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感情的なシーンってどう書けばいいのでしょうか?の返信

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感情的なシーンってどう書けばいいのでしょうか?(元記事)

主人公やキャラクターたちの葛藤のシーンを上手く書ける方法はありますか?

私が書くときはいつも急に寒いような葛藤シーンになったり、上手く感情が表現できていなかったりします。

急に寒い葛藤シーンにならないためにはどうすればいいですか?

感情的なシーンってどう書けばいいのでしょうか?の返信

投稿者 サタン 投稿日時: : 4

一度はざっと作品に目を通したことがあり、そこからの所感を交えた回答になるので、あまり鵜呑みにしないで欲しい意見ではありますが。
おそらく、原因の一つは描写が上手く書けていない・機能していないためではないかと思います。

以前読ませていただきました日本国召喚の二次創作作品ですが、他作品とのクロスオーバーということもあり、序盤は割と原作に沿った内容を書かれていたのではと思います。
日本国召喚は、あれから漫画版を目にする機会があったので流し読みしてみましたが、冒頭は割とまんまの展開を書かれていたような気がする。
印象でしかありませんが。

私はこの冒頭部分を読んで「文章はよく書けていると思う」と評価しましたが、4話5話と読み進めていくと、次第に文章には説明が多くなってゆき、ダイジェストのようになっていると感じました。
おそらく2話か3話あたりで原作とは大きく離れた内容を書かれているのではないかと、つまり、参考にするものがなくなったため、文章が雑になったのではないかなと、そう思いました。

4話以降の文体がスレ主さんの素の文章力なのだとすると、描写が圧倒的に不足していて、そもそも「葛藤」や「感情」を表現できていない、すなわち描写が出来ていないと思う。
そのため、感情を書こうとするとセリフや独白など表面的な部分だけでいきなり感情を書くことになるから、寒い・臭いシーンになってしまうのではないかと思います。

えぇっと、「お笑い」で例えるとわかりやすいかな。
飲み物についてトークしてるって場面で、いきなり「気持ち悪くなってきたわー」と言っても意味不明でハテナです。そこで「この飲み物はアルコールか」なんていくら状況を説明しても面白くないし、冷めるだけ。
現状はこの状態だと思う。
じゃあ、そこへ前もって「ボク、ドリフターズに憧れてるんですー」なんてフリを入れておくとどうなるか。
「ドリフのファン」「飲み物トーク」「気持ち悪くなってきた」「なんだそれ、あ、加藤茶か! いやいや加藤茶さんは酔拳しない!」とか、ちょっとおもしろくなるわけです。
どんな奇抜で面白い事をしても、「そういう事をしますよ」という前フリがないと、それが何なのかわからないし、面白くないわけですね。
友人知人など身内のネタだと共通の思い出が前フリの役目を果たすので、いきなり突飛なことをしても笑ってくれますが。
基本的には、「それの何が面白いのか」を事前に前フリしなきゃいけないわけです。

「感情」を書くときはこの前フリが大事だと思っています。
「彼はこういう事に怒る」という前フリを入れておくことで、実際そういう場面になったとき、読者は「彼が何故怒っているのか『感情で理解できる』」、となります。
感情で理解できる・納得できるので、たとえ寒いセリフでもそうは感じないし、受け入れることが出来ます。

では、その「彼はこういう事に怒る」という前フリは。というと、すなわち「彼の性格」についての描写を指して言っています。
そしてこの描写は、例えば「彼は髪型のリーゼントをバカにされると怒る」とストレートに地の文で説明してしまっても、まあ場合によってはそれでも良いのですが、地の文で説明してしまうよりも、
「主人公が不良に絡まれる」「事なかれと主人公は下手に出て、不良になめられる」「不良に髪型をバカにされ、主人公は豹変したように怒る」
という、一つのエピソードでもって「彼は髪型をバカにされると怒る」という事例を書いたほうが読者の記憶に残ります。

こうしてエピソードで前フリを書いて、彼の性格について描写することで、その後、
「髪型をバカにしてきた敵をぶちのめしたい。しかし仲間を人質に取られていて、撤退すべきと頭ではわかっているものの、葛藤する」
なんて場面にリアリティ(説得力)が増し、不自然に見えないわけです。
ふつーに考えると、仲間の命と髪型で葛藤するってアホかって話だし、そんなことのためにカッコよくキメ台詞言って敵の意表を突くってのも、酔い過ぎててけっこう寒い。

これは、「ふつーに考えると」つまり「客観的に考えると」という事。
そうではなく「主人公の身になって考えると」で言えば、「他人から見てどんなに下らないと思われようとバカにされたら命をかけてでも突っ張っていく」わけだから、この葛藤には説得力があるわけですね。

つまり「客観的に(普通に)考えると」という一歩引いた目で見てしまうとこういう感情というのは「寒い」し「臭い」わけですよ。
どう書いたって、どんな文豪が書いたって、一歩引いたところで客観的に見つめたらそうなります。
でも、逆を言えば。
どんな下手くそが書いても「そのキャラクターの身になって考えられれば」つまり「感情移入できれば」、読者はすんなりと受け入れます。

そして、その感情移入の第一歩が、「前フリ」の性格描写だと思います。
「彼はこういうことに怒る」といった性格について前フリすることで、後の展開をわかりやすくし、そこに説得力を与えて納得しやすくします。

まあ、言うは易しだけども。
複雑な感情が入り混じっていたり、複数のキャラクターが衝突することは常ですから、「前フリ」と言ってもその複数ある複雑なものの中からどれを前フリすりゃいいの? ってのが案外混乱したりします。
これは、要するに「何について書いてるのか」を明確にしてれば楽なんですが、行きあたりばったりで感性で書いてたりすると「いま書きたいモノのイメージ」を単純な言葉に言語化できないので、書きたい想いはあるんだけど形にできない事で悩むと思います。

つまるとこ、単純に「感情的なシーン」が理解できない・納得できない展開だから寒く見えるんです。
何が面白いのかわからないギャグは寒いでしょ。原理的にはこれと同じ話だと思います。
ということは、「こういう場所が面白いんですよ」という「楽しみ方のルール」を前もって伝えていれば面白いわけです。少なくとも楽しみ方はわかります。
なので、「彼は髪型をバカにされると怒ります、という前フリ」を置くことで、「彼にとって髪型はとても大事なものである。バカにすると怒る」という楽しみ方のルールがわかる。
なら、あとは「バカにするだけ」でシーンが成立しますよね。
これでこの例の場合は「主人公の怒り」という感情が表現できるわけです。
単純に「怒り」だけならこれでいいし、「しかし仲間が人質になっていて」となれば「葛藤」を書けるだろうし、「怒ったものの敗北した」ともなれば「屈辱」あたりを書けるでしょう。
そして、今回は感情的なシーンについてなのでキャラクターの性格についての描写のみの話をしていますが、少なくとも前フリをしっかり書けば感情的なシーンに納得はできるし、納得できる時点でさほど寒い臭いとは感じないと思います。

カテゴリー : 文章・描写 スレッド: 感情的なシーンってどう書けばいいのでしょうか?

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