけです。
この数人が「どこのグループに属している何役なのか」ってことじゃないかなと思います。
これが全員主人公グループの人間である場合、それ以外のグループの影が薄くなるので、名前はあるけどモブと同じ。プロットに出ない以上は物語上目立たないので読者に覚えてもらうことは難しい。
しかし例えば、「それぞれのグループの代表一人ずつ」で数名であるなら、顔役の代表を通して各グループ全員が目立ちますので、読者は一人を覚えるだけでグループ全員を覚えることができます。
名前までしっかり覚えるという意味じゃなく、覚えてなくてもグループなので周囲に仲間がいることは理解できるしイメージできる、という程度の意味合いで、それ以上の描写はやはり作者次第ですが。
>キャラクターでさえ十人以下というのがほとんどだと思います。
キャラクターは登場させれば良いというわけではないし、キャラを立てなきゃいけないので、そのためには個性的なキャラ付けをするだけでなくちゃんとキャラが目立つように書く必要があります。
つまりはページ数がかかります。
書き慣れてる人ほど、これにはある程度のページ数が必要だと考えるので、そこから計算すると新人賞くらいのサイズだと10人は多いくらいで、物語進行の役柄を考えてもやはり3~5人くらいがベストという答えになると思う。
ただ、キャラを立てるには会話が一番なんですが、会話は当然二人以上でやるものなのでキャラが5人いるならその会話相手として倍の10人はさばけないこともありません。
単純な考えで分解してみると、目立たせたい主要キャラ5人と、彼らを引き立たせるための会話相手5人、という計算です。
キャラが多くて困るのは、実際のところ「そんな多いんじゃ覚えきれないよ」という問題ではなかったりします。
実際、シリーズが続けば覚えきれないほどキャラは出てきます。「とあるシリーズ」なんていったい何人出てきてるのか。
キャラが多くなりがちなジャンルである群像劇を好んで書く成田良悟の「バッカーノ」も登場人物はすごく多い。
でも、そもそも話に関係ないキャラは覚えていてもしょうがないので、ぶっちゃけ忘れてもらっても問題ないんですよ。
キャラが再登場するときに思い出してもらえれば良いだけなんで。
じゃあ、どうしたら「思い出しやすいだろうか」と考えると、そのキャラに印象深い何かワンシーンでもあるのが良い、つまりは「キャラがしっかり書けてれば問題ない」ってことになります。
なのでシリーズものつまりは長く続いてる作品はキャラが多くなっても問題ないわけですね。
で、キャラが多い事の何が問題かっていうと、結局はページ数の問題で「キャラが書ききれない」から問題なわけで、そもそも新人賞サイズで10人以上出している場合、キャラが書けてない可能性があります。
もちろん上手くすれば収まるので(バッカーノは15・6人くらい出てた気がする)、無理なわけではありませんが、無理なく書けるならキャラの数で悩んだりしないでしょう。
キャラが多いとキャラの魅力を出し切れないのが最大の問題点なので、キャラが立ってるかどうかを確認してみると良いと思います。
キャラが立ってれば、名前を覚えてなくてもイメージには残ってるので、すぐに思い出してくれます。
上記の回答(新人賞に出すつもりの作品のキャラクター数が多すぎるの返信の返信)
スレ主 らっこ : 1 投稿日時:
サタン様、とても参考になるアドバイスをありがとうございます。
グループとして一単位で描くというテクニック、目から鱗でした。私の物語の性質上、その手法が取り入れやすいので、ありがたく活用させていただきます。また、ガルパンも咲も未視聴なので参考に見てみようと思います!
>>この数人が「どこのグループに属している何役なのか」ってことじゃないかなと思います。
幸いリーダーというわかりやすい位置なので、その点は解決できそうで安心しました。
>>キャラが再登場するときに思い出してもらえれば良いだけなんで。
とあるシリーズでは特徴的な口調のおかげで、容易にキャラの判別がつきますものね。いまの作品のサブキャラは個性が薄いので、重要なキャラはわかりやすいくらいのキャラ付けをしてみようと思います。
ただ結局のところおっしゃる通り、私自身が筆力に自信がなく、キャラを捌けるか不安というのが問題です。ご教授頂いたポイントを意識して、色々模索してみようと思います。
重ね重ね、ご回答ありがとうございました!
カテゴリー : キャラクター スレッド: 新人賞に出すつもりの作品のキャラクター数が多すぎる
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