短編を集めて一本の長編とした作品は公募で有利不利はあるのでしょうか。
審査する方としては、やはり長編としての構成を見たいと思うものなのでしょうか。
ケースバイケースなのかも知れませんが、構成の点で減点される恐れがあるかなと思いましたので質問させていただきました。
よろしくお願いします。
> 短編を集めて一本の長編とした作品は公募で有利不利はあるのでしょうか。
これは連作短編ということでよろしいでしょうか?
単なる短編集ならアウトですが、規定が「完結した長編作」でなければ連作短編で大丈夫です。
> 審査する方としては、やはり長編としての構成を見たいと思うものなのでしょうか。
時雨沢恵一氏の「キノの旅」のような良作もありますし、むしろ連作短編なら連作短編の形式を生かした構成がどれだけできているか見せていただきたいところですね。
なんにしても、規定さえ破っていなければあとの問題の大半は「おもしろさ」です。おもしろければとりあえずなんとでもなりますので、魂の何パーセントかを暗黒邪神に売り渡してでもおもしろくしてください。
こんにちわ、サイラスです。追加で質問、よろしいですか?
①角川の「Twitter ePub ビューワー」について
先日、ネットニュースを読んでいた際、「Twitter ePub ビューワー」なるものを見つけました。(詳細は下記のものですが)
角川×Twitterの“ソーシャル立ち読み”は世界の電子書籍業界を変えられるか
これを読んで、感じたのは、作家側の公開の間口や、マーケティングや投稿、フりーランス活動の垣根が低くなる一方、(元来、出版社がやってくれた)広報や編集など創作以外のことも考えないといけなくなり、作業が煩雑化しそうな気がします。
そこで、ジジさんに伺いたいのは、これについてのジジさんの感想や、今後、ラノベのオンライン化や電子化が普及した場合、必要となる技術や感覚について、お伺いしたいです。
②ラノベの素晴らしいところ
これは、タイトル通りです。このスレを読んで、感じるのは、どこかラノベに対しての難しさというのが、ヒシヒシと伝わる一方、どあのぶさんのように、作ることを楽しんでいる方が少ないように感じます。
そこで、自分を含めたラノベ作家志願者が、ラノベの素晴らしさを思い出したいので、改めて、ジジさんにとって、ラノベの素晴らしいところをご教授できればと思い質問しました。
では。
> ①角川の「Twitter ePub ビューワー」について
まずこのシステムへの感想ですが、この文化がある程度以上に浸透したと仮定して、そこにノベルが入るものか(マンガだけが気軽に読まれる状況になっていくのではないか)? という疑問があるくらいでしょうか。
細かな問題はさておくとして、それを超えてラノベの電子書籍化が進んだとして、なによりも問題になるのは「距離感」でしょうね。
出版社、編集部という壁を挟まないだけに読者との距離が縮まり、それゆえに読者との人間関係が作者の精神環境に関わるようになるでしょうから。
それ以外では「ビジュアル感覚」ということになるでしょうか。
スマホ小説と関わるようになって、紙媒体ではそれほど考えずともよかった「1画面(1ページ)の空間デザイン」とい う要素が、電子ではこれほどに意味を持つのかと驚きました。
マンガはそれ自体がデザイン性を含んだ媒体ですが、小説はそうではありません。普通に小説をわざわざ読んでくれない人に少しでも興味を持ってもらうには、その目を奪うだけのビジュアル性を実現しなければなりません。現在のスマホ小説ですら、文字ぎっしりのものを読んでくれるのはごく少数の読者だけですので。
> ②ラノベの素晴らしいところ
これは別にラノベ限定ではありませんし、私自身なにをどうすればみなさんが執筆を楽しめるのかはわからないのでズレたお返事になってしまうものとは思いますが……
ラノベというメディアのすばらしいことは以下のふたつであると考えています。
自分の妄想や想像を作品として具現化できること。
そしてお金がもらえて、人から憧れてもらえること。
自分が好んで選んだメディアの中で自分という存在を確立できるのは、誰にとっても本望でしょう。
ならば何度か失敗したとしても、あきらめるほうがもったいなくないですか? 以前もどこかで述べましたが、ラノベは脳さえ無事なら死ぬまで書き続けられるわけですし。
付け加えるなら、プロは苦しいこと満載ですが楽しいこともほんの少しありますよー。
>> ジジ様が多くの(幽霊ヒロイン)作品を読んでこられた中で、ホロリとさせる方向性のものが多いということがありますか? という質問でした。
>むしろそれ以外のものは読んだ記憶がありません。
ありがとうございます。それがお聞きしたかったことでした。
また前の返信で、幽霊ヒロイン=悲恋ものになってしまう理由を、詳しく説明して頂きました。仰ることはよく判りますし、別に異論があって食い下がっているわけではありません。
ただ、成立しがたいから諦めるのではなく、成立しがたい理由が具体的に判れば対策が立てやすいのではないかと考えているのです。(もちろん、どうあがいても無理だと判り、最終的に断念するという結論に行き着く可能性もあります。ですがどう考えても無理じゃないかと思えることを、ひょっとしたら何か方法があるのではないかと考えて打開策を探すことは、それだけでも練習(思考実験)になるので)
幽霊ものにかぎりませんが、ネットで小説を読んでいると、ヒロインの死によって感動させようとする作品がきわめて多いんですね。でもそれは感動ではなく感傷。「ヒロインの死は何も考えずに封印しろ」と言いたいくらいです。
感傷で物語をまとめるのは比較的容易なので、ついそれに走ってしまうという、書き手側の問題があるのではないかと考えています。
(幽霊ものと同じ理由で、ヒロインの死も取り組もうと思えば取り組めると考えますが。これは現状認識の話です)
> ただ、成立しがたいから諦めるのではなく、成立しがたい理由が具体的に判れば対策が立てやすいのではないかと考えているのです。
ここがもっとも難しい点であると個人的に考えています。
幽霊ものが叙情にたどりつくまでには、ホラーとコメディをやり尽くし、その後紆余曲折ひねりにひねるという過程をたどる必要があったからです(幽霊=叙情の金型自体は以前から存在していたわけですが、ヤングアダルトやラノベのような若向けのメディアに見出され、読者層に合わせて調整されるまでには苦労が必要でした)。
まとめれば、叙情が苦心と苦悩の末に見出された新しい幽霊ものの型だからこそ、さらに新しい型を見出すのは困難であるというのが私の考えなのです。
それでも新しい方向性を――となると、おそらくは現状の「幽霊という存在をきっかけにして現世の主人公やキャラたちが成長もしくは心情変化していく」図式を変えなければならないでしょうね。
ただ、幽霊をメインに動かしても、1度として死んだことのない読者には単なるとんでも話になってしまうわけです。
幽霊もののもっとも辛いところは、生きている人間にしか物語を前進させられない(物語世界という“現実”に幽霊は干渉できない)、という点かと。
> 感傷で物語をまとめるのは比較的容易なので、ついそれに走ってしまうという、書き手側の問題があるのではないかと考えています。
これはそのとおりかと思います。
笑いよりも泣きのほうが、読者の好むパターンが限定されているだけに書く側としてはやりやすいですので。
はじめまして。
女子向けライトノベルについての質問です。
執筆をするさいに、主人公は女子、ジャンルはファンタジーをこころがけようと思っています。
それ以外だと、定番だといわれている「姫」「嫁」「巫女」「中華」もくみいれたほうがよいでしょうか。
またそれ以外にも気をつけたほうがいい点があるでしょうか。
レーベルはまだ決めておりません。
乙女系(TL)とBLは書けませんので、いわゆる女子向けライトノベルを執筆する予定です。
> それ以外だと、定番だといわれている「姫」「嫁」「巫女」「中華」もくみいれたほうがよいでしょうか。
特に組み入れる必要はありません。
それよりも読者が共感できる主人公設定を心がけてください。女子向けは男子向けよりもこの「共感」が重視されます。ですので、すべてのエピソードにおいて主人公がなにをどう感じ、心動かされていくのかを考えてください。
そのていねいな心情描写が、読者を主人公を好きにさせ、共感させます
作品のオリジナリティ、設定の斬新さはマネすることができません。一作品で使い切りです。
しかし、設定の展開やキャラの構成についてはマネ=学ぶ=抽象化して移植したうえでまったく違う形で具体化する、ことが可能なのではないかと思いました。
ライトノベルでこのような技術的な「学び」の成果が大きい作品がありましたら、何作かタイトルをあげていただけないしょうか? 設定やキャラ自身については既にありふれたものになってしまった昔の作品でもかまいません。
幾度か述べていることではあるのですが、私は榊一郎氏の作品群、その1巻を集めることを推奨しています。
榊氏はネタを独自の視点から捉えてアレンジする能力が非常に高く、安定した筆力を持つ上、執筆速度も速いため、常に新鮮な良作(サンプル)を提供してくれる、まさに師匠と呼ぶにふさわしい才人です。
とりあえずはアニメ化作品をとっかかりにして氏の作品を研究することをおすすめします。