ライトノベル作法研究所
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  4. ラノベ新人賞下読みによるQ&A公開日:2015/01/20

2015年1月ラノベ新人賞下読みによるQ&A4

ゆみみんさんの質問2015/01/20

 ありがとうございます。
 型月やひぐらしは、スプラッタと精神性とダブルという解釈でいいですか?
 グロが好きという層は男性と女性だとどちらが多いですか?

ジジさんの回答2015/01/20

> 型月やひぐらしは、スプラッタと精神性とダブルという解釈でいいですか?

 どちらもほぼ精神性の物語だと認識しています。

> グロが好きという層は男性と女性だとどちらが多いですか?

 グロは男女問わず、「好きな人が実に少ない」ジャンルです。ですので、どちらを選択するにせよ同程度に厳しい戦いになるものとお考えください。
 だからこそ、ほかの要素をメインに据えてごまかすべきだというのが私の意見になります。

猫さんの質問2015/01/20

 はじめまして、猫です。

 私は今、電撃文庫投稿用の作品を書いています。
 質問は二つです。

 1、簡単に説明すると普通の世界に魔導師数名がやって来ていて、数名の男達が愛情や思惑の為にこの世界(正しくはこの街)を魔導で理想の世界に作り変えるお話です。
 変わる前――①、変わっている間――②、破られた後――③の3部構成です。ここで、なのですがこの①と②は其々二つに分け、交互に組み立てられています。
 つまり、『第一章→第三章→第二章→第四章→③』となっています。
 一つ目の質問はこれなんです。月と日は書いているのですが、ややこしいでしょうか? 試行錯誤した結果、この方式が良いと判断したのですが……。

2、①の主人公は少女です。しかし、処女じゃありません。家庭の事情で身体を売らざるを得なくなり、彼女は自分のことを『汚い』と言います(地の文で)。身を粉にして働いてきた彼女は①の最後で必死で守ってきた家庭が崩壊するのと一緒に精神崩壊を起こします。
 そして最後、少女はある男(②の主人公)に、私は綺麗じゃないのにいいのか、と問います。男は、そんなことはどうだっていい(もしくはそう言った内容)を答えます。
 二つ目の質問は少女は処女であるべきなのか、ということです。私としては、読者に嫌われた方が少女の生き様としては成功なんですが……それはさておき、投稿作品としては冒険し過ぎでしょうか?

 以上です。よろしくお願いします。

ジジさんの回答2015/01/20

> 一つ目の質問はこれなんです。月と日は書いているのですが、ややこしいでしょうか? 試行錯誤した結果、この方式が良いと判断したのですが…

 時系列に沿って書くほうがわかりやすいですが、それを崩すだけの理由があり、さらにその構造が読む側に正しく明示されているならよいかと思います。
 少なくとも、そこに引っかかっただけで即投げるような下読み、編集者はいません。

> 二つ目の質問は少女は処女であるべきなのか、ということです。私としては、読者に嫌われた方が少女の生き様としては成功なんですが……それはさておき、投稿作品としては冒険し過ぎでしょうか?

 冒険しすぎというか、できれば冒険に出るべきではない部分ですね。
 ライトノベルという中高生男子をメインターゲットにしたメディアにおいて、処女性は実に重要です。そもそも恋愛対象の異性に求める条件は、男女問わず実に酷いものでもあります(婚活話でよくあるアレですね)。ついでに、男の「いい奴」と女の「かわいい子」のあてにならなささも考えていただけるとわかりやすいでしょうか。
 同性視点からの「魅力」は、異性にとって魅力になりえないことが多いものです。

 また、ヒロインは物語の「異性」を象徴する存在です。よほどの理由がなければ読者が好きになれる人物にするべきですし、嫌わせるのであれば、「誰が見ても嫌わずにいられない大きな理由」を用意するべきかと思います。
 拝見する限り、ヒロインが精神崩壊を起こす理由が非常にオーソドックスで、設定的におもしろみが感じられないこともあります。

本さんの質問2015/01/20

 初めまして、ジジ様。
 創作を趣味としている本です。
 質問です。

 ①世界観のことです。「濃厚な世界観」という言葉をよく聞きます。恥ずかしい話、どんな世界観が濃厚なのかわかりません。どういったもの、どんな感じなものが「濃厚な世界観」というのですか?
 それと、そんな世界観を作るコツはなんですか?

 ②内容についてです。趣味で書いていて、投稿も――数える程度ですが――していました。
 マフィアもの、能力者が戦うものを書いているのですが、なかなか腑に落ちる内容にできず、「ご都合主義」のような……薄い内容になってしまいます。
 薄い内容を少しでも濃くしたいです。どうすればいいですか?

 以上です。お願いします。

ジジさんの回答2015/01/20

>  ①世界観のことです。「濃厚な世界観」という言葉をよく聞きます。恥ずかしい話、どんな世界観が濃厚なのかわかりません。どういったもの、どんな感じなものが「濃厚な世界観」というのですか?

 私や私のまわりの関係者が言う場合は、非常によく作り込まれていて、且つ物語の進行や展開にまで深く関わってくる作品世界――を構築するすべての設定、要素を指します。
 ただ、これは人によって感じ方が違うあいまいな「観」ですので、あまり捕らわれずに「よく作り込まれた世界設定」だと考えればよいかと。

 ですので、

>  それと、そんな世界観を作るコツはなんですか?

 世界設定を細かく作ってみてください。
 物語世界は「地球のような惑星? それとも平面世界?」、「そこには大陸がひとつあるだけ? それとも細かい島が無数にある?」などの大きな舞台要素から始めて、「歯を磨くブラシは木の枝? それとも特殊な素材?」などの細かい部分を詰めていくわけです。
 当然、使えない設定が山のように出てきますが、それはデビューできたら続刊で役に立てるつもりで保存しておきましょう。

>  薄い内容を少しでも濃くしたいです。どうすればいいですか?

 題材にしたものがうまく書けないのは、多くの場合、題材にしたいものを「知らない」からです。
 だとすれば、書きたい題材の資料をとにかく数多く調べるべきですね。
 マフィアなら映画『ゴッドファーザー』をとっかかりにして作品を探していく。異能力者なら既存の異能力バトル作品の1巻を手広く読む。

 その職業や立場に就いていたり、趣味としてそれを追っている人でない限り、

 多くの情報を得るためには手間やお金をかけた「物量作戦」しかありません。これはプロでも同じことです。

 ですので、手の届く範疇で調べた、好きな作品を何作か読んでいる、というのが現状ならば、すぐに図書館や本屋に走ってください。
 ここで大事なのは、その際に「ネットへ手を伸ばさない」ことです。
 ネットとは「なにを調べたらよいか」というインデックスが自分の中にできて初めて活用できるアイテムですので(ネット情報はピンポイントなものが多く、総合的な知識を得にくい一面があります)。

ひのたくまさんの質問2015/01/20

 連日の質問失礼します。

 王道、悪く言えばテンプレデザインのヒロインっていますよね。
 気高い金髪碧眼の女騎士、清楚大和撫子、ツンデレツインテ、ポニテの元気っ子、クールな僕っ子、無感情な眼鏡っ子……などなど。やはり王道だけあって、どれも魅力的に感じます。
 質問の要点を言うと、それらから新鮮なキャラクターを生み出すコツってあるんでしょうか。
 なんとなくですが様々な条件が揃えば、王道でありながら新鮮(かつ魅力的)なキャラを生み出す事は可能なのだろうと感じてはいますが……。

 個人的にはISのセシリアに感動しました。使い古された金髪高慢御嬢であれだけの萌えキャラを生み出すとは……いや、ギャグキャラ的ポジションに使われがちな金髪高慢御嬢をヒロインポジションで使ったのが逆に新しかったのかもしれませんが。

 よろしくお願いします。

ジジさんの回答2015/01/20

>  質問の要点を言うと、それらから新鮮なキャラクターを生み出すコツってあるんでしょうか。

 難問ですね。これがわかっていれば回避できただろう事態が多数思い出されてきて泣きそうですが、さておき。

 私個人の成功体験と思しきものから考えるに、基本的には物語と同じく「既存の要素2に対して今までなかった要素1を加える」でしょうか。
 それこそ「ショートカット」・「元気」という既存の要素に「ボク」を加えたボクっ娘はわかりやすい例かと思います。

ポップさんの質問2015/01/20

 おつかれさまです。

 前スレではありがとうございました。
 同じような展開だと読者を飽きさせない工夫が必要ですね。
 同時応募の件も、問題はないが明記しておくと面倒が減る、という風に記憶しておきます。

 と、また別の質問なのですがよろしいでしょうか。
 書店に並んでいる小説で、大学のレポートのように参考文献が列記されているものがあります。
 賞に応募する際に、何か参考にした書籍があった場合は、明記しておいた方がよいのでしょうか?
 また、参考といっても度合があります。
 パラっと読んだことがあってなんとなく頭に残っていた情報を「たしかこんなものだった」と作中の人物に喋らせる場合や、兵器の構造について事細かに調べたものを自分の小説の中で言い換えて説明したり。
 もし明記する必要があるのだとすれば、どのあたりからが参考文献になり得る線引きなのでしょうか?

 まったく異なる質問も失礼します。
 自分はいま、魔法を扱っている作品を探しています。
 異世界ではなく、現実世界に即した世界観で魔法も存在する、といったものです。
 いかんせん読書量が少ないもので、パッと思いつくものがありませんし、友人に聞いてもイマイチな反応です。
 人気作でいうと『とある魔術の禁書目録』や『魔法科高校の劣等生』が近いのですが、前者は魔法というよりは呪術に近いものだし、後者は読んだことがありませんがSFに近いと聞きます。
 現実世界を舞台にしているファンタジーで、魔法などの特殊な力を上手く世界観に盛り込んでいるものをご存知でしたら、お教えいただけたら幸いです。

ジジさんの回答2015/01/20

> 同時応募の件も、問題はないが明記しておくと面倒が減る、という風に記憶しておきます。

 二次以降の審査を受けている応募作がある場合は、別作品であることを賞歴の欄に書いておく。そのくらいに考えておいてください。

> 賞に応募する際に、何か参考にした書籍があった場合は、明記しておいた方がよいのでしょうか?

 基本的に「引用」していなければ書く必要はありません。
 ただし、この引用には文章だけでなく、著者の思考や思想も含まれることには注意してください。
 そして引用は、少なくとも応募作においては「オリジナリティ」でマイナス評価を受ける危険性が高いですので、避けるほうが賢明です。

> 兵器の構造について事細かに調べたものを自分の小説の中で言い換えて説明したり。

 これは「情報」ですので、大丈夫です。

> パラっと読んだことがあってなんとなく頭に残っていた情報を「たしかこんなものだった」と作中の人物に喋らせる場合や、

 これは危険ですね。
 参考文献の内容はよく噛み砕いて、自分の言葉にして使ってください。これは大学のレポートなどと同じです。

> 現実世界を舞台にしているファンタジーで、魔法などの特殊な力を上手く世界観に盛り込んでいるものをご存知でしたら、お教えいただけたら幸いです。

 私もあまり思いつくタイトルがありません。
 一応、真代屋秀晃氏の『韻が織りなす召還魔法』(2014/2/8刊行)の1巻は参考になるかもしれません。

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