ライトノベル作法研究所
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2015年1月ラノベ新人賞下読みによるQ&A11

みなみさんの質問2015/01/25

 ジジさんはじめまして、みなみと申します。
 基本的にromっていたのですが、聞いてみたいこともあり、思い切って書き込みさせていただきます。
 これから見かけることがありましたら、皆さんもよろしくお願いします。

 それで早速質問なのですが、展開の密度についてです。
 今書いているもの、というか現在の執筆スタイルが、毎シーンで「キャラの内面が新たにわかるやりとり」「状況が動く事件」「根幹に関わる設定の提示」など……
 個人的に面白いと思うものを1つずつこなすようにしています。
 それがきっと面白い作品作りにつながる、と信じてそれらを構成しているのですが、一つ、引っかかっていることがあります。

 なんだか、物語に落ち着きがないような感じがする。
 慌ただしく出来事が進んで、読者が物語に馴染む前に飛ばして行ってしまっているような。
 あまりにその感覚が強い時は、キャラ同士が仲良くなるための雑談らしいものや状況説明などを入れるようにしています。
 ここでいう1シーンも、文庫換算で平均6ページ程度で若干短いような気がして、その辺りも自身のスタイルに疑問を持っています。

 そういう、展開の密度に関わる構成上のミス。
 下読みをされていて、何か思うことはあるでしょうか。
 展開が慌ただしいという状況があるのであれば、その対策は。
 ご所見何かあればお聞かせ下さい。

ジジさんの回答2015/01/25

 おつかれさまです。
 構成ミスについては、淡々とマイナスチェックを入れる感じですが、ともあれ。

> 今書いているもの、というか現在の執筆スタイルが、
> 毎シーンで「キャラの内面が新たにわかるやりとり」「状況が動く事件」「根幹に関わる設定の提示」など……
> 個人的に面白いと思うものを1つずつこなすようにしています。

 ということですので、このやり方を利用しましょう。
 各シーンに込めたその「おもしろいもの」を書き出してみてください。そして、山と谷に分けてみてください。
 山は物語を構成するのに不可欠なエピソード。
 谷はキャラや世界の魅力を伝えたり、山エピソードを効果的に見せるためのエピソード。

 仕分けができたら、まず山エピソードを並べてください。次に、その間に谷エピソードを置いてみます。
 こうしてみて、山エピソードと山エピソードの距離を見てみます。
 間に谷エピソードが少ないと、山は険しく高くなりますね。逆の場合は妙になだらかで間延びしているはずです。
 この山の高さと谷の深さを調べ、どのくらいの比率がよいかを考えてみてください。

みなみさんの質問2015/01/25

 お返事ありがとうございます。

>山の高さと谷の深さを調べ、どのくらいの比率がよいかを考えてみてください。

 なるほど……わかりやすい要素にして緩急を客観的に見やすくする、という感じですかね。
 試してみたいと思います。

 雑談のようになってしまいますが、この山と谷がどちらなのだろうか、という判断はけっこう難しいですね。
 僕としては、山と谷は「今すぐ何かしないとまずい状況」と「少し考える余裕のある状況」くらいに考えていました。
 何を山として谷とするか、定義があるわけではないと思うので、ある種読み手の主観でしかない。
 その辺りのセンスを磨いて、アドバイスを活用させていただけたらと思います。

ジジさんの回答2015/01/25

> 雑談のようになってしまいますが、この山と谷がどちらなのだろうか、という判断はけっこう難しいですね。

 迷ったときは、「あらすじで書かなければならないもの」を山エピソード、「あらすじに書かなくても成立するもの」を谷エピソードとして考えるとよいですね。
 また、山と谷の比率ですが、前半は少し傾斜ゆるめ、後半から傾斜を少しきつめに取り、さらにクライマックスである最高峰まで、どのようなラインを引くのか考えるのもよいかと思います。

藤宮一歩さんの質問2015/01/25

 はじめまして。今回ジジさんに相談したい事があります。

Q1.私は中卒で、実際の国語の力は小学低学年なんですが、そんな人でプロ作家になった方をジジさんはご存知でしょうか?(居るかいないかの二者択一で構いません)

Q2.最近昔初めに書いた作品の方が、今書いている作品よりも良いと思ってしまっています。ですが、おそらくあんまり文章とかは変わってないです。そのような気持ちになってしまう事は、作家にはある事にはあるのでしょうか?

 以上の二つの質問を答えよろしくお願い致します。

ジジさんの回答2015/01/25

> Q1.私は中卒で、実際の国語の力は小学低学年なんですが、そんな人でプロ作家になった方をジジさんはご存知でしょうか?(居るかいないかの二者択一で構いません)

 高校生デビューは数名思い当たりますが、そのくらいですね。
 私が応募者の個人データを一切見ない主義(先入観を持たないためです)ということもありますが。
 とはいえ、最近は編集部サイドが個人情報保護のため、下読みには応募者のペンネームと作品名しか知らせない場合が多いです。

> Q2.最近昔初めに書いた作品の方が、今書いている作品よりも良いと思ってしまっています。ですが、おそらくあんまり文章とかは変わってないです。そのような気持ちになってしまう事は、作家にはある事にはあるのでしょうか?

 これについては作家ではない私にはお返事ができません。
 知り合いの作家はたいがい、「よい作品とは売れた作品だけだ」というスタンスのようですが。

鈴本杏子さんの質問2015/01/25

 はじめまして。鈴本杏子と申します。
 普段からジジ様のスレを拝見しておりました。

 さっそくですが、ラノベの公募作品についての質問です。
 ラノベに魅力的なヒロインが必須なのは重々承知しています。
 ですが、主人公以外の魅力的な男性キャラというのは、登場させなくてもよいものなのでしょうか?

 市販のラノベを読んでいると、男性キャラ(主人公の友人など)よりも女性キャラ(メイン・サブヒロイン)の描写に力が入っているように思えてなりません。また、主人公以外のメインキャラが全員女性という作品も珍しくないような気がします。
 こうした状況の中で、ヒロインたちの描写を削って男性キャラを登場させる意義はないのかどうか、気になりました。

 私が執筆中の作品は、主人公とヒロインの友情に重点を置いています。しかし、現在想定している登場人物は、主人公を除いた全員が女性です。
 ハーレムもの以外のジャンルであるにも関わらず、メインキャラが全員女性というのもどうかと思い、質問させていただきました。

ジジさんの回答2015/01/25

> 主人公以外の魅力的な男性キャラというのは、登場させなくてもよいものなのでしょうか?

 これは物語の必然性もしくはサービスの有り様によって変わりますね。

> 市販のラノベを読んでいると、男性キャラ(主人公の友人など)よりも女性キャラ(メイン・サブヒロイン)の描写に力が入っているように思えてなりません。また、主人公以外のメインキャラが全員女性という作品も珍しくないような気がします。
> こうした状況の中で、ヒロインたちの描写を削って男性キャラを登場させる意義はないのかどうか、気になりました。

 このあたりは、応募作においてはほぼ2パターンですね。

1.女子を出すことを優先して、主人公の恋愛以外の言動を受け止め投げ返す同性キャラは出さない(このパターンでうまく仕上がっている作品は、主人公が独りで悶えたり苦しんだりしながら答を探していく展開が多いですね)。

2.女子をたくさん出す関係上、本来同性キャラが担当する役割を恋愛に絡まない(もしくは主人公が攻略対象だと意識しない)女子キャラに割り振っている。

> 私が執筆中の作品は、主人公とヒロインの友情に重点を置いています。しかし、現在想定している登場人物は、主人公を除いた全員が女性です。

 この内容ですと、パターン2に当てはまるでしょうか。
 それならば特に問題はないかと思います。

 ただ、もしメインヒロインに当たるキャラの担当が友情なら、ここは恋愛に差し替えてあげてほしいですね。
 メインヒロインは、読者の視点を預かる主人公にもっとも近い存在す。ここで恋愛(もしくは恋愛的な心情の交流)がないと、読者は裏切られた気持ちになってしまいますので。

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