小説の創作相談掲示板:小説の書き方Q&A。執筆の悩み相談をしよう!

ノルさんのランク: 初段 合計点: 2

ノルさんの投稿(スレッド)一覧

短編を書き上げたのでどなたか批評をお願いします

投稿者 ノル 回答数 : 8 更新日時:

お初にお目にかかります。 本日、しばらく放置していた短編を最後まで書き上げ、力尽きました。 妖狐、座敷童、ろくろ首の3人が営... 続きを読む >>

カテゴリー: 小説の批評依頼

ノルさんの返信一覧

元記事:短編を書き上げたのでどなたか批評をお願いしますの返信

拝読しました。

うん、悪くないと思いますよ。
彩也子を語り部と仰っていますが、語り部ではなくちゃんと主人公になっていたと思います。語り部というのはただの傍観者です。本作は大人しい作りなので彩也子がこれといって何をするとうわけでもないのですが、ちゃんと彼女を軸にした物語になっていました。

これから良いと思った点と、もう一がんばりかなと思った点を書いていこうと思います。

まず、ご質問について。

>・『あやかしが営む恋愛相談所』なのに、語り部の成長がメインになっていて、折角の妖怪成分を活かし切れていない

そうでしょうか?
繰り返しますが本作は、彩也子の成長がメインになっているのが良いところだと感じました。妖怪たちはあくまでサポート役という位置づけで別に問題ないと思います。

ただ、狙いとしては問題ないと思うものの、少し扱いが難しい素材かもしれないなとは感じました。
もう少し具体的に言うと、例えば沙也加がはじめて妖怪と遭遇するところ。驚いている表現はあるにはありましたが、わりとすんなり受け入れてしまっています。
身も蓋もないですが、そんなことはないだろうと思ってしまいました。
もう少しギャグ・テイストな作風ならそういうのノリでもいいのですが、本作は基調が繊細で、主人公の悩みがわりあいリアルに表現されていました。そこが少しそぐわなかったんじゃないかと。一回受け入れてしまえばそこから先は問題ないのですが、最初の遭遇シーンだけはもう一工夫必要かもしれません。

妖怪成分が活かし切れていないのでは、と。

まあ本作だけならそうかもしれませんが、短編連作にすることを考えていらっしゃるんでしょう? おそらくそれは大正解で、本作はこれっきりの単体で勝負できる内容にはなっていません。単体で勝負するなら少なくとも中編以上の尺は必要だろうなと。

要するに本作の尺では、主人公のリアルな成長プラス妖怪の恋愛相談所というアイデアの組み合わせはとうてい処理できません。だから長編化するか短編連作にするかの2拓は必然で、そうであればイントロ程度の本作で妖怪成分を活かし切る必要はありません。

>・わたし自身が学生で、周囲に事務をしている方もおらず、職場の描写にリアリティがない

まあ、ないですね。
しかし作者が経験したことしか書けないものなら、小説は私小説しか存在し得ないことになってしまいます。ファンタジーとかSFとか時代小説とかどうやって書いているんだという話です。経験したことがなくても何とか書いてしまうのが小説家というものなので、そこは乗り切るしかありません。

じゃあどうしたらいいかと聞かれたらそれだけで一つのまとまった創作相談案件になってしまいますが、扱いたいことと共通する舞台の小説なりテレビドラマなりマンガなりをいくつか読んだり観たりする手もあります。エンタメはガチガチの現実を描くことが目的ではないですし、読者の知識も似たようなものだったりしますから、作者がヘタに現実を知りすぎているよりむしろ判りやすくなる場合もあります。

短編連作にするメリットについて、もう少し。
リアル寄りの作風なら主人公が妖怪に遭遇して受け入れるシーンに工夫が必要と書きました。この問題が2話以降はかなり緩和します。
と言っても、毎回同じ主人公でなくてもいいんです。と言うか短編連作なら1話ごとに人間の主人公は違うキャラにするべきでしょう。
ただ。
妖怪の存在に慣れてほしいのは、本当は主人公じゃなくて読者なんですね。
毎回の主人公がはじめて妖怪に会ったときに驚く描写は必要ですが、お約束のパターンとして読者が受け入れてくれれば、そこは多少おざなりでも大丈夫になるものです。
短編連作の2話3話を読んでいる読者は、間違いなく1話の雰囲気なりキャラなり世界観なりを気に入った人です。気に入らなければ読みませんから。で、気に入って読むのと懐疑的な気持ちで読むのとでは大違いなんですね。気に入って読めば多少のキズは気にならなくなるものです。

