バトルものにおける人称についての返信
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バトルものにおける人称について(元記事)
戦闘シーンのあるラノベを書こうと思うのですが、一人称と三人称どちらの方がよいか迷っています。意見をお聞かせください。
・一人称視点の場合
Aの事を主人公は『Aさん』と呼んでいる場合、戦闘シーンでもいちいち「Aさんは~」としなければならなくなり、長たらしくスピード感が無くなるように感じます。
・三人称視点の場合
主語を入れない表現を増やすにしても、主人公という主語の対象が増えるので「Aは~。Bは~。Aは~」というようにくどい文章になってしまう気がします
バトルものにおける人称についての返信
投稿者 サタン 投稿日時: : 2
悩みはどちらの場合も主語の扱いの話ではないかなと思います。
主語はきちんと書かないとわけがわからない場合がありますが、省略できる場合は省略しなければ一人称だろうと三人称だろうとクドいです。
一人称は「主人公の認識・視界内」だけを書けば良いので、むしろ三人称より臨場感・スピード感は出しやすいと思います。
展開のスピード感じゃなく文章のスピード感という意味なら、そもそも読者は一言一句じっくり読んでるわけじゃないので、「A」だろうと「Aさん」だろうと大差ありません。
そういう名称の記号ってだけなので、孫悟空を斉天大聖と呼んでも悟空と呼んでもハヌマンと呼んでも、「読むスピード感」に違いはありません。
でもまあ、確かに「黒衣の男」とか名前が不明なキャラの場合はあんまり出すと一人称だと書きにくいのは確かだと思う。
ギャグ系で「男だか女だかわからないヤツが~」みたいにノリで書いたときは流石にどうしようか迷って、結局「オカマっぽい奴が」と書き直して「オカマ」に統一した。
視点の問題は、結局は「どういう視点で書きたいのか」が全てじゃないかなと思います。
戦闘ものなら、「敵が主人公の死角から攻めてくる」なんて表現は三人称でなければ書けませんし、「彼は笑顔を向けたまま、その背でナイフを握りしめる。主人公は裏切りに気がついていないだろう」とか、第三者の視点で書くことは当然のこと三人称にしか出来ません。
一方で「思わぬところから攻撃が来る」とか「得も言えぬ殺気に俺は身を捩った」とか、「彼の笑顔はどこか不自然に見えた。背に何を隠しているのだろうか」とか、同じ展開でも主人公視点で書けばいいだけなので、一人称で出来ないのはあくまで「第三者の視点になる」って事だけです。
戦闘シーンを多角的に書きたいのであれば戦場を俯瞰で語れる三人称が良いですし、主観的に臨場感を出していきたいのであれば一人称が良いです。
戦闘シーンのみ主人公にスポットを当てれば一時的に一人称と同じように出来ますし、三人称は自由が効いて書きやすいです。
ただ、三人称は「視点」の扱いを理解していなければ書けません。
失礼ながら、正直なとこ「Aは~。Bは~。Aは~」と主語の扱いで悩んでるあたり、視点の扱いにも不安があると思います。
一人称は主人公に視点を固定していれば良いので一人称のほうが初心者向けと言えますが、「主人公の死角」を「思わぬところからの攻撃」とした「主人公の視点で書けば良い」というのは、偉そうなこと言っちゃいますが、割と上級者向けだったりもします。
例えば「主人公が知らないヒロインの恋心」なんてのは主人公の一人称視点でどのように書けば良いか?
主人公が知ってることしか書けない一人称で、主人公が知りえない情報を書くというのは非常に難しいです。
結論として、どちらが良いというのは「どう書きたいか」が大事なので、まずはそれを考えてみると良いのではと思います。
カテゴリー : 文章・描写 スレッド: バトルものにおける人称について