ライトノベル作法研究所
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  4. 下読みが回答。ラノベ新人賞Q&A公開日:2014/07/09

下読みが回答。ラノベ新人賞Q&Aその5

45さんの質問2014/07/05

 返信ありがとうございます。

> 1.冒頭にまさに日常が破壊されるその瞬間のシーンを入れる
> 2.1章で綴られる日常描写、その1パートごとに崩壊の予兆(伏線)となる短エピソードを挟み込んでいき、1章の最後で一気に伏線を起爆させ、崩壊させる
>
> 1は王道の手法ですので、2のほうがおもしろくできそうな気がしますね。1と2を合わせるのもわかりやすいでしょうか。

 私が考えていたのは、まさに1と2を組み合わせたものでした。
 ……ただ、簡単に思いつかれたという事ですよね? 別段、邪道を目指していたわけではありませんが、なんだか捻りを加えてみたくなってしまいますね……。
 以前、王道は大歓迎だという書き込みをされていたような覚えがあるのですが、それは新人賞全体として見ても変わっていないのでしょうか?

> どのような手法を使うにしても、「章や項で描かれる事件とは、その長さに比例するだけの大きさがなければならない」ことは意識してください。応募作には、物語の始まりを語る章が事件の大きさに比べて長すぎ、冒頭から冗長になってしまっているものが多いです。

 やはりそういう作品が多いんですね。勉強になります。
 確かに一章丸々使っては長すぎる気がしました。必要な部分だけを書きだし、なるべく短縮するよう心がけたいと思います。

> > 質問2
> > 以下のような作品はそれぞれどの程度の割合を占めているものなんでしょうか?

> > 「ギリギリ読める」
> 惜しい! と思うものは、全体の9割8分ほどかと思います。
> > 「率直に面白い」
> 年に10本あれば豊作という感じです(基本的にはこの枠の中に収まる作品に受賞を期待することになります)。
> > 「受賞を確信できる」
> 年に1本あるかないか、です。

 これはジジさんが審査した箱?だけではなく、その新人賞全体の話という受け止め方で問題ないでしょうか?
 惜しいと思う物が九割八分もあるのは意外です。
 もう少し、まったく読めない作品があるのかと思っていました。

 それに面白い作品が10本出る年があるとなると、その中に入れないと賞を狙うのは難しそうですね。
 精進したいと思います。

ジジさんの回答2014/07/06

> 私が考えていたのは、まさに1と2を組み合わせたものでした。
> ……ただ、簡単に思いつかれたという事ですよね? 別段、邪道を目指していたわけではありませんが、なんだか捻りを加えてみたくなってしまいますね……。

 基本的に私が番号を振っての例を挙げる場合、元文を読んだ瞬間に思いつくものを書いています。
 ですので、私のコメントを踏み台にして、ぜひ私が思いつかないようなひねりを加えまくってください。それが成功すれば、私でない下読みもかならずそのネタに食いつきます。

> 以前、王道は大歓迎だという書き込みをされていたような覚えがあるのですが、それは新人賞全体として見ても変わっていないのでしょうか?

 これは以前述べた内容であると思いますが、ライバルが多く、且つ審査側の期待値が低くなりがちな王道作品は、他作品が100メートル走をしている中で50メートルのハンデを負わされて走るような感じです。それをしてなおおもしろい王道を打ち出せるなら、それはかならず評価されます。

> 確かに一章丸々使っては長すぎる気がしました。必要な部分だけを書きだし、なるべく短縮するよう心がけたいと思います。

 応募原稿10ページで収まるくらいに圧縮できるとよいかと思います。
 事件の起こりは読者を期待させ、続く本編を読んでもらうためのエサですので、思いきり思わせぶりにしてください。

> これはジジさんが審査した箱?だけではなく、その新人賞全体の話という受け止め方で問題ないでしょうか?

 私の担当分での話になります。
 「惜しい」が多いのは、ほとんどの作品がせっかくの設定やキャラを使い倒せておらず、なんとなく目触りのいい展開やなんとなく収まりのいいエンディングで濁してしまっているからです。

> それに面白い作品が10本出る年があるとなると、その中に入れないと賞を狙うのは難しそうですね。
> 精進したいと思います。

 ご自身にとって書きたいものがなんなのか、それを他人に見せ、おもしろいと感じてもらうためにどうすればいいのか、ご自身にとってその資料となるものが本なのかコミックなのかアニメ、映画、ゲームなのか別のものなのか、モチベーションを保つために必要なことがどういう行動なのか……
 物を書くには、実は書く以外にできること、すべきことが多々あります。書くためのスイッチとなりうる書く以外のことについてもぜひ考えてみてください。

なかたろうさんの質問2014/07/06

 解答ありがとうございます。

> 下読みとは履歴書の趣味・特技欄に「読書」と書かねばならぬ宿命を負わされた呪われし民なので、よほどおかしなものでなければ愉快に読んでしまうものです。
> よって、「80~150枚の範囲でゆるめに書かれた作品」が読者にやさしいと判断されるかと思われます。

 なるほど、呪われているのですか……納得です。確かに、読者に読んでもらうのが最終目標なんですよね。いつも一次か二次でうろうろしているので、考えたことなかったです。読者を意識するって、難しいですね……
 参考になりました。ありがとうございます。

ジジさんの回答2014/07/06

 二次に進んでいる作品があるなら、なかたろうさんという書き手には「武器」があるということです。
 評価シートで評価されているその武器を磨きつつ、読者にとって読みやすい文章構成を考えてみてください。

 ちなみに二次では同じ下読みが読む場合でも評価ポイントが変わってきますので(というか、一次はプラス評価メイン、二次以降はプラス評価とマイナス評価の総合評価という感じですね)、まずは二次を突破するためにプラス部分を磨き、マイナスを潰すようプロットの練り込みをしてください。、

エンターさんの質問2014/07/06

 ヒロインが過去他の男と付き合っていたり、サブカプがあったりした場合、審査に影響しますか?

ジジさんの回答2014/07/06

 ヒロインがその元カレと肉体関係があったり、サブカプが一定以上に大きな存在になっていて、しかも物語の軸にからんでくる、もしくはからんでこないのに登場比率が高いなどの問題さえなければ、特に影響はないかと思います。

▼さんの質問2014/07/06

 公募で落選作した作品を、他の公募へ送る際に、手直し程度では無駄になる、というような記述をときどきみかけるのですが、これは文章のレベルをあげたとしても、あまり意味がないということなのでしょうか?
 もちろん、作品を読んでもらうにあたり誤字脱字を最小限にするのが礼儀であると思いますが、文章をより読みやすくなるよう努力をしても公募で結果をだすことには効果はないのでしょうか?

ジジさんの回答2014/07/06

 一次で落ちた作品なのであれば、全面的に見直しをし、完全リフォームするべきです。
 なぜなら一次で落ちる作品は「一次で落ちるだけの理由」があるからです。その理由は大抵の場合、設定(物語の根幹に関わるネタ)とキャラに魅力がないことにあります。

 私は複数の新人賞に関わっており、年に何度も同じ作品を読むことがありますが、私の経験では一次落ち作品を二次に上げられたことは1度としてありません。何度も使い回される作品は特にそうですが、リフォームされていたとしても肝心の「一次で落ちた原因」がまったく解決されていないからです。
 ですので、

> もちろん、作品を読んでもらうにあたり誤字脱字を最小限にするのが礼儀であると思いますが、文章をより読みやすくなるよう努力をしても公募で結果をだすことには効果はないのでしょうか?

 ありません。
 問題はそこではないからです。

ころんさんの質問2014/07/06

 先ほどは返信ありがとうございます!

>> 3位:キャラが女性ばかりで主人公も女性
> 物語において重要キャラが女性のみでなければならない必然性があるなら、この項目は気にしなくても大丈夫かと思います。

 応募作はアイドルものです! 必然性というより男性を書く隙が見つけられませんでした(汗)
 文章は読者層に外れていない、と思いたいです・・・

> 今年はこれまでに500本ほど読んでいますが、今のところ0本です。

 さて、また質問をよろしいでしょうか! ありがとうございます!(強行)
 500本から何本か上げられていると思いますが、その中で、

「どちらかというと面白さを吟味して消去法で選んだ」
 または
「上げたくて上げた」

 いろいろな感想があると思います。そこで質問です!
 上げたもので、二つのどちらの方が印象として多いでしょうか。
 答えられる範囲でかまいませんので、よろしくお願いします(ぺこり

ジジさんの回答2014/07/06

 おはようございます。

> > 3位:キャラが女性ばかりで主人公も女性
> 応募作はアイドルものです! 必然性というより男性を書く隙が見つけられませんでした(汗)

 男子向けのラノベでは男性主人公がやはり強いので、たとえば同級生の男子がマネージャー役やスタッフ(バックバンドや裏方)を買って出ざるをえない状況を作る、第一のファンとして置く等の形で視点主として置き、間接的にアイドルたちを描くというのも手ですね。

> 上げたもので、二つのどちらの方が印象として多いでしょうか。

 一次から二次へ上げる本数は大抵の場合担当数の一割であり、審査は他作品との相対評価で行われますので、この段階では「消去法で選んだ」が主になります。作品の武器だけでなく、完成度が問われる二次以降になると「上げたくて上げた」になりますね。
 ですので、数だけで言うなら「消去法」で選ぶことが多い、というお返事になります。

風月さんの質問2014/07/06

 前回にも同じような質問をさせてもらったのですが、いまだに納得できないのでもう一度お願いします。

 新人賞において三次選考に進んだ作品というのは、それなりの評価があったからだと思います。
 内容しかり、構成やキャラや文章力など、一次では落とされないレベルだったからこそ、二次三次へと進んだと思うのですが、評価シートにそって改稿した作品を翌年同じ新人賞に送ると、今度は一次すら通らない。

 鮮度落ちということもあるかもしれませんが、一次選考通過のための評価項目が同じなら、これっておかしくないですか?
 よろしくお願いします。

ジジさんの回答2014/07/06

 これも当然のことではあります。
 理由は簡単で、他の応募者の方が他作品とだけ戦っている中、風月さんの改稿作は「去年や一昨年の自分の作品――改稿前作品たちとも戦わなければならない」からです。 

 そして結果的に「(この作品を見るかぎり)伸びしろがない」と判断されていることは確実でしょう。

 何度も同じ作品を応募してくる応募者の方は、審査側に「新しい作品が作れない人」として認識されます。同じ完成度の他作品と並べられれば、作家としての期待値が低いだけに落とされやすくなります。

 これは以前の私がやわらかく伝えようとしすぎたのが悪かったのですが、基本的にひとつの作品にこだわってもいいことはありません。1度改稿作を送って受賞できなかったのであれば、その作品のことはとりあえず忘れて新作を送ってください。なぜならその作品には、改稿してもなお受賞できないだけの弱点があり、それを打ち払えるだけの武器がないということだからです。

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