本作は取り合えず5話くらいの短編連作にしてみるのがいいような気がします。
妖怪の恋愛相談所を訪れる人間はそのつど変えて、できたら性格も変えてみたいところです。本作では自信のない地味めな女の子でしたが、ならば次は勝気だけれど周囲との関係が空回りするところのある女性にしてみるとか。男の主人公を入れるのもいいですね。そうすると5話で5つの違った恋愛模様が描かれるわけで、妖怪成分の活用はそういう流れの中に少しづつ盛り込んでいくのが得策じゃないかと思います。

繰り返しますが、本作は相談所を訪れる人間の物語になっていて、前向きに新たな1歩を踏み出す方向を示しているのが良さだと感じます。そして妖怪たちは、実力行使っぽい手助けはしてくれないのですが、人間関係に傷ついた主人公に一息つかせる寄港地みたいな感じなんですね。主人公が一時立ち止まり、自分を見つめなおして新たな一歩を踏み出すきっかけとなってくれる存在。そういう感じがよく描かれていたと思います。
妖怪成分が活かし切れていないという余計なあせりに気をとられて改悪してしまわないように気を付けてください。

次。
彩也子について。
後半になって好感度の上がったキャラでした。そこに本作の良さと物足りなさがつまっている気がします。
やや要領が悪く、お人好し。そして自信のない女性なんですね。ただ、本人が思っているほどダメなわけではないことが後半になって何となく分かってきます。
称賛したいのは、そういう女性だということを地の文で説明していないことです。
語り手と仰っていますけど、これ実は三人称なんですね。しかし語り手と言ってもおかしくないほど彩也子視点で書かれています。
一人称三人称というのは文体の問題で、これほど強い彩也子視点なら、彩也子というキャラを直接描写で客観的に叙述することはできません。この作品はあくまで彩也子の主観によって紡がれたストーリーです。そこをきっちり押さえた上で、彩也子というキャラがどういう女性なのかストーリーとエピソードの積み重ねによって読者に伝えようとしていました。そこは素晴らしいです。

反面、本作の物足りなさもそこに有りました。
たぶん作者様が書きなれていないためだと思うのですが、伝え方が十分ではなかったように感じます。

前半を読んでいた時には、彩也子が仕事でミスをして叱られるエピソードあたりでは、実際に彼女が社会人としての自覚に欠けるんじゃないの?とも思ってしまったんですね。
これはまずいんです。エンタメは主人公が読者に好かれてなんぼの世界です。
読み終えて理解したのは、彩也子は真面目な女性で、未熟で実力不足なところはあるにせよ、自分で気に病んでいるほどダメな子ではないということ。むしろ彼女のお人好しをいいことに洗脳している輩がいるんですね。彼氏とか上司とか。
そういうことが何とか判ったのですが、もう少しすっきり判らせた方がいいです。ポイントは、彼氏と上司の描き方だと思います。
『美味しんぼ』という有名な料理マンガがありますよね? あれ、参考になるかもしれません。ネガティブなキャラの描き方が実に巧みです。
箸にも棒にもかからない嫌なキャラとか、クセが強いけどいいところもあるキャラとか、そういう明暗がくっきりしています。

本作にもどりますが、後半、主人公がふっきっれるところがあります。それはいいのですが、その時点で読者も主人公と同じ感情を共有していることがとても大事です。こんな彼氏ゴミも同然なんだというフラグはまかれてはいたのですが、彩也子の気持ちが吹っ切れるタイミングに向けてピントが合ってくる流れが作り切れていないので、いくぶんもやっとする感じでした。
そういうところを明快にチューニングするコツをつかめば、格段に良くなるのではないかと思いました。

私からはこれくらいです。私とて勉強中の身、作者様の参考になる意見になっているかどうかは判りませんが、取捨選択はおまかせします。
それでは執筆お疲れさまでした。

上記の回答(短編を書き上げたのでどなたか批評をお願いしますの返信の返信)

スレ主 ノル : 0 投稿日時:

暖かいご意見をありがとうございます。この未熟な文章から私がメインにしていた部分を読み取ってくださったようで、すごく嬉しかったです。

彩也子があまりにもすんなり受け入れすぎる、というのは他の方のご指摘にもあったものでした。私としては、彩也子は受け入れているのではなく、受け止められないから流されているイメージなシーンなのですが、伝わらないのはひとえに私の技量不足ですね。精進するか、もう少しわかりやすくするか、がんばります。

私1人の目線では、彩也子が最初から好感度高くなければいけない、という意識があまりなかったので、新しい気づきでした。美味しんぼ、読んでみます!

