ライトノベルと一般文芸の大きな違いの一つに、僕は〈地の文〉があると思っています。
やはり、大抵の一般文芸の様な淡々とした地の文よりも、例えば〈涼宮ハルヒの憂鬱〉や〈俺の妹がこんなに可愛いわけがない〉などのような、口語が満載の地の文の方が審査する方には好まれるのでしょうか。
> 口語が満載の地の文の方が審査する方には好まれるのでしょうか。
特にそのような傾向はありません。
ただ、一人称はすべての情報が視点主(ほとんどの場合は主人公)というフィルターを通す分、視点主の個性が出しやすいですし、なによりも中高生読者が苦手とする説明文をセリフ調でソフトに伝えられるのでとっつきやすいというのは確かにあるかと。
三人称のメリットを正しく生かせていれば正しく評価されますので、無理に一人称を使う必要はありません。
ジジ様へ。
気になることがまだありましたので、また質問させて頂きました。
申し訳ありません。
先程の質問とは、少し関係のない質問です。
私は現在、物語を書くことが出来ない状態になってしまいました。
書ける人と書けない人の原因は何なのか教えて頂けないでしょうか。
私は書きたいイメージや、キャラは浮かんでも、お話にすることが出来ないでいます。
一作書いたことがあるのですが、酷評で終わりました。
それっきりになってしまいそうです。
書きたいと思う気持ちばかりが先行して、焦ってますが、上手く作れません。
何が原因なのか、分からなくて、本当に困っております。
ライトノベル作法研究所にある書き方とか、ストーリーの作り方の本を読んでも、効果が全く見られませんでした。
どうすればいいのでしょうか。
これで質問を最後にさせて頂きます。再三申し訳ありません。
> 書ける人と書けない人の原因は何なのか教えて頂けないでしょうか。
基本的にモチベーションの低下ではないかと思います。
では、モチベーションが下がるとどうなるか? 「作業」ができなくなるのです。
極端な例を出せば、「生きる」というものに対する三大作業は「食うぜ!」、「寝るぜ!」、「愛でるぜ!」です。モチベーションが下がると、人間は緩慢に死んでいきます。
これを「物語を書く」にしてみると、「情報をインプットするぜ!」、「話を練るぜ!」、「キャラを創るぜ!」等々、いくつもの作業によって成立しているものではないでしょうか。
> 私は書きたいイメージや、キャラは浮かんでも、お話にすることが出来ないでいます。
> 一作書いたことがあるのですが、酷評で終わりました。
> それっきりになってしまいそうです。
> 書きたいと思う気持ちばかりが先行して、焦ってますが、上手く作れません。
「物語を他人に見せる」ことに対する恐怖心ひとつが、創作というものに対するモチベーションすべてを妨げている状態であると思われます。
対処法ですが、まずは創作というものに必要だと柘榴さんが考える作業を並べてください。そして、「どこまでの作業なら楽しいか/どこからの作業が辛いか」を線引きしてください。
それがすんだら、「楽しい」作業をし、「辛い」作業は置いておく。別に作品ができあがらなくてもいいですので、とにかく「楽しい」ことばかりするように。
簡単に考えれば、おそらくは「インプット作業」からの「キャラ作成」や「設定作成」が楽しい作業になるかと思いますので、どんどん見たり読んだり聞いたりしつつ、「考えて」みてください。
とりあえず私の対処法を挙げてみましたが、不明点、疑問点等ありましたらまた再質問していただければと思います。
ジジ様、再三の質問にご返信ありがとうございます。
私は、インプット作業が苦手というか、どうも辛いみたいです。
最近物事や、社会に無関心になりがちです。
ファンタジー要素と関係する日本神話やら、ニュースやら、見ようとしますが、頭に入りません。
おそらく難しくて、分からないから、興味が持てないのだと思います。
やはり、それが原因なのではないかなと考えてます。
ですが、インプットなしに物語書けないだろ。とも考えております。
楽しいだけの作業をして、果たして物語が書けるのだろうかという疑念が湧きましたので、また質問をあげました。
お忙しいと思いますが、ご返信よろしくお願いします。
> 私は、インプット作業が苦手というか、どうも辛いみたいです。
誰かと話をするのが苦痛……という状態でなければ、アニメでもコミックでもニュースでも、ひとりで考えるのではなく親しい方と雑談してみるとよいかとは思います。
それも辛いようなら、しばらくはすっぱり止めてしまうべきでしょう。
> 楽しいだけの作業をして、果たして物語が書けるのだろうか
苦しいとご自身が感じる作業に取りかかれないままダメになってしまうよりは、よほど価値があります。
1は10になる可能性がありますが、0が1になることはありませんので。
> すみません、あと三人称のメリットとは何でしょうか?
・視点主という存在がいないので、一人称よりも多角的に広い範囲を描写できる。
・地の文を口語にしなくてもいいので、端的に状況を説明できる
等です。
ぷうと申します。
ラノベ研究所で一般エンターテイメントの質問をすることをお許しください。
先日のQ&Aで「処女だと発言させるのは避けるべき。品性を落とす」とお答えになっておられました。
これは読者が青少年のラノベだからでしょうか。それとも高年齢者が読む一般小説なら(状況がそれを必要とするなら)許されるものでしょうか。
友人には打ち明けなくとも、今後性交渉を持つであろう恋人になら(躊躇う理由として)打ち明けるという経験もありまして、伺いたくなりました。
宜しくお願いいたします。
> 先日のQ&Aで「処女だと発言させるのは避けるべき。品性を落とす」とお答えになっておられました。
> これは読者が青少年のラノベだからでしょうか。それとも高年齢者が読む一般小説なら(状況がそれを必要とするなら)許されるものでしょうか。
読者層が成人なら問題にはなりません。が、一般向けというのは「想像」が肝になるラノベとはちがい、「共感」という要素が最重要です。
一般社会において、好きな女性に男性経験を訊く、もしくはなんのエピソードや伏線もないのに女性が自分の経験を語るという状況に、多くの人が共感できるのか? と考えれば、必然性がないのであれば触れないほうが無難です。
ただ、
> 友人には打ち明けなくとも、今後性交渉を持つであろう恋人になら(躊躇う理由として)打ち明けるという経験もありまして、伺いたくなりました。
このように必然性があり、物語の展開上必要な告白なのであればもちろん問題はまったくありません
早速有り難うございます。
> 一般社会において、好きな女性に男性経験を訊く、もしくはなんのエピソードや伏線もないのに女性が自分の経験を語るという状況に、多くの人が共感できるのか? と考えれば、必然性がないのであれば触れないほうが無難です。
過去をほじくり返す無神経な人間は嫌われて疎んじられますからね。無神経さを喧伝するにはよさげなアプローチになります。
> 友人には打ち明けなくとも、今後性交渉を持つであろう恋人になら(躊躇う理由として)打ち明けるという経験もありまして、伺いたくなりました。
> このように必然性があり、物語の展開上必要な告白なのであればもちろん問題はまったくありません。
安心しました。現時点で大丈夫かと考えます。
でも先日のQ&Aを読んでから考えた改編案をモデファイして、処女の躊躇う心情を更に綺麗に表現するようにいたします。
> 一般向けというのは「想像」が肝になるラノベとはちがい、「共感」という要素が最重要です。
実は冒頭のこの一言に衝撃を受けました。
お忙しい中、有り難うございました。
すみません、少しというか、かなり言葉足らずだったので補足を。
私がここで述べた「共感」ですが、
> 過去をほじくり返す無神経な人間は嫌われて疎んじられますからね。無神経さを喧伝するにはよさげなアプローチになります。
まさにこのとおりです。
そして品格面での共感というものは、「建前」であればよいという点を述べ忘れておりました。
建前とは、人間が表面上に浮かべる言わば「表現」です。建前としては訊かない。でも内面ではもんどり打つほど気になってしかたない――というのは自然ですし、建前に加えた本音の部分でさらに共感させられるので、正しく使えれば高い効果を上げられます。
外は綺麗に、内はドロドロ。
これが一般向け、特に女性読者を意識した場合、最適まではいかずとも適解くらいは言えるのではないかと考えています。