ライトノベル作法研究所
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  4. 下読みが回答。ラノベ新人賞Q&A公開日:2014/07/09

下読みが回答。ラノベ新人賞Q&Aその12

ティアラミスさんの質問2014/07/12

 こんにちは、ティアラミスですわ。横やり失礼致します。

> タイトルにも書きましたが、新人賞とは結局のところ、有能な作家を発掘したいのでしょうか?

 ここで、気になりましたのが、実際に、新人賞では、作品、作家どっちが手に入る率が高いのかな?ということです。レーベルや賞によっても異なるのでしょうが、ジジさんの文章から推測されるのは、作品が多い気がしますが、どうなんでしょうか?

ジジさんの回答2014/07/12

 これは結果論ということになりますが、すべての新人賞で編集部が確実に得られる財産とは「受賞作」のみなのです。

 なぜならその作品からは作者の内面や個性、才覚は透かし見えず、たとえその作者が去年は一次落ちしていたとしても、1年経って成長したのか、はたまた今回だけまぐれで書けたのかの判別もつかないからです。
 そうなれば、確実な物として残るのはまさにその「受賞作」のみということになるわけです。

 受賞作のシリーズに続く2シリーズめをその作家が書けるかどうか……それどころか2巻を書けるかどうか。書けるとしても年に何冊かけるのか。編集部が締め切りを定めて出版枠を確保できるほどその作家にファンがつくのか。
 新人作家にはそれらの編集部の不安を退けられる「実績」がありませんので、結局は受賞作の出来映えに賭けて、やらせてみるしかないわけです(なろうなどの投稿者が今、出版でもてはやされているのは、実力の安定ラインを見極められるうえに書かせる労なくシリーズ化できるだけの作品ストックがあるから、というのが大きいですし)。
 結果的に作家の側に力がない、もしくは足りないことがわかり、さらに編集者が自分の仕事や実績を優先するタイプなら、その新人作家は2冊めも出せないまま消えていくことになります。

最弱の新人さんの質問2014/07/12

 早速質問させていただきます(少し質問とは違いますが……)。
 もし、答えにくいようでしたらスルーで構いません。

 他の方のレスに、
『ご自身の構築した設定の完成度を確かめるなら、キャッチコピーを他人に見せ、反応を確認してみてください。』
 という言葉があるのを目にしたので、恐れ多くはあるのですが、思い切ってジジさんの反応、というかご意見を伺いたいなと思います。
 ではキャッチコピーを。

「人間の言葉を媒体に、異界の存在がこの世とあの世をつなぐ」

 こんなキャッチコピーなのですがいかがでしょうか?
 ちなみに言霊を用いて戦ったりする予定です。

ジジさんの回答2014/07/12

 作品の内容がわかりませんので、新人さんのキャッチを見ただけの感じで私なりに作るとすれば――
「俺の言葉とアイツの言葉がこの世とあの世を橋渡し」
 ――異界の存在がなくなってしまいましたが、こんな調子です。企画として作るなら、あえて最後に「――今、君を愛死に逝きます」などとつけることもありえます。もちろん内容によって変わってくるわけですが。

 それと、言霊を使って戦うネタとのことですが、去年の電撃文庫の金賞受賞作に、真代屋秀晃氏の『韻が織り成す召喚魔法 -バスタ・リリッカーズ- 』 というラップで魔法バトルをするコメディ作品があります。

 もしまだ未読でしたら、書き始める前に確認しておくべきかと思います。

最弱の新人さんの質問2014/07/12

 お忙しいなかありがとうございます。
 内容も添えておくべしたね。すいません。
 一応ぼんやりとですが思い浮かべている物は、言葉に幽霊のようなものが何らかの形で干渉して、言葉を一つの現象として具現かさせながらなんかと戦うみたいなものです(……全然設定が煮詰まっていない)。