彩也子がキレる場面は大事なので、しっかり見直して、磨き上げたいと思います。

とても勉強させていただき、楽しかったです。本当にありがとうございました。

カテゴリー : 小説の批評依頼 スレッド: 短編を書き上げたのでどなたか批評をお願いします

この書き込みに返信する >>

元記事:短編を書き上げたのでどなたか批評をお願いしますの返信の返信

続編はまだ構想段階とのことで、こちらも妄想を垂れ流してみると、
そういうことなら「後日談」ではなく「B面」にしてしまってもいいんじゃないかなと思いました。
B面、つまり1話目の続きではなく1話の裏側ですね。
というのも、語り部は、どうなんだろう、今後も登場する予定があるのかどうか。無いなら彼女の役割は1話目で終わっているので、続編とはいえこれ以上彼女の性格を掘り下げる必要がない気がする。
だからB面ということで1話目で語り部が主役になってるその裏で、あやかし達は「彼女」について所感を言い合いどう手助けするかを語って、ろくろ首が助言をしにいく事になり、密かに彼氏について調べ上げ、事が終わって語り部がお礼を言いに来たけど、でもまだ終わってはいない。相談所は無責任な助言はしないから別れるよう言った手前その後のトラブルは相談所の領分。ストーカーになった彼氏には相談者に気付かれぬよう裏で処理をし、誠実そうな新しい恋人と一緒の元語り部を遠巻きに見守って終わり。
と、1話目は相談者である語り部を中心に「よくわからないけどいろいろ助けてくれるあやかし」として書いて、2話目のB面で「それはこういうこと」とあやかし中心に書いて締めくくる。
うーん……そもそも今回の「語り部」がそのまま続投してあやかし達と一緒に何かするような感じだとしたら、こういうB面構成はかえって邪道ですかね。
まあ妄想ということで。

>その妖術は相談者が自分本意な行動をするたびに醜くなっていくものというピノキオのような話でした
あくまで個人的な感覚で答えますが、「妖術」は正直ラノベっぽいと思う。
でも御作はラノベらしいラノベではないので、いまいち不釣り合いかなと感じました。概要は良いと思いますが「妖術」は「自分を美しくしてくれる口紅」とか「自信が湧いてくる鏡」とかのほうが良い気がします。
でも、うーん……そういう道具を使うとそれこそ「あやかし」でなくても人間でもいいって話ですしね。
道具を使うと会話で「っぽさ」を出しやすくなるので、私ならそっちからアプローチをかけるかな、という感じですかね。
例えば「なにその口紅。きつねに似合わない」「いやなに。このまえ葛の葉殿に頂いてね」「このまえ? 百鬼夜行でもあったっけ」「相談所を作るにあたって出雲まで神議に一緒に行ったじゃないか」みたいな。
道具に関するエピソードを作れるので、そっちであやかしっぽさは出せるかなと。

>座敷童はやはり妖怪感の演出としては難しいかもしれないですね
座敷童は、そのぶん人間に近いので妖狐とろくろ首に不向きな昼の活動が出来ると考えればそちらで活躍できるのではないでしょうか。
座敷童は商家の薄暗い奥座敷が好きという言い伝えがありますが、広義的にこれをニートと捉え、人間だって引きこもりのニートは昼夜逆転するもので、あやかしたる座敷童は本来あやかしが苦手とする昼間に起きてることが多い。みたいな。

>「見た目と釣り合わない老練された発言」だけではやはり弱いでしょうか。
弱くはないと思うけど、問題は「キャラクター性」じゃないでしょうか。そういうドライな座敷童が相談所でワイワイしますかね、という。
そういうキャラなら人間を信用してなくてドライというか嫌っているのではと思えるほど壁を作ってて、相談所は行き場のない座敷童を誘ってくれた妖狐のお願いを聞いているだけ、みたいなスタンスじゃなかろうか。
とすると、そんな座敷童と相性のいい相談者は「可愛いものに目がなくてなんとか座敷童と仲良くなりたい女性」とかでしょうか。基本子供には好かれる保母さんだけど子供の保護者であるお父さんと浮気しちゃってる、みたいな。
子供に好かれる女性が最低なことしてるんで、座敷童もズバズバ毒舌を言いやすい。

上記の回答(短編を書き上げたのでどなたか批評をお願いしますの返信の返信の返信)

スレ主 ノル : 1 投稿日時:

サタン様
再びの返信ありがとうございます。

アイテム、素敵な案だとは思うのですが、やはり「妖狐である意味がない」と感じてしまうのですよね。
私自身の個人的な願望では、妖術で行きたいなと思っています。

うーん。間をとって、相談者の持ち物に妖術をかけるとか? で、悩みが解決すると持ち物ごと消えてしまうとか。
ちょっと色々考えてみます。

座敷童はずっと一人で人間たちの関わりをシニカルに上から見つつもどこか羨望を覚えていた→今、妖狐達と出会って、他者との関わり結構楽しんじゃってる。みたいなイメージなのですが、それを表現しきれないのは私の筆の未熟さ(と物語の文量)ですね。
ドライだけど、冷たいわけでなく、自分の毒舌で相手がしょんぼりしたら「いいすぎたな」とこっそり反省している……ような部分を、うまく描写できたらと思います。

相談者は1話ごとに変わっていく予定なので、B面構想も少しありました。
少し休んだら、ご意見をいろいろ取り入れてまた書き始めようと思います。

ありがとうございました!

カテゴリー : 小説の批評依頼 スレッド: 短編を書き上げたのでどなたか批評をお願いします

この書き込みに返信する >>

元記事:短編を書き上げたのでどなたか批評をお願いします

お初にお目にかかります。
本日、しばらく放置していた短編を最後まで書き上げ、力尽きました。

妖狐、座敷童、ろくろ首の3人が営む恋愛相談所を訪れた女性が過去への執着を切り離す、というような話です。

私が現在気になっている部分は、
・『あやかしが営む恋愛相談所』なのに、語り部の成長がメインになっていて、折角の妖怪成分を活かし切れていない

・わたし自身が学生で、周囲に事務をしている方もおらず、職場の描写にリアリティがない

(ただ、前者に関しては、この3人についてあまりにも掘り下げられなかったので、短編連作にすることも考えています。
その場合、導入としてこの相談所の役割を示すために、このくらいでもアリかな、とも思うのですが…ご意見お待ちしております)

https://novema.jp/book/n1581839

読んでいただけるだけでも本当に嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。

上記の回答(短編を書き上げたのでどなたか批評をお願いしますの返信)

スレ主 ノル : 1 投稿日時:

サタン様
大変細かい分析をありがとうございます。

まさに、「あやかし」がタイトルなのに存在感薄くて妖怪にした意味ないじゃん……と悩んでおりました。

コンセプトもその通りで、「能天気な女妖怪たちとわちゃわちゃしてるうちに元気がわいてくる」「立ち止まったら妖怪たちが長い年月人間を見てきた経験からアドバイスしてくれる」みたいな、「頼れる味方がいると自分と戦う勇気が出るよね」をテーマに作った話でした。しっかり読んでくださったことに感謝の気持ちでいっぱいです。

アイテムの件、メインあやかしを絞る件、眼から鱗が落ちました!

実は妖狐には「妖術が得意」という裏設定があって、でもこの「自分と戦うのは自分、妖怪は助けるだけ」というコンセプトは譲れず、後日談的にこの元彼がストーカー化してきつねが妖術で追い払う話でも作ろうかな、などと思っていたところでした。

ご指摘を受けてぱっと思いついたのは妖狐が「ブスだから恋愛が上手くいかない」と思っている相談者の容姿を望み通り美しく変えるが、その妖術は相談者が自分本意な行動をするたびに醜くなっていくものというピノキオのような話でした。これならおそらく「相談者をメインにしながら」、「あやかし成分を活かせる」かなと思うのですが、如何でしょうか。

そして、そうなると座敷童とろくろ首をどうメイン回で活かすか、という点ですね。
今回ろくろの出番が多くなったのは、彩也子という「少し愚鈍で人に舐められやすい」相談者と相性がいいのが彼女だったという結果的なものでした。

座敷童は、「長年商家の人間関係を眺めてきた存在」
ろくろ首は、「見た目のインパクト&ほのぼのコメディ要因」としてキャスティングしたのですが、ろくろ首は見た目の描写で非人間感が出るのに対して座敷童はやはり妖怪感の演出としては難しいかもしれないですね……。
今回は気弱な相談者だったので鳴りを潜めていましたが、本来の設定としては彼女はドライかつ合理的な毒舌家で、ダメな恋愛ズバズバ切る係、要は「長年の人間観察に裏付けされた言葉」を武器にするようなキャラなのですが、「見た目と釣り合わない老練された発言」だけではやはり弱いでしょうか。

なんというか新しい観点に楽しくなってしまって、お返事が長くなってしまいました。申し訳ありません。

丁寧な批評、本当にありがとうございました!

カテゴリー : 小説の批評依頼 スレッド: 短編を書き上げたのでどなたか批評をお願いします

この書き込みに返信する >>

▼書き込みの検索

▼投稿者の検索

トップページへ
質問、相談をする!
コメントは4500文字以内。
返信通知設定(必要なければ外してください)

「私はロボットではありません」にチェックを入れてください。

ページの先頭へ

小説の書き方Q&A:創作相談掲示板の使い方・利用規約(必ずお読みください)。お問い合わせ