> ・ネット小説は読者にとっての安定感が重要
> ・応募作には「安定」よりも他の応募者にない「オリジナリティ・味」が求められるので、王道を題材にするならその設定やドラマをいかにひねっているかがカギになる
返信にあった文を、私なりに解釈してみました。
・応募作では例えば『狼と香辛料』のように(経済学をネタに入れている)設定にひねりのあるもの、あるいは伏線回収などで読み手をアッと言わせるものが歓迎される。
・ネット小説では安定感が必要。
なので例えば、女性や少女向けに例えると。
「ドSなイケメンオラオラ系男子が壁ドンしてきて、胸キュン☆」や(例えには突っ込まないで下さい・・・泣)、「会社ではそっけない、出来る上司と同居することに・・・!?ア、アタシの貞操、大丈夫!?」(例えにはツッコ・以下略)などのほうが読者は安心するということになるのでしょうか。
余りにも定番な設定であると、何かのコピーのようで萎えることが多いのですが、むしろ私の感性がマイノリティーなのでしょうか……。
また、何となくお察しのことと思いますが、私はかなり王道に逆らって書いています。
もちろん決して大人気の書き手ではありませんが、まれに驚くほどブックマーク登録や評価を頂くことがあります。
・そこでもう一つ。
王道で無いものが受け入れられる条件、というものは存在するのでしょうか?
自分で自分の文章を客観視するのは難しく、受けたときとそうでないときの条件がわからず、困っております。
> ・応募作では例えば『狼と香辛料』のように(経済学をネタに入れている)設定にひねりのあるもの、あるいは伏線回収などで読み手をアッと言わせるものが歓迎される。
> ・ネット小説では安定感が必要。
> なので例えば、女性や少女向けに例えると。
> 「ドSなイケメンオラオラ系男子が壁ドンしてきて、胸キュン☆」や(例えには突っ込まないで下さい・・・泣)、「会社ではそっけない、出来る上司と同居することに・・・!?ア、アタシの貞操、大丈夫!?」(例えにはツッコ・以下略)などのほうが読者は安心するということになるのでしょうか。
はい。そのように私は考えています。
ユーザーは「損をしたくないもの」です。
お金がかからないとしても、時間や手間を惜しむものだということですね。これは自分がユーザーにまわると思い知ることでもあります。
> 余りにも定番な設定であると、何かのコピーのようで萎えることが多いのですが、むしろ私の感性がマイノリティーなのでしょうか……。
仕事にしたいと思う人には大事な感覚かと思います。
ただ、ここに縛られるとなにも思いつかなくなってしまう危険性もありますね。
ですので、たとえば3つの要素でひとつの物語を構成することにします。その内の2つはあえて既存のものにします。最後のひとつは、誰もまだ目をつけていないオリジナル設定にします。
読者に届く斬新さというものは、スイカにかける塩のようなものです。読者に安心して斬新だと言ってもらうには、斬新なだけではだめなのです。これは、
> 王道で無いものが受け入れられる条件、というものは存在するのでしょうか?
というご質問へのお返事にもなるかと。
ですので、
> 自分で自分の文章を客観視するのは難しく、受けたときとそうでないときの条件がわからず、困っております。
とは、おそらく「読者が共感や安心できる要素が練り込めていたかどうか」がカギになるのではないかと思われます。
応募とは直接関係しない質問なのですがよろしいですか。
私はグロい作品が好きです。
今まではそれをかなり抑えて書いてきました。
今、これはいける!というネタを思いついて、それで小説を製作しようとしているのですが、頭にある読者層はあまりグロさなどが得意そうじゃないです。
だからグロい要素を抜いてプロットなどを作ったのですが、やる気が全く出ません。
こういう時はどうすればいいでしょうか。
おつかれさまです。
モチベーション関連の問題は難しいですね。
仕事になるとお金というモチベーションでもってなんとかできるのですが、対価もしくはあがなわれる瞬間のない作業はなかなか手が進まないものです。
これは私が仕事の際に使う手段からの意見ですが、
1.力の限りグロを入れたプロットを作る
2.グロと同じ強さを持った受ける要素(萌え等)を混入する
3.グロ表現をぼかして受ける要素が目立つようにする
という方式でなんとかするときがあります。
全力でごまかすという感じですね。
自分というものが通せないとき、あきらめるよりも抜け道を探すほうがうまくいくものです。
方式は問いません。ぜひごまかす方法を考えてみてください。
どうも、サイラスです。お久しぶりです。前回のシェアワールドでは、大変お世話になりました。
では、早速……
①デビュー作が終了した作家のその後は?
よく作家デビューのことについては、話題になるのですが、そのデビュー作が連載が終了になった後は、行動が分かりづらいことがあり、個人的には、デビューした出版社から、出されたアイディアや企画を元に新作を書く、自分の企画を持ち込むかイメージが浮かびません。
そこで、質問なのですが、ラノベ作家が自分の作品の連載(特にデビュー作)が終了した後は、どのような活動をしているのか、ジジさんが知っているレベルでいいので、お話しください。
②プロの作家が考える「人気作」の定義は?
前回、プロの作家さんの読書について、質問された際に、「人気作」という言葉が出てきましたが、ジジさんをはじめ、プロの作家から見て人気作とは、どのようなものでしょうか?連載年数や発行部数など、基準はさまざまあるでしょうが、ジジさんの場合、どの数字等を見ていますか?
> ①デビュー作が終了した作家のその後は?
基本的には、企画を持ち込む日々の始まりです。
大賞受賞者ですと、次回作の出版予定枠を確保した上でネタ出しを迫られることもありますが、普通は出版予定枠を編集会議で担当編集者にかけあってもらうため、「この物語ならいける」と担当編集者に思わせられる企画書をでっちあげる必要があるのです(長いですね)。
ここがクリアできずに廃業してしまう作家もいますし、クリアできても出版予定が1年以上先ということもあったりして、実に難しい時期ですね。
> ②プロの作家が考える「人気作」の定義は?
> 前回、プロの作家さんの読書について、質問された際に、「人気作」という言葉が、出てきましたが、ジジさんをはじめ、プロの作家から見て、人気作とは、どのようなものでしょうか?
これはあくまで私の感覚なのですが、既存作ならアニメ化作品や発行部数が多いもの。新作なら業界やネットでの前評判が高いものですね。後者は伊藤ヒロ氏の『女騎士さん、ジャスコ行こうよ』 (2014/9/24刊行)などがそれにあたります。
こんばんは、サイラスです。迅速なお返事有難うございます。
> > ①デビュー作が終了した作家のその後は?
> 基本的には、企画を持ち込む日々の始まりです。
> 大賞受賞者ですと、次回作の出版予定枠を確保した上でネタ出しを迫られることもあります
成程、大賞受賞者なら、裏の副賞として、次回作の企画援助なんて、ありそうなイメージだったのですが、むしろ、「大賞獲ったんやろ?なら、次回作のネタだせ!!ワリャー!!」という感じなのですね(声かけてもらう分いいのかもしれませんが……)。
>出版予定枠を編集会議で担当編集者にかけあってもらうため、「この物語ならいける」と担当編集者に思わせられる企画書をでっちあげる必要があるのです(長いですね)。
> ここがクリアできずに廃業してしまう作家もいますし、クリアできても出版予定が1年以上先ということもあったりして、実に難しい時期ですね。
本当の戦いの始まりですね。まさに……
えーと、ここで、追加質問なのですが、編集会議にです企画書なのですが、一体、どのようなことを書くのですか?
おそらく、仮タイトル、作品テーマ、あらすじやキャラの大まかな設定を、その出版社指定のフォーマットで埋めるというのが、頭に浮かんだのですが……
それと、この企画書について、新人賞より楽な点(あるのか?)、難しい点というも説明していただけると、ラノベ作家の活動というのが、もう少し分かりやすい気がします。
>②プロの作家が考える「人気作」の定義は?
> これはあくまで私の感覚なのですが、既存作ならアニメ化作品や発行部数が多いもの。新作なら業界やネットでの前評判が高いものですね。後者は伊藤ヒロ氏の『女騎士さん、ジャスコ行こうよ』などがそれにあたります。
この辺は、一般読者と同じなのですね。
> えーと、ここで、追加質問なのですが、編集会議にです企画書なのですが、一体、どのようなことを書くのですか?
最低限、タイトル、テーマ、設定、キャラ、プロットは入るかと。
ようするにプレゼン資料ですので。
> それと、この企画書について、新人賞より楽な点(あるのか?)、難しい点というも説明していただけると、ラノベ作家の活動というのが、もう少し分かりやすい気がします。
とりあえず作品自体は(まだ)書かなくてもよいのが楽な点でしょうね。
難しい点は多数あるわけですが、あまりアマチュアの内から耳年増になってしまうと夢と希望がなくなってしまうので知らないほうがよいです。――ひとつだけ挙げるなら、作家に才能がなかった場合、それを突きつけられるのがこの企画書生活の時期です。
> この辺は、一般読者と同じなのですね。
消費者の目線でマーケティングしようと思えば、結局は耳をすまして足で稼ぐところに行き着きます。
もちろん、自分の感性を信じ切れるだけの自信がないこともありますが。
お聞き出来る場を設けていただき、感謝いたします。
では、二つの質問です。
1、現在、被災地(東日本大震災)を舞台にしたラノベを執筆中です(当方、一応被災者です)。
主人公が震災に遭い、それがきっかけで秘められていた異種族の末裔と気付く、この地に留まるか、仲間と共に異世界へ移り住むか、というのが大筋です(ジャンルはファンタジーになるでしょうか)。
そこで本題ですが、現在のラノベ新人賞では、このような内容の、震災を扱った作品は選考において、どう判断されるでしょうか?
2、異世界転生系をほぼ完成させています。
ここで肉付けを強化したいと思い質問です。
強大になり過ぎ、結果、世界に追い詰められたヒロインを主人公が殺す、というのが大筋です。
以前ジジさまがおっしゃってた「カタルシスを与える悲劇」を目指したものですが、そのカタルシスを大きくする肉付けとは、悲劇と対比する作中シークエンスの強化(主人公とヒロインを深める絆、共に戦うシーンなど)でしょうか?
他に指摘する部分があればお願いします。
おつかれさまです。
「設定もキャラもとことん使い倒す」ことを心がけ、物語を深めていきましょう。
> そこで本題ですが、現在のラノベ新人賞では、このような内容の、震災を扱った作品は選考において
> どう判断されるでしょうか?
少なくとも下読み段階では問題ないですね。
編集部選考まで上がると、編集部によっては問題になるかもしれません。ですが、受賞に響くというようなことはないかと思います。その作品が賞を獲るべき作品なのであれば、受賞後に修正指示をすればよいだけですので。
不安なら細かな震災設定を書かず、「日本を襲ったあの大震災」くらいの表現にしておく手もあります。
> 以前ジジさまがおっしゃってた「カタルシスを与える悲劇」を目指したものですが、そのカタルシスを大きくする肉付けとは、悲劇と対比する作中シークエンスの強化(主人公とヒロインを深める絆、共に戦うシーンなど)でしょうか?
いちばん簡単なのは恋愛関係にすることですが、できればもうひとひねり欲しいですね。
必要なのは、「大事なものが失われることで得られるカタルシス」です。
それを成立させるためには、じゅんようさんご自身がおっしゃられているとおり、「同じ時間を積み重ねることで絆を深める」のが第一になります。
そして、そこからさらに絆を深めるためには「制約」を課すのがよいかと思われます。たとえば主人公が死ぬとヒロインも死ぬ、などですね。ふたりが殺し合えばかならずふたりとも死ぬ。でも殺し合わなければならない宿命が! という絶望感がクライマックスを黒く昂ぶらせます。