 異世界の存在はまあ大して重要でもなさそうなので、むしろこのほうがわかりやすくて良いですね。ありがとうございます。
 喜んでパクっていきたいと思います。

> それと、言霊を使って戦うネタとのことですが、去年の電撃文庫の金賞受賞作に『韻が織り成す召還魔法』というラップで魔法バトルをするコメディ作品があります。もしまだ未読でしたら、書き始める前に確認しておくべきかと思います。

 こちらは電撃文庫のHPの「試し読み」というものを使って試し読みしてまいりました。
 差別化はしっかりと図るとして、現状そこまで被ることもないかなーと今のところは楽観視しております。

 一つ追加質問させてください。
 とりあえず幽霊を出したいという欲求が日に日に増しているのですが、幽霊を使う上で地雷になりかねないようなことってないですかね?

ジジさんの回答2014/07/12

 幽霊を使う上での注意点は以下の3つです。

1.安直に生き返らせない。
2.基本的には幽霊のルールを破らせない(幽霊のくせに物に触れたり食事をしたりさせない)。
3.よほどの必然性がなければ主人公と恋愛させない。
 応募作には幽霊をモチーフにした作品が多く見られますが、受賞作含めてこのパターンはめずらしくないものになっています。
 ですので差別化をはかるならこの3パターンは踏まないほう無難ですね。

はすおさんの質問2014/07/12

 自分も昔、幽霊ものを投稿したことがあります。
 まあ結果は二次落ちだったんですが、評価シートには
「ヒロインが幽霊なので主人公との恋に期待が持てない感がある」
 と書かれていました。
 多分そちらの項目3と同じことを選考の人が考えたんだと思うんですが、 はっきり言って自分には感覚が理解できなくて、少し混乱したのを覚えています。
 その考え方は編集側で共通の見解なんでしょうか。
 詳しい説明のほうをお願いします。

ジジさんの回答2014/07/12

 二次まで進んでいるなら、ネタづくりそのものにまちがいはなかったものと思います。
 が、幽霊ヒロインが生身の主人公と恋を育むためのきっかけと過程が先人の築いたパターンから抜け出せなかった、もしくはきっかけと過程が描ききれなかった、このいずれかであったのではないかと。
 共通見解というよりも、幽霊ものという期待値の低い素材を、下読みや編集者が感心するほどひねりきれなかったということになるでしょう。
 よくあるネタほどその完成度が問われます。

はすおさんの質問2014/07/12

 はすおです。再び質問します。

1.人外云々の話を聞いていて気になったんですが、異能バトル物で主人公が身体の一部を変化して戦うタイプはどうなのでしょう。敬遠されますか?
 イメージとしては、地獄先生ぬーべーの鬼の手や、東京喰種における赫子みたいなものです。
 漫画ではちょくちょく見るんですが、ラノベだとあんまりないようなので気になりました。
 また、アリの場合はヒロインがこれを使うとしたらの判断も聞きたいです。

2.上と重なるんですが、キャラが力を発揮する演出として、
 全身、あるいは一部に刺青のような文様が出る場合、これは好ましくないと判断されたりしますか?
 これもヒロインの場合と合わせて回答お願いします

ジジさんの回答2014/07/12

> 異能バトル物で主人公が身体の一部を変化して戦うタイプはどうなのでしょう。敬遠されますか?

 コミック作品を中心によく見かけるネタですし、ラノベなら川原礫氏の『絶対ナル孤独者』 は一応このタイプかと思われますが、別に敬遠されるようなネタではないでしょうね。

 ヒロインが使うにしても、使うだけなら特に問題は感じません。

> 上と重なるんですが、キャラが力を発揮する演出として、 全身、あるいは一部に刺青のような文様が出る場合、これは好ましくないと判断されたりしますか?

 こちらも90年代からラノベでは普通に使われているネタですので、ヒロインが使っても問題はないかと。
 ただ、これだけで差別化、独自性を押し出せるネタではありませんので、「ネタで勝つ」にはもう3ひねりほど必要かと思います。